アルトリーネさんのいけない修行の日々

すずめのおやど

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爆誕桃姫侍!アルトリーネの鬼退治・序編

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桃から生まれておりませんが、ももたろう騎士にされましたアルトリーゼです。
決め台詞も無理やり覚えさせられました。


…鬼を退治する前に、まず、この突然とんでもないことが起きる原因を退治したい気分なんですが…。

----------------------------------------

「あの」

「だからとりあえずここにお入りを」

「ですから、これは一体何なのでしょうか」

「特務騎士団結成記念式典に必要な行事です。さ」起きたらなんかジーナ様そっくりな方が、無理矢理にあたくしを何かに押し込もうとします。

しばいたろかと思いましたが、相手が悪すぎました。控えめに言ってあたくし百人分、マリア様十人分くらいは強そうです。なのに何故にあたくしが!

「私じゃやりすぎるんですよ。それに今回、二方面作戦に加えて…アルトさん曰くの銀色骸骨…MIDI06を使うんです。私が分体を6体まで出して起動に必要な人数をまかなうんですよ。だから現場の実働指揮にアルトさんが必要なんです!」

で、もも…というのですか。くだものを模したはりぼての中に入って現れるのは抵抗を重ねてなんとか免除してもらいました。

いやなものはいやなのです。

それにジーナ様ご本人ならまだしも、娘さんという方にいきなり言われるのも困ります。ねまわしは大事ですよ。

更に、引き合わされた一見かわいらしい女の子…だいたい、聖院支部に駆け込んだ当時のあたくしくらいの見た目の女の子と、持っている刀を交換しろと言われましては。

「せやからこの鬼切丸を何としてでも!斬られる鬼が持ってええ刀と違うんですわ!それに、うちの今の体格やったら小烏丸の方がまだ使えますねん!」

…確かに、この刀、割とおっきいです。げどうまるさんとかげどうさんと言われてるこのお嬢さんにはすこし大きすぎますけど、ちんぽもからだもでかくなれますやん、あなた。

「うちの上司の怖い怖い怖いおばはん二匹がね、許しもないのに身体を戻したら死ぬより怖い目にあわせようとしますのや。そらもう、鬼の目にも涙いうやつで」

「誰がおばんですて? しばきますよ虫っ」

で、髪の毛真っ黒でたれめですけど、まさみさんをもっとこわくしたようなおばはんがいかってます。

この人でだいたいマリア様互角よりちょい上、アレーゼ様といい勝負をしそうです。

全くかっちゅうの役割を果たしそうにないよろいにふんどし姿です。

赤い色の長い槍を持ってはりますね。

「あ、これね。なぎなた言いましてな。先が刀みたいになってますやろ。これで突く以外にも斬る事もできるんですわ。それより外道。わしは日の本に攻め込む龍原大陸のあほをしばく役目やからな。天竺はあるとはんとお前の受け持ちや。ええな」

で、この方々。

何と八百比丘尼国から鬼退治に来たそうです。

比丘尼国というとプラウファーネさんじゃないですか。

しかし、プラウファーネさん、聖院に来て七百年くらいか…とにかく寿命があるから、引き伸ばすぎしきをする必要があるらしいので一旦お帰りになると。

で、あとがまにプラウファーネさんのお姉さんという事でげどうまるさんという方が来られましたが、全然お姉さんに見えないのですが。

「ああ、わたしら、アルトさんより簡単に姿を変えられますねん。ただ、ほんまの姿になると確かに強うなりますけど、いらん考えも強まりますのでな。勝手にでかなったら後で絶対ばばぁにしばかれるんですわ。あ、ちんちんは、でこう出来まっせ」

