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番外編・ダリアが薔薇を手にする日
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室見理恵です。
町田は東京都です。某神奈川在住エルフにも言い聞かせて下さい。
失礼しました。
まさかいきなり事実婚とは。
この話の犯罪者第二号にはならないと思いますが、驚きです。
ま、ちょっと興味深い話も同級生から色々聞けたので、どうぞ。
--------------------------------------------
「ううなんがぎんぢょうずる」
「今日の式場、あの結婚式の場所そのものなんですよねぇ」
「ああ、白マリと白アルトのあれの痴女皇国版だよ。ま、連邦社会からはごく一部の関係者しか呼んでないしな」
「そのほーがいいです。聖院仕様ならまだしも、痴女宮仕様はたのにも若様にもたぶぶにも見せたくありません…」
「ま、あの子達はまだ未成年の範囲だしなぁ…と言いたいが」
「ぎく」
「若様の筋からよ、どうしても見たいって話がな…で、お一人だけ内密で従者扱いでいいからとな。だから正体バレしないよう従者として扱って欲しいと。ちなみにSPを拒否した代わりに若様とたぶぶ、たのが付いている」
「あぎゃー…奴等の前っすかー」
「まぁ本人も未成年だし、若様の「本来の」ご学友らしいから」
「みぎゅぎゅ」
「それはそうと陛下…お義母様、私の衣装はこれで大丈夫ですかね」
「ちょっと一周回ってみな。んーOK。あとはリハの時の通りだ。ま、新生というか神聖痴女皇国の門出の儀式でもあるからな。なるべく気楽にやりたいが、どうしても呼んでるメンツがな…」
「まりあさまー。そろそろおじかんですー」
「ま、理恵さんもダリアも、聖院のあれほど厳粛な感じでもないから気楽にしていてくれ。うちはフレンドリーにいく。これは勅令だ!」わははと笑う黒マリ様。
で、私らが何をしようとしているか。
まず、痴女皇国は神聖痴女皇国と改名。
聖母信仰の本山としてバチカンの聖母公国を承認し、この神聖痴女宮を聖地とする事に合意しました。
(どうせ頭の神聖とか絶対みんなすぐに忘れると思うんだよ、思うんだけどな…付けたいんだよ)
(まりあさまがないています)
(ほっとこう。どうせまりりのことだからすぐ復活する)
(りええ…式が終わったら覚えとけよ…)
そして教皇カエサル一世陛下と神聖イタリア連合公国摂政国母イザベラ一世陛下を痴女宮に招き、相互承認式を挙行。これ昨日。
で、本日の行事。
まず、痴女皇国の豚制度廃止と女官騎士制度復活をマリアリーゼ陛下が発表し、新制度と制服のお披露目。
次に…神聖痴女皇国の聖母信仰推進を狙い、聖母公国の布教事業を共同推進するのを主目的とした組織改変。
・旧豚並びに黒豚は女官(巫女)扱いに改める。
・聖母信仰の巫女を管理監督する桃薔薇騎士団設立。
・旧各色騎士団は有事配置とする。普段は桃薔薇の巫女として活動。
・桃薔薇騎士団は団長、巫女長、外遊長の三役職。
・騎士団長はダリアリーゼが就任。
・黒蛇改め黒薔薇騎士団は副長昇格と新人採用。
・外遊長は白薔薇騎士団副長兼務。団長マリー。
・赤蛇改め赤薔薇騎士団長にクライファーネ就任。
・前団長は赤薔薇扱いで聖院東欧支部長に配転。
・青侍女騎士団は桃薔薇兼務。
・紫騎士団も非任務時は青紫・赤紫双方桃薔薇兼務。
で、この桃薔薇兼務がミソだそうです。女官復活という事は、世界最高レベルの聖娼組織が事実上再始動したという事なので…つまり「客寄せ」なわけです!
ええ、お布施の額によっては何と雅美さんとか、乳上とかルクレツィアさん…つまり淫乱婦人まで呼べる!
記念すべきお客第一号はカエサル一世陛下で、ルクレティアーネ外遊部長が桃薔薇スタイルでVIP区画にご案内。第二号は国母様でダリアリーゼ薔薇騎士団長がご案内。
そして婦人向けサービスとして、今までも非白人系混血系で固めていた黒薔薇に、聖院世界の暗黒大陸分院から研修出向してきたというアーペディオーネさんという騎士が入られました。
ただし、この方は出向者受け入れ体制構築を兼ねており、白黒双方の黒人系枠の需要調査も兼ねているそうです。
…ええ、黒ちんぽ需要がどれくらいのもんかと。
(人種指名が可能なようにしてな。指名料は取るが。あと、裏内規でなんとなく指名は出来るようにはした。旧・上級女官で千吸卒以上の指名に限るが)とは、悪い顔の黒マリ様発言。
で、これは午前中。
午後からは本日のメイン。
伽が終わって着替えてきた教皇・国母が、これまた身体洗って着替えた伽役を痴女皇帝に返還。その際に教皇は外遊部長に聖書を。国母様は騎士団長に聖剣を献上します。
で、聖女姿の痴女皇帝は聖杖を授けます。
わしに。りええに。
「神聖痴女皇国桃薔薇巫女長リェティリリアーネ。巫女長の証を授けます。この聖杖を受け取り、桃薔薇騎士と巫女代表に祝福を授けなさい」
(はい、跪いてあたしから杖受け取る。受け取ったら立ち上がり一礼してから左回りして客席に両手で捧げ持った聖杖見せて貰いましたポーズ。んでそこで跪いてるダリアと淫乱の頭上で2回ずつ左右に聖杖振って祝福。終わったら杖持ち替えて右手でまずダリア、次に淫乱が立ち上がるのを助けてりええ中心で左右に並ぶ。そして全員でまずあたしに一礼。そして反対向いて教皇と国母に一礼。最後、客席向いて一礼)
で、この出家名。
トロイア・イタリアーナ以上のすけべい認定語として国母様が発議。教皇様とうちの外遊長と痴女皇帝承認の公式スラングから取られてます。
トロイアを上回る淫乱=Rie Italianaだそうで。
…だから呼びたくなかったのよ!そしてこんなもん絶対後世に残されたくないのよ!
