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番外編・しほ子さんの愛欲の日々
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「モントルーはイギリスの金持ちが隠居する場所のひとつである。ヒゲを生やしたりギターを抱えた人間が行こうものなら、直ちに死刑を宣告されて車椅子の下敷きにされてしまう」
Gavin Lyall, "Midnight Plus One"
---------------------------------------------
皆様。
生まれていきなり成長させられて仕事に放り込まれるようなとんでもない事がどこの世界にあるのでしょうか。私は鹿ではありませんよ。
我が父の国が喧嘩ふっかけられた戦争の末期には、学徒出陣を余儀なくされたとか大変だったようなのですがねぇ。
申し遅れました。菅野しほ子と申します。
父は撃墜王ですが自分の乗る飛行機を破壊する王様でもありました。更に赴任地の色街でも撃墜王だったようですが。少なくとも品行方正な人物ではない。これは娘として断言いたします。
そして母です。こちらは堅物も堅物です。奥手です。むっつり助平なのもわかっております。剣も格闘も聖院に敵うものなし。拳闘だけは互角の人物がおりますが、母の乳母として知る人物であり、頭が上がらないようなのでよしとしましょう。
で、その二人から生まれた私。
ええ。両方の良いところと悪いところをきっちり引き継がせて頂きました。同僚のサリー曰く「しほちゃんは強いんだけど、寝技で手加減しない」だそうです。
そして、先日やり過ぎた件で怒られています。
…だって反抗する気も起きないくらい徹底的にやるのが普通ではないのですか?
ぺんぺん草一本残らないくらいにやられても不屈の意志を漲らせて戦った父と、粉骨砕身女の股の力と書いて努力と読むがごとき母の娘ですよ私!
そして、怯えて私と組むのを拒否する篠村直美さん。ええ、背景が分かりましたので徹底的にやりました。逆らったら凌辱映像、親に送るぞと。
そして泣かれました。
いくらなんでもそこまでせんでもと。
(だからしほ子、手加減なさらないとこうなるのです…しかも彼女たちはまだ、痴女の知識や経験や力の使い方をよく知らない普通の人間ですよ。わたくしたちの時もわざわざマリアがしてくれましたでしょ?あれですわよアレ)とサリーにもこんこんと説教を喰らいます。
しかし、今回の偵察任務で同行者は欲しい。というか私たちの業務を見てもらい研究レポートを提出してもらわなくてはなりません。
で、篠村さんと交代で室見理恵さんがやってきました。宗教色は特にない旧男子校系共学進学校の生徒会副会長さん。風紀委員長の田野瀬さんのお友達というだけで参加されたので裏はなし。おっばいが標準サイズというか、まあまあの大きさになって本人はご機嫌ですね。
ええ。
これまな板だよ。まな板しかないよとどこかのサイコロ系芸能人が連呼しそうな方が盛られたら、そりゃ喜色満面にもなりますよね。で、そういう上機嫌な方と一時的にペアを組む方がよいのではと姉的存在たるまりあからも言われます。
そして昼下がりのお漫湖。
いやレマン湖を背景に。
どうも天の声め、これをやりたいがためにスイス支部を設置して場所を決めたらしいのですが、いくらなんでもそんな事は。
山と緑と雪と水の国だからこそ聖院女官に快適な水冷環境が組めると選ばれた筈です。
ちなみに例の深夜でプラスワンな小説、あれに出て来る情報屋な英国貴族の住む別荘地に聖院支部があり、水上機な名前の長靴系大貴族の所領だったのを「譲り受けた」関係で湖畔のお城を改装して使っているとか。
とても有名な美しいお城だから検索したらすぐ出てくるでーとは天の声。
で、小説では英国貴族の隠居先として有名らしいですが、もともとの城下町だった事もあり小規模な色街ありーの市場もありーの。
