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おんな教皇、晴れの襲名式

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アルトリーネでございます。
かつて「なりたりこん」とか言って、新婚旅行の出発直前や帰国直後に離婚とかいう考えられない事があったそうです。

挙式中に離婚とか考える事が起きた場合、どういう名前になるのでしょうか。

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「何よこのヤクザ映画みたいなタイトルは」

「まぁまぁ。それよりこの衣装でいいのかよ、母様」

「そうそう。これを会場で組み付けましてね」

「やっぱりこれあたし嫌…」

「な、なんじゃこの小林◯子…」

そうです、聖院金衣女聖用衣装庫の半分くらいを占める典礼正装の部品です。

これは流石に一階大聖堂に運び込んで組み上げるとの事。更に新任金衣女聖が付けると聞いて、白マリ様が全力で嫌がっておられます。

「まぁまぁ。で、母様。あたしから提案したいんだが、今後1年以内には国としての体制が変わる訳だろ。その際には国家元首って奴になる新しい金衣女聖によ、従来の女聖の象徴を継承させるのもいかがなものかと思うんだわ、あたしは」

「ふむ。つまり、黒マリちゃんには白マリちゃんに着せたい何かがあると」

「んだ。それと、今の騎士団は国となった際には国軍になるよな。その際には今ウチでやってる、目的別の色分けを導入したい。そして…うちらは体制がアレなんで蛇を象徴にしたが」と言って、黒マリ様はちちうえとまさみ様を指します。

「これが新しい騎士服の試作だ」と、ちちうえの体が光ります。

「あら。なんか可憐な感じね…薔薇?」

「そうだ。うちらの黒蛇や赤蛇ほど好戦的なイメージはまずかろうと思ってな。あと頭の飾り。これは団長用だが、士官用だとこれ」今度はまさみ様が光ります。ちちうえの服よりひらひらが少し減り、頭のばらの飾りが小さめに。

「で、兵卒用がこんなん」ちちうえが再度光り、士官用に比べて肌の露出が減ります。そして飾りのかわりにひさしのついた帽子のようなものが頭に。

「採用版をこれにするかは未定だが、国のイメージとして薔薇を採用していこうかと」

「ほー。大英帝国の国花が赤いバラと知って採用するかね、黒マリくん」ジーナ様がニヤニヤ笑っています。ちなみにNBは希望を示す青薔薇だとか。

「もちろんですがな。なお国の花はピンクローズにしようかと」

ちなみに白薔薇はやめといた方がいいと聞きました。

なんでもバラ戦争という内乱で、赤いバラを頂く側と白いバラを頂く側で大変派手に戦い、今のイギリスに続く赤バラ勢が勝ったそうです。

ですので、白バラは「喧嘩売ってんのか」と捉えられかねないようです。

「本当は白バラにしたいんだけど、その経緯を聞くとなあ。金色に映える黄色も花言葉がまずいらしいんだわ。ま、とりあえずNB経由でうちは白バラで行きたいんだがどないだと聞いてもらってる。この騎士服も、その申し立ての添付資料として作ったもんなんだわ」

「なんかめんどくさい国ですわね」

「安心しろクレーゼ母様。日本にはもっとめんどくさい街が大阪の北東にある」

「…ああ、話だけはお聞きしました。帰って欲しい客になぜか食事を勧める変な風習があると」

「異論は色々とあると思うが、あたしからするといっそルドゥタブル撃ち込んで更地にした方がスッキリする気がするんだよな、あそこ」

「これこれ。そういう住民が底冷えのする笑い方で応仁の乱を始めようとする危険な話題はやめい」

「んでな、あたしの案に話を戻すぞ。まずクレーゼ母様は小○幸子デンドロビ○ムスタイルになってもらう」

「拒否権はなさそうね…」

「とりあえず話を聞いてくれー。で、白マリ。新しい体制をイメージする姿になってもらう。そして、だ。従来のあたしらの価値観だと、素っ裸に近い方がえらい。こうだったよな」黒マリ様のお話に皆が頷きます。