しかし無情にも儀式は進みます。
ええ、まだあるんです。
しかも、私が晒しもんになるのが。
淫乱が国母様と教皇様を案内してまずは壇上の自席に戻ってもらいます。で、淫乱も着席。
壇上中央にはマリア様と私とダリア様。いえ、ダリア。
「さて、本日はお日柄もよく。一連の神聖痴女皇国改編の諸事お披露目の最後を飾るに相応しい話をさせていただくのにはちょうど良いだろう。まず、桃薔薇の巫女だが。巫女を守る騎士には通常の姫と騎士以上の強い繋がりがあった方が良いという話があった」
マリア様の声、普通に話してるのにマイクもなしに広い聖堂中によく聞こえますね。ここ、千人は入ってますよ…。
「そして、ここの騎士ダリアは何を隠そう、肌の色が違う親から産まれた。それも夫婦が互いを愛し合う良き婚姻とは程遠い懐妊で、だ。更に、奴隷商人に売り飛ばされた身だ。実の母親にだ」ここで会場全てから同情や憤怒の気が巻き起こりますが、マリア様は手で制されます。
「だがダリアは挫けなかった。聖院の門を叩いたダリアはダリアリーネとして頭角を表して今やダリアリーゼと名乗り、聖痴女皇国第三の地位だ。ちなみに聖院側にも白ダリアはいるが、これまたナンバースリーだ」誇らしげにダリアを紹介されます。
「さて、頑張りもののダリアリーゼに、本日は義理の母より褒美をあげようと思うんだが、その前に、だ」そこで私を見るマリア様。
「巫女長。ダリアは晴れの舞台で緊張してるようなんだが。これは聖院時代から続く伝統だ。わ・か・る・な」はい。リハでもやりました。拒否は許されません。
意を決して跪いてダリアの黒ちんぽを取り出し即尺。これはまぁ、茶番みたいなものなのでダリアはすぐに急角度を取り戻します。もっとも本人もこんな大舞台の主役なので、流石にガチガチですが。
「そして褒美の話だ。我が娘には本当は夫であり妻を与えたい。だがダリアははっきり言ってモテる。夫婦仲をあてがえば、痴女宮じゅうから恨み言が寄せられるだろう。しかも聖痴女皇国聖父の体調調整役、平たく言うと聖母公認の愛人だ」と、最前列の黒ジーナさんと黒クリスさんを見ながら。二人は苦笑することしきりですね。
「それにこれは内緒の話だが…東欧支部長として嫁に出したようなもんとは言え、うちには既にアルテローゼ、つまり乳上と弟君もいる。これ以上家族増やしてどないすんねんという母親としての懸念もあるんだ」ここで会場大爆笑。ぶっちゃけまくってますな。
「まぁ、幸いにして聖痴女皇国はその辺はおおらかだ。特に、海のごとく広い心をお持ちの国母様にも納得頂けるだろう」ここで薔薇女官を装ったプラウファーネさんがハリセンを国母様に。
で、隣の淫乱の頭を軽くぱこーん。これは聖母様が淫乱に「ここでしばかれておけ。手打ちの一環じゃ」と予め強く強く強く言い含めていましたので、大人しくぶっ叩かれて涙目です。割と力を入れた模様。
そして爆笑の中、ハリセンを受け取ったプラウファーネさんが下がります。
この人、参列しながらこの内容を「式に参加できなくて仕事中の人々」にも送っているのだとか。かなりの能力をお持ちなのですね。ですが。
(どこが海より広いのですか!)
(一発で済ませました。むしろ寛大な措置に感謝なさい!)という心話漫才まで届けなくても。
「で。ダリア。愛妾というのはどうかね。リェティリアネーゼはりええで人気を博しているようなので、本来はいかにダリアといえどスッと差し出すのは難しい。君達の婚姻を認めたくないのはその辺もあるんだ。それに…君達の結婚について一言言いたいような方がいてな!」と、マリア様は舞台袖に目をやります。
はい。金衣姿の世紀末覇者と世紀末救世主が。
加えて、桜田先生なんでいてはるんですか。
と、そこに聖堂中央から引かれてきたものが中央の通路に。二人乗りの鞍ついてます。ヒヒンと鳴いてます。
白馬というより銀色っぽいですね。なんか舌出してます。こいつら乗せるんかよという態度です。
その昔、晴れの舞台でアホやらかして百億だかを紙切れにしたお馬さんの血統らしいですが、大丈夫なんでしょうか。
若様が御者から紐を受け取ります。
乗馬台も用意されました。かなり大柄なのでこれは仕方ないですね。
「どうも、君達が一緒になるとここの風紀が乱れることを懸念しておられるようでな。で、某牧場の速いんだが扱いがややこしいやさぐれ馬…ゴールドシー◯ーという名前らしいが、こいつが提供された。逃げる足に使ってくれ。で、前に巫女長。後ろに騎士団長」
私たちが指示に従って乗馬すると…。
なんかもう二頭、馬来ましたがな。
黒いです。更にでかいです。
「これも某馬主から貸し出された。サ◯ノマツカゼとサト◯コクオウいう馬だそうだ。誰が乗るかわかるな?」覇者と救世主以外に誰が乗りますのん。
更に、大阪府警とか書かれた青いスクーターまで。ナンバープレートのとこに三角マークついてるし。
(とりあえず聖堂内はマリア様が言い聞かせて大人しくさせています。後で人参でも牧草でも好きなもの食べさせてやるから、この二人を港まで送れと)若様が心話で言うて来られます。ちなみに制服のブレザー姿で白ネクタイ。白手袋でゴールド…ゴルシ君ですかね、の手綱を取っています。
(あと、ダリアさんは理恵さんと馬上で連結して欲しいそうです。僕は前を見て見ないふりをしておきますので)
何すかその俺の空はこの空だ的ハーレーならぬ馬の上でやる展開。
夫婦和合をアピールするのが目的らしいのですが、この馬の性格を考えるだに大丈夫なんかいなと。あんっ。
(まぁこの場で最後までやるんじゃなく、半分ポーズでいいそうです。みなさんに私らこんなに仲がいいよと見てもらう意味がある模様)
(なるほど…)
(ちなみにこの無茶な夫婦の誓い、NBでも出来ないか有識者委員会とNB国教会が検討に入ったらしい。何をやっておるのだあのジジイは…)
(かーさん。NBが、あの全裸になったりバグパイプ吹いてる格好でスカートまくる国の系列だと忘れてないよな…あいつらはやりかねんぞ)
(あ…あれはやる。いずれ悪ノリでやる。最悪、聖院に結婚式場作ってでもやりそうや)
(待てよかーさん。うちで聖院式の結婚式場っての作ったら商売のタネになるじゃん。教皇庁から神父か尼僧派遣して教会やらせてよ。んで向こうへの上がりも確保して…こっち来るの面倒ならスイスかマジョーレ湖畔に教会作らせて薔薇女官行かせて…よし、毒盛り兄貴に商売のタネとして吹き込むべ。うははははは)
(何も教皇庁かまさんでもウチらだけでできんか)
(何をゆーとるのかねかーさん。彼らにも寄進のタネを与えるからこそ神父もシスターもパンとスープとワインにありつけるのだよ。ふふふ、聖母教会のシスターはうちらの下位互換。そして本部へのゲートを作れば痴女宮女官への口入れ客送りの窓口にならんかね?ぐへへへへ)
(なるほど、教会収入を確保してやる訳か。マリ公お主も悪よのう。ぐへへ)
(誰かの娘ですからこのくらいの悪知恵は。うはははははは)
(ああっジーナさんとマリアちゃんが悪代官と越後屋の顔に!)
(じゃ、主旨通り走らせてみましょうか。はっはっはっ)
(…走りませんね)
(なんかめんどくさいと言いたげな反応が!)