で、この方、出家名も授かっておられますが、小さい時の名前の方がみんな呼びやすいみたいで、もっぱらげどうとかげどうまると呼ばれてはりますね。

まあ、訳がわからないので、何故か生き返ってはるジーナ様に記憶共有してもらいます。

ついでになんでか、おかされてますが。まぁジーナ様なんで、いつもの体調調整の時のご褒美と同じでおめこしてもらうのと変わりませんね。

ただ、今回は何が何でもなかだしでないとだめらしいです。しかもえくとぷらずむではなく、ほんまのはらみ汁を出されないと駄目だと言われます。

「鬼さんたち、あたしらが出してる以上に強い力で周りのもんを鬼にしてまうのや。せやから鬼にならんように予防注射をする思うて。あと、比丘尼国でいちばん偉いおかみさまから、私らが持たなあかん力を預かってます。具体的には鬼や痴女を人に戻す術が使えるようになるのと、人に化けるのがうまい鬼でも必ず見抜く力です。これとか他に色々あるけど、とりあえずは比丘尼国の強い部類の巫女さんの力も使えるようになると思うたらええわ」

なるほど。おにさんをしばく必要があるのですね。

しかし、ジーナ様も死んだと思ったらたいへんですねぇ。

クリス様がいなかったり、マリア様が寝たきりな事情も聞きましたが、とりあえずジーナ様になかだししてもらいます。あっおめこいく。

「で、テスト。外道さん見てみて」

はい…はい?何ですか、これがほんまのすがたというものですか。

にめーとるくらいありますやん。アレーゼ様の普段くらいはあるむきむきのお姉さんで、しかも頭からつのが生えてませんか。二本も。

さらににょしょうぐんとかおんな将軍というよりみつ様。この方もほんまはむきむきです。小さいつのがひたいにありますね。

なるほど、これならおにさんを鬼さんと見抜けますね。

「で、この力やけどな。色街の方をぼーっと見てみてみ。緑の光の柱みたいなのが見えてへんか」

はい。なんか動いてはりますね。

「あの緑色は、比丘尼国の関係者や。今は…おかみさまが探してくれてはるな。で、万一赤色の光の柱がいたら、そいつを密かに探し出してうちかエマ子か外道さんに連絡。捕まえて締めてから人に戻すから。せやから早よ来いいうのに」

来たらものすごいめいわくな人らしいんですけど、ええんですか。

「人にしたら痴女宮に送り込んで女官にしてまうから。前に密偵役をスケアクロウで送り込んだ事あったやろ。あの子らがこさえてばら撒いてるスパイによると、どうも娼館で即採用されるために美人ばかりを選んでるらしいんや。つまり色黒で美人で、赤い柱が上に出るのが鬼さん。あと、鬼にしたやつの力で水中を自在に泳ぐ事ができるらしい。つまり、船に乗らずに泳いできて上陸する可能性があるねんて」

あまさんですか。

「鬼の海女さんや。しかもおめこした相手を鬼に変えよるからタチが悪い。何としても捕まえてしまわんとあかんねん。あと、うちの旧黒蛇ほどやないけど暗殺や潜入のわざを仕込まれとるらしいわ。同じ色黒でも、半月刀いうて丸い刀を持ってる奴と、手引き役でこんな変な短剣を使うやつがおる。こいつらの短剣は人の喉を静かに掻き切る他に、投げて使うための形をしとるから、首を守るがんつ服で相手をせなあかんぞ。鬼対策済みの痴女には効かへんけど、毒のかわりに鬼の血を塗って、斬られたやつを鬼に変えて操る技も使いよるからな」

なんかダリアと黒蛇に相手させた方がいい気がしますが。

「うむ。もちろん、旧黒蛇はもとより、サリアンと青紫騎士団組にも門前町に行かせて忍ばせとる。全員鬼さん対策済みや」

なにか、昔ジーナ様の指揮で、わたくしが実家のあたりでやった仕事みたいですね。あの領主がろりやな奴だったのもたいがいでしたが、ジーナ様の頭の中を見せていただいた鬼の所業はもっとすごかったです。

