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Unbeaten Tracks in Japan - 日本をめこ紀行 -「沖縄編」
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アルトリーネでございます。アルトリーゼになりますたが、響きがいいので昔の名前で出てよいでしょうか。
それはそれとして人の話を聞かないとか、ぬけがけはよくありませんよね。
あと、あいじんてあてをちゃんとはらわないとか、しんようされないともてませんよ。
-----------------------------
「Send VOR/DME interrogator test signals, transponder recieved. 民間機モード用インテロゲータはOK。IFFインテロゲータ・トランスポンダテストシグナル送受信テストシーケンス作動開始。…レスポンス、グリーン」
「続いてTACANアナウンシエータチェック」
「了解。…Send Signals. Recieve Signals. Green」
「赤外線・紫外線・ELL作動テスト」
「InfraRed IFF test signals send/recieved…Green. Ultraviolet IFF test signals send/recieved…Green. ELL IFF patern blinking…Green」
「なんかあちこちぴかぴか光ってますね」
「あー、これな。敵か味方かを教えるための光。今、連邦管制空域でババヤガーとカリバーンの、ちゃんと私ら味方ですよと言うかのテストしとったのよ」
「めんどくさいですよねぇ」
「うちらは心話が使えない奴の方が多いからしゃーない。ましてやババヤガーは基本、カラクリやから、教えた通りとか押し引きした通りにしか基本、動かん」
「ああ、あたくしの実家に行く際に言っておられた敵か味方を見分ける装置の動作確認ですね」
「そうそう。軍用機としてはこれがちゃんと動かないとものすごくまずいのじゃ」
『呼び出し放送。ジーナ少将。1101応答願います』
「こちらジーナ。艦載機格納庫1C」
『連邦嘉手納基地司令部より機密通信。ラッツィオーニ中将閣下より』
「了解。上がります。アルトちょっと一緒に来て。あと雅美さんと乳上と黒マリ白マリ呼んで」
「はいです」
で、あたくしたちはてんぷれすの艦載機区画からえれべーたに乗ってかんきょうに上がります。
中は明るくてきれいなのですが、このてのものに乗るたびに嫌な気分になるのは何故なのでしょう。きっと聖院の電気かごが悪いのです。ええ。
入口の護衛の方に敬礼されてジーナ様は中へ。
「女性4名来たら入れて。外観はスラット」と伝えます。ちなみにすらっとと言うのはちじょの事だそうです。まさみ様とちちうえは当たっていますね。
「艦長、すみません遅くなりました」艦長様と敬礼を交わし、提督席につくジーナ様。
「お呼びだてして申し訳ありません。先方がどうしてもと。宜しいですか」隣の艦長様がジーナ様を見ます。頷かれるジーナ様。
『テンプレス艦長、ご無理を言って申し訳ない。高木少将の帰投報告の順番を少し変える必要が生じたのだ』
「いえいえ。提督は戻られましたのでその辺りはご随意にお二人で」
「中将閣下。何か緊急事態でも」
『ああ、ゴルディーニ君より君に伝えた方が早い。明日、ブリッツナー大将と楊事務局長が嘉手納基地にお見えになるそうだ。目的は解るな』
「…アホですか。いえ暴言申し訳ございません」
『いや少佐。わた…俺もそうだ。言いたい事は…』
そこで音声が一旦途切れます。はっはーんという顔をされるジーナ様。
「閣下。今嘉手納の執務室で?」
『うむ。そうだが?』
「少々お待ちを」
(白マリか黒マリ。嘉手納基地の宙兵隊極東総司令部にいるラッツィオーニ中将宛に心話つなげること、出来へんか?)
(やってみるー)
「閣下。そのままそこにいらっしゃって下さい。この機密通話は一旦お切り頂いて大丈夫です。小官に委細お任せを」
『ふむ。了解した。一度切るぞ。オーバー』
「では。オーバー」
(つないだよー。喋ってみてー)
(あいよ。閣下、聞こえますか。ジーナです)
(お、おお…なるほど。これについて質問したいが、とりあえず先程のVIP来訪の件だ。この方法での機密は保てるのかね?)
(これが出来るのは聖院関係者のみ。現在、当艦に乗艦しているのは本部幹部級。最高意思決定者を含みます。ま、マリアですけどね)
(承知した。あのマリアちゃんがドゥーチェとはなぁ。久しぶりだね。とりあえず説明しよう。ゴルディーニ君や自衛軍のカガからの報告で、聖院関係者の乗艦の話を聞きつけたエンリケがなぁ、エンリケがなぁ)
(隣にいてるんでしょ?)
(人払いはしてるが、恐らく通話を傍受してたと思う。全くあの堅物の小心者め。生まれた国を間違えたにも甚だしい)
(ですよねー。で、うちのマリ公とかが乗ってんの漏れてるみたいですけど、かねてより極東総司令部の塩対応に業を煮やした宇宙軍とニューヨークが切れて「ならこっちから行ったるわい」となったとか)
(その通りだ。あいつらは君や私の報告書を読み口頭での注意を理解する知能があるのか。ないだろう事にマリア様の…を賭けてもいい。断言できる)
(同感です。ちょっとうちの娘来ましたので話に混ぜますよ)
(うむ。頼む。チャオ、マリア)
(あーラッツィオーニのおじさんこんにちわー。今ちょっとマリア二人いるけど混乱しないでねー)
(ラッツィオーニさん。あたしは黒マリアとしておいてくれ。今、ブリッツナーというジジイと楊というおっさんの頭の中見てみたけどよ。なんとかしてこっちと接触して恩を着せようってアタマっつーかハラだな。どうする?)