(…重いよーやだよーと言いたげですね)
(その気になったら速い馬なんですけどね、その気にさせるのが…)
(何でこんな馬を)
(うちの牧場で一番体格が良かったんですよ。流石にばん馬借りてくる訳にはいかなかったもので)
「あらあら。馬同士仲が良いようですね」
「確か同じレースにも出ていて顔見知りの筈なんですよ。特定の馬とは仲が悪いというか絡みたがりますけどね」どうも伝説の迷馬の血統らしいですね。
ほれほれとりあえずくつわを並べて歩くくらいはしろと言う若様の指示には従う辺り、最低限の事はする気はあるようです。ずる賢いというか人間くさいというか…。
「その里◯さんちの馬もそうですよ。かなり気難しい馬で有名ですけど、普通にお二人とも乗られてる辺りすごいというか何というか」
「うむ。正直気に入ったが、高価なんだろうな…」
「あそこの馬は血統はいいんですがねぇ、成績が」
と、みんなで港のお船を目指します。万一の馬糞処理用にと持ち込まれた軽トラの更に後ろから見送りの人達も…。
「しかし、室見さんはこれから大変ですね」
「いえ桜田さん、僕は気になりませんよ。多分ここにいた方がある意味安全は安全ですから。我々の常識が通じないだけで」楽しそうに若様が仰います。
「あのフード被った方、非公式にはまた来たいと。特に日本とイタリアは視察したい意向を寄せておられますので、政情安定の節はよしなに」
「痴女宮の見学の内容報告書とかちゃんとお持ちですよね」
「お任せを。ま、僕らの流した内容とだいたい同じだと言っておられましたが、やはりご自分の目で確かめられたのは大きかったとのご感想を」
「智秋様…あと、VIPの件を」
「あー…えー。今回は女性でしたが、そこのお家の口利きに限り「どこそこからご依頼があるようですよ」という話が持ち込まれるかも知れません。マリア陛下も内々で対応すると…実は件の方も雅美さんが」
小声で、小声で若様が仰られます。人選に多少の不安はありますが、基本的に元日本人だし大丈夫でしょう。多分きっと。
「あ…恐らく今後は日本人の超VIPの場合、理恵さんにも話が来るかも知れませんよ。まぁ普通のあれなら良いのですが、聖院の方の特殊能力をお借りしたい依頼などが本当の来訪目的の場合もありますから。その時はマリア陛下がちゃんと対応しますよ」
ちなみにVIPの価格はいちじかんひゃくまん、いちにちかりきりでいっせんまん、「しゅっちょう」はあごあしまくら別でいちおくらしいです。
「どこかの島から不法滞在者を追い出したいとか、二度とFEZで漁をする気が起きないように出来るなら安いものかと」だそうですよ。
「日本円外貨があると痴女宮または聖院関係者が来日しても滞在しやすくなりますからね。相互にメリットがありますし、いずれは還元されるお金ですから」と若様は仰います。
どうも、聖院または痴女宮幹部の非公式来日を「見て見ぬ方向。ただし来てるのは知ってて万一何かあれば不利にはしない」方向で認めるらしいとか。
「まぁ、一般の私のような人間には法外な金額ですけど、国家間のお付き合いでしたら自動販売機のカップコーヒーを奢る程度の金額ですよ…流石にある程度以上の場合「お心付け」を上乗せするようですが」と桜田さん。
「これがマリア陛下が言っていた、黙って誠意あるお付き合いをしていた場合の進捗の一つですよ。あと、NBではすでに自白剤代わりに関係者による読心が法廷で証拠能力を認められているようですが、日本政府としても法務省が同様の法的効力を認める方向と。ま、細々した事ですが地味な交流は続けたい意向のようですね。先日のそちらの外遊長の訪日も、連邦世界の見聞をサポートする方向で我々も支援させて頂きましたし」
そーです。るっきー、日本に行ったそうです。とりあえず沖縄と大阪に行ってみて、その後世界各地を回って来た後で外遊長に就任。
特に母国イタリアについては宗教がらみのあれこれが存在した場合となかった場合の差を知る事が出来るという事で、今後も折に触れて訪れやすくする為に、連邦政府の高官からの口利きがあったそうです。
さて、痴女宮正面の聖院港。港の手前の大きな門の向こうには門前町が広がり、市場や色街を訪れる人々や、参詣客向けの宿を目指す人が多数。
現在、この門前町への行き方は二通りあるとか。
一つは各地の聖母教会から「飛ばしてもらう」方法。
喜捨を納めればやって頂けますが、事前に神父さんによる面接が必要な模様。
で、もう一つが交易船に乗ること。それ用の海図と手動式天文計算機や方位盤を携えた案内人の手引きがあれば、例えばマルセイユを出て一日二日でこのインドネシアの港に着くそうです。
そう、水先案内人は痴女宮または聖院の養成施設で教育を受けています。
そして、危険な長期航海をせずとも聖院港を経由すれば安全に早く目的地に着けることを各国に伝えており、貿易や物流の拠点として利用して欲しいと。
ただし聖院港は二つに分かれており、通常の船は南洋王国という国の港に入ってもらうそうです。聖院側の波止場に入れるのは聖母教会の免状が必要で、VIPを乗せた船か聖院または痴女宮向けの荷物を扱う船のみ入港可能とされています。
そして痴女宮の正面にある桟橋はアークロイヤル級専用になっており、あの大きなのが二隻入れる構造です。
とりあえず私たちから見て左側に、今入っている0100と読める番号を振られた船が艦尾から大きな坂道を出して待っています。
若様やたのの達はこのテンプレスで日本まで送って行ってもらえる模様。
実は痴女皇国になってからは聖院絡みの外交は公的にはNBと中断しており、久々のNB艦船の来訪になったそうです。
そして隣の桟橋には同じ型のテンプレス2世。私とダリアはこちらに乗ります。こちらはローマに帰る方々をお送りした後、レマン湖に向かいます。
「じゃあゴルシちゃんありがとうねー」千葉県の牧場に帰るお馬さん達が車路を上がって行きます。
前は日本でも転移できる場所が限られていたそうですが、今はかなり融通が効くようになり、成田空港に発着する邪魔にならないなら牧場の上空に現れても良くなったとか。
「とりあえず今後は聖院メインでお付き合いする事になるらしいので、痴女宮とはあまり頻繁な縁がなくなりますねぇ…」寂しそうに若様がおっしゃいます。
「まー、聖院に輪をかけて未成年には有害極まりない場所なんで。ほほほ。ただ、向こうは向こうで薔薇騎士団制度を導入して女官の痴女体質化を図るそうなので、私やダリアがあちらに行って指導する事になる機会も増えるそうなんですよ。ですから全く無縁なわけじゃありません。ご安心を」
「なんかりええがえらく遠い場所に行ってしまったなぁ…」たの、まさかお前がという目で見るな。
「まー、正直今の世の中じゃさー、あそこ大学出てもどうなるよって状態じゃん。言いたかないけど。だから自分の人生変えるチャンスって思っただけよ」
「にしても、よく踏ん切りついたよねー」
「実は後押しがあった。というか記憶見れた。一人は雅美さん。あの人が人間のままだったらどうだったろうという話をしてね。で、確かにあの時辛い事色々経験しておかなかったら今の私はない、だから私については経験は必要だった。だけど、理恵さんは私の苦労を自分の苦労として認識する能力がある。だから無理に同じ道を通る必要があるのかと言われてねぇ。たのならわかるでしょ。例の知識と記憶共有機能」
