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Unbeaten Tracks in Japan - 日本をめこ紀行 -「太平洋編」

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アルトリーネでございます。
母の実感がわきません。
ですが、聖院入りたての際の先輩方の教えを参考に頑張ろうと思います。


…性教育だけは、他の人に任せたほうがよいかもしれません。

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さて、新婚旅行に旅立つてんぷれす…と思いきや、実はあたくしたち、まだ聖院地球におります。

というのもですね。

あのとてつもなくはずかしい就任式兼けっこんしき。

ええ。根に持ちます。

あれに出席されたNBの皆様や、「かが」の艦長様などがおふねに戻って頂かなくてはなりません。

そして「かが」だけではちきゅうとこちらを行き来できませんので、てんぷれすと一緒に戻る必要があるそうです。

で、たいへいようという海に該当する場所で「かが」を待ち合わせます。

まず、「かが」に乗っていたNBの方々、てんぷれすに戻る必要があるという事で、黒マリ様と一緒に戻られます。そして聖院組も続いててんぷれすへ。

ただし…かがに残られた人がふたり。

そう、ジーナ様とクリス様です。

そして、白マリ様とわたくしの二人は金衣執務服と騎士服に着替えて「かが」にお邪魔します。

てんぷれすと基本的に同じおふねということですが、日本独自のしようという事で船内の色づかいや案内のかんばんは全然違いますね。そもそも文字が日本語です。

で、今日はきんようびという日ではないのですが、特別につくらせたという、かれーなる食べ物を食堂でいただきます。

「まさかこんなところでじえいたいかれーを食べる事になるとは…」と、ジーナ様とクリス様とマリア様が絶句されています。

ちなみに「かが」のすんぽうは、よこすかという港にある一番おおきなおほりに入るぎりぎりになるように決めたそうです。

「そうですねぇ。実は民間船舶や航空機の場合、日本は無国籍削減条約に批准していないのですよ」とかれーを食べ食べご説明されるは「かが」艦長のたつた様。たいさという階級。ゴルディーニ様と一緒ですね。

「ふむふむ。その場合はどうなりますの」とジーナ様。既にまたにてぃなお姿です。さっきまですらっとしたお姿だったのに、あらふしぎ。

「一応、本艦を民間船と見做したと仮定して説明させて頂きます。ご父母どちらかの国籍となります。即ち、高木少佐の国籍…お生まれのお子様は日本国民とする判断がなされるかと。これにつきましては現在、艦政本部に至急という事で問い合わせております」ここでニヤリとされるたつた様。

そうです、乗組員を上陸させて聖院世界の情報を独自収集してよしとの許可の代わりに、この出産劇を助けてもらう話に乗ってもらったそうです。きょうはんというものですね。

で、わるいやつらな方々がわるだくみ。

「ところで龍田さん、日本としてはどうですの。今回こちらにお越し頂いたメリットってありますの?」

「うーん、難しいところなんですよねぇ。国としては東方八百比丘尼国連合ですか。あちらに非常な興味を持ってはおるのですが、向こうはあまり知られたくはない影響を受けたくはないと申しておられましてねぇ。ただ…今後は聖院様の支部にアレーゼ様とお子様が着任されると伺っておりますので、そちらを通じてお話を頂けるという方向に期待を寄せております」

「まぁ、聖院幹部の子供は父親不問の原則がありますからねぇ。ねーかんのくーん」

そうです、このお食事会、菅野様も同席して、しかんしょくどうというえらいひと専用の食堂で行われています。

「むぐぐぐぐぐ。俺も大変だったんだぞ」

「まぁ君の愚痴は後で聞こう。そっちの子供の場合も一応、国籍について日本国籍は用意しておくが、いざという時の利点もあるからというのは承知してくれたまへ」と言われるジーナ様。

そうです、菅野様は本当なら「とっくの昔にお亡くなりになった人」なのです。

それに、本当の生年月日でとうろくすると「この人何百年生きてはりますの」という話になってしまい、おたんじょうびを申告する全ての事でいちいちややこしくなるのだとか。

で、とりあえず日本のこくせきを用意するだけでも関係者があーでもないこーでもないとすったもんだして「ほぼ捏造に近い形で宮城県角田市生まれのかんのなおしさん」になれたいきさつがあるそうです。