(おぅ、神よそんな事ができるのですかという気分だが、まぁ…予想通りだよなぁ。何だってあの馬鹿どもはそう話を急ごうとするのだ。あいつらはよくぞ今の女房を捕まえたものだ。性急な男にロクなのはいないという見本みたいな奴らめ)
(楊ってのには愛人いるぜー。2名。隠せてるけどなー。詳細は押さえてるから隠し球にとっとくわ。アホめ。ひひひ)
(おお、そんな事まで。あのチーノ野郎め。…これは内緒だぞ?)
(いいさおっちゃん。それより、こっちも対策してやろうか?賭けてもいいけど絶対決裂するぜ。最悪は操り人形にもできるが、それは流石にまずい…よなぁ?)
(中将閣下。失礼致します。マリア女皇陛下の配下に連なる田中雅美と申します。閣下、察するところ、我々が体調を崩したとか何とかいう理由で、今回の上陸を中止する方が良いと進言をお考えかと存じますが…その、私どもにも事情がございまして、今回は是が非にでもせめて大阪には寄らせて頂きたいところです。これは我が陛下のご意思でもあります)
(そーなんだよおっちゃん。あたしらのよんどころない事情でさー。沖縄はまーしゃーないとしても、せめてせめて大阪はなーってとこなのよー。それにさー、これ断ったら大阪来るの見えてるじゃん)
(将軍閣下。我が義妹マサミ同様、女皇陛下の臣を務めておりますクライファーネと申します。先方の来訪を断る術はないとお申しに?)
(ああ。私も散々考えた。しかし、不肖の部下が色々吹き込みやがったせいでな。今度の査定は最低にしてやる。絶対だ。マリア様のあれに賭けて誓おう。だが奴の処分に頭を痛める事より、我が連邦のトップの問題だよ。はぁ、せめて場所がそちらならなぁ。極東総司令部会議室での会談を希望していやがる)
(うわー上から目線ー高飛車ー。あ、あたしの方は白マリアで頼みますね、おじさん)
(…え?陛下…マリアちゃん、中将閣下と面識あるの?)
(うん。0歳児の時から。わはは。ま、それはいいとしてさぁ。向こうは結局何がしたいのかっていうと、可住惑星開発が進まないからとりあえず住めて資源のある星が欲しい。さらに言うと地球型の有大気惑星。あの人たち、もっというと楊事務局長の頭の中はこれ。そして来年の事務局長選出選挙のための成果が欲しい。是が非にも)
(世間の評判通りだな。政治家ってのはこんなのばかりかよと言いたいが、仮にも私の遥か上位の人間だ。あんなのでも)
(ほんっとに本音隠さねぇよなおっちゃん。もうちょっと隠せば出世…あーそーか、宙兵隊の組織の問題があるかー)
(そうなんだよマリア。ああ腹立たしい。かといって宇宙軍風情や、まして総合参謀局なぞ俺の行きたい場所から宇宙の果てくらい離れてやがるんだよ。あんな所に転任するくらいならドイツに移住する方がマシだ)
(あの…ジーナちゃん…中将閣下って…こんな人なの?)
(そー。出身国で察してくれ。だから逆にあたしにとっちゃ有難い上官なのだよ)
(あー!そうだ!ちょっとさ、いい案があるぜ。あたしはともかくこいつらの格好だよ。そして、あたしも正装になりゃ、そっちの司令部内に行くにも大変って事にすりゃあいいさ。既に姿格好の画像、そっちに行ってるだろ?この格好で嘉手納基地の中をうろつかせるのかよって!な?)
(おお名案だよマリア、流石にマリア様と同じ名前だけはある。素晴らしい。仮にそちらが応諾しても向こうが嫌がるのは請け合いだ。特にブリッツナーの腐れ芋やろ…失礼した、宇宙軍の良識者があれを見てどう思うか私は是非見たいものだが。わっはははは)
(で、テンプレス艦内での会見には応じる。これはそちらの倫理基準を知るマリアリーゼ太政官並びに女皇国皇帝からの衷心の助言でもある、とね)
(それとさー、閣下。可能なら予定通り、こっそりママの店でこの子たちと話をしません?今回そっちがメインだった訳ですやん。とりあえず貸し切れないかあたし聞きましょか?)
(うむ。ジーナ君。君は俺が誇る有能な部下だ。その部下の提言は全力で乗ろう。そして、エンリケの首を引きずって来ようと思う。理解しない奴には体に覚えさせるのが一番だ。良いかね?)
(OKです。あと、店への料金支払いなんですが、例の通貨問題で…)
(ああ心配するな。エンリケに払わせる。というか払わせないと俺の怒りが収まらん。とりあえず経費としては通るようにしておこう。心配するな。ママの機嫌を損ねると嘉手納基地存亡の危機なのは理解している。あそこがなくなると兵どもが怒り狂う。基地主計部もそれは理解しているから心配しなくて良い)
(本当に頼みますよー?こっちも今、娘増えて物入りも物入りでねぇ)
(その娘さんたちも来るのかね?)
(もっちろん。あと、ゴルディーニ大佐の同席はよろしいですか?)