「あー、なるほど」
「それとジーナさん。沖縄の店の子で逆玉事例。一人は内地のかなりでかい病院の息子と玉の輿。もう一人は熊本の旅館の息子。あの業界、たまにそういう話があるらしい」
「確かにダリアさんは皇帝一家の一員だな…NBのトップのお孫さんの血縁でもある…」田淵くん、それは三ヶ月前に把握すべき事やで。と、若様が私を見ます。
ふむ、心話繋いで欲しそうですね。
(実は今回の方が「お客」になられた理由、テストケースですよ…そちらは意識共有があるから隠せないと思うので言っておきますが、婚姻や血縁も検討されています。NBが血縁の有効性を証明してしまいましたからね…ちなマリアさんも「歓迎するけどなるべく本家筋で頼む」とか無茶言って遊んでますよ。ははは)
(しゅげーなー。あそこの血族と婚姻はでかいよねー)
(臣籍降嫁を適用するかどうかで話が紛糾はしていますけどね。国家としての格は同格以上と「あちら」は判断していますよ。ただまぁ、あのご一族にはそれなりのプライドもありますから)
(そーそー。まりりが別件で啖呵切ってたけど、うちに科学文明のバックボーンがないから下に見るなと。その気になれば追い越すのに100年かからんからなと、記者会見の時にどこかに言ってたなぁ)
(それも凄い話ですよね…)
(いや、実際今、聖院も痴女宮も最上部三階層は100Vのコンセント来てるよ。無線も使えるし。あとこれは聖院の方が進んでるけど、あっちの女官は千吸卒以上だとパソコン支給されるのには驚いたわよ。こちらでもいずれはやるけど…多分、部品調達の話は来てるはず。最終組み立ては聖環と同じでNBがやるけどね)
「でも、まりあさんが理解のある人で助かりましたよ。最初は喧嘩腰でしたけど」
「だーれーがー」
「ありゃまりり。いつの間に」
「というか実は黒マリ様だぜはっはっはっ」
「見分けつかねーよ!」
「着替えらたら私らわからんがな」
「ちくしょう。国母様にも言われたがよ、恐らく有史からこっち、一番見た目と実際が違う皇帝陛下よねと…」
「おばちゃん化を拒みたい願望だだ漏れの皇帝陛下であった。まる」
「しかたねーじゃん。ちなみにあたしもまりあと違うけど学校通ってた時期あったんだよねぇ」
「その時はどうだったのよ」
「今ほど大事にはならんかった。つかあまりにヤバいからなるべくノータッチ方向。今のまりあとは大違いだったなー」
「その意味じゃ進展はあったよねー」
「あったあった。少なくとも、こうやってこの二人を新婚旅行に送り出せるんだからよ」
「あー、その見送りに…」
「んだ。だからアルトも連れてきた」げ。
「ふはははは。アメリカンハイスクールモードや。参ったか」
「その腰の刀なかったら違和感ねぇな」
「んだんだ。つかアルトさん、ある意味サリーやしほ子以上に外観と精神年齢が一致してないというか」
「わはは。違いねぇ…おっと、日本組はそろそろ乗船してくれってよ。こっちもテンプレス2世の出港準備するわ」
「あいー。またこっち来たときはよろしくー」たのが代表してご挨拶。
さて、皆様を見送ると我々も。
「とりあえずローマまではあたしが動かす。んでローマから先レマン湖までは基本オートパイロットだ。着水したら心話くれ」ブリッジの提督席につきながらマリア様。
「しかし、これをお一人でとは」カエサル1世猊下…チェーザレの読み替えで名付けたそうです。本当は皇帝やりてぇよという本人の願望だだ漏れですね。
「簡単…と言いたいんだけどね。ま、色々と仕掛けをしているから。お、隣は出るな」長声三音といって、出港の際に鳴らすと「さようなら」を意味する汽笛だそうです。
進路上にレーザーらしい光の線を出していますね。「一気に浮上するつもりだな」見ていると、岸壁から少し右に横移動した後、岸壁から遠ざかったとと見るや、あんな大きな船にしてはあり得ない速度で加速していきます。はんしんでんしゃのじぇっとかーくらいの加速と言えと天の声。
「よし、こっちも出すか」ぼぉー、ぼぉー、ぼぉーと低い唸りで汽笛を鳴らすと、こちらは左に少し動きます。岸壁への影響があるので完全に離れてから加速をかけるとの事。それと驚くのは、こんな加速なのに体が揺れたり動かない事です。あ、あと、浮いた感じがほとんどしません。気付いたら空中にいるという感じ。
先行するテンプレスの方で光が点滅しています。これも航海の無事を祈るという意味だそうで。
そしてテンプレスは一瞬光ったと思うと、跡形もなく消えて行きます。そしてこちらも。
「では、しばし皇帝陛下をお借りする」国母様が宣言されます。で。
なんでまた淫乱が残ってんですか。
これからこの船は少しの間、私達の愛の巣なのですよ。
邪魔なんですが。
「いやよ、これからローマで聖母教の関係の仕事するんだけどよ。正直、外遊部長はスペインに行って欲しい訳よスペイン。厄介払いじゃなしにマジで。それとな…ある女性を以下略して欲しい訳なんだわ」
で、この辺の話は黒マリア様かアルトリーネさんかR15マリアかいずれかで書くそうです。
とりあえず、私たちは初夜です。
「うむ。そう思ってアルトを付けた。君達は遠慮なく励むがよい」
おごそかに宣言される修道服のマリア様。白とピンクローズの飾り帯です。そして、同じ服装ですがおもっきし一本鞭を変形させた紐で縛られているお方。口にも竹筒の口枷をかまされています。なんか淫乱の呼吸を体得した妹のような姿ですね。
「じゃ、ちょっと行って来るわ。アルトは着いたら即、るっきー連れてスイス支部に顔出してくれ。スペイン関係の情報はマイレーネさんから聞ける。あと…この二人は明日朝に支部に顔を出すからと伝えて欲しい。わかるなアルト」ぐっ、とアルトさんの手を握るマリア様。委細承知任せておいて下さいと頷くアルトさんが頼もしいです。
そしてマリア様は国母様と教皇様を伴って消えていきます。
「Sticks Drive Shift Level3. Taraget 46.41553348378006, 6.927332685662091」そして一瞬の光の後に、夜の湖上に。前方には例のお城も。
「…で、これ以上近づくとテンプレスの底を擦りますので、わたくしたちはここから飛びます。あとは」
にやーとされるアルトさん。ええ。ご配慮痛み入ります。そして簀巻きにした淫乱と、キャリーケースを持つと光に包まれて消えて行かれました。
「はぁ、やっと」
「誰もいなくなった」
ええ。もうやることは一つです。ですが。
テンプレスの船首は、飛行甲板の少し下にほっそい通路があります。船首は普通の船のようにとんがってますけど、その通路は飛行甲板と同じ形になってます。で、速度を上げて飛ぶ時には飛行甲板の下部に仕舞われます。今は降りてますが。
つまり、船首部はタイタニックのようにとんがってません。
これが残念です。
ま、大体ここが先頭よねという場所に来て、お尻を突き出します。そう、ロールスロイスのフライングレディのポーズです。
うんダリア、わかってるよね。
ずぼ。
ふふふ。
この船は今晩、私たちの貸切です。
ですが、今後の事を考えると汚せません。
なもんで、タイタニックごっこ。
不吉かも知れませんがやりたかったんです。