ちなみに菅野様は民間人ですが、だいにほんていこく時代の功績や実績を鑑みてこうくう自衛軍の予備自衛官扱いとしてひこうきの免許もでっちあ…用意してもらったとか。

「まぁ、こういう事に関しましては、世界でも類例を見ない面倒な国ですからなぁ、我が国の伝統的に」あせをふきふきたつた様。きっと、かれーが辛かったのでしょう。あたくしは美味しく頂きました。

「ほほほほほ。ま、その辺は連邦の方からも圧力…働きかけがあったのでしょう。ほほほほほ」

「まぁ独自主権を持っていた時代と違い、連邦傘下ですからなぁ、今の日本国は。はっはっはっ」

「英国からも随分と口添えをさせて頂きましたし。HAHAHAHAHA」

「あたしのほーも随分色々書類作って提出した記憶がねー。かーさん。ほーっほほほほほ」

あたくしと菅野様以外の全員があくにんのかおになって笑ってはります。

あくのそしきの本部ですか、ここ。

「まぁ、我が国のメリットはともかく、連邦に対して報告できる諸々を持ち帰らせて頂けるという事で、それなりの利点は享受できるかと考えております。連邦としては比丘尼国との独自交渉まで期待していたようですが、それは先方政体の関係上困難という事で報告。ただし、今回の中東事変並びに聖院世界に於ける有害植物管理事案において自衛軍の貢献を鑑み、麻薬原料植物の削減に協力するのを前提とした寄港についてはこれを歓迎するという、マリアリーゼ様から出された親書に合わせた報告類を提出する形でこちら…聖院側の姿勢を説明させて頂こうかと」

「それで結構でございます。というか…正直、連邦が今、こっちにガンガン噛んで来られるとものっっっすごくややこしくなりますので、NBと日本相手のみで色々とお話ししたいんですよっ」とマリア様。

「で、かが…の解析の方、進んでますの」

ジーナ様がお尋ねになられます。

ええ。マリア様同席のこの場で隠し事は出来ない。というか聖院関係者には隠し立て一切不可能ということを知っているたつた様は正直に答えておられます。

「全然。そもそもコアになっている多重空間対消滅推進機関の解析が出来たところで、我々日本国が自由に使えるどころか、連邦に召し上げられてしまいますからねぇ。ええ。やる気が起きるかというと」

給仕担当の方がお持ちになられた食後のこーひーを飲まれながら、とってもやる気がなさそうにおっしゃられます。

「こんごうについても、航空自衛軍は全く我々と同じ姿勢を取っているようで。連邦宇宙軍のブリッツナー大将自らが日本は何をやってるんだと怒っているようです。ちなみに英国も塩対応と伺っておりますが」

「ええ、英国の方の姿勢は僕の方に直接伝わっています。NBを国家承認しない限り、ブラックボックス解除はあり得ない「だろう」という意向で終始一貫してますから。ふははははは」クリス様ですらあくとう笑いをされるこの集まり。

「宙兵隊についてはどうなんです?その辺」

「あー、焦ってもしゃーないという姿勢ですわ。ま、宙兵隊はあたしとかゴルディーニ大佐がいてますやん。なもんで教えられる範囲は教えたげてるから、宇宙軍ほどには切羽詰まってませんし。むしろ宇宙軍が焦っていらんことしてきたら教えてくれ、それネタにして統合軍政局で吊し上げるわと、ラッツィオーニ中将閣下自らあたくしに言い切る始末で。ふほほ」

「まぁ、軍組織の中の縦割り区分の仲が悪いのは古来から延々と続く伝統ですからなぁ、はっははははは」

「悲しい…よんひゃくねん近くたっても全く改善されていないのが悲しい…」菅野様が遠くを見る目で見ておられます。

「まぁ菅野中佐、これは仕方ないよ。むしろ日本については君の時より進展はしているよ。百目鬼君などが正にそうだが、この「かが」の艦載機運用は航空自衛軍指揮下なんだし。海軍時代からは信じられんだろ?」