更に時計国、時計国たる産品の時計流通や、当時の主要輸出品たる傭兵稼業もあって東隣のお邪魔帝国もうかつに手を出せない事情があります。
ま、スイス支部の罪人頭が傭兵の口入れ組織の幹部を兼ねていて、能力に優れた罪人の再就職を斡旋していたり、はたまた傭兵がスイス支部や色街で遊ぶので相互補完でうっはうはなのが痴女皇国世界や聖院世界の門を取る町だそうです。
欠点は行くのめんどくさい事です。
皆さんの世界なら、ジュネーブ空港の地下で特急に乗ると、あの国特有の向かい合わせに座らされる上、一等と二等の違いが感じられない列車に揺られ1時間くらいで着くそうですが、この時代にそんな便利なもんがある訳もなく、おま…レマン湖を行く船か、冬場は雪と氷に閉ざされる街道を行く他ありません。
さすがにここは文明開花して登山電車でふにくりふにくらした方がええかなーどないしよーとか、支部はおろか本部でも集客に悩んでいる模様。
ともあれ、桟橋に係留されている、私たちが乗ってきた飛行機を訪ねてみましょう。この飛行機の機械を使い聖院研究に訪れた生徒を管制しています。
そして三つの学校の聖院世界研究会合同本部を置いているとか。飛行機入り口にいる騎士に聖環を見せて身元確認の後に中に入ります。
男子二名がごはんたべてました。
彼らは連邦社会に復帰してからの将来の地位や立場がかなり洒落にならない事もあり、今回は痴女化を見送り人間のままで作業に従事しています。
で、食事問題の解決のために数十個の段ボール箱が積み込まれています。連邦宙兵隊の大佐の方のツテで、フランス軍の前線糧食と日本の陸上自衛軍の糧食にしたそうです。
理由は「外れが極めて少ない」からだそうで…逆に米軍のものは「肥満を気にする男子二名に与えるのはヤバい、ヤバすぎる。あそこの飯は基本的に一日あたりの必要カロリーを基準として考えよるから味以前に日本人には過剰なのや」と力説する女性佐官が意地でも調達させなかったそうです。
そして、この飛行機の警備担当。
密かに争奪戦だそうです。
理由。
ごはんがおいしい。
そりゃ好奇心漲る年齢ですよ色々。
そして支部の方もやる気が出る話が欲しい。
という事で警備は二名配置。
そして心話で現地事情やら、あるいは聖院支部に関する質疑応答の相談役として男子2名の作業を補助する役目を兼任しています。
有り体に申し上げましょう。
警備対象は男子二名。
何から守られているか。
痴 女 からです。
はい。抜け駆け行動を察知した支部長兼戦略部長判断により、立哨警備配置が即決定。同時に相談役の役割を兼ねるため上級騎士と下級騎士各一名のペアで組まれ、下級は午前と午後で交代する事になりました。
が、上級は午前6時から18時まで12時間ぶっ通しです。人が来ない時は寛いでよしとされましたが、それでも見た目は辛い仕事に見えます。
…彼女らの心の中を覗かないなら!
では、どんな会話か。
(では山岳部隊というのが広域警備と、主に冬季の人命救助に当たっていると)
(そうです。この部隊は固定ではなく定期的に人が入れ替わります。ただし研修を経て山岳活動に従事する認可が出た者に限られていますが。該当者は腰に極東から送られてきた竹筒を装備していますよ。そちらの世界の救助犬が首に下げている樽と同じ役割がありますから)
(服装などは違うんですか?)
(マリア様でざいんのものに変わりまして、元来の時計国担当は白地に赤の飾り線が入るものになりました。季節で着替えなくても良いように外気温に応じて露出度が変わるようになっています。あと救助作業時に目立ちやすくするための灯具や、けいこうしょく、というのですか。鮮やかな色のたすきを携帯していますね)
とまあ、分院業務に関する質問に答えたりなんぞ。
(…その、いわゆる聖娼事業ですか。こちらの顧客はだいたいどういう方が…)
(私の立場で細かい数字はお教えできかねますが、だいたい傭兵5割一般3割びっぷ2割とお考えください。場所が場所だけに出張も承っておりますよ。びっぷ専門ですが)
(そうした業務に従事する方の服装は変えておられます?)