「で、これが白マリ試作案だ」ほうほう。

そこには、白い透けたマント、はいれぐれおたーど、れーすをあしらった長いてぶくろとすとっきんぐ、さんだる姿の白マリ様がいました。

頭にはてぃあらというのですか、大きなばらをあしらった髪飾りも。

色合いとしては白を基調に、金色の糸や布で装飾した感じです。とってもごうじゃすですが清楚な感じです。おとめちっく。

「むむむ。うちの従来の風習とは違いますが、何やら黒マリの考えがわかるような…」

「こいつのアピールポイントはまず一つ。放熱問題について前進があったのを知らしめる」

「確かに、金衣女聖にしては割と露出面積が…」

「第二のポイント。実はこれ、結婚衣装をイメージしてるんだ」

えええええええええええええええええという声が皆から。

「だだだだだ誰をマリアとくっつけようとなさってますの?」

「いやクレーゼさん、この場合、一人しかおらんやろ。あたしに受精卵移してまで身を空けたのおるやん」

そう言って、ジーナ様はあたくしを黒マリ様の前に突き出します。

「ほれ、アルトのぶんもあるやろ?」

ええ。そう言った瞬間、あたくし自身が光るのを感じました。

姿見を引っ張ってきた黒マリ様がそれを見せます。自分で確認しろと。

だいたいの意匠は白マリ様と同じですが、てぶくろが騎士仕様で脚がブーツなのと帯剣のための剣帯がつくことが違う点ですね。

あと、はいれぐ…というか、乳上仕様です。

明らかに白マリ様よりきっついです。

本番ではちんぽさらしてオス役アピールせいと。

で、二人並んでさらしもんにされます。

あーでもないこーでもないと。

「うはーすっげえ。マリアちゃん、これ、このままで披露宴やっても大丈夫よお」

「ううううううう、あたくしの衣装、これの方がいいですわ!これの赤はないのですか!」

「クラ子、実はこれ、おめーの痴女宮での服がベースだぞ?あれから即ハメエロ仕様を隠した結果がこれだ。実装はしているがそうとは見えないようにしている」

そう言って、黒マリ様は無理やりにちちうえの衣装を着替えさせます。これがクラ子の普段の姿だと。

ええ、予想通りどえろでした。

なんですかこのあみあみは。

乳首とか毛とかまるっと色々見えまくってるじゃないですか。更に痴女皇国ではこれでちんぽほりだしてるのが通常であると?

「うん…実はねぇ、あたしもねぇ…」頭を抱えているまさみ様。こちらも無理やり着替させられたというか、元の姿です。

「まあ向こうだとこうしてちんぽアピールした方が色々はかどるんですけど、聖院でこれは…ええ、あたしにも理性残ってますから」

うぐぐと唸っておられます。

似合ってはいるんですけどね。

明らかに聖院のみなさんと比べてもしゅごいです。

あたくしも黒マリ様の手がけた衣装で過ごしてる事が増えましたので、まさみ様のお気持ちはよくわかります。

「あ、おへんじきた。確かに白薔薇で行きたいのは衣装見たらわかる。本国には「知りませんでしたごめんなさい」で押し通せと」なんですかそのむちゃくちゃ。

「…ああ、パレスチナ問題とか思っきし口約束したり二枚舌で押し切ったり私文書扱いのメモ書きみてーなので話はぐらかし倒した国の系統らしいよな…」そんなんしてたんですかいぎりす。

「機会があったら父様に聞いてみろ。世界の紛争の火種を探ると、最低でも五割はあの国に行き着く理由を心底嫌そうな顔して教えてくれるから」

「まー、あの国のむちゃくちゃな二枚舌外交は有名だからねぇ。ただ、ちゃんと抑えるとこ抑えてたら払うもんは払うし渡すもんは渡してくるから」ああ、さつまとの通商取引ですね。