「ええ大佐殿。源田のオヤジが航空自衛隊とやらの将官様になったというのも驚きましたがねぇ」

ちなみに自衛軍では菅野様は死亡時の二階級特進でちゅうさと言う階級になっているとの事で、さかんとして扱われておられます。

たいいとはかなり待遇が違うそうですが、本人は「縁起悪い。嫌」とものすごく嫌がっていますね。

「ま、とりあえず我々の今後の行動だ。高木少佐。中東事案についての連邦への報告はやはり所定通り、宙兵隊沖縄司令部にされる方向で?」

「ええもちろん。アルトくんとマリア同行でゴルディーニ大佐とともに、極東司令部に出頭してラッツィオーニ中将、そして嘉手納基地司令部のエンリケ少将に面会して直接報告。宇宙軍がなんか言うてきても嘉手納通せで押し切ります。誰が横田とかホノルルくんだりまで行くかいと。ほほほほほ」

「ま、単なる部下の報告で済ませないという意思は、面子でわかりますよ。マリアリーゼ様とアルトリーゼ様が同行するなら外交事案になりますしねぇ」

「いくら見た目が女子高生みたいなものと言っても、太政官ですので。うひひ」と、そのじょしこうせいがおっしゃいます。

と、そこに。

「お邪魔しまーす。ま、あたしが一緒なら更に外交事案よ。ほほほ」女子高生姿の黒マリ様がアレーゼ様を伴ってご登場。

今回は聖院世界にいるうちに全てを済ませてから沖縄に乗り込むということで、アレーゼ様もすでにおなかのおっきなまたにてぃすたいるです。

ええ、痴女皇国の女皇帝すたいるだと流石にものすごくまずいという事で。

「マリアリーゼ陛下の方は、高木少佐のご出産後でよろしいのですかな」

「ええ。こちらもいつでも可能なんですが…おばさま、「かが」艦長の龍田様。日本国海上自衛軍大佐であらせられます」

「聖院騎士団顧問、菅野アレーゼです。今回はよろしくお願いいたします」と、日本式のおじぎでごあいさつ。

「にっひひー、とうとう菅野さんも年貢を納めたかー。いやーめでたいめでたい」黒マリ様が扇子を取り出してぱたぱた。どこの悪いおとのさまですか。

「いやその…」

「そーだよー菅野さん、せっかくアレーゼおばさま、敢えて菅野さんの好みの体型に変わってまで頑張ったのにー」ちなみに今はむきむき状態に戻しておられます。

「これも報告事案なんですよねぇ。まずここからして上に報告上げた際に絶対に揉めるの解ってるので、頭痛が」

「ま、それは後であたしが実際にここで実演しますから、それで説明資料にしてもらえれば」

そうです、姿形を変えられるというあれです。

あれをされると連邦では「個人の特定が難しくなる」というとんでもないことになるそうでして、これがまた、たつた様の頭を痛くしているのだとか。

「ただ、あたしたちでも特段の事情がない限りは基本的に変えないのよ。精気使う作業だし」そうです、まだ「かが」が聖院世界に留まっているのは、今からやる大工事@白マリ様談話に関係しているのです。

この後で「かが」医務室の準備が整い次第、ジーナ様とアレーゼ様が出産なさいます。なさいますが…。

「いきなり生まれてすぐ十五歳くらいの年齢にすんのも大変だけどさ、これしとかないと後で困るのよね、学校とか行かせる際に」と言う訳で、生後すぐに成長処理を行うそうです。

そして、その過程を映像記録してちゅうへいたいとじえいぐんに提供して「聖院世界の女官(まだ痴女種と言うのはごくひにしておくそうです)はこういうことできますよー。ついこないだまでちっちゃかったマリア様がじぇーけーなのもこれですよー」と言う説明をされるそうです。