(横の帝国がいちいちうるさいので変装していますね。しばいたろか。失礼。元来の欧州広域対応組は聖院本部と同じものを着用します。主な顧客の長靴半島や、帝国内でも女好きの貴族から密かにお呼びがかかる場合がありますので、マリア様制定仕様の上から何かを羽織るとか着替えたり云々)
(北の方の島には展開されておられますか)
(人魚姫国は平坦で水源が取りにくいんですよねぇ。海賊蛮族国は湖水地方がありますけど、あそこは割と野蛮なので小規模な駐留に留めています)クリス父様がくしゃみしていそうです。
とまあ、こんな感じで割と真面目に答えてたり。
(そもそも何故に聖院にお入りになられたのでしょうか)
(有り体に言うと口減らしです。政略結婚の口すらない者が結構おりまして…で、下級であれば婚活話が来た際には応じてよしという裏内規もありまして…もちろん支部で背後を調べたり、還俗後になりますけどね。痴女皇国のメーテヒルデをご存知かもしれませんが、あれは希少な例です。本部送りにされるのはだいたいダリアのような不幸な生まれで本部教育が必要とされる場合でしたね。痴女皇国になってからは途絶えていますが、近々向こうが組織改変した暁には人材供給や公式交流も戻していく予定です)
(参拝客にグッとくる…心をときめかせる事はないのでしょうか)
(これは下級と上級で変わります。下級ならまだ人として男性を見ます。ですが上級になると体力も知能も完全に通常の人を上回りますから。有り体に言いますと殿方の参詣者は、私たち上級職にはパンを背負っている子犬に見えるのです。首からバターをぶら下げている)
(まさかバター犬…)
(あー、そんな感じですねー)
とまぁ、録音不可能な心話を良いことに割とぶっちゃけていたり。
なお検閲が入るので、ここでなされた話の全ては連邦側に流さない模様です。
そしてごはんの意味。
彼らと野戦食を一緒に頂いたり、分院食堂にご一緒するわけではありません。
密かにちゅーちゅー出来るのです。リモートドレインで。そして下級騎士には上級経由で。
むろん、午後の作業に支障がない程度ですが。
しかし若い精気をいただけますしねぇ。
ま、そんな訳で食事を終えた男子二名に午前中の報告と面談。
「サリーさんとアンジェリーナさんはマイレーネさん同行でサヴォイア家訪問、田野瀬さんはまりあさん同行でオーストリア国境付近視察、ジーナさんと篠村さんはパーゼルからフランス方向に進出してミュールーズ、ストラスブール方面への視察、と。ジーナさんはドン・レミまで足を伸ばす予定。篠村さんの学校でフランス語選択してるから聖女絡みの話が聞けるでしょう」
「聖女がこの時代にいるのがまた頭痛が…」
「ある意味歴史の授業の知識がまるで役に立たないというか…まりあさんが修学宮の担当につないでくれたけど、向こうに提供した世界史の教科書だけでもみんな頭抱えたらしいから…」
「何とかぐらんどおーだーの世界かというくらい頭痛いよ」
「比丘尼国史と日本史の違いってどうなんでしょ」
「あー、もう駄目です。丸っ切り違うと言って過言はありません。大和朝廷が巫女集団化して元伊勢に本山構えて、男ども中心に行政府を各国持ち回りにして行脚してる状態」
「…田淵くん、菅野さん。賭けてもいいんですけど、今回のレポートを日本政府に提出するだけでも絶対に倒れる人続出しますよ。これはまりあさん始め聖院や痴女皇国側が過剰に干渉するなと言うはずですね」
「一応、要所要所でそちらの顧問の桜田先生には送られてるんですよね?」
「ええ。まりあさんがチェックした上で。ただ、第一報送付後約一時間後に連絡が入りまして」
「で、何と」
「賭けてもよいですが、日本政府だけで処理不可という結論になるでしょう。もし違う話が出たら今度の天皇賞でうちの何々シービーに給与分突っ込みますと」