痴女皇国を作った当時のわたくしたちもそれなりでしたが、ここに連れて来るまで殺しはしませんでしたから…。ましてや、人間なんて、たべたらおなか壊しますやん。ちんぽはいただきますけど。

「しかし、猿が人を食うかよ…あの斉天大聖てエテ公一体何やねん、孫悟空の要素のカケラもあらへんやんけ」

「ああ、あの、本日はせいてんなり」

「マイクテストちがう。アルトくんもなんか変な現代知識を白うちに吹き込まれたりしてへんか…」

「つっこまれたことはおます」

「つっこんだことは!」

「それはしょっちゅう」

「まぁそれはよろしい。エマ子、あの斉天大聖いうエテ公についてなんかわかるか。あんな猿を量産されて鬼の手下としてこの島ならこの島に撒かれたらそれこそ厄介やぞ。それに、出来るとなると、猿の他にもある程度の知能がある危険な野生動物おるやろ。熊とか虎とか狼とか。そいつらを片端から鬼に変えて野山に放ちかねん」

「お母様。最悪、マジェスティックキャンセラーアクティブバーストに乗せて、例の細胞清浄化情報を放射する方向を考えております。あと、鬼細胞を人化する対人地雷またはクラスター爆弾を試作させてます。父に」

「対策を考えてあるならよい。あとな、生物を鬼化するのは…肉食動物以外にも鬼の血は効くんかいな。例えばうちの牧場に、ごるし君ておるやろ。あの人を舐めくさった馬に鬼の血を与えたら、人を食うのやろか」

「婢女もおもろい事考えよんの。確かに、あらゆる生き物が鬼になれば人は十歩も歩く事叶わぬであろ。しかし、悦吏子と外道の話を思い出すがよい。田に鬼の精を撒いて稲が人を食うようになったか。ま…あの生意気で悪賢そうな馬なら、せいぜい馬並みというか、馬だから当たり前じゃが、そこいらの牝馬に片端から種付けして回るくらいが関の山じゃろ。奴らとてあほうではあるまい。おのれらが楽に捕まえて使える獣にしよるやろ」

「はぁ…つまり、なんでもかんでも鬼化するんちゃうんですよね。それならまだ一安心ですわ」

「ただ、海のものは危ないかもな。鯨や海豚の類で物騒な種には効く」

「その鬼化した海棲大型哺乳類て、鬼探知に出るんですよね?」

「でる。間違いなく出よるぞ」

「よっしゃ、ほな、エマ子の力作の水中鬼機雷にかかりよりますわ。それ以前に水中監視班として瀬戸組の指導で、うちの選抜隊が聖院湖と近海を見回ってますからな」

あ、せと組というやくざのむすめさんと、ごえいの目つきの鋭い人は紹介してもらいました。

水中活動用のがんつ服を着せてもらっていましたが、鬼のこうげきから体を守るのと、例のベラ子さんのムチの応用で勝手に相手を縛り上げるものをいくつか持って行ってるそうです。

で。

ざっぶん。

聖院湖から痴女宮まんまえの聖院港に移ってきた、てんぷれす二世。

そこですいちゅう装備とやらを受け取って試します。

本当は好色あまさん装備を着せられかけました。

怒りますよ。

しかも、着せようとしたのはマリア様。

(だってアルトって元海女さんじゃん。海女さんならやっぱりあのふんどし姿だろうがよ!)

で、あたくし、すいちゅう眼鏡をしております。

これに、聖院港のまわりの海一体に仕掛けたたんちきの情報が出るそうです。

なんでも、鬼を見つける機械を設置しており、それに反応があると音を発射して場所を絞り込むと同時に、瀬戸組の人魚さんやうちの騎士で海に慣れたり泳ぎを知ってる子で組んだけいびたいに「鬼が出たぞー」ということをもう少し詳しく教えてくれるそうです。

ちなみに、わたくし、水中で浮いたり沈んだり進むためのおっきいらんどせるを背負ってます。

更にこれに魚群探知機とかいうものが内蔵されています。

これ、うちの実家に教えてやりたいです。

水の中の魚、どこにいるか丸わかりじゃないですか。

れんぽうでは、こんなめちゃくちゃ便利なもん使ってたんですね。

え?こっそり渡してる?