(うむ、もちろんだ。彼の話も聞きたい。でなければあの阿呆どもへの対策を立てるも叶わんからな)
(あったま痛いですよねぇ)
(すまんが嘉手納基地並びに極東の良識たる我々が踏ん張らねばならぬ時だ。美しいお嬢様たちのためにも)
ええ。ジーナ様がおっしゃっていた通りでした。
女が絡んだら、特に美女が絡むと本気を出されるお方だと。
(ではママの店に着いたらこの方法で連絡してくれ。なるべく早急に行くようにする。オーバー)
(了解しました。オーバー)
「艦長。明日、連邦トップ二名が来艦の可能性高し。ワーズワース首相に緊急打電願います。副長、来賓訪問準備願います。…みなさん!明日は楽しい見せ物をお見せできるでしょう!張り切って準備と対応願います!」
おおーとかんきょうに歓声が上がります。
話の要所をマリア様が聞かせていたらしく、みんな「泣かす。絶対泣かす」で一致しています。
かいぞくせん、という単語が何故か頭に浮かびました。
うちうのうみはあたしのうみなのでしょうか、じーなさま。
で。
先行したジーナ様と白マリ様の誘導にて、黒マリ様以下皆で、そのママのお店とやらの中に。わたくし達が目撃されたらたいへん危ないそうです。色々な意味で。
ええ。ちちうえはもちろんですね、まさみ様、ダリア、クレーゼ様…までは良いとして、何故わたくしまでちちうえ仕様なのですか!流石にサリーとしほ子は騎士正装ただし帯剣なしですが…。
そして白マリ黒マリ二名も「いめーじびでお」とやらに出そうな姿です。
わかりやすく言いますと、すけてないちちうえ仕様です。更にジーナ様まで金色のそれです。
ええ、ままという方も呆然とされています。
「ジーナちゃん…一ヶ月、いや一週間でいいからこの子ら貸してくれんね?」とか頼み込まれてます。
それは流石にまずいという事で、代わりにマリア様がママの身体をちょっとごにょごにょしてちょっとだけ若めに戻しはりました。そしてお尻で引っ掛けない方のちじょ衣装をぷれぜんと。
更に今日来るはずの女性には臨時のお休みを出してお給料にいろをつけてほしょうされたそうですが、べてらんのお二人だけは店をするためにしゅっきんさせてほしいという話になり、まま同様に他の女の子にあれこれ言われないていどにわかづくり。衣装も色違いをわたされました。
ジーナ様によると、今日はすりんぐしょっとでーやなあと。
そして「ミカちゃんシオンちゃん。わかってると思うが今日は香水絶対禁止や。うちの痴女組もつけたらあかんぞ。そしてすまんが今日見た聞いた事は全て極秘や。ママの店の信用に関わる話や。守らんかったら憲兵くるぞ憲兵」
「皆さんよろしく頼むね。あと来たお客は悪いけど明日以降もっかい来ると言うとくね」
「よし!では特別営業開始!」
ジーナ様の宣言でお店の中の照明が切り替わり、みらーぼーるというたまがくるくる回り出します。
開店あいずというおんがくが鳴ります。なんか若作りのおじさんが金色の指であちちとか歌ってそうなきょくですね。
で、お店のてーぶるやそふぁの配置も入れ替えてあり、かいぎができるような感じにしたうえで奥にラッツィオーニ様がおすわりになります。
あたまはゴルディーニ様と同じつるんつるんですが、もうすこしお太りな方です。
ただし動きはきびきびとしています。身振り手振りがすごく大げさです。
そして、あとで聞かせていただきましたが、歌声がものすごくきれいです。かしゅですか。
どうもラッツィオーニ様のお国ではじょせいにモテる男でないと生きているかちがないため、みんながんばってもてるしゅぎょうをするそうです。
しゅぎょうはたまをけったりくるまのうんてんがうまいとか、ぱすたという麺をゆでるのがうまいとか色々あるそうです。もちろん褥の技も当たり前のようにうまくないとダメだそうですが、うたごえがきれいなのもだいじなのだとか。
まさみ様に言わせると、このくにの殿方は美女と見ればとにかく口説かずにはいられないので昔から有名らしいです。すごいくにですね。
あと、この国のひとは男も女もたばこを吸う人がいまだに多いそうです。かっこよくおさけを飲んでたばこを吸うのが女の人にも求められるそうで。
「その長靴国というのも…」
「うん。だいたいおっちゃん達と同じく、女と歌劇と美術芸術と料理に命賭けてる。なーダリア」
「あと、職人や学者の国ですね。そちらも似たようなものとお聞きしましたけど」
「ああ、たとえ外観があれでもそれは神のご采配だ。我々は美と愛のためにはあらゆる努力を惜しまねばならないという御心なのだよ」マリア様に力説されるラッツィオーニ様。
(クラ子わかるか。この国だけは宗教を独特に解釈しているんだ。特にマリア様…救世主というロン毛のおっさんを処女で孕んだ母親の何かに誓うのが大好きなんだ。マザコン率が異様に高いのでも有名でな…)
(ニホンと違う意味で、自分たちの世界に生きていますね…)
(生き方はわかんねん。分かるねんけど感性と勘に生きてるからちゃらんぽらん過ぎてな。ちなみにラッツィオーニ中将閣下はあの国の人間にしては上澄みも上澄みで、まだ国際社会に対応できている部類なのだよ。本国は、も・っ・と・す・ご・い・か・ら・な?)