そして「かが」医務室の準備が整ったという事で皆で向かいます。まずはぶんべんしつにジーナ様と白マリ様。

入りますことしばし。おぎゃあとひと泣きして産まれた後で。

「皆様、そしてアルト母様。初めまして、高木・アルトリーゼ・サリーと申します」と、あたくし似のじょしこうせいくらいの年齢の子が開いた扉から現れます。

サリーというのは、あたくしの俗名サレルフィールの愛称から取ったそうです。

身長はとりあえずクリス様くらいで。日本の方とあたくしの中間くらいの肌の色で髪の毛は金色おめめ青色、新規騎士服を着用しています。

なんかこう、母親になった感触がありませんが「よろしくサリー、おめでとう」と手を握り抱きしめます。わーい。

で、きおくほかんと言うことでしばし、サリーと一緒にまちあい椅子に座って手を握り合います。

そして入れ替わりに黒マリ様とアレーゼ様。菅野様はわたくしどもと一緒にぶんべんしつけん手術室の前でおるすばんです。

さて、アレーゼ様の場合はどうなるのやら。

しばしの後、こちらもおぎゃあ。

で。

「菅野・アレーゼ・しほ子と申します。直お父様、皆様、よろしくお願い申し上げます」黒髪純わふうびじんというのですか、アレーゼ様譲りの体型と、菅野様に近い感じの顔立ちの娘さんが、同じく騎士服をまとって一礼されます。

お名前は菅野様の妹様と、お姉様のかほる様から一文字ずつ取られたとか。

こちらはわたくしどもほどややこしい事をしておりませんので、産まれた際にすでに記憶と知識は継承しておられるため、きおくほかんは必要ないという事です。

で「かが」の女性いむかんと言う方が変身に至る映像を記録しておられるので、これを然るべきところにお渡しして「まほうちじょにへんしんできる」証拠として見て頂くのだとか。

で、かいふくしつと言うお部屋から母親二人登場。

「いやー、マリアが引っ張り出してくれたおかげで無痛分娩も甚だしくてさー」

「むしろあれだな、産後の体型調整の方に時間がかかって。お待たせした」

で、騎士服着用の理由。

「サリーはとりあえず聖院預かりで騎士修行、と。それでかめへんの?」

「ええジーナお母様。日本の学校にも興味はございますが…」

「費用面やったら心配いらんで。ま、とりあえず日本行ってから現地見て決めたらええわ。騎士服は聖院の人間やいう証明として着ておいたらええやろ」

「しほ子も一旦は騎士修行の後、アレーゼ母様に同行して比丘尼国派遣武官として歩ませて頂こうと存じます。父様、それでよろしいでしょうか」と父親の前で。

まあいきなり生まれたての娘がおっきくなって現れてこんな挨拶してたのならびっくらこかれますよね、普通。

「直殿、心配はされるな。既に余…わたしの記憶や知識は継承している。少々の訓練で体を馴染ませれば、即実戦も可能だ。驚かれるだろうが、旧金衣や銀衣はこれが普通の出産なのだよ」

「まぁ普通は十何年もかかるのがあたしらの常識やからなぁ。無理もないけど、聖院と付き合うなら、こっちの常識も理解してもらわんとな」

「しかしよ、軍人として考えると、赤露どころじゃねぇぞこれ。畑で兵隊が獲れるってのか。あれより更にすげぇじゃねぇか。短時間で兵隊ばんばん増やせるって事だろ」

「しかも一騎当萬な。おまけに、この子ら倒そうと思ったら核兵器ばんばん落とすか餌…人間を遠ざけるしかない訳よ。そら聖院世界でこの子ら出てきたら講和か撤兵しかないわなぁ」

「十万人以上いないと追い返せないってただろ。あれどういう理屈よ」

「これも簡単な話だ。銀衣時代のアルトリーネを例に取ると、一〇万人から一度に吸い取り切れない。だから数万を犠牲にして一斉侵攻をかけるしかないのだ。最も、精気を吸収後に騎士側が力を漲らせて逆襲してくることを考える必要があるがな。そして我等は人に対して不殺が基本。だからなるべく殺す事は控えるという、我等の理性に向こうも賭けるしかないのだよ、直殿」

「まぁ、十万出したから勝てる話でもないんだけどな。こっちが金衣出したら向こうは百万はいる。そんだけの大兵力用意しても互角以下だ、割に合わなさすぎるの、菅野さんならわかるよな。それよりはあたしたちに話は通じるんだから、外交のテーブルにつかせる方がよほど無駄がなくっていいという訳さ」両手を広げて黒マリ様。

「ただ…現代戦だと少し話が変わるんですよ。無人機。これが出てくるとあたしたちでも物理破壊に走るしかなくなるのよねぇ」白マリ様。

「もっとも、無人機といっても、人が遠隔操作してるものと、ディフェンダー級戦闘砲艦や連邦の無人宇宙戦闘機の雷電じゃちょっと違うんです」でぃふぇんだーってジーナ様から聞いたことありますね。なんかみなごろし用って。