あれで探して取ると取りすぎになるから、よほど魚がおらん時で沖合いに出る場合限定と言い含めてる?

なるほど、渡してあげてるなら大丈夫でしょう。

で、目の前1きろくらいを緑色の光がいくつか動いてます。

一つは…瀬戸のやくざの娘さんですね。見えるかな。

うん、足の先にひれがついてます。本当はもっと魚に近い形になれるそうですが、今回はあたくしと同じらんどせるを背負って素早く動けるようにしています。おにを見つけたら捕まえる道具を使うのに、両手がいるそうですので。

(あるとたいちょー。これかなり速いですね。こうそくモードいいますのんか、やたらボコボコ泡出して、その中を飛んでいくやつ。あれ使ったらこっちが丸わかりになるのは困りますけど、うちらが飛ばした時の三倍は速う泳げますよ)

(後で試してみますね。それより凛さん、大体どれくらい遠くからあたくしが来るの見えました?)

(…だいたい、ここのひとの単位でいう5きろ。うちらで一里半よりちょっと短いくらいですね。そらからみてるの合わせたら10里くらい先のやつも余裕でわかりますけど)

(ふむふむ。それで大体何とかなるか。あと、すいちゅう機雷と言うの、どこら辺に置いたか、そのとけいで記録しておいてくださいね。ちずを出してちょんとつつくだけでおっけぇです)

(ほいほい。でもあると隊長のおけつはそそりますのぅ)

(これこれしごとちゅうでございます。五分で終わるならそこのかげでこっそり)

(あっあきまへんあたしが魔羅を入れたいのにあんっ、ほんまに瀬戸組にきまへんか。あると隊長やったら絶対にうちのもんは親父から三下まで四代目に認めますで)

(うーん、いちおうあたくし、マリア様のだんな扱いなんですよぅ。その代わりこっち来られた時はおめこさしてもらいますから。鬼さんのはしてええとマリア様にも言われとります。あ、周りようみといてくださいね)

(は、はぃ。あ、いくいくいく)と言うような感じで、水中でこっそりといたしております。

なんでも、やくざの人に言わせると痴女皇国の将軍様とおめこしてきただけでものすごい自慢になるらしいです。

それできもちよう働いてもらえるなら、一応聖院勤務経験者ですので、ちんぽ突っ込んだり突っ込まれるくらいはやって差し上げます。

しかし、瀬戸のお嬢さん、おさかなさんから進化した鬼さんらしいのですが、普段は泳いでばかりな生活だけあってようしまりますね。あたくしは最近泳いでまへんけど、どないでしょ。

(うぉ。これ来ますきます、ようしまります。そら、痴女とやったら痴女でないと満足できん言うのわかりますわ)

ふふふ。じつは、よみがえってからこっち、クリス様とご無沙汰なジーナ様におけつ貸す機会も増えとります。

これは精気のやり取りの職務でもあるので仕方ないのですが、娘さんのエマ子さんや二代目聖母様のベラ子さん含めて、例のたかぎ家のでんとうらしいけつを堪能さしてもろうております。

そして、皆様、最近はえろ方向の身体にしてるあたくしのけつをこぞって褒めて頂いておりまして、密かに鼻も高く。

「凛さん、キャビテーション推進システム…例のあわおどり泳法どうやった?息苦しくなかったか?」ジーナ様が海から上がってきた凛さんに話を聞いています。

「んー。息止めとく必要はありますわ。ただ、あれは見つけた鬼のところに急行するために使うと聞いてますんで、常用するもんやないのはわかりますから大丈夫でっせ」

「よっしゃよっしゃ。見回りはうちのもんに引き継いでくれてええわ。とりあえず着替えて、アルトと親交を深めるんやったら深めとき。せやけどこの子の嫁、うちの上皇のマリ公やからな。旦那にとか言い出さんといてな。うはは」