夜のおま、いえレマン湖に響きわたる嬌声。
ええ。キャットウォークって言うんですよね。海水で汚れた場合の洗浄システムがあるのは知ってました。
痴女宮のダムの岸壁に停泊している際に、別の目的で使ってるの見ましたし。
多分、あれ見たら設計した人は泣くと思います。あんな使い方する為に放水銃付けたんじゃねぇ、と。
すみません。
私たちも共犯になります。許して下さい。
あと、もしかしたら聖院支部の方にも声が響いたかも知れません。
まぁ、諸々許して下さい。
今回だけです。
多分。
きっと。
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るっきー「あたくしの尊厳は!尊厳は!」
アルト「絶対乱入してたと思いますから」
りええ「うん、このおばはんはやる。絶対やる」
ダリア「どうせこの後のスペイン編、恐らくあたしも作戦参加すると思うんですよ。初夜の晩に乱入とか考えなきゃ3Pとか4Pのチャンス、いくらでもあると思いますが…」
るっきー「今晩が良かったのよぅ」
りええ「神と聖母に赦しを請いなさい」バラ鞭Ready
ダリア「神と聖女に赦しを請いなさい」一本鞭Ready
黒マリ「ああ、許さない顔だな」
ジーナ「あれは出陣する藤○まことの顔や」
アルト「教訓。焦ると生焼けをピザ窯から引っ張り出す事になるから注意が必要ですね」
るっきー「それはそうとスペインって何がありますの。あんあんあんっ」
黒マリ「あの兄妹の兄貴が連邦世界の歴史の最後はどこで死んだか思い出してみよう」
りええ「ちなみにこの世界のスペインもほぼレ・コンキスタが完了しています」
ダリア「なんか、またおばちゃんを誘拐するような悪い予感がします」
町田は東京都です。某神奈川在住エルフにも言い聞かせて下さい。
失礼しました。
まさかいきなり事実婚とは。
この話の犯罪者第二号にはならないと思いますが、驚きです。
ま、ちょっと興味深い話も同級生から色々聞けたので、どうぞ。
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「ううなんがぎんぢょうずる」
「今日の式場、あの結婚式の場所そのものなんですよねぇ」
「ああ、白マリと白アルトのあれの痴女皇国版だよ。ま、連邦社会からはごく一部の関係者しか呼んでないしな」
「そのほーがいいです。聖院仕様ならまだしも、痴女宮仕様はたのにも若様にもたぶぶにも見せたくありません…」
「ま、あの子達はまだ未成年の範囲だしなぁ…と言いたいが」
「ぎく」
「若様の筋からよ、どうしても見たいって話がな…で、お一人だけ内密で従者扱いでいいからとな。だから正体バレしないよう従者として扱って欲しいと。ちなみにSPを拒否した代わりに若様とたぶぶ、たのが付いている」
「あぎゃー…奴等の前っすかー」
「まぁ本人も未成年だし、若様の「本来の」ご学友らしいから」
「みぎゅぎゅ」
「それはそうと陛下…お義母様、私の衣装はこれで大丈夫ですかね」
「ちょっと一周回ってみな。んーOK。あとはリハの時の通りだ。ま、新生というか神聖痴女皇国の門出の儀式でもあるからな。なるべく気楽にやりたいが、どうしても呼んでるメンツがな…」
「まりあさまー。そろそろおじかんですー」
「ま、理恵さんもダリアも、聖院のあれほど厳粛な感じでもないから気楽にしていてくれ。うちはフレンドリーにいく。これは勅令だ!」わははと笑う黒マリ様。
で、私らが何をしようとしているか。
まず、痴女皇国は神聖痴女皇国と改名。
聖母信仰の本山としてバチカンの聖母公国を承認し、この神聖痴女宮を聖地とする事に合意しました。
(どうせ頭の神聖とか絶対みんなすぐに忘れると思うんだよ、思うんだけどな…付けたいんだよ)
(まりあさまがないています)
(ほっとこう。どうせまりりのことだからすぐ復活する)
(りええ…式が終わったら覚えとけよ…)
そして教皇カエサル一世陛下と神聖イタリア連合公国摂政国母イザベラ一世陛下を痴女宮に招き、相互承認式を挙行。これ昨日。
で、本日の行事。
まず、痴女皇国の豚制度廃止と女官騎士制度復活をマリアリーゼ陛下が発表し、新制度と制服のお披露目。
次に…神聖痴女皇国の聖母信仰推進を狙い、聖母公国の布教事業を共同推進するのを主目的とした組織改変。
・旧豚並びに黒豚は女官(巫女)扱いに改める。
・聖母信仰の巫女を管理監督する桃薔薇騎士団設立。
・旧各色騎士団は有事配置とする。普段は桃薔薇の巫女として活動。
・桃薔薇騎士団は団長、巫女長、外遊長の三役職。
・騎士団長はダリアリーゼが就任。
・黒蛇改め黒薔薇騎士団は副長昇格と新人採用。
・外遊長は白薔薇騎士団副長兼務。団長マリー。
・赤蛇改め赤薔薇騎士団長にクライファーネ就任。
・前団長は赤薔薇扱いで聖院東欧支部長に配転。
・青侍女騎士団は桃薔薇兼務。
・紫騎士団も非任務時は青紫・赤紫双方桃薔薇兼務。
で、この桃薔薇兼務がミソだそうです。女官復活という事は、世界最高レベルの聖娼組織が事実上再始動したという事なので…つまり「客寄せ」なわけです!
ええ、お布施の額によっては何と雅美さんとか、乳上とかルクレツィアさん…つまり淫乱婦人まで呼べる!
記念すべきお客第一号はカエサル一世陛下で、ルクレティアーネ外遊部長が桃薔薇スタイルでVIP区画にご案内。第二号は国母様でダリアリーゼ薔薇騎士団長がご案内。
そして婦人向けサービスとして、今までも非白人系混血系で固めていた黒薔薇に、聖院世界の暗黒大陸分院から研修出向してきたというアーペディオーネさんという騎士が入られました。
ただし、この方は出向者受け入れ体制構築を兼ねており、白黒双方の黒人系枠の需要調査も兼ねているそうです。
…ええ、黒ちんぽ需要がどれくらいのもんかと。
(人種指名が可能なようにしてな。指名料は取るが。あと、裏内規でなんとなく指名は出来るようにはした。旧・上級女官で千吸卒以上の指名に限るが)とは、悪い顔の黒マリ様発言。
で、これは午前中。
午後からは本日のメイン。
伽が終わって着替えてきた教皇・国母が、これまた身体洗って着替えた伽役を痴女皇帝に返還。その際に教皇は外遊部長に聖書を。国母様は騎士団長に聖剣を献上します。
で、聖女姿の痴女皇帝は聖杖を授けます。
わしに。りええに。
「神聖痴女皇国桃薔薇巫女長リェティリリアーネ。巫女長の証を授けます。この聖杖を受け取り、桃薔薇騎士と巫女代表に祝福を授けなさい」
(はい、跪いてあたしから杖受け取る。受け取ったら立ち上がり一礼してから左回りして客席に両手で捧げ持った聖杖見せて貰いましたポーズ。んでそこで跪いてるダリアと淫乱の頭上で2回ずつ左右に聖杖振って祝福。終わったら杖持ち替えて右手でまずダリア、次に淫乱が立ち上がるのを助けてりええ中心で左右に並ぶ。そして全員でまずあたしに一礼。そして反対向いて教皇と国母に一礼。最後、客席向いて一礼)
で、この出家名。
トロイア・イタリアーナ以上のすけべい認定語として国母様が発議。教皇様とうちの外遊長と痴女皇帝承認の公式スラングから取られてます。
トロイアを上回る淫乱=Rie Italianaだそうで。
…だから呼びたくなかったのよ!そしてこんなもん絶対後世に残されたくないのよ!