「ま、そうなるよねぇ」
「うちの馬、正直有名な割に成績にムラがあるからその罰ゲームが成立するのが何とも」
「いや、父からも内々の打診がありまして。篠村さんについては卒業後、可能なら聖院世界か痴女宮勤務を依頼する方向。吉村さんについても未定ですが、おそらく定期連絡を前提に派遣人材として連邦の出向職員の地位を与えるだろうと」
「あー、田淵くんルートもそうなるかー。いや、僕の方は直接国体に関わる筋じゃないけどね。ただ…ほら、神職系の人材があの家系には幾人もいらっしゃるでしょう。最低一名は派遣を検討する方向で調整にお入りになられたと…」
「逆に聖院に関わりすぎないかしら」
「ま、これは内緒ですよ。うちの父の党内では、聖院の助力を得て今の連邦を是正するか、いっそ刷新した方がトータルで国益になるだろうと言い出す重鎮議員まで複数」
「ふむ。まぁ、連邦は旧国際連合と違った意味で統制取れてませんからねぇ、無理もないか」
「とりあえず菅野さん、マリアさんが戻った時点で現段階での日本側の反応と意向を説明できるようにしておきます。そちらは?」
「私も作業に加わりたいのですが、聖母様に召集されまして…夕刻には戻ります」
「わかりました。行ってらっしゃい」
「では」一礼して機内から去ります。
さて、ローザンヌ近辺の山中まで迎えに来てくれとの話ですが…。
「ふむふむ。やはり篠村さんはこっちに赴任させる方向とな」男子二名との会談内容を再生しながらジーナさんが頷いておられます。
「…と、いう事は…」ええ。ジーナさんと私。顔が真っ青です。篠村さん、般若です。王国を築きそうな顔です。
「ごめん早まった!」
「どうか何卒お許しを…」平伏する二人を般若が睨みます。この落とし前どないしようかという顔で。
「まぁ、ここで私が無茶を言うとジーナさんなら記憶消し飛ばすとか、それこそ過激な手段に訴えそうなので私もあれこれ言うつもりはありません。ですが、私も腹の虫が収まらないのも事実ですっ」
「すまぬ、すまぬ…」
「しかし、父からはそちらから見れば抜け駆け同然の話を言われていたのも事実です。私にも落ち度はあるかと存じます」
「ふむふむ」
「ここは一つですね、私の進路も無理矢理決められた可能性がありますので、腹をくくるためにもですね」
「何でこうなるうううあんっあんっ」
「今回の派遣者で聖母様に突っ込んだ一番乗りが私なら満足します!言っときますけどあの時の貨物室、ほんと死ぬかと思ったんですからね!ちんぽ一本だからまだ楽だと思って下さいあっいくっいくっ」
「痛い痛い痛い篠村さんそこ陰部違うあひぎいっ」
「菅野さん!私なんかアナルと膣二本挿しだったんですよしかもあんな大きいの!一本なんですから我慢してくださいあっ出る出る出るっ!」
…ええ、動画記録は勘弁してもらいましたが屈辱です。
しかも篠村さんとは私が盛ったら相手してくれとまで確約させられました。
悔しいから今晩言わしたんねん。
絶対犯すねん。
---------------------------------------------
なおみ「あとはサリーさんに一発。これで腹の虫が収まります」
サリー「こしゃくな。かえりうちや」
なおみ「ふっ。しほ子さん。ジーナさん。わかっておられますよね」
サリー「ききききき汚いぞっ!卑怯なりっ」
なおみ「ひきょうもラッキョウもあるかっ」
ジーナ「なおみちゃんが二代目何とか星人と化しています」
なおみ「あと、マイレーネさんに頼んどきました。今晩からお部屋、しほ子さんと同室で。しほ子さんとの場合、上級区画でしたね(ニヤリ」
しほこ「ひぎいいいい」
なおみ「マイレーネさんに聞こえないように手加減はさしていただきますどすえ。ほほほほほ」
しほこ「やめてその京都名物いけず石笑いやめて」