(ちなみにスイスと並んで引退したイギリス人が別荘構えたがる国トップファイブです。気持ちはわかりますがねぇ)
(とにかく見た目と快楽に生命を賭ける。仕事だってバカンツァや趣味快楽のための金稼ぎで、楽しみのために生きてるんだ。ゴルディーニのおっさんの国の同類だ。これ言うとおっさんは死ぬほど嫌がるけどな。あそこと一緒にせんでくれと)
で、そのゴルディーニ様はジーナ様と二人して、小柄で黒髪で口ひげのおぢさんにお説教ぶちかましてはります。
「ですからレンスカトーレ少将閣下。この格好の子達を嘉手納でうろうろさせる危険性をですね」
「あたしが言うわ、大佐。エンリケ少将。この子らのヤバさ、直接身体に教えて差し上げましょう。ダリア。リモートドレイン。手加減してやれ。サリーとしほ子はダリアのやり方観察しとけ」
「な、何をするのだ少佐。あ、あ」びくびくしてはりますね。
「見たかサリーとしほ子。普通の人相手にはかなり気をつけていてもこうなるのや。これ以上やると痴女以外の女に満足できんようになるんや。だから一般人にはいくさ以外で全力ちゅーちゅーはしてはならん。わかったか」
「はい!ママ!」
「了解いたしました。おばさま」
「よろしい。少将閣下。喋る事は可能ですか。…おーいダリア、手加減した…よな…」
「全く不甲斐ない奴めが。貴公は少佐やゴルディーニ君の出した報告を精査する立場だろう。彼女たちは身の危険を感じたら、止める間も無く剣を抜くようにこれをやるよう訓練されているのだと何度も書かれていただろうが。殺気まみれのSPを吸い尽くすだけで大問題になるんだぞ」ラッツィオーニ様がぷんぷんと怒っておられます。
「まぁまぁ中将閣下。それよりこのお酒、なかなかのものですわね」
「うむ。我が皇国の特産品にもしたいものです」
ええ。赤いどえろなへびみたいなの二匹が両脇についています。あたくしとダリアはクリス様に。
「まー、未経験なら仕方ないわな。レンスカトーレ少将閣下、マリアリーゼ・高木・ワーズワースです。お分かりになりますか」
「同じくマリアリーゼ・ワーズワース・高木です。ほほほ。申し訳ないのですが、我が騎士は全て我らを守ることを至上として、そこなアレーゼ顧問による猛訓練を受けております。ま、そちらには剣の腕をお見せするまでもありませんかしら」白マリ様言う言う。ちなみにアレーゼ様は騎士正装帯剣です。そしてむきむきです。
「だからさー。現状の連邦とあたしらが直接接触したらまずいってうちのかーさんとかゴルディーニさんが散々報告入れてるじゃんか。ラッツィオーニおじさんだってクレーゼ母様が金衣女聖の時分に既に危険性を報告してるだろ?いくらなんでも背任行為で軍法会議もんじゃねぇの?あたし言っとくけど母の…高木少佐の記憶と知識完全に引き継いでるからさ、貴官の背任告発状、今から完璧に仕上げて、明日の会談時に読み上げて渡してもいいんだぜ?」
黒マリ様が禍々しい衣装にチェンジして怖い顔をしています。ぷんすか怒ってはりますね。
「そりゃそうよ。黙っててくれたらちゃんと金の卵渡してあげんのに、あの童話みたいにガチョウを絞め殺すような事してどうすんのよっ」
白マリ様も専用という騎士衣装にちぇんじしています。その手でもてあそんでる短剣、あたくしのなのでへんなところにつっこむのやめてくださいね。
「ったく、散々奴隷貿易やめて布教やめて言うてんのに、延々とサルみたいに続けた挙句、日本との取引切られたご先祖様みたいな事しおってからに」
ええ、この方の祖国、昔のにほんに色々もたらしてくれたのはともかく、例のいえめんな宗教をねたに侵略しようとした前科があるそうです。
しかも「先祖を救わないしゅうきょうなんかいらんわ」とそこらの平民にやり込められて、あきまへんわこいつらと泣いて帰らせたそうです。やりますね、にほん。
しかし、いかりにみちたははむすめ三人にやり込められてレンスカトーレ様、涙目です。
「レンスカトーレ少将閣下。クリス・ワーズワースです。今回の連邦の対応、父には報告しておきましたが全くもって困った話である、と。しかしながら閣下の反省次第でお助けできなくもありません。僕の提案をお聞き頂けるならば…ま、政治的にどうこう出来る立場ではありませんが。耳打ちくらいはさせて頂きますよ」
くりすさまこわい。
なお、いぎりすは昔、レンスカトーレさまのお国の自称無敵なかんたいをふるにぼこぼこにして、せかいのうみはおれのものとやったそうです。
(ま、こんだけ脅しておけば窓際人生を理解するか、自分で配転願い出すやろ。ほんましばくぞおっさん。こっちは一日くらい沖縄の海もたまにはとか思っとったのに予定吹き飛ばしよって)
ジーナ様のいかりのみなもとはこれですね。
そうです。
わたくしたちにこざかどこかでうみあそびしよーねーとか言ってた話を吹き飛ばして、やらんでもいい会談を入れた件で、全員さつまの目です。
さらにじえいぐんや宙兵隊でジーナ様のお知り合いも参加してばーべきゅーとかやろなーと言ってたので、なおさらいかってはるわけですね、きちのひとたちも。
(このまま帰したら絶対明日午前中に後ろダマよねー、この人)
(まぁ正直蒔いたタネとは言え、一応直属の部下なので問題は避けたいんだが…)
(あのー、アルトリーゼですが、ちょっと考えたのですが、ぎすぎすした話し合いより、ごはんたべながらというのはどうでしょう。うみべでばーべきゅーしながらならちょうどいいんじゃないですか。で、ほんらい来られるはずだった方々にも来ていただいて)
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ジーナ「いやー、今回はまじしばくぞやわ。ほんまこのおっさんとスキーのコンビに、あたし何回泣かされたか」
ゴルディーニ「流石に今回の件で自ら配転願いを出して進退を伺わないなら、俺にも考えはあるからな…」
アルト「ほんっとにみなさんさつまの目になってましたからねぇ」