「かーさん無茶言い過ぎだ。あれ、もともと宇宙空間戦闘用だろうが。指定宙域の対象艦艇全てぶっ壊すデストロイドモードで飛ばすってほとんどねえだろうがよ。IFF…敵味方識別装置の誰何すら行えない超遠距離戦闘前提で飛ばすから結果的に皆殺しに近くなるだけだぜ。宇宙軍の艦艇操艦操典筆記試験からやり直しだな」

「うぐぐぐぐむすめにぼろくそにいわれた」

「まぁ、宙兵隊のかーさんには仕方ないと思うよ…あたしだって色々あって知ってなきゃビビってただろーしなー」よしよししている黒マリ様がなんか母娘していますね。

「そりゃそうと、だ。ちょっと」

(アレーゼおばさま。アルト。菅野さんには聞かせたくない話をするぜ。正直、急速な成長の弊害で懸念することが一つある。なるべく邪魔や雑念が入らない場所で二人を筆下ろしして欲しい。どうしようもないならあたしか白マリがやるが、できれば親の方がいいんだ。正しい性教育、と言った方がいいだろう。正直うちの…痴女皇国の連中見てたら、あたしが何を恐れているかわかるだろう。できるか。特におばさま。これをちゃんとやっておかないと、歪んだ性癖の痴女が誕生する危険があるんだ)

(あぃ。ちちうえやまさみ様見たら、黒マリ様が何を言いたいかよく分かりましゅ)

(ああ…納得したんだが…どうも体がなぁ…)

(そーなんだよなぁ。おばさまってある意味特異種なんだよなぁ…こんだけ性欲薄い女官って過去にいたかよって墓所でも頭抱えてるくらいだったもんなぁ…)

(菅野様に事情を話しては無理なのですか)多分ダメって言われると思うのですが、一応聞いてみます。

(うんダメ。あれ頭の中の倫理観念が大日本帝国から進化してない。あれに比べたらまだなんとか由紀夫な公威くんの方がまだマシな部類。近親とゆーのが出た時点でめがっさあうと)

(ま、方法はあるのぢゃ。あたくしと黒マリで、こうしますねん言うのを教える。体の制御乗っ取って)

(結局それに行き着くんかのー。あ、ジーナ母様、クリス父様、聞いてたよな。これちょっと真剣に深刻な問題なんでな。どっか船室を確保して欲しい。テンプレスの提督室が一番いいんだが…今空いてるっけ)

(あー、今クレーゼさんと赤いの二人に貸してる。どーする、追い出すか)

(それあたしが言うわ。ちょっと真面目な用事で三十分でいいから部屋空けろって)

(りょーかい。あたしゃ異存なし。クリスどうよ)

(マリアに任せざるを得ないと思う)

(んじゃおばさま、かーさん、アルト。ちょっと二人借りっぞ)

(新人の痴女も大変なのですねぇ)

(知識や記憶はちゃんとあるんだが、倫理観とか感情発露の方法だ。これは経験学習で学ぶ必要がある。あたしらも最初の数ヶ月は機械みてーな喋り方だったからな。周りの人間の頭ん中覗いたり表現方法を見て覗いて覚えんだよ。ま、環境によるが、早けりゃ一週間で人並みに泣き笑い怒り悲しめる)

(この基本的な情緒感覚を覚えてもらわないとね、高性能な有機機械になりかねないわけよん。ま、女官時代から女官として出生した子たちはそれを覚えないと危ないという自覚を持っているから、自ら学習を開始するけどね)

白マリ様と黒マリ様の解説は、後天的に女官化痴女化したあたくしたちには無縁ですが、今後は必ず「なるべく性癖が歪んでない相手と、できれば肉親の愛情が交わせる相手としょたいけん」をさせる必要があると話されます。

(でないと、アルトはまだいいんだが、うちにいた裕美やダリアみたいなのが出来てしまう可能性があんのよ。あいつも好きでああなってた訳じゃないんだけどな、結果的にああなるというわけよ)

(よし、空けてくれた。掃除も一応してる。じゃ、ちょっといってくら)

(ごめんねーかーさんにアルト、菅野さんにはあたしから説明しとくから)