しほこ以外「さだめぢゃ」
Gavin Lyall, "Midnight Plus One"
---------------------------------------------
皆様。
生まれていきなり成長させられて仕事に放り込まれるようなとんでもない事がどこの世界にあるのでしょうか。私は鹿ではありませんよ。
我が父の国が喧嘩ふっかけられた戦争の末期には、学徒出陣を余儀なくされたとか大変だったようなのですがねぇ。
申し遅れました。菅野しほ子と申します。
父は撃墜王ですが自分の乗る飛行機を破壊する王様でもありました。更に赴任地の色街でも撃墜王だったようですが。少なくとも品行方正な人物ではない。これは娘として断言いたします。
そして母です。こちらは堅物も堅物です。奥手です。むっつり助平なのもわかっております。剣も格闘も聖院に敵うものなし。拳闘だけは互角の人物がおりますが、母の乳母として知る人物であり、頭が上がらないようなのでよしとしましょう。
で、その二人から生まれた私。
ええ。両方の良いところと悪いところをきっちり引き継がせて頂きました。同僚のサリー曰く「しほちゃんは強いんだけど、寝技で手加減しない」だそうです。
そして、先日やり過ぎた件で怒られています。
…だって反抗する気も起きないくらい徹底的にやるのが普通ではないのですか?
ぺんぺん草一本残らないくらいにやられても不屈の意志を漲らせて戦った父と、粉骨砕身女の股の力と書いて努力と読むがごとき母の娘ですよ私!
そして、怯えて私と組むのを拒否する篠村直美さん。ええ、背景が分かりましたので徹底的にやりました。逆らったら凌辱映像、親に送るぞと。
そして泣かれました。
いくらなんでもそこまでせんでもと。
(だからしほ子、手加減なさらないとこうなるのです…しかも彼女たちはまだ、痴女の知識や経験や力の使い方をよく知らない普通の人間ですよ。わたくしたちの時もわざわざマリアがしてくれましたでしょ?あれですわよアレ)とサリーにもこんこんと説教を喰らいます。
しかし、今回の偵察任務で同行者は欲しい。というか私たちの業務を見てもらい研究レポートを提出してもらわなくてはなりません。
で、篠村さんと交代で室見理恵さんがやってきました。宗教色は特にない旧男子校系共学進学校の生徒会副会長さん。風紀委員長の田野瀬さんのお友達というだけで参加されたので裏はなし。おっばいが標準サイズというか、まあまあの大きさになって本人はご機嫌ですね。
ええ。
これまな板だよ。まな板しかないよとどこかのサイコロ系芸能人が連呼しそうな方が盛られたら、そりゃ喜色満面にもなりますよね。で、そういう上機嫌な方と一時的にペアを組む方がよいのではと姉的存在たるまりあからも言われます。
そして昼下がりのお漫湖。
いやレマン湖を背景に。
どうも天の声め、これをやりたいがためにスイス支部を設置して場所を決めたらしいのですが、いくらなんでもそんな事は。
山と緑と雪と水の国だからこそ聖院女官に快適な水冷環境が組めると選ばれた筈です。
ちなみに例の深夜でプラスワンな小説、あれに出て来る情報屋な英国貴族の住む別荘地に聖院支部があり、水上機な名前の長靴系大貴族の所領だったのを「譲り受けた」関係で湖畔のお城を改装して使っているとか。
とても有名な美しいお城だから検索したらすぐ出てくるでーとは天の声。
で、小説では英国貴族の隠居先として有名らしいですが、もともとの城下町だった事もあり小規模な色街ありーの市場もありーの。
更に時計国、時計国たる産品の時計流通や、当時の主要輸出品たる傭兵稼業もあって東隣のお邪魔帝国もうかつに手を出せない事情があります。