マリア「ちなみにこんな人、天の声がネットでお知り合いになった方の職場にほんっとうにいたそうですよ」
ダリア「ろうがいというものですか」
雅美「いた…昔の職場にもいた…存在感を発揮しようといらんことする奴いた…」
クラ子「あたくし達の時代ならまだ成功すれば功臣なんですけど。もっとも失敗したら所領召し上げ、悪ければ斬首ですわね」
クリス「人間、謙虚に地味に生きるのも生き方だと思うんですけどねぇ」
クレーゼ「全くですわね」
全員「あんたがゆーな!」
それはそれとして人の話を聞かないとか、ぬけがけはよくありませんよね。
あと、あいじんてあてをちゃんとはらわないとか、しんようされないともてませんよ。
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「Send VOR/DME interrogator test signals, transponder recieved. 民間機モード用インテロゲータはOK。IFFインテロゲータ・トランスポンダテストシグナル送受信テストシーケンス作動開始。…レスポンス、グリーン」
「続いてTACANアナウンシエータチェック」
「了解。…Send Signals. Recieve Signals. Green」
「赤外線・紫外線・ELL作動テスト」
「InfraRed IFF test signals send/recieved…Green. Ultraviolet IFF test signals send/recieved…Green. ELL IFF patern blinking…Green」
「なんかあちこちぴかぴか光ってますね」
「あー、これな。敵か味方かを教えるための光。今、連邦管制空域でババヤガーとカリバーンの、ちゃんと私ら味方ですよと言うかのテストしとったのよ」
「めんどくさいですよねぇ」
「うちらは心話が使えない奴の方が多いからしゃーない。ましてやババヤガーは基本、カラクリやから、教えた通りとか押し引きした通りにしか基本、動かん」
「ああ、あたくしの実家に行く際に言っておられた敵か味方を見分ける装置の動作確認ですね」
「そうそう。軍用機としてはこれがちゃんと動かないとものすごくまずいのじゃ」
『呼び出し放送。ジーナ少将。1101応答願います』
「こちらジーナ。艦載機格納庫1C」
『連邦嘉手納基地司令部より機密通信。ラッツィオーニ中将閣下より』
「了解。上がります。アルトちょっと一緒に来て。あと雅美さんと乳上と黒マリ白マリ呼んで」
「はいです」
で、あたくしたちはてんぷれすの艦載機区画からえれべーたに乗ってかんきょうに上がります。
中は明るくてきれいなのですが、このてのものに乗るたびに嫌な気分になるのは何故なのでしょう。きっと聖院の電気かごが悪いのです。ええ。
入口の護衛の方に敬礼されてジーナ様は中へ。
「女性4名来たら入れて。外観はスラット」と伝えます。ちなみにすらっとと言うのはちじょの事だそうです。まさみ様とちちうえは当たっていますね。
「艦長、すみません遅くなりました」艦長様と敬礼を交わし、提督席につくジーナ様。
「お呼びだてして申し訳ありません。先方がどうしてもと。宜しいですか」隣の艦長様がジーナ様を見ます。頷かれるジーナ様。
『テンプレス艦長、ご無理を言って申し訳ない。高木少将の帰投報告の順番を少し変える必要が生じたのだ』
「いえいえ。提督は戻られましたのでその辺りはご随意にお二人で」
「中将閣下。何か緊急事態でも」
『ああ、ゴルディーニ君より君に伝えた方が早い。明日、ブリッツナー大将と楊事務局長が嘉手納基地にお見えになるそうだ。目的は解るな』
「…アホですか。いえ暴言申し訳ございません」
『いや少佐。わた…俺もそうだ。言いたい事は…』
そこで音声が一旦途切れます。はっはーんという顔をされるジーナ様。
「閣下。今嘉手納の執務室で?」
『うむ。そうだが?』
「少々お待ちを」
(白マリか黒マリ。嘉手納基地の宙兵隊極東総司令部にいるラッツィオーニ中将宛に心話つなげること、出来へんか?)
(やってみるー)
「閣下。そのままそこにいらっしゃって下さい。この機密通話は一旦お切り頂いて大丈夫です。小官に委細お任せを」
『ふむ。了解した。一度切るぞ。オーバー』
「では。オーバー」
(つないだよー。喋ってみてー)
(あいよ。閣下、聞こえますか。ジーナです)
(お、おお…なるほど。これについて質問したいが、とりあえず先程のVIP来訪の件だ。この方法での機密は保てるのかね?)
(これが出来るのは聖院関係者のみ。現在、当艦に乗艦しているのは本部幹部級。最高意思決定者を含みます。ま、マリアですけどね)
(承知した。あのマリアちゃんがドゥーチェとはなぁ。久しぶりだね。とりあえず説明しよう。ゴルディーニ君や自衛軍のカガからの報告で、聖院関係者の乗艦の話を聞きつけたエンリケがなぁ、エンリケがなぁ)
(隣にいてるんでしょ?)
(人払いはしてるが、恐らく通話を傍受してたと思う。全くあの堅物の小心者め。生まれた国を間違えたにも甚だしい)
(ですよねー。で、うちのマリ公とかが乗ってんの漏れてるみたいですけど、かねてより極東総司令部の塩対応に業を煮やした宇宙軍とニューヨークが切れて「ならこっちから行ったるわい」となったとか)
(その通りだ。あいつらは君や私の報告書を読み口頭での注意を理解する知能があるのか。ないだろう事にマリア様の…を賭けてもいい。断言できる)
(同感です。ちょっとうちの娘来ましたので話に混ぜますよ)
(うむ。頼む。チャオ、マリア)
(あーラッツィオーニのおじさんこんにちわー。今ちょっとマリア二人いるけど混乱しないでねー)
(ラッツィオーニさん。あたしは黒マリアとしておいてくれ。今、ブリッツナーというジジイと楊というおっさんの頭の中見てみたけどよ。なんとかしてこっちと接触して恩を着せようってアタマっつーかハラだな。どうする?)