「いやーそんな、聖母様にはかないまへんのぅ」

「いやいや。あー、エマ子ー。今あのエロ三蔵帝国の動きどないなん?」

「えーっとね。アグラ。あの紙の牛投資問題じゃなくてタージ・マハールがある街ですよ?あそこを拠点にして上陸部隊、連中曰くのカーリー軍団を教育訓練中」

「え。待て。エマ子、あの白いお寺、できるのもっと後とちゃうの?」

「…いや…あれ、今、建ってるんですよ…で、藩王の後宮兼、他藩王の接待売春用に使ってます…」

「え?え?あれ…お妃様の墓とちゃうの?なんで?」

(これこれおかん。あんたがいくら世界史弱くても、聖院や痴女宮の歴史と連邦世界が完全に同じ歴史じゃねぇって知ってるだろ。あれ、イスラム教が絡んでないだけで、アラビア文化自体はこの痴女皇国世界や聖院世界でも結構幅を利かせてんだよ。例の眼帯の件でスペイン行った時もアルハンブラ宮殿あっただろ?)

「そーなんですよー。ちなみに今やってんのは売春や男を誘う訓練ですね。あと、タージマハールの後ろ、おっきい川あるじゃないですか。ガンジスの支流のジャムナ川。あそこで水中訓練も出来ますからね。河伯が派遣されて女体鬼化したアサシンなアーリア女と、グルカなネパール女軍団を鍛えています。流石に選抜したやつまで食ったらお前を食うとエロ尼が脅してはいますけど、河伯には訓練役の褒美としてこの女どもを犯すのはよいと伝えている模様。様子見ます?」

「…いや、ええわ。なんかあのインドのエロ彫刻とかエロ絵画まんまな絵図とは予想がつく」

「ちなみに鬼女化してますからちんぽ生やせますよ」

「うえ…まあ、気力体力が充実したら見るわ…」

「なお、このエロ宮殿ですけど、他の藩王国を懐柔する…のは建前で、鬼女をばら撒く中央施設化したい模様。うちが攻略されたら、次はアルトさんの故郷の辺りやペルシャ経由で欧州を攻めたいようです」

(あ? 誰がそんなんさせるかよ。んで、あの亜大陸については手を出したくて出したくて出したくてウズウズしてる国があるけど、手の出し方について欧州支部長と串刺しと乳上が指導交渉してる。はっきり言えば、ムガール帝国に栄耀栄華を競わせる気はねぇ。鬼の血液製剤撒き散らす国の文明なんざ、コントロールせざるを得ねぇだろ。わりーけどベラ子、歴史通り、その国にインドを植民地化させるぜ)

(はいはい。正直、この国って水源が取れそうで取りにくいんですよねぇ。しかも中原大陸と同じでむやみやたらに人が多いし)

(やっぱり手を出したくないのかよ。ダイヤモンドが取れるけど…正直、うちら、あれ作れるからな…しかも天然物と同じやつ。クソババァの大好きなホープダイヤモンドくらいの大きさなら、石炭の塊がいくつかありゃあすぐ生産出来るんだよなぁ)

(誰があんなもん好き好んでつけるか。あ、マリ公の部屋にツタンカーメンのマスクの本物置いといたろか。あれ確かこの時代やったらまだあそこに埋まってなかったか)

(やめろてめぇこのクソ親がぁあああ)

(はっはっはっ動けないと辛いのぅ。何なら寝たきり介護用のロボット置いといたろか。例のメガネのおっさんの形に似せたやつ)

(あくまでも人を呪う気満々だな…だいたいあの人形、嬉々として持ち込みやがったの、あたしじゃなくて白マリだからな!置くなら聖院に置いてくれ!)