「んじゃ、早めに済ませてしまうか。式次第はあたしと白マリで準備やっちゃうよ。クレーゼ母様は向こうへ持っていく引越し支度にかかってくれ」

「おとなのおもちゃはもっていっていいのかしら」

「知るか!ジーナ母様に聞け!」

で、式典本番当日。

従来は天井から何本も吊り下げられた金の長いくだを叩いて音楽にしていましたが、ぱいぷおるがんというものを据え付けて今回が初本番で鳴らすそうです。

荘厳な音楽鳴り響く中、開会の挨拶から始まる金衣授任式が進んでいきます。

舞台の袖から見ておりますが、聖院のほとんどの人が見守る中、小林何とかさんのような壮絶な状態のクレーゼ様から聖院金衣女聖衣装を受け取った白マリア様。普通ならここで着替えるそうです。

「…本来ならここで、次代金衣の証たるこの衣装を我が娘、マリアリーゼが着用に及びます。そして朕が今身に付けております授任式典正装の位置を変わる事が代々伝わる慣わしとなります。しかしながら…」と、ここでクレーゼ様は言葉を区切られます。

「我が娘、マリアを筆頭とする聖院改善集団の調査結果で、驚くべき事態の報告が為されました。既に皆には事前に連絡が行っておる事と思います故に詳細は省きますが、百年から数百年の後にこの地、いやこの星を大災厄が襲い、地も海も凍る可能性を示唆されております。我が聖院は、それに備えて人々を導く為に、今後数年をかけてこの星の社会や環境に働きかける組織に生まれ変わる。その役目をたった今、次期金衣女聖として任を譲りました我が娘マリアが担うことになります」皆はしんとして話に聞き入ります。

「そして、今回より、新しき金衣の姿を纏うことにより、その変革の象徴として皆様の上に立つ意思を示したいとの娘の意向です。マイレーネ」

「は」舞台袖からマイレーネ様が金鎧で現れます。

「かかる意向につき、貴官の専管権限で文官にその是や非をお聞きしましたが、結果やいかに。是であれば、朕が只今マリアリーゼに渡した衣装を受け取り、保管いただければと」

「承知いたしました。では」クレーゼ様に一礼して、マリア様の方に向かうマイレーネ様。手には衣装かご。

「ではマリアリーゼ様。恐れ入りますが、クレーゼ様より渡されし衣装、このマイレーネにお預けを頂ければと存じます。そして、新しき金衣女聖の皆へのお披露目、お願い致します」

そうです、マイレーネ様が文官女官の総代のような感じで「文句ないよな?」をなされたわけですね。

そしてマイレーネ様に衣装を預けた白マリア様が手を挙げると。

そこに、ほぼ、数日前と同様の姿のマリア様・じゅーんぶらいど仕様が。

一周回って一礼するマリア様に、客席最前列のジーナ様…NBのしょうぐんさまの服という、ものすごく短いスカートなぐんぷくを着ておられるジーナ様と、舞台上のクレーゼ様とマイレーネ様が拍手をなさいます。

それを契機に、会場に吹き荒れる万雷の拍手。

ひとしきり拍手が鳴り渡ると、マリア様がお手を上げて話をされます。

「皆様、ご承認ありがとうございます。さて、只今より金衣女聖を引き継ぎましたマリアリーゼ・アクエリアス・ワーズワースです。本来ならば就任のご挨拶をさせて頂くところですが、わたくしの初めてのお仕事として、皆様にご紹介したい人物がおります。アレーゼおば様」舞台袖から金鎧のアレーゼ様が現れます。

「従前、この聖院を守護する武官の頂点として、もはや紹介不要かとは存じますが、アレーゼ・アクエリアス様が騎士団長の座につかれていましたのは皆様ご存知の事でございますね」

「実は今回の就任式に先立ちまして、アレーゼ様より、ご懐妊のお話と、今後の進退につきましてのご相談を頂きました」そこでええええええという驚きの声。で、手で制してマリア様はお話を続けられます。