ま、スイス支部の罪人頭が傭兵の口入れ組織の幹部を兼ねていて、能力に優れた罪人の再就職を斡旋していたり、はたまた傭兵がスイス支部や色街で遊ぶので相互補完でうっはうはなのが痴女皇国世界や聖院世界の門を取る町だそうです。
欠点は行くのめんどくさい事です。
皆さんの世界なら、ジュネーブ空港の地下で特急に乗ると、あの国特有の向かい合わせに座らされる上、一等と二等の違いが感じられない列車に揺られ1時間くらいで着くそうですが、この時代にそんな便利なもんがある訳もなく、おま…レマン湖を行く船か、冬場は雪と氷に閉ざされる街道を行く他ありません。
さすがにここは文明開花して登山電車でふにくりふにくらした方がええかなーどないしよーとか、支部はおろか本部でも集客に悩んでいる模様。
ともあれ、桟橋に係留されている、私たちが乗ってきた飛行機を訪ねてみましょう。この飛行機の機械を使い聖院研究に訪れた生徒を管制しています。
そして三つの学校の聖院世界研究会合同本部を置いているとか。飛行機入り口にいる騎士に聖環を見せて身元確認の後に中に入ります。
男子二名がごはんたべてました。
彼らは連邦社会に復帰してからの将来の地位や立場がかなり洒落にならない事もあり、今回は痴女化を見送り人間のままで作業に従事しています。
で、食事問題の解決のために数十個の段ボール箱が積み込まれています。連邦宙兵隊の大佐の方のツテで、フランス軍の前線糧食と日本の陸上自衛軍の糧食にしたそうです。
理由は「外れが極めて少ない」からだそうで…逆に米軍のものは「肥満を気にする男子二名に与えるのはヤバい、ヤバすぎる。あそこの飯は基本的に一日あたりの必要カロリーを基準として考えよるから味以前に日本人には過剰なのや」と力説する女性佐官が意地でも調達させなかったそうです。
そして、この飛行機の警備担当。
密かに争奪戦だそうです。
理由。
ごはんがおいしい。
そりゃ好奇心漲る年齢ですよ色々。
そして支部の方もやる気が出る話が欲しい。
という事で警備は二名配置。
そして心話で現地事情やら、あるいは聖院支部に関する質疑応答の相談役として男子2名の作業を補助する役目を兼任しています。
有り体に申し上げましょう。
警備対象は男子二名。
何から守られているか。
痴 女 からです。
はい。抜け駆け行動を察知した支部長兼戦略部長判断により、立哨警備配置が即決定。同時に相談役の役割を兼ねるため上級騎士と下級騎士各一名のペアで組まれ、下級は午前と午後で交代する事になりました。
が、上級は午前6時から18時まで12時間ぶっ通しです。人が来ない時は寛いでよしとされましたが、それでも見た目は辛い仕事に見えます。
…彼女らの心の中を覗かないなら!
では、どんな会話か。
(では山岳部隊というのが広域警備と、主に冬季の人命救助に当たっていると)
(そうです。この部隊は固定ではなく定期的に人が入れ替わります。ただし研修を経て山岳活動に従事する認可が出た者に限られていますが。該当者は腰に極東から送られてきた竹筒を装備していますよ。そちらの世界の救助犬が首に下げている樽と同じ役割がありますから)
(服装などは違うんですか?)
(マリア様でざいんのものに変わりまして、元来の時計国担当は白地に赤の飾り線が入るものになりました。季節で着替えなくても良いように外気温に応じて露出度が変わるようになっています。あと救助作業時に目立ちやすくするための灯具や、けいこうしょく、というのですか。鮮やかな色のたすきを携帯していますね)
とまあ、分院業務に関する質問に答えたりなんぞ。
(…その、いわゆる聖娼事業ですか。こちらの顧客はだいたいどういう方が…)
(私の立場で細かい数字はお教えできかねますが、だいたい傭兵5割一般3割びっぷ2割とお考えください。場所が場所だけに出張も承っておりますよ。びっぷ専門ですが)
(そうした業務に従事する方の服装は変えておられます?)