しかし無情にも儀式は進みます。
ええ、まだあるんです。
しかも、私が晒しもんになるのが。
淫乱が国母様と教皇様を案内してまずは壇上の自席に戻ってもらいます。で、淫乱も着席。
壇上中央にはマリア様と私とダリア様。いえ、ダリア。
「さて、本日はお日柄もよく。一連の神聖痴女皇国改編の諸事お披露目の最後を飾るに相応しい話をさせていただくのにはちょうど良いだろう。まず、桃薔薇の巫女だが。巫女を守る騎士には通常の姫と騎士以上の強い繋がりがあった方が良いという話があった」
マリア様の声、普通に話してるのにマイクもなしに広い聖堂中によく聞こえますね。ここ、千人は入ってますよ…。
「そして、ここの騎士ダリアは何を隠そう、肌の色が違う親から産まれた。それも夫婦が互いを愛し合う良き婚姻とは程遠い懐妊で、だ。更に、奴隷商人に売り飛ばされた身だ。実の母親にだ」ここで会場全てから同情や憤怒の気が巻き起こりますが、マリア様は手で制されます。
「だがダリアは挫けなかった。聖院の門を叩いたダリアはダリアリーネとして頭角を表して今やダリアリーゼと名乗り、聖痴女皇国第三の地位だ。ちなみに聖院側にも白ダリアはいるが、これまたナンバースリーだ」誇らしげにダリアを紹介されます。
「さて、頑張りもののダリアリーゼに、本日は義理の母より褒美をあげようと思うんだが、その前に、だ」そこで私を見るマリア様。
「巫女長。ダリアは晴れの舞台で緊張してるようなんだが。これは聖院時代から続く伝統だ。わ・か・る・な」はい。リハでもやりました。拒否は許されません。
意を決して跪いてダリアの黒ちんぽを取り出し即尺。これはまぁ、茶番みたいなものなのでダリアはすぐに急角度を取り戻します。もっとも本人もこんな大舞台の主役なので、流石にガチガチですが。
「そして褒美の話だ。我が娘には本当は夫であり妻を与えたい。だがダリアははっきり言ってモテる。夫婦仲をあてがえば、痴女宮じゅうから恨み言が寄せられるだろう。しかも聖痴女皇国聖父の体調調整役、平たく言うと聖母公認の愛人だ」と、最前列の黒ジーナさんと黒クリスさんを見ながら。二人は苦笑することしきりですね。
「それにこれは内緒の話だが…東欧支部長として嫁に出したようなもんとは言え、うちには既にアルテローゼ、つまり乳上と弟君もいる。これ以上家族増やしてどないすんねんという母親としての懸念もあるんだ」ここで会場大爆笑。ぶっちゃけまくってますな。
「まぁ、幸いにして聖痴女皇国はその辺はおおらかだ。特に、海のごとく広い心をお持ちの国母様にも納得頂けるだろう」ここで薔薇女官を装ったプラウファーネさんがハリセンを国母様に。
で、隣の淫乱の頭を軽くぱこーん。これは聖母様が淫乱に「ここでしばかれておけ。手打ちの一環じゃ」と予め強く強く強く言い含めていましたので、大人しくぶっ叩かれて涙目です。割と力を入れた模様。
そして爆笑の中、ハリセンを受け取ったプラウファーネさんが下がります。
この人、参列しながらこの内容を「式に参加できなくて仕事中の人々」にも送っているのだとか。かなりの能力をお持ちなのですね。ですが。
(どこが海より広いのですか!)
(一発で済ませました。むしろ寛大な措置に感謝なさい!)という心話漫才まで届けなくても。
「で。ダリア。愛妾というのはどうかね。リェティリアネーゼはりええで人気を博しているようなので、本来はいかにダリアといえどスッと差し出すのは難しい。君達の婚姻を認めたくないのはその辺もあるんだ。それに…君達の結婚について一言言いたいような方がいてな!」と、マリア様は舞台袖に目をやります。
はい。金衣姿の世紀末覇者と世紀末救世主が。
加えて、桜田先生なんでいてはるんですか。
と、そこに聖堂中央から引かれてきたものが中央の通路に。二人乗りの鞍ついてます。ヒヒンと鳴いてます。
白馬というより銀色っぽいですね。なんか舌出してます。こいつら乗せるんかよという態度です。
その昔、晴れの舞台でアホやらかして百億だかを紙切れにしたお馬さんの血統らしいですが、大丈夫なんでしょうか。
若様が御者から紐を受け取ります。
乗馬台も用意されました。かなり大柄なのでこれは仕方ないですね。
「どうも、君達が一緒になるとここの風紀が乱れることを懸念しておられるようでな。で、某牧場の速いんだが扱いがややこしいやさぐれ馬…ゴールドシー◯ーという名前らしいが、こいつが提供された。逃げる足に使ってくれ。で、前に巫女長。後ろに騎士団長」
私たちが指示に従って乗馬すると…。
なんかもう二頭、馬来ましたがな。
黒いです。更にでかいです。
「これも某馬主から貸し出された。サ◯ノマツカゼとサト◯コクオウいう馬だそうだ。誰が乗るかわかるな?」覇者と救世主以外に誰が乗りますのん。
更に、大阪府警とか書かれた青いスクーターまで。ナンバープレートのとこに三角マークついてるし。
(とりあえず聖堂内はマリア様が言い聞かせて大人しくさせています。後で人参でも牧草でも好きなもの食べさせてやるから、この二人を港まで送れと)若様が心話で言うて来られます。ちなみに制服のブレザー姿で白ネクタイ。白手袋でゴールド…ゴルシ君ですかね、の手綱を取っています。
(あと、ダリアさんは理恵さんと馬上で連結して欲しいそうです。僕は前を見て見ないふりをしておきますので)
何すかその俺の空はこの空だ的ハーレーならぬ馬の上でやる展開。
夫婦和合をアピールするのが目的らしいのですが、この馬の性格を考えるだに大丈夫なんかいなと。あんっ。
(まぁこの場で最後までやるんじゃなく、半分ポーズでいいそうです。みなさんに私らこんなに仲がいいよと見てもらう意味がある模様)
(なるほど…)
(ちなみにこの無茶な夫婦の誓い、NBでも出来ないか有識者委員会とNB国教会が検討に入ったらしい。何をやっておるのだあのジジイは…)
(かーさん。NBが、あの全裸になったりバグパイプ吹いてる格好でスカートまくる国の系列だと忘れてないよな…あいつらはやりかねんぞ)
(あ…あれはやる。いずれ悪ノリでやる。最悪、聖院に結婚式場作ってでもやりそうや)
(待てよかーさん。うちで聖院式の結婚式場っての作ったら商売のタネになるじゃん。教皇庁から神父か尼僧派遣して教会やらせてよ。んで向こうへの上がりも確保して…こっち来るの面倒ならスイスかマジョーレ湖畔に教会作らせて薔薇女官行かせて…よし、毒盛り兄貴に商売のタネとして吹き込むべ。うははははは)
(何も教皇庁かまさんでもウチらだけでできんか)
(何をゆーとるのかねかーさん。彼らにも寄進のタネを与えるからこそ神父もシスターもパンとスープとワインにありつけるのだよ。ふふふ、聖母教会のシスターはうちらの下位互換。そして本部へのゲートを作れば痴女宮女官への口入れ客送りの窓口にならんかね?ぐへへへへ)
(なるほど、教会収入を確保してやる訳か。マリ公お主も悪よのう。ぐへへ)
(誰かの娘ですからこのくらいの悪知恵は。うはははははは)
(ああっジーナさんとマリアちゃんが悪代官と越後屋の顔に!)
(じゃ、主旨通り走らせてみましょうか。はっはっはっ)
(…走りませんね)
(なんかめんどくさいと言いたげな反応が!)