(おぅ、神よそんな事ができるのですかという気分だが、まぁ…予想通りだよなぁ。何だってあの馬鹿どもはそう話を急ごうとするのだ。あいつらはよくぞ今の女房を捕まえたものだ。性急な男にロクなのはいないという見本みたいな奴らめ)
(楊ってのには愛人いるぜー。2名。隠せてるけどなー。詳細は押さえてるから隠し球にとっとくわ。アホめ。ひひひ)
(おお、そんな事まで。あのチーノ野郎め。…これは内緒だぞ?)
(いいさおっちゃん。それより、こっちも対策してやろうか?賭けてもいいけど絶対決裂するぜ。最悪は操り人形にもできるが、それは流石にまずい…よなぁ?)
(中将閣下。失礼致します。マリア女皇陛下の配下に連なる田中雅美と申します。閣下、察するところ、我々が体調を崩したとか何とかいう理由で、今回の上陸を中止する方が良いと進言をお考えかと存じますが…その、私どもにも事情がございまして、今回は是が非にでもせめて大阪には寄らせて頂きたいところです。これは我が陛下のご意思でもあります)
(そーなんだよおっちゃん。あたしらのよんどころない事情でさー。沖縄はまーしゃーないとしても、せめてせめて大阪はなーってとこなのよー。それにさー、これ断ったら大阪来るの見えてるじゃん)
(将軍閣下。我が義妹マサミ同様、女皇陛下の臣を務めておりますクライファーネと申します。先方の来訪を断る術はないとお申しに?)
(ああ。私も散々考えた。しかし、不肖の部下が色々吹き込みやがったせいでな。今度の査定は最低にしてやる。絶対だ。マリア様のあれに賭けて誓おう。だが奴の処分に頭を痛める事より、我が連邦のトップの問題だよ。はぁ、せめて場所がそちらならなぁ。極東総司令部会議室での会談を希望していやがる)
(うわー上から目線ー高飛車ー。あ、あたしの方は白マリアで頼みますね、おじさん)
(…え?陛下…マリアちゃん、中将閣下と面識あるの?)
(うん。0歳児の時から。わはは。ま、それはいいとしてさぁ。向こうは結局何がしたいのかっていうと、可住惑星開発が進まないからとりあえず住めて資源のある星が欲しい。さらに言うと地球型の有大気惑星。あの人たち、もっというと楊事務局長の頭の中はこれ。そして来年の事務局長選出選挙のための成果が欲しい。是が非にも)
(世間の評判通りだな。政治家ってのはこんなのばかりかよと言いたいが、仮にも私の遥か上位の人間だ。あんなのでも)
(ほんっとに本音隠さねぇよなおっちゃん。もうちょっと隠せば出世…あーそーか、宙兵隊の組織の問題があるかー)
(そうなんだよマリア。ああ腹立たしい。かといって宇宙軍風情や、まして総合参謀局なぞ俺の行きたい場所から宇宙の果てくらい離れてやがるんだよ。あんな所に転任するくらいならドイツに移住する方がマシだ)
(あの…ジーナちゃん…中将閣下って…こんな人なの?)
(そー。出身国で察してくれ。だから逆にあたしにとっちゃ有難い上官なのだよ)
(あー!そうだ!ちょっとさ、いい案があるぜ。あたしはともかくこいつらの格好だよ。そして、あたしも正装になりゃ、そっちの司令部内に行くにも大変って事にすりゃあいいさ。既に姿格好の画像、そっちに行ってるだろ?この格好で嘉手納基地の中をうろつかせるのかよって!な?)
(おお名案だよマリア、流石にマリア様と同じ名前だけはある。素晴らしい。仮にそちらが応諾しても向こうが嫌がるのは請け合いだ。特にブリッツナーの腐れ芋やろ…失礼した、宇宙軍の良識者があれを見てどう思うか私は是非見たいものだが。わっはははは)
(で、テンプレス艦内での会見には応じる。これはそちらの倫理基準を知るマリアリーゼ太政官並びに女皇国皇帝からの衷心の助言でもある、とね)
(それとさー、閣下。可能なら予定通り、こっそりママの店でこの子たちと話をしません?今回そっちがメインだった訳ですやん。とりあえず貸し切れないかあたし聞きましょか?)
(うむ。ジーナ君。君は俺が誇る有能な部下だ。その部下の提言は全力で乗ろう。そして、エンリケの首を引きずって来ようと思う。理解しない奴には体に覚えさせるのが一番だ。良いかね?)
(OKです。あと、店への料金支払いなんですが、例の通貨問題で…)
(ああ心配するな。エンリケに払わせる。というか払わせないと俺の怒りが収まらん。とりあえず経費としては通るようにしておこう。心配するな。ママの機嫌を損ねると嘉手納基地存亡の危機なのは理解している。あそこがなくなると兵どもが怒り狂う。基地主計部もそれは理解しているから心配しなくて良い)
(本当に頼みますよー?こっちも今、娘増えて物入りも物入りでねぇ)
(その娘さんたちも来るのかね?)
(もっちろん。あと、ゴルディーニ大佐の同席はよろしいですか?)