(横の帝国がいちいちうるさいので変装していますね。しばいたろか。失礼。元来の欧州広域対応組は聖院本部と同じものを着用します。主な顧客の長靴半島や、帝国内でも女好きの貴族から密かにお呼びがかかる場合がありますので、マリア様制定仕様の上から何かを羽織るとか着替えたり云々)
(北の方の島には展開されておられますか)
(人魚姫国は平坦で水源が取りにくいんですよねぇ。海賊蛮族国は湖水地方がありますけど、あそこは割と野蛮なので小規模な駐留に留めています)クリス父様がくしゃみしていそうです。
とまあ、こんな感じで割と真面目に答えてたり。
(そもそも何故に聖院にお入りになられたのでしょうか)
(有り体に言うと口減らしです。政略結婚の口すらない者が結構おりまして…で、下級であれば婚活話が来た際には応じてよしという裏内規もありまして…もちろん支部で背後を調べたり、還俗後になりますけどね。痴女皇国のメーテヒルデをご存知かもしれませんが、あれは希少な例です。本部送りにされるのはだいたいダリアのような不幸な生まれで本部教育が必要とされる場合でしたね。痴女皇国になってからは途絶えていますが、近々向こうが組織改変した暁には人材供給や公式交流も戻していく予定です)
(参拝客にグッとくる…心をときめかせる事はないのでしょうか)
(これは下級と上級で変わります。下級ならまだ人として男性を見ます。ですが上級になると体力も知能も完全に通常の人を上回りますから。有り体に言いますと殿方の参詣者は、私たち上級職にはパンを背負っている子犬に見えるのです。首からバターをぶら下げている)
(まさかバター犬…)
(あー、そんな感じですねー)
とまぁ、録音不可能な心話を良いことに割とぶっちゃけていたり。
なお検閲が入るので、ここでなされた話の全ては連邦側に流さない模様です。
そしてごはんの意味。
彼らと野戦食を一緒に頂いたり、分院食堂にご一緒するわけではありません。
密かにちゅーちゅー出来るのです。リモートドレインで。そして下級騎士には上級経由で。
むろん、午後の作業に支障がない程度ですが。
しかし若い精気をいただけますしねぇ。
ま、そんな訳で食事を終えた男子二名に午前中の報告と面談。
「サリーさんとアンジェリーナさんはマイレーネさん同行でサヴォイア家訪問、田野瀬さんはまりあさん同行でオーストリア国境付近視察、ジーナさんと篠村さんはパーゼルからフランス方向に進出してミュールーズ、ストラスブール方面への視察、と。ジーナさんはドン・レミまで足を伸ばす予定。篠村さんの学校でフランス語選択してるから聖女絡みの話が聞けるでしょう」
「聖女がこの時代にいるのがまた頭痛が…」
「ある意味歴史の授業の知識がまるで役に立たないというか…まりあさんが修学宮の担当につないでくれたけど、向こうに提供した世界史の教科書だけでもみんな頭抱えたらしいから…」
「何とかぐらんどおーだーの世界かというくらい頭痛いよ」
「比丘尼国史と日本史の違いってどうなんでしょ」
「あー、もう駄目です。丸っ切り違うと言って過言はありません。大和朝廷が巫女集団化して元伊勢に本山構えて、男ども中心に行政府を各国持ち回りにして行脚してる状態」
「…田淵くん、菅野さん。賭けてもいいんですけど、今回のレポートを日本政府に提出するだけでも絶対に倒れる人続出しますよ。これはまりあさん始め聖院や痴女皇国側が過剰に干渉するなと言うはずですね」
「一応、要所要所でそちらの顧問の桜田先生には送られてるんですよね?」
「ええ。まりあさんがチェックした上で。ただ、第一報送付後約一時間後に連絡が入りまして」
「で、何と」
「賭けてもよいですが、日本政府だけで処理不可という結論になるでしょう。もし違う話が出たら今度の天皇賞でうちの何々シービーに給与分突っ込みますと」
「ま、そうなるよねぇ」
「うちの馬、正直有名な割に成績にムラがあるからその罰ゲームが成立するのが何とも」