(…重いよーやだよーと言いたげですね)
(その気になったら速い馬なんですけどね、その気にさせるのが…)
(何でこんな馬を)
(うちの牧場で一番体格が良かったんですよ。流石にばん馬借りてくる訳にはいかなかったもので)
「あらあら。馬同士仲が良いようですね」
「確か同じレースにも出ていて顔見知りの筈なんですよ。特定の馬とは仲が悪いというか絡みたがりますけどね」どうも伝説の迷馬の血統らしいですね。
ほれほれとりあえずくつわを並べて歩くくらいはしろと言う若様の指示には従う辺り、最低限の事はする気はあるようです。ずる賢いというか人間くさいというか…。
「その里◯さんちの馬もそうですよ。かなり気難しい馬で有名ですけど、普通にお二人とも乗られてる辺りすごいというか何というか」
「うむ。正直気に入ったが、高価なんだろうな…」
「あそこの馬は血統はいいんですがねぇ、成績が」
と、みんなで港のお船を目指します。万一の馬糞処理用にと持ち込まれた軽トラの更に後ろから見送りの人達も…。
「しかし、室見さんはこれから大変ですね」
「いえ桜田さん、僕は気になりませんよ。多分ここにいた方がある意味安全は安全ですから。我々の常識が通じないだけで」楽しそうに若様が仰います。
「あのフード被った方、非公式にはまた来たいと。特に日本とイタリアは視察したい意向を寄せておられますので、政情安定の節はよしなに」
「痴女宮の見学の内容報告書とかちゃんとお持ちですよね」
「お任せを。ま、僕らの流した内容とだいたい同じだと言っておられましたが、やはりご自分の目で確かめられたのは大きかったとのご感想を」
「智秋様…あと、VIPの件を」
「あー…えー。今回は女性でしたが、そこのお家の口利きに限り「どこそこからご依頼があるようですよ」という話が持ち込まれるかも知れません。マリア陛下も内々で対応すると…実は件の方も雅美さんが」
小声で、小声で若様が仰られます。人選に多少の不安はありますが、基本的に元日本人だし大丈夫でしょう。多分きっと。
「あ…恐らく今後は日本人の超VIPの場合、理恵さんにも話が来るかも知れませんよ。まぁ普通のあれなら良いのですが、聖院の方の特殊能力をお借りしたい依頼などが本当の来訪目的の場合もありますから。その時はマリア陛下がちゃんと対応しますよ」
ちなみにVIPの価格はいちじかんひゃくまん、いちにちかりきりでいっせんまん、「しゅっちょう」はあごあしまくら別でいちおくらしいです。
「どこかの島から不法滞在者を追い出したいとか、二度とFEZで漁をする気が起きないように出来るなら安いものかと」だそうですよ。
「日本円外貨があると痴女宮または聖院関係者が来日しても滞在しやすくなりますからね。相互にメリットがありますし、いずれは還元されるお金ですから」と若様は仰います。
どうも、聖院または痴女宮幹部の非公式来日を「見て見ぬ方向。ただし来てるのは知ってて万一何かあれば不利にはしない」方向で認めるらしいとか。
「まぁ、一般の私のような人間には法外な金額ですけど、国家間のお付き合いでしたら自動販売機のカップコーヒーを奢る程度の金額ですよ…流石にある程度以上の場合「お心付け」を上乗せするようですが」と桜田さん。
「これがマリア陛下が言っていた、黙って誠意あるお付き合いをしていた場合の進捗の一つですよ。あと、NBではすでに自白剤代わりに関係者による読心が法廷で証拠能力を認められているようですが、日本政府としても法務省が同様の法的効力を認める方向と。ま、細々した事ですが地味な交流は続けたい意向のようですね。先日のそちらの外遊長の訪日も、連邦世界の見聞をサポートする方向で我々も支援させて頂きましたし」
そーです。るっきー、日本に行ったそうです。とりあえず沖縄と大阪に行ってみて、その後世界各地を回って来た後で外遊長に就任。
特に母国イタリアについては宗教がらみのあれこれが存在した場合となかった場合の差を知る事が出来るという事で、今後も折に触れて訪れやすくする為に、連邦政府の高官からの口利きがあったそうです。
さて、痴女宮正面の聖院港。港の手前の大きな門の向こうには門前町が広がり、市場や色街を訪れる人々や、参詣客向けの宿を目指す人が多数。
現在、この門前町への行き方は二通りあるとか。
一つは各地の聖母教会から「飛ばしてもらう」方法。
喜捨を納めればやって頂けますが、事前に神父さんによる面接が必要な模様。
で、もう一つが交易船に乗ること。それ用の海図と手動式天文計算機や方位盤を携えた案内人の手引きがあれば、例えばマルセイユを出て一日二日でこのインドネシアの港に着くそうです。
そう、水先案内人は痴女宮または聖院の養成施設で教育を受けています。
そして、危険な長期航海をせずとも聖院港を経由すれば安全に早く目的地に着けることを各国に伝えており、貿易や物流の拠点として利用して欲しいと。
ただし聖院港は二つに分かれており、通常の船は南洋王国という国の港に入ってもらうそうです。聖院側の波止場に入れるのは聖母教会の免状が必要で、VIPを乗せた船か聖院または痴女宮向けの荷物を扱う船のみ入港可能とされています。
そして痴女宮の正面にある桟橋はアークロイヤル級専用になっており、あの大きなのが二隻入れる構造です。
とりあえず私たちから見て左側に、今入っている0100と読める番号を振られた船が艦尾から大きな坂道を出して待っています。
若様やたのの達はこのテンプレスで日本まで送って行ってもらえる模様。
実は痴女皇国になってからは聖院絡みの外交は公的にはNBと中断しており、久々のNB艦船の来訪になったそうです。
そして隣の桟橋には同じ型のテンプレス2世。私とダリアはこちらに乗ります。こちらはローマに帰る方々をお送りした後、レマン湖に向かいます。
「じゃあゴルシちゃんありがとうねー」千葉県の牧場に帰るお馬さん達が車路を上がって行きます。
前は日本でも転移できる場所が限られていたそうですが、今はかなり融通が効くようになり、成田空港に発着する邪魔にならないなら牧場の上空に現れても良くなったとか。
「とりあえず今後は聖院メインでお付き合いする事になるらしいので、痴女宮とはあまり頻繁な縁がなくなりますねぇ…」寂しそうに若様がおっしゃいます。
「まー、聖院に輪をかけて未成年には有害極まりない場所なんで。ほほほ。ただ、向こうは向こうで薔薇騎士団制度を導入して女官の痴女体質化を図るそうなので、私やダリアがあちらに行って指導する事になる機会も増えるそうなんですよ。ですから全く無縁なわけじゃありません。ご安心を」
「なんかりええがえらく遠い場所に行ってしまったなぁ…」たの、まさかお前がという目で見るな。
「まー、正直今の世の中じゃさー、あそこ大学出てもどうなるよって状態じゃん。言いたかないけど。だから自分の人生変えるチャンスって思っただけよ」
「にしても、よく踏ん切りついたよねー」
「実は後押しがあった。というか記憶見れた。一人は雅美さん。あの人が人間のままだったらどうだったろうという話をしてね。で、確かにあの時辛い事色々経験しておかなかったら今の私はない、だから私については経験は必要だった。だけど、理恵さんは私の苦労を自分の苦労として認識する能力がある。だから無理に同じ道を通る必要があるのかと言われてねぇ。たのならわかるでしょ。例の知識と記憶共有機能」
「あー、なるほど」
「それとジーナさん。沖縄の店の子で逆玉事例。一人は内地のかなりでかい病院の息子と玉の輿。もう一人は熊本の旅館の息子。あの業界、たまにそういう話があるらしい」
「確かにダリアさんは皇帝一家の一員だな…NBのトップのお孫さんの血縁でもある…」田淵くん、それは三ヶ月前に把握すべき事やで。と、若様が私を見ます。
ふむ、心話繋いで欲しそうですね。
(実は今回の方が「お客」になられた理由、テストケースですよ…そちらは意識共有があるから隠せないと思うので言っておきますが、婚姻や血縁も検討されています。NBが血縁の有効性を証明してしまいましたからね…ちなマリアさんも「歓迎するけどなるべく本家筋で頼む」とか無茶言って遊んでますよ。ははは)
(しゅげーなー。あそこの血族と婚姻はでかいよねー)