(うむ、もちろんだ。彼の話も聞きたい。でなければあの阿呆どもへの対策を立てるも叶わんからな)
(あったま痛いですよねぇ)
(すまんが嘉手納基地並びに極東の良識たる我々が踏ん張らねばならぬ時だ。美しいお嬢様たちのためにも)
ええ。ジーナ様がおっしゃっていた通りでした。
女が絡んだら、特に美女が絡むと本気を出されるお方だと。
(ではママの店に着いたらこの方法で連絡してくれ。なるべく早急に行くようにする。オーバー)
(了解しました。オーバー)
「艦長。明日、連邦トップ二名が来艦の可能性高し。ワーズワース首相に緊急打電願います。副長、来賓訪問準備願います。…みなさん!明日は楽しい見せ物をお見せできるでしょう!張り切って準備と対応願います!」
おおーとかんきょうに歓声が上がります。
話の要所をマリア様が聞かせていたらしく、みんな「泣かす。絶対泣かす」で一致しています。
かいぞくせん、という単語が何故か頭に浮かびました。
うちうのうみはあたしのうみなのでしょうか、じーなさま。
で。
先行したジーナ様と白マリ様の誘導にて、黒マリ様以下皆で、そのママのお店とやらの中に。わたくし達が目撃されたらたいへん危ないそうです。色々な意味で。
ええ。ちちうえはもちろんですね、まさみ様、ダリア、クレーゼ様…までは良いとして、何故わたくしまでちちうえ仕様なのですか!流石にサリーとしほ子は騎士正装ただし帯剣なしですが…。
そして白マリ黒マリ二名も「いめーじびでお」とやらに出そうな姿です。
わかりやすく言いますと、すけてないちちうえ仕様です。更にジーナ様まで金色のそれです。
ええ、ままという方も呆然とされています。
「ジーナちゃん…一ヶ月、いや一週間でいいからこの子ら貸してくれんね?」とか頼み込まれてます。
それは流石にまずいという事で、代わりにマリア様がママの身体をちょっとごにょごにょしてちょっとだけ若めに戻しはりました。そしてお尻で引っ掛けない方のちじょ衣装をぷれぜんと。
更に今日来るはずの女性には臨時のお休みを出してお給料にいろをつけてほしょうされたそうですが、べてらんのお二人だけは店をするためにしゅっきんさせてほしいという話になり、まま同様に他の女の子にあれこれ言われないていどにわかづくり。衣装も色違いをわたされました。
ジーナ様によると、今日はすりんぐしょっとでーやなあと。
そして「ミカちゃんシオンちゃん。わかってると思うが今日は香水絶対禁止や。うちの痴女組もつけたらあかんぞ。そしてすまんが今日見た聞いた事は全て極秘や。ママの店の信用に関わる話や。守らんかったら憲兵くるぞ憲兵」
「皆さんよろしく頼むね。あと来たお客は悪いけど明日以降もっかい来ると言うとくね」
「よし!では特別営業開始!」
ジーナ様の宣言でお店の中の照明が切り替わり、みらーぼーるというたまがくるくる回り出します。
開店あいずというおんがくが鳴ります。なんか若作りのおじさんが金色の指であちちとか歌ってそうなきょくですね。
で、お店のてーぶるやそふぁの配置も入れ替えてあり、かいぎができるような感じにしたうえで奥にラッツィオーニ様がおすわりになります。
あたまはゴルディーニ様と同じつるんつるんですが、もうすこしお太りな方です。
ただし動きはきびきびとしています。身振り手振りがすごく大げさです。
そして、あとで聞かせていただきましたが、歌声がものすごくきれいです。かしゅですか。
どうもラッツィオーニ様のお国ではじょせいにモテる男でないと生きているかちがないため、みんながんばってもてるしゅぎょうをするそうです。
しゅぎょうはたまをけったりくるまのうんてんがうまいとか、ぱすたという麺をゆでるのがうまいとか色々あるそうです。もちろん褥の技も当たり前のようにうまくないとダメだそうですが、うたごえがきれいなのもだいじなのだとか。
まさみ様に言わせると、このくにの殿方は美女と見ればとにかく口説かずにはいられないので昔から有名らしいです。すごいくにですね。
あと、この国のひとは男も女もたばこを吸う人がいまだに多いそうです。かっこよくおさけを飲んでたばこを吸うのが女の人にも求められるそうで。
「その長靴国というのも…」
「うん。だいたいおっちゃん達と同じく、女と歌劇と美術芸術と料理に命賭けてる。なーダリア」
「あと、職人や学者の国ですね。そちらも似たようなものとお聞きしましたけど」
「ああ、たとえ外観があれでもそれは神のご采配だ。我々は美と愛のためにはあらゆる努力を惜しまねばならないという御心なのだよ」マリア様に力説されるラッツィオーニ様。
(クラ子わかるか。この国だけは宗教を独特に解釈しているんだ。特にマリア様…救世主というロン毛のおっさんを処女で孕んだ母親の何かに誓うのが大好きなんだ。マザコン率が異様に高いのでも有名でな…)
(ニホンと違う意味で、自分たちの世界に生きていますね…)
(生き方はわかんねん。分かるねんけど感性と勘に生きてるからちゃらんぽらん過ぎてな。ちなみにラッツィオーニ中将閣下はあの国の人間にしては上澄みも上澄みで、まだ国際社会に対応できている部類なのだよ。本国は、も・っ・と・す・ご・い・か・ら・な?)