「いや、父からも内々の打診がありまして。篠村さんについては卒業後、可能なら聖院世界か痴女宮勤務を依頼する方向。吉村さんについても未定ですが、おそらく定期連絡を前提に派遣人材として連邦の出向職員の地位を与えるだろうと」
「あー、田淵くんルートもそうなるかー。いや、僕の方は直接国体に関わる筋じゃないけどね。ただ…ほら、神職系の人材があの家系には幾人もいらっしゃるでしょう。最低一名は派遣を検討する方向で調整にお入りになられたと…」
「逆に聖院に関わりすぎないかしら」
「ま、これは内緒ですよ。うちの父の党内では、聖院の助力を得て今の連邦を是正するか、いっそ刷新した方がトータルで国益になるだろうと言い出す重鎮議員まで複数」
「ふむ。まぁ、連邦は旧国際連合と違った意味で統制取れてませんからねぇ、無理もないか」
「とりあえず菅野さん、マリアさんが戻った時点で現段階での日本側の反応と意向を説明できるようにしておきます。そちらは?」
「私も作業に加わりたいのですが、聖母様に召集されまして…夕刻には戻ります」
「わかりました。行ってらっしゃい」
「では」一礼して機内から去ります。
さて、ローザンヌ近辺の山中まで迎えに来てくれとの話ですが…。
「ふむふむ。やはり篠村さんはこっちに赴任させる方向とな」男子二名との会談内容を再生しながらジーナさんが頷いておられます。
「…と、いう事は…」ええ。ジーナさんと私。顔が真っ青です。篠村さん、般若です。王国を築きそうな顔です。
「ごめん早まった!」
「どうか何卒お許しを…」平伏する二人を般若が睨みます。この落とし前どないしようかという顔で。
「まぁ、ここで私が無茶を言うとジーナさんなら記憶消し飛ばすとか、それこそ過激な手段に訴えそうなので私もあれこれ言うつもりはありません。ですが、私も腹の虫が収まらないのも事実ですっ」
「すまぬ、すまぬ…」
「しかし、父からはそちらから見れば抜け駆け同然の話を言われていたのも事実です。私にも落ち度はあるかと存じます」
「ふむふむ」
「ここは一つですね、私の進路も無理矢理決められた可能性がありますので、腹をくくるためにもですね」
「何でこうなるうううあんっあんっ」
「今回の派遣者で聖母様に突っ込んだ一番乗りが私なら満足します!言っときますけどあの時の貨物室、ほんと死ぬかと思ったんですからね!ちんぽ一本だからまだ楽だと思って下さいあっいくっいくっ」
「痛い痛い痛い篠村さんそこ陰部違うあひぎいっ」
「菅野さん!私なんかアナルと膣二本挿しだったんですよしかもあんな大きいの!一本なんですから我慢してくださいあっ出る出る出るっ!」
…ええ、動画記録は勘弁してもらいましたが屈辱です。
しかも篠村さんとは私が盛ったら相手してくれとまで確約させられました。
悔しいから今晩言わしたんねん。
絶対犯すねん。
---------------------------------------------
なおみ「あとはサリーさんに一発。これで腹の虫が収まります」
サリー「こしゃくな。かえりうちや」
なおみ「ふっ。しほ子さん。ジーナさん。わかっておられますよね」
サリー「ききききき汚いぞっ!卑怯なりっ」
なおみ「ひきょうもラッキョウもあるかっ」
ジーナ「なおみちゃんが二代目何とか星人と化しています」
なおみ「あと、マイレーネさんに頼んどきました。今晩からお部屋、しほ子さんと同室で。しほ子さんとの場合、上級区画でしたね(ニヤリ」
しほこ「ひぎいいいい」
なおみ「マイレーネさんに聞こえないように手加減はさしていただきますどすえ。ほほほほほ」
しほこ「やめてその京都名物いけず石笑いやめて」
しほこ以外「さだめぢゃ」
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翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
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