せいきょういくって大変なのですね。今回はあたくし、産む母にならなくて正解だったのでしょうか。

「で、アルトくん。ちょっと話がある」ジーナ様があたくしを見て申されます。なんかわるいこと考えてる顔です。

「実は今乗艦している痴女並びに女官全員に、連邦宙兵隊極東地上基地群司令官のドメニコ・ラッツィオーニ中将閣下と、宙兵隊嘉手納基地司令官エンリケ・デ・レンスカトーレ少将閣下が非公式の面会を要望している。最初は報告書と、ゴルディーニ大佐並びにあたしとマリアの口頭報告だけのつもりだったんだが、折角だからと切望されたんだ。クリスも同席する。ちょっとその打ち合わせをするから、黒白マリアとうちらの娘のあれが終わりしだい、沖縄に行くまでにテンプレスに飛んで話、するで」

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アルト「なんか濃厚そうな名前の方ですね」
ジーナ「ラッツィオーニ中将はまだ分かりやすい。あれ典型的イタ公。問題はエンリケ少将でなあ。この世界ではスペイン・ポルトガル・バスク合同連合王国の出身なのであるがな…どうも堅物。菅野ちゃんの方がまだ女遊びできるだけマシな堅物。あの辺の出身者ちゃうんあんたいうくらい堅物」
アルト「むむむむむ。つまり、あたくしたちの格好や生態を頭が受け入れないひとですか」
ジーナ「何を隠そう、あたしのいけないアルバイトあるやん。あれOK出した偉いさんの中心人物が、当時のラッツィオーニ准将。で、少将に昇格したちょっと後で、奥さんにママの店通いがバレてな。その時あたし既に正規任官されてたけど嘉手納にいてな。で、奥さんにこうこうこういう店で浮気ありえへんとか色々釈明を助けたりしていてな」
アルト「ふむふむ。つまりジーナ様に同情的好意的な方だと」
ジーナ「そそ。つまり、そういう助け合いの仲なので中将はあんたらに理解ある。むしろ会って色々して欲しい意味深な部類なのだ。しかしなぁ、エンリケ准将当時と、ゴルディーニのおっさんの直属上司だったハインリッヒ・トヴァルドスキーという大佐のおっさんがだなぁ。スキーという名前がついてるのに堅物でなぁ(遠い目)」
アルト「ジーナ様とゴルディーニ様が一時期させんされていたのにかんけいしてそうですね」
ジーナ「ゴルディーニのおっさんが、俺の目の黒いうちは絶対に教官室に芋の国の出身者は入れねぇと公言してるくらいでなぁ。それと、宙兵隊嘉手納基地にドイツ人の任官禁止の非明文化内規が存在する原因になってんだわ、このハインリヒのおっさん」
アルト「なにをやったのでしょう…」
ジーナ「単純に言うと辻ーんこと辻政信という芸者嫌い女遊び嫌いなおぢさんの同類。ところが下手に禁じたせいで基地外犯罪の増加を招いて引責左遷、つまりをんな遊びでの外泊や門限破りに厳しい罰を与えすぎた。んで、うちが宙兵隊やめた結果、クリスと仲良しになるわNBを地球に介入させる口実を結果的に作るきっかけになる左遷人事を無理やりねじ込んだのが発覚して、お前堅物過ぎんのも大概にせーよとなりまして。で、エンリケ少将も左遷降格はまぬかれたが基地内ではもんんんのすごく肩身が狭くなってね。単純に言うと窓際族。欧州基地に飛ばしたげた方がいいと思うのだけどねぇ」
アルト「ぐんたいも色々あるんですね」
ジーナ「まぁ、うちの教導隊とか、戦闘飛行隊の女連中もなあ…しばかれる理由作ってる奴結構いてなぁ…一言で言うと4割がドメちゃんみたいなん。または程度のええイ○ラエル陸軍女性兵士。つまり肉食獣の集い」
アルト「あたくしがいくとどうなりますか」
ジーナ「もてる。とりあえず食われる。多分吸われてしかばね累々になるけどとりあえず食われる」
アルト「聖院の騎士とあまり変わらない気がします」
ジーナ「うん、悲しいけど多分あってる(涙)問題を起こすのは男だけちゃうかってん!(血涙)」
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