(ちなみにスイスと並んで引退したイギリス人が別荘構えたがる国トップファイブです。気持ちはわかりますがねぇ)
(とにかく見た目と快楽に生命を賭ける。仕事だってバカンツァや趣味快楽のための金稼ぎで、楽しみのために生きてるんだ。ゴルディーニのおっさんの国の同類だ。これ言うとおっさんは死ぬほど嫌がるけどな。あそこと一緒にせんでくれと)
で、そのゴルディーニ様はジーナ様と二人して、小柄で黒髪で口ひげのおぢさんにお説教ぶちかましてはります。
「ですからレンスカトーレ少将閣下。この格好の子達を嘉手納でうろうろさせる危険性をですね」
「あたしが言うわ、大佐。エンリケ少将。この子らのヤバさ、直接身体に教えて差し上げましょう。ダリア。リモートドレイン。手加減してやれ。サリーとしほ子はダリアのやり方観察しとけ」
「な、何をするのだ少佐。あ、あ」びくびくしてはりますね。
「見たかサリーとしほ子。普通の人相手にはかなり気をつけていてもこうなるのや。これ以上やると痴女以外の女に満足できんようになるんや。だから一般人にはいくさ以外で全力ちゅーちゅーはしてはならん。わかったか」
「はい!ママ!」
「了解いたしました。おばさま」
「よろしい。少将閣下。喋る事は可能ですか。…おーいダリア、手加減した…よな…」
「全く不甲斐ない奴めが。貴公は少佐やゴルディーニ君の出した報告を精査する立場だろう。彼女たちは身の危険を感じたら、止める間も無く剣を抜くようにこれをやるよう訓練されているのだと何度も書かれていただろうが。殺気まみれのSPを吸い尽くすだけで大問題になるんだぞ」ラッツィオーニ様がぷんぷんと怒っておられます。
「まぁまぁ中将閣下。それよりこのお酒、なかなかのものですわね」
「うむ。我が皇国の特産品にもしたいものです」
ええ。赤いどえろなへびみたいなの二匹が両脇についています。あたくしとダリアはクリス様に。
「まー、未経験なら仕方ないわな。レンスカトーレ少将閣下、マリアリーゼ・高木・ワーズワースです。お分かりになりますか」
「同じくマリアリーゼ・ワーズワース・高木です。ほほほ。申し訳ないのですが、我が騎士は全て我らを守ることを至上として、そこなアレーゼ顧問による猛訓練を受けております。ま、そちらには剣の腕をお見せするまでもありませんかしら」白マリ様言う言う。ちなみにアレーゼ様は騎士正装帯剣です。そしてむきむきです。
「だからさー。現状の連邦とあたしらが直接接触したらまずいってうちのかーさんとかゴルディーニさんが散々報告入れてるじゃんか。ラッツィオーニおじさんだってクレーゼ母様が金衣女聖の時分に既に危険性を報告してるだろ?いくらなんでも背任行為で軍法会議もんじゃねぇの?あたし言っとくけど母の…高木少佐の記憶と知識完全に引き継いでるからさ、貴官の背任告発状、今から完璧に仕上げて、明日の会談時に読み上げて渡してもいいんだぜ?」
黒マリ様が禍々しい衣装にチェンジして怖い顔をしています。ぷんすか怒ってはりますね。
「そりゃそうよ。黙っててくれたらちゃんと金の卵渡してあげんのに、あの童話みたいにガチョウを絞め殺すような事してどうすんのよっ」
白マリ様も専用という騎士衣装にちぇんじしています。その手でもてあそんでる短剣、あたくしのなのでへんなところにつっこむのやめてくださいね。
「ったく、散々奴隷貿易やめて布教やめて言うてんのに、延々とサルみたいに続けた挙句、日本との取引切られたご先祖様みたいな事しおってからに」
ええ、この方の祖国、昔のにほんに色々もたらしてくれたのはともかく、例のいえめんな宗教をねたに侵略しようとした前科があるそうです。
しかも「先祖を救わないしゅうきょうなんかいらんわ」とそこらの平民にやり込められて、あきまへんわこいつらと泣いて帰らせたそうです。やりますね、にほん。
しかし、いかりにみちたははむすめ三人にやり込められてレンスカトーレ様、涙目です。
「レンスカトーレ少将閣下。クリス・ワーズワースです。今回の連邦の対応、父には報告しておきましたが全くもって困った話である、と。しかしながら閣下の反省次第でお助けできなくもありません。僕の提案をお聞き頂けるならば…ま、政治的にどうこう出来る立場ではありませんが。耳打ちくらいはさせて頂きますよ」
くりすさまこわい。
なお、いぎりすは昔、レンスカトーレさまのお国の自称無敵なかんたいをふるにぼこぼこにして、せかいのうみはおれのものとやったそうです。
(ま、こんだけ脅しておけば窓際人生を理解するか、自分で配転願い出すやろ。ほんましばくぞおっさん。こっちは一日くらい沖縄の海もたまにはとか思っとったのに予定吹き飛ばしよって)
ジーナ様のいかりのみなもとはこれですね。
そうです。
わたくしたちにこざかどこかでうみあそびしよーねーとか言ってた話を吹き飛ばして、やらんでもいい会談を入れた件で、全員さつまの目です。
さらにじえいぐんや宙兵隊でジーナ様のお知り合いも参加してばーべきゅーとかやろなーと言ってたので、なおさらいかってはるわけですね、きちのひとたちも。
(このまま帰したら絶対明日午前中に後ろダマよねー、この人)
(まぁ正直蒔いたタネとは言え、一応直属の部下なので問題は避けたいんだが…)
(あのー、アルトリーゼですが、ちょっと考えたのですが、ぎすぎすした話し合いより、ごはんたべながらというのはどうでしょう。うみべでばーべきゅーしながらならちょうどいいんじゃないですか。で、ほんらい来られるはずだった方々にも来ていただいて)
-----------------------------
ジーナ「いやー、今回はまじしばくぞやわ。ほんまこのおっさんとスキーのコンビに、あたし何回泣かされたか」
ゴルディーニ「流石に今回の件で自ら配転願いを出して進退を伺わないなら、俺にも考えはあるからな…」
アルト「ほんっとにみなさんさつまの目になってましたからねぇ」
マリア「ちなみにこんな人、天の声がネットでお知り合いになった方の職場にほんっとうにいたそうですよ」
ダリア「ろうがいというものですか」
雅美「いた…昔の職場にもいた…存在感を発揮しようといらんことする奴いた…」
クラ子「あたくし達の時代ならまだ成功すれば功臣なんですけど。もっとも失敗したら所領召し上げ、悪ければ斬首ですわね」
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