(そーいえば今回、場合によっちゃMIDI運用でインド行くんよな。まだあの辺にあらへんか探させてみよ)

(やめやめやめ!このおばはんは呪われたいのか呪われたくないのか)

「あ、ちょっと待って、メル子から回覧来たわ。えーと。明日晩23時より明朝5時まで下記区画のトイレ・個別浴槽・洗面設備は使用不可能となります?え?あれ明日やんの?」

どれどれ。あたくしの聖環にも来てますね。

え?あたくしとジーナ様、なんか役職付けられてますよ。

「ちょっと待って。え?皇帝室長?何やこれ。うち一応死んでてご先祖様枠やろが!こらエマ子!変更しとけよ! しかも副室長にアルトて…おい、変える前から混乱必至の人事に誰が承認入れた!ベラ子か!」

(秘書室長と思って下さい。本当ならそこに私かミカ子入れたいんですけどね!私は見ての通りでしょ?で、ミカ子は一応ルクレツィアさん付きじゃないですか。言っときますけどるっきーも現皇帝…つまりベラ子ねーさんの母親なんで皇祖母で皇族扱いですからね?…実際、白ダリアさん帰したんで彼女が専属秘書待遇なんですよミカ子…)

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痴女宮本館地上部増築・改装工事のお知らせ(機密・国外秘) 聖院暦1047年8月28日

施設管理部 部長 ポーランファーネ 副部長 エレンファーネ
女官管理室 室長 オリューレ 副室長 メルトリューレ
皇帝室  室長 ジーナ・高木 副室長 アルトリーゼ 
工事担当 エマニエル皇配騎士・ミカエル帝配騎士

女官各位

各位に於かれましては毎々のご精勤・貢献誠に有り難うございます。
さて、痴女宮設備の更なる快適化や昨今増加する女官への対応を鑑み、本年8月29日23時より本館旧下院区画・上院区画の増築工事を行います。増築後は上院・下院区画の1フロア辺りの室数が2倍に増加します。付きましては下記の変更が行われますので、各自の勤務や担当毎の変更点を確認の上、出退勤や勤務時に混乱のないようお願い申し上げます。
なお、最大で当日23時~翌5時の間、本館1階~24階の空調並びに上下水道が停止します。工事中は各個室内のトイレや浴槽が使用できなくなりますので、各設備の利用希望者は1階下足処に申告の上、女官寮内の代替個室を使用して下さい。
各位に於かれましてはご多忙の節恐縮ではございますが、何卒痴女宮での生活水準向上や、新たに勤務に加わる後進同僚の為にもご理解ご協力を賜りたくお願い申し上げます。



・業務用下足処拡大に伴い出退勤申告窓口の位置が変更となります(図面1)。
・下足処で割り当てられる個室番号にはご注意下さい。
・客用下足処が第一・第二に分かれます。呼び出し番号前に01・02の附番が自動付与されますのでご注意下さい(図面2)。
・22~24階の皇室区画が拡張・変更されます。皇帝室付業務担当者は別途送付文書を確認願います。
・21階上級女官室は貴賓宿泊室に用途変更されます。保安区分やセキュリティ設定変更に注意願います。
・11階上級女官管理室の拡大に伴い11階のフロアレイアウトが変更されます。ご注意下さい(図面4)。
・B1大講堂の移設に伴い、地下1階のフロアレイアウトが変更されます。講堂担当者は別途送付文書を確認願います。
・新設部署の皇帝室事務室は21階に設けられます。該当階は貴賓区画専用昇降機利用階となりますのでご注意下さい。
・11階~20階の旧上級執務階は順次改装の上、千人卒以上女官の居住室兼執務階となります。対象者に付きましては個別に送付される連絡文書並びに上級女官寮生活のしおり改訂版を熟読の上、居室変更日までに女官管理室に出頭して変更手順を確認願います。
・22階~24階居住の皇帝並びに親族・関係者は当日夜間の起居に付きまして必ずエマニエル皇配騎士に連絡の上対応指示を受けて下さい。
・その他、個別の質問や業務変更に関した疑問に付きましては、所属長または女官室に問い合わせ願います。