「本人は完全な還俗が叶わない身ではあるが、ご出産や育児の事を考えて身軽になりたいとのご意向を示されました。わたくしもこれを受け、騎士団顧問のお立場は如何かと提案をさせて頂きました」そこでアレーゼ様は、マリア様の前に立つと一礼。帯剣しておられるご自身の剣とは別に、手に持つ金色の指揮棒をマリア様にお返しになります。

「そして、アレーゼ様は、ご自身の後任としてある人物を思い立たれました」そこでまた、マリア様は言葉を区切られます。

「アレーゼ様は、ご自身の専管権限に於かれまして、騎士の皆様にその人物が後任に相応しいかを問われました。その結果、この指揮棒をわたくしマリアリーゼより授与するに足るとあらば、件の人物を案内願いたく存じます」すっ、とアレーゼ様に一礼。

「御意。では」短いお返事の後、アレーゼ様は舞台袖に向かわれます。

そう、一直線に。わたくしの方に。待機しているわたくしに短く頷くと手を差し出されます。

わたくしはアレーゼ様について舞台を目指します。緊張します。

ええ、もう既に、じゅーんぶらいど仕様なのです、わたくしが着ているのは。

そして、ちんこみえてます。

…めっちゃ恥ずかしいんですけど!

で、まぁ…わたくしはアレーゼ様の少し後ろで待機。

アレーゼ様がマリア様にわたくしを紹介なさるのを聞いています。

「騎士に於いては、このアルトリーネを次期騎士団長とするに異なしと報じます」跪いて剣を捧げ、誓いを立てるアレーゼ様。その剣を右手で取り、一瞬の検分のあと、すぐさまアレーゼ様にお返しになります。腰に剣を戻すアレーゼ様。

「ではアレーゼ様より推挙されました騎士アルトリー「ゼ」。騎士団長の就任の意思あらば此れなる指揮の棒を授けます。受け取るや否や」

ええ、断ったら斬る目でアレーゼ様が睨んでいます。

一応前日にりはーさるはやりましたが、その時もわかってるやろなお前という目で始終見られました。

更にお前空気読めよという顔と目のマイレーネ様。

この場で死んでしまいそうです。ですからその目で睨まないで下さい。他にも犠牲者が多数出そうなので。

そして正面の白マリア様。断る事など許さぬ目です。

とどめにジーナ様が親をも殺しそうな目で最前列からさつま光線を放っています。逃げ道などある訳がありません。観念して両手で受け取ります。

(ほらアルト、右手で指揮棒を掲げるのよ)と、あたくしの右手を取って指揮棒を振り上げ、皆様にアピールさせます。

「只今よりアルトリー「ゼ」・アクエリアス・ワーズワースは我が騎士団を率いる立場となりました。えー、本人は大変に緊張しておりますので、わたくしマリアリーゼが団長の意思を代わりに告げさせて頂きましたことをお詫び申し上げます。さて」指揮棒を下ろさせ、二人並んで舞台中央に立ちます。

「先程アルトリーゼをワーズワースの姓としてご紹介させて頂きました。元来は金衣は独身とするのがこの聖院の慣わしでございます。しかしながら、今後を鑑みますと、金衣の実子を設け後継ぎを育てる手段の自由度を持たせる方が良いのではというご意見を頂きまして…現在、本式に参列の我が実母にして、先行く時代の一つの流れの結果たる聖痴女国皇祖母の地位を持つジーナ・高木・ワーズワースを介しまして歴代聖院金衣女聖・銀衣騎士団長にご意向を打診しましたところ、快諾を頂きました事案につきましてご報告を申し上げさせて頂きたいかと。ジーナ皇祖母陛下、どうぞ」で、マリア様がジーナ様に登壇頂きます。

なぜかマリア様とわたくしに宙兵隊流の敬礼を決めてから、客席に一礼して話を始められるジーナ様。

(えー、ただいま金衣女聖に就任しました実娘マリアリーゼより紹介を頂きました、ニューブリテンNe w British宇宙軍特命少将並びに連邦宇宙軍宙兵隊教導少佐、ジーナ・ワーズワースです。過日におきまして、聖痴女国皇祖母並びに聖院名誉金衣女聖にも任命を頂きまして誠に恐縮千万な身の上ではございますが、皆様どうかよろしくお願い申し上げます)

ジーナ様の場合、声話拡大ができませんので、心話をマリア様が中継されています。

(さて、マリアリーゼがご先祖様に打診をされた件は二つございます。一つ目は、わたくしの関与の範囲外ですが、成り行きでわたくしがご説明させて頂きます。すみません)

ここで心話ですが皆様からの笑い声多数。

(で、まず一点め。今後の聖院体制変更への事前告知を兼ねて、金衣女聖並びに銀衣騎士団長の役名変更をしたい。これはそこにおわします女官長並びに騎士団長、そして前任金衣女聖にして我が義妹クレーゼ・アクエリアス・ワーズワースの連名にて回覧通知させて頂いた通りでございます。すなわち、金衣女聖を太政官、騎士団長を大将軍とし、国体宣言の暁には政治と軍事の頂点となります名称に変更するという事ですね)

(で、これにつきましては特段の異論もなかったようですので、上記役名への変更を聖院墓所歴代並びに先代金衣女聖の意思を受けまして、わたくしが皇祖母並びに名誉金衣女聖として…)

ここでジーナ様、一瞬で衣装ちぇんじ。わーわーぴゅーぴゅーという心の声が多数。

(ぬおおお恥ずか…失礼しました。マリアリーゼを太政官。アルトリーゼを大将軍に任じさせて頂きます)

「謹んで拝命いたします」

「謹んで拝命いたしましゅ」もうあたくし、がっちがちです。緊張しまくりでちんこちぢんでます。

(で、もう一点。こちらは我が実の娘たるマリアリーゼの意向への承認をさせて頂く事案となります。即ち、アルトリーゼのワーズワース家への婿入り承認です。ええ。二人はこの場で入籍結婚となります…なりますが…マリアリーゼ。初の役名就任並びに貴女との結婚という事で、夫君たるアルトリーゼの緊張たるやいかんばかりか。ここに於いては金衣女聖…いや太政官並びに愛妻の初職務として、アルトリーゼを支える行動を示し、アルトリーゼの妻たらんとする振る舞いを皆様にお示しするのがよろしいかと)

ここで、ジーナ様がにやりと。

そう、これ、あどりぶです。こんなん予定にありません。本当なら指輪こうかんとかきすじゃないですか。こんなん聞いてません!

ええ、問答無用でマリア様、あたくしにぶっちゅーべろちゅーされました。

そして、クレーゼ様にも見える形であたくしの体を客席から横向きにしてあたくしの足元に跪き…そくしゃくというやつです。ふぇらちおしてはります。今起きてることへの理解が追いつきません。

(えー、実は痴女皇国の結婚式でもですね。アルトリーゼ痴女将軍が大いに緊張された際にですね、マリアリーゼ痴女皇陛下が夫君を奮い立たせるべく自ら献身された故事に倣い、夫君の武勇を取り戻そうとする愛ある姿を我々も倣おうではないかという事で、敢えてこの壇上でめでたい行為として眺めて頂こう、そうご先祖様方が仰っておられますので、皆様も新妻の献身を暖かくお見守り下さいませ)

もう吹き出す直前で、ジーナ様が客席の方を向いて解説しておられます。まーそれならしゃーないよねーあるとさまのちんこでかいよねーわたしもーとか、参列の皆様の裏山な念が渦巻いてますね。

(痴女皇国の場合、更には興が乗りに乗りましてこの大聖堂で乱交を始められ…失礼しました。ええ、ここは聖院ですので、皆様に於かれましては、本就任式終了まで今しばらくご乱心ご乱交の意思を実行なさらないよう厳にお願い申し上げます)

で、いかされました。マリア様、ぷっはーという顔で満足げ…え?ちんこ生えてません?

ジーナ様がいつの間にか前にいてはります。

あたしの手、振り解いたら死刑なという顔で。

にこにこ笑ってますけど目が薩意にみなぎっています。

(で、夫婦和合と申しますからにはですね、マリアリーゼの献身を受けたアルトリーゼもお返しをするのが筋ではないかという事でですね。これまた、痴女皇国女皇の婚姻の儀式の故事に倣い、新婚夫婦の仲の良さをご覧頂くことで、この就任式のクライマックス…頂点とさせて頂ければと存じます。ではマリアリーゼ。よしなに)

ええ、ジーナ様、あたくしの体を支えてはります。

そしてなんかはいってきました。

新郎がおかされる結婚式って、そっちにあるんですか。

こういうのは黒マリ様のえろえろ帝国だけにしてくださいよ。

なんかまりあさま、らすぷーちんちん仕様にしてはりませんか。

荘厳な音楽に似つかわしくない音が聖堂に轟きます。

めっちゃはずかしいのですが。

(うふふーこれで痴女皇国に勝利したわーほほほー)

(こんなんではりあわないでくださいああんあんあんいくっいくっいくううう)

(出す出す出す出る出るおくちおくち)

ええ、大慌てでマリア様があたくしのおくちにちんこつっこみます。中に出して欲しかったんですが。

(今妊娠されたら困るのよ!)そうですかはい。前科一犯なのでだまっておそうじします。

(さて、わたくしどもの連邦世界ではこのような場合、指輪交換とかいたしますが、せっかくの聖院世界ということで究極の愛の形ですね、こうしたナイスな形を皆様にご覧頂く事で夫婦の誓いをお示し頂きました。百万の愛の言葉も嬉しいものですが、問答無用な愛を示した二人に、皆様のご祝福の拍手を頂ければと存じます)

ぱちぱちぱちぱちぱち。なかなか鳴り止まぬ大盛り上がり。

聖院ってこんなにノリノリな組織でしたっけ。

で。手を上げてジーナ様。いつの間にか手にしたものをマリア様とあたくしに預けます。

女官管理室備品、と柄に書かれています。ええ、誰が持ってきたか言わんでもわかります。

二人で汚した舞台の床を掃除せぇと。

泣きながらモップでやってた辺りを拭くと、マイレーネ様がモップを引き取られます。

(さて、ご覧の通り夫婦仲良く初仕事を終えた二人が今後聖院を背負って立つ訳ですが、このまま壇を降りて新婚旅行に向かって頂く趣向を用意させて頂きました。さぁ、皆様、ご起立の上、盛大なる祝福を旅立つ二人にお捧げ頂ければと存じます。マリアリーゼ、アルトリーゼ、二人して中央通路より前へお進みなさい)

ええ、観念してマリア様に手を引かれて歩き出します。

聖堂正面の出入り口扉も開いています。

向こうにテンプレスらしきおふねが浮いているのも見えます。

万雷の拍手と歓声を受けて、わたくしたちは歩き出しました。手をつないで。二人で。

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黒マリ「あーはらいてーめっちゃわろたー」
プラウファーネ「中継してた間中、ご先祖様全員抱腹絶倒でしたよ♪」
クラ子「あたくしの挙式とかあんな感じでやって頂きたいですわ」
雅美「…あー、あれ…あたし遠慮したい…けど拒否権ないだろーなー」
ダリア「流石にあたしもあそこでやる度胸はないです」
クレーゼ「大聖堂の舞台でまぐわいって、聖院開闢以来の初快挙のはずですわよ。ほほほ」
白マリ「つまり、あたくしたちも金衣就任にふさわしいDQN行為を就任早々決めたと」
クレーゼ「しかもご先祖様公認、いややれ何がなんでもやらせろでしたわね」
アルト「拒否権は、あたくしに拒否権はなかったのですか」
全員「あるわけない」
アルト「痴女皇国の方がマシな気がしてきました」
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