(臣籍降嫁を適用するかどうかで話が紛糾はしていますけどね。国家としての格は同格以上と「あちら」は判断していますよ。ただまぁ、あのご一族にはそれなりのプライドもありますから)
(そーそー。まりりが別件で啖呵切ってたけど、うちに科学文明のバックボーンがないから下に見るなと。その気になれば追い越すのに100年かからんからなと、記者会見の時にどこかに言ってたなぁ)
(それも凄い話ですよね…)
(いや、実際今、聖院も痴女宮も最上部三階層は100Vのコンセント来てるよ。無線も使えるし。あとこれは聖院の方が進んでるけど、あっちの女官は千吸卒以上だとパソコン支給されるのには驚いたわよ。こちらでもいずれはやるけど…多分、部品調達の話は来てるはず。最終組み立ては聖環と同じでNBがやるけどね)
「でも、まりあさんが理解のある人で助かりましたよ。最初は喧嘩腰でしたけど」
「だーれーがー」
「ありゃまりり。いつの間に」
「というか実は黒マリ様だぜはっはっはっ」
「見分けつかねーよ!」
「着替えらたら私らわからんがな」
「ちくしょう。国母様にも言われたがよ、恐らく有史からこっち、一番見た目と実際が違う皇帝陛下よねと…」
「おばちゃん化を拒みたい願望だだ漏れの皇帝陛下であった。まる」
「しかたねーじゃん。ちなみにあたしもまりあと違うけど学校通ってた時期あったんだよねぇ」
「その時はどうだったのよ」
「今ほど大事にはならんかった。つかあまりにヤバいからなるべくノータッチ方向。今のまりあとは大違いだったなー」
「その意味じゃ進展はあったよねー」
「あったあった。少なくとも、こうやってこの二人を新婚旅行に送り出せるんだからよ」
「あー、その見送りに…」
「んだ。だからアルトも連れてきた」げ。
「ふはははは。アメリカンハイスクールモードや。参ったか」
「その腰の刀なかったら違和感ねぇな」
「んだんだ。つかアルトさん、ある意味サリーやしほ子以上に外観と精神年齢が一致してないというか」
「わはは。違いねぇ…おっと、日本組はそろそろ乗船してくれってよ。こっちもテンプレス2世の出港準備するわ」
「あいー。またこっち来たときはよろしくー」たのが代表してご挨拶。
さて、皆様を見送ると我々も。
「とりあえずローマまではあたしが動かす。んでローマから先レマン湖までは基本オートパイロットだ。着水したら心話くれ」ブリッジの提督席につきながらマリア様。
「しかし、これをお一人でとは」カエサル1世猊下…チェーザレの読み替えで名付けたそうです。本当は皇帝やりてぇよという本人の願望だだ漏れですね。
「簡単…と言いたいんだけどね。ま、色々と仕掛けをしているから。お、隣は出るな」長声三音といって、出港の際に鳴らすと「さようなら」を意味する汽笛だそうです。
進路上にレーザーらしい光の線を出していますね。「一気に浮上するつもりだな」見ていると、岸壁から少し右に横移動した後、岸壁から遠ざかったとと見るや、あんな大きな船にしてはあり得ない速度で加速していきます。はんしんでんしゃのじぇっとかーくらいの加速と言えと天の声。
「よし、こっちも出すか」ぼぉー、ぼぉー、ぼぉーと低い唸りで汽笛を鳴らすと、こちらは左に少し動きます。岸壁への影響があるので完全に離れてから加速をかけるとの事。それと驚くのは、こんな加速なのに体が揺れたり動かない事です。あ、あと、浮いた感じがほとんどしません。気付いたら空中にいるという感じ。
先行するテンプレスの方で光が点滅しています。これも航海の無事を祈るという意味だそうで。
そしてテンプレスは一瞬光ったと思うと、跡形もなく消えて行きます。そしてこちらも。
「では、しばし皇帝陛下をお借りする」国母様が宣言されます。で。
なんでまた淫乱が残ってんですか。
これからこの船は少しの間、私達の愛の巣なのですよ。
邪魔なんですが。
「いやよ、これからローマで聖母教の関係の仕事するんだけどよ。正直、外遊部長はスペインに行って欲しい訳よスペイン。厄介払いじゃなしにマジで。それとな…ある女性を以下略して欲しい訳なんだわ」
で、この辺の話は黒マリア様かアルトリーネさんかR15マリアかいずれかで書くそうです。
とりあえず、私たちは初夜です。
「うむ。そう思ってアルトを付けた。君達は遠慮なく励むがよい」
おごそかに宣言される修道服のマリア様。白とピンクローズの飾り帯です。そして、同じ服装ですがおもっきし一本鞭を変形させた紐で縛られているお方。口にも竹筒の口枷をかまされています。なんか淫乱の呼吸を体得した妹のような姿ですね。
「じゃ、ちょっと行って来るわ。アルトは着いたら即、るっきー連れてスイス支部に顔出してくれ。スペイン関係の情報はマイレーネさんから聞ける。あと…この二人は明日朝に支部に顔を出すからと伝えて欲しい。わかるなアルト」ぐっ、とアルトさんの手を握るマリア様。委細承知任せておいて下さいと頷くアルトさんが頼もしいです。
そしてマリア様は国母様と教皇様を伴って消えていきます。
「Sticks Drive Shift Level3. Taraget 46.41553348378006, 6.927332685662091」そして一瞬の光の後に、夜の湖上に。前方には例のお城も。
「…で、これ以上近づくとテンプレスの底を擦りますので、わたくしたちはここから飛びます。あとは」
にやーとされるアルトさん。ええ。ご配慮痛み入ります。そして簀巻きにした淫乱と、キャリーケースを持つと光に包まれて消えて行かれました。
「はぁ、やっと」
「誰もいなくなった」
ええ。もうやることは一つです。ですが。
テンプレスの船首は、飛行甲板の少し下にほっそい通路があります。船首は普通の船のようにとんがってますけど、その通路は飛行甲板と同じ形になってます。で、速度を上げて飛ぶ時には飛行甲板の下部に仕舞われます。今は降りてますが。
つまり、船首部はタイタニックのようにとんがってません。
これが残念です。
ま、大体ここが先頭よねという場所に来て、お尻を突き出します。そう、ロールスロイスのフライングレディのポーズです。
うんダリア、わかってるよね。
ずぼ。
ふふふ。
この船は今晩、私たちの貸切です。
ですが、今後の事を考えると汚せません。
なもんで、タイタニックごっこ。
不吉かも知れませんがやりたかったんです。
夜のおま、いえレマン湖に響きわたる嬌声。
ええ。キャットウォークって言うんですよね。海水で汚れた場合の洗浄システムがあるのは知ってました。
痴女宮のダムの岸壁に停泊している際に、別の目的で使ってるの見ましたし。
多分、あれ見たら設計した人は泣くと思います。あんな使い方する為に放水銃付けたんじゃねぇ、と。
すみません。
私たちも共犯になります。許して下さい。
あと、もしかしたら聖院支部の方にも声が響いたかも知れません。
まぁ、諸々許して下さい。
今回だけです。
多分。
きっと。
--------------------------------------------
るっきー「あたくしの尊厳は!尊厳は!」
アルト「絶対乱入してたと思いますから」
りええ「うん、このおばはんはやる。絶対やる」
ダリア「どうせこの後のスペイン編、恐らくあたしも作戦参加すると思うんですよ。初夜の晩に乱入とか考えなきゃ3Pとか4Pのチャンス、いくらでもあると思いますが…」
るっきー「今晩が良かったのよぅ」
りええ「神と聖母に赦しを請いなさい」バラ鞭Ready
ダリア「神と聖女に赦しを請いなさい」一本鞭Ready
黒マリ「ああ、許さない顔だな」
ジーナ「あれは出陣する藤○まことの顔や」
アルト「教訓。焦ると生焼けをピザ窯から引っ張り出す事になるから注意が必要ですね」
るっきー「それはそうとスペインって何がありますの。あんあんあんっ」
黒マリ「あの兄妹の兄貴が連邦世界の歴史の最後はどこで死んだか思い出してみよう」
りええ「ちなみにこの世界のスペインもほぼレ・コンキスタが完了しています」
ダリア「なんか、またおばちゃんを誘拐するような悪い予感がします」
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