※当該工事に関連する業務文書未読または連絡不備による業務不行届や障害発生の場合、起因者は女官管理室並びに施設管理部にて審議の上、旧・豚制度適用または懲罰服着用勤務一週間程度の懲罰対象となる可能性があります。各位に於かれましては、くれぐれも業務不行届のないよう行動願います。

以 上

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ジーナ「…なんやねん、この社内文書感丸出しの連絡文は…」
マリア「しかもこういうのはよ、普通は最低でも一週間くらいは前に流すもんだろうが…いくらあたしらが記憶共有かけられたり心話で迅速に意思疎通できるっつってもよ、これに関連する物理的な準備が必要な奴、千人じゃきかないだろ…」
ジーナ「エマ子自身が懲罰対象やな」
エマ子「むーん。いや、私は母様の瓜二つなんで懲罰服は意味を為さないと思うのですが」
マリア「なら旧・豚制度を体験してもらお…ダメだ、エマ子なら逆襲可能だ…」
ジーナ「しかし気になる事がある。別添の皇帝室関係の連絡文書に添付された見取り図にな、うちやマリアやアルトの居室が記載されとらんのだが」
マリア「どれどれ。あ、本当だ。こらエマ子、あたしまだ動けないんだけど、あたしの体は一体全体どこで転がされるんだよ」
エマ子「某革命指導者様ですとか将軍様のように廟を設置しまして」
マリア「おいこら待て。…いや、実際、本当は聖炎宮を改装してガチにそれやる予定だったんだけどな」
エマ子「あとですね。アレーゼ様のお部屋は引き続きその場所を維持します。それと、部屋から騒音が出る可能性を強く考慮して部屋割りを決めますので、皆さん文句を言わないでくださいね」
ジーナ「なんか悪い予感がするぞ。エマ子。まさか、アルトとあたし、一緒の部屋か?」
エマ子「にやにや」
マリア「あとあたしの身体の置き場所、絶対かーさん達と一緒にするなよ!するなよ!(涙)」
エマ子「にやにやにやにや」
りええ「あと、屋上ペントハウスは拡大される可能性があるそうです。ヒントはるっきーのお気に入り」
エマ子「もう一個ヒント。聖炎宮はクレーゼ様以来の伝統を鑑みてですね「騒音を出す人をその時だけ隔離する施設」に改装する可能性がありますね。ふふふ」
ベラ子「え?部屋の中で致してはいけないのですか?」
エマ子「ちなみに聖院湖を満水にするとか、日中の直射日光で熱せられた本宮他の建物を冷却する必要もありましてね。このあたり一帯、初代様から延々と続いてる日常行事ですが、熱帯地方にありがちな夕方のスコールが、ほぼ毎日1時間くらいざんざか降ります。滝のような豪雨とまではいきませんが、ちょっとしたゲリラ豪雨みたいなのが来ますよ。一見話の本題に関係なさげな話題ですけどね。ふふふ」
ベラ子「なんか色々悪い予感がする話ですわね」
るっきー「更にあたくし、目下、屋上のぺんとはうすを宛てがわれてるんですよねぇ…」
ジーナ「改装に関するご不満は皇帝室長に。つかあたし自身が不満なんやけど!」
エマ子「まーまー。とりあえず使ってみて下さいよ。あとこれ、万一の鬼さん潜入対策などのセキュリティ強化も含んでますから。具体的な例を一つ挙げますと、屋上に対空監視と迎撃設備が置かれます」
ジーナ「なんか秘密基地化しそうで嫌やな。頼むからMIDIが地下から発進するとかテンプレスが出港するとかやめてな」
エマ子「ああっ忘れてた!その手があったか!」
他全員「頼むからこれ以上やめて。お願い!(豪泣)」
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