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アルトリーネさんの里帰り・4

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みなさん。
成長を感じたことはありますよね。
おひげや下のおヘアですとか、女の子の日や、ペットボトルに貯めて凍らせるのがお作法とお聞きしたあれの出た日です。


でも、女の子にちんちんはえたのが生物として成長したと言われたら、なんかものすごく色々なものに負けた気がするんですけど!(泣)

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「おーほほほほほ、いえいえ乱れた姿をお見せしまして」

「なんのなんの、正直お手伝いさせて頂きたいところではございましたが」向こうでのこちらの女性の服装という、すっぽり体を覆うような衣装に着替えたジーナ様がネイレリーヤと挨拶を交わしておられます。

「では、また帰りに立ち寄らせて頂きます。あと…あれ、普通の人には目に見えなくしているだけで、ちゃんとそこにありますので当たらないようにご注意下さいね」そう、かりばーんとばばやがーがいないので驚いたのですが、ジーナ様からちょっと目に力入れてみと言われますと。

「銀衣以上なら確実に見えますが、下級女官にはあまり庭に近寄るなとは申しておきます」

「そうして頂けますと助かります。では」ジーナ様がくるまに乗り込んで来られました。

見送るネイレリーヤ様を後に、白い光で前を照らしながらくるまが走り出しました。

「結構暑いなー。外気温二十度ってクリス、砂漠の常識としてどうよ」

「ええ、ちょっと変ですね」前の席お二人のお話が気になったので聞いてみます。

「いやな、うちらの方の砂漠って昼間めっちゃ暑なんねんけど、夜は長袖がいるくらいに寒くなんのよ。そこからしたらちょっとおかしーなーと」

(内陸部の砂だらけの所だとそうなりますよ)あたくしたちの後ろに座っているのはアーペディオーネ様、銀衣騎士です。暗黒大陸の方から最近赴任して来られた方で、わたくしたちの案内役として付けられた方です。

「すみません、これ、3列目かなり狭いんですけど大丈夫ですか?」

「いえいえ、問題ありませんよ」そう、この方かなりお小さいんです。あたくしと並ぶと首の付け根あたりに頭が来られます。

(そこ右で街道に出ます。衛士には話が通っていますので、そのまま走ってもらって大丈夫です)

「ほいほい。あと、アルトの方にあったと思うけど、前の椅子の後ろのあたりに光ってるつまみあるから、それ回したら風出るからな。アーペディオーネさんの方は座った右か左どっちかですわ。アーペディオーネさん、この街道って馬車走ってます?」

(ええ、南側との交易路ですし…そうですね、夜に移動してる事もありますからご注意下さいまし)

「りょうかいー」

「あとラクダって使ってませんの」

(この辺りではあまり…まだここらは緑も多いですし、馬が使えますので)

「クリスこれもチェックな。それと、前方左右撮影してるけど植生チェック。割とヤシ以外の樹木が多い」

「はい。…これもしかしたら本国の探査チーム呼ぶ話になるかも知れませんね」

「クリス様とジーナ様がお話ししているのはもしかして、燃える水に関係することでしょうか」

「うむ。正直に言おう。我々の世界より、燃える水が地下に埋まっている量は少ないかも知れないのだよ」

「実際に調べてみないとわかりませんけどね」

(何故にその結論に至ったか、差し支えなければお聞かせ頂けますと)

「ええ。まず、燃える水というのは、何で出来てるか。それは遥か昔に地面の下に閉じ込められた木々が腐って質が変わって出来たものなのです。つまり、大きく地形が変わったり、急に寒くなったりで、大量の木が枯れて倒れるとか、空から大きい石が降ってきてなぎ倒されたとか、わたしたちの方でも色々な説が出ていますが、原因はともかく地面の下にそういうものが溜まっているとお考えください」

「で、僕たちの世界とそちらで、1つ大きく違う点が既に明らかになっています」

「アルトくん、北方で毛の長い象がいると聞いたのだが」

「ああ、牙も毛も長い象ですね」

「後、聖院領とか他にいる大きい竜、我々は恐竜と呼んでいますが…これは実は僕たちの方ではとっくに死滅しています」

「で、ダリア。ちょっとスイス…山岳国にいた時の話なんやけどな、山の方に氷の河?なんですかそれっていう話になったことあったやん。あれもっかい教えて」

「ああ、あれ…確かにあるにはあるんですよ。でも、ジーナ様に見せてもらった写真ほどすごいものじゃなかったんですよね。他にも山の形が結構違ってましたし」

「…でなぁ、ちょっと今から言う話は注意して聞いてな、みんな。何でこんな事にあたしらがこだわるかというと、何千万年か昔、地球…この世界がものすごく寒くなった事があって、大地は雪と氷の河に覆われました。燃える水のもとになった木が枯れて地面に埋まったのもこのあたりとされてるんやけどな」皆、しーんとしてジーナ様の話を聞いておられます。

「で、そん時に恐竜というものはあらかた死に絶えた。そして、山岳国とか北方帝国の北の方にある氷の河もその時の名残や。山岳国の山が鋭く削られてる感じなのもその時の名残と言われている」

(つまり、タカギ様は…我々の方には、起きるべき事がまだ起きていないのではとおっしゃりたいのでしょうか…)

「もちろん、全く起きていない訳ではないとは思うんですよ。燃える水が自分で噴き出る程度には出るとお聞きしましたし。つまり、この星は私たちの側の地球と呼称する星より年老いてはいず、まだ若い可能性があります。聖院の任務のひとつに、天変地異とまではいかねど災害予防や阻止があるとは伺っています。そのせいで誰も気づいていないとしたら?まだこれから、私たちの地球に該当する大災害が起きるとしたら?というのが私の懸念ですわ。アーペディオーネさん」ジーナ語で喋ってないジーナさんの恐ろしさよ。

いえ、威圧感じゃないんですよ。話された内容です。

「ま、これ、実を言うと、隣の旦那のクリスの予想で、わたしはそれを盛って喋ったくらいなんですけどね。ほほほ」

「そして、それに備えずに、僕たちの方の地球と同種類似の戦争史をたどるとすると…ええ、こちらの人々は、死滅します。もしくは大幅に人口を減じるでしょう。そこから進化できるかは未知数です」

「言ってみれば、こっちの地球の氷河期を人類が耐え抜いたのは進化の過程だったからなのが大きな理由です。原始人とされる生物の方が生命力が高かったのです。わたしたちと同じとは言いませんが、ある程度の文明を築いた状態では、疫病や災害に対して脆弱…弱いんですよ。聖院に入って能力を得る前のことを思い出してみてください」

(おかーさん、ちょっと)

(どしたいマリア)

(その話ちょっとあたし引き継ぐ。やばい領域。ちょうどいいから騎士三人に話す。どっか路肩止めて)

(あいよ)

「クリス。そしてみんな。今から話す件でマリアが言いたい事あるらしい。ちょっと駐めるで」少しばかり広い場所で車が停まります。

「虫の声はせーへんな」

「ですね…ってマリア。何やその格好」

ええ。マリア様、なんか黒を基調にしたつなぎ服に潜水メガネ、口元にはほーすが繋がった咥え口。ええ、わかります。多分海に潜っておられましたね。

「いやー大漁大漁。かーさん達帰るまで砂吐きとかさせてってレパルスの士官食堂に預けといたから、アとイ」

「…あんた、それ密り…んでドライスーツかい!」

「うはははは、見つからなければ犯罪じゃないのよ!それにナマコやウナギの稚魚ほど大規模にしてないわよ!」

ああ、マリア様が名前に相応しくない状況に…。

「ま。それはよしとして、かーさん。その環境激変の話、既におっさんとお祖父様も懸念してる。衛星観測結果でも資源分布が地球とはかなり違うって」

「ふむ。ま、やっぱりか、やね」

「二時間くらい時間取れるかな。ちょっと…アーペディオーネさんか。貴女にして欲しいことあるし。ちょっと敷物敷物」ずりっと空中から絨毯を取り出します。なんかマリア様がいると便利ですね。

「アルト君、あたしを青いタヌキ型ロボット扱いするかー。とりあえずみんな楽にしてー」で、ランプを取り出すマリア様。

「ほいっと。あ、おとーさんとおかーさんこれ。午後のなんとかとジョー何とかで悪いけど」一瞬で聖院女聖服に着替えたマリア様に、アーペディオーネさんが目を丸くしています。

「初めまして。聖院金衣、マリアリーゼ・ワーズワースです。よろしく、アーペディオーネさん。で、おとーさんとおかーさんにだけ飲み物渡した理由がね、あたしとクロス…エオンが出した対策。他の三人、水分不用…でもないけどね。更に、アルトくんとダリアに比べたらアーペディオーネさんは少しね、体の性能が落ちるのよ」

「ふむ。で、パワーアップをここで?」ジーナ様が言われます。

「で、アルトとダリア。悪いけどアーペディオーネさんの強化作業に入って。やってる間にとーさんとかーさんに説明しとくから」

「ここでかよ…ま、マリアがわざわざ来たんや。それに相応しい話があると。あと、アーペディオーネさんの強化に絡むことやな」

「さすがかあさまごめいさつ___」

「某政党系掲示板スレッドみたいな棒やめい棒」

「へいへい。で、クレーゼ母様のやらかしにも関わります。ついうっかりカップなんとかを食べてる隙にアルト窮地の件ね。あれさ、母様が悪いというより…正直、母様までの金衣の遺伝子劣化もあるのよね。ほれほれ、過去の金衣が割と武闘派なのは聞いたっしょ」

「あーあれか、どっか吹き飛ばしたとか暴れ倒した奴か」

「そそ。破壊規模でいえばクレーゼ母様って優等生の部類なのよ?」正直信じられません。ええ、話は聞こえてますから。

「ふむ。超絶に力がある分、欲や衝動もでかいと」

「…おかーさん。普段からその読みの鋭さで話して、関西弁やめたら絶対もてるわよ」

「やかましい。クリスおんのにいまさら。で、クレーゼさんのあのフリーダムな下半身やDQN見本市なあの行動も、マリアの仮説では説明つくんやな。んで対策のサンプルが彼女らと」

「…あたしのいいたいこととられた…」

「会議が長いのは天の声が経験した某社くらいでええ。んで、遺伝子劣化の問題が発現しとんのは金衣だけなん?例えばあたしら、確かクレーゼさんベースやんな?」

「今後アルトかダリアに任せたら大丈夫。それでとーさんかーさんはOK。で、問題は」

「クレーゼさん」これは全員がハモった。

「んで話楽にしたる。治せるならマリア、わざわざ飛んで来んやろ」

「いえーす…治せるなら治したいんだけどねー…」

「ああ、あんたのもう一人の母親や。その感情は当たり前や」

「で、こっちの対策はパワーダウン。高木お祖父様の会社手伝えるくらいにまで落とせば向こうの人間の寿命くらいは確保可能。ただし、今のままじゃ…」

ああ、マリア様の絶望的な顔よ。あたくし達にも悲しみが伝わります。だから、結果をお見せにいきましょう。

「終わりましたよ」あたくしは告げます。

何という事でしょう。そこにはダリアをもっと黒くした精悍な姿が。

ぶっちゃけ、何の説明もなければ完全に別人です。口開けた二人とドヤ顔一名。誰がどなたかは言うまでもありません。

「ええ、父様、母様。アルト、ダリア、そしてたった今そうなったアーペディオーネがあたしの切り札よ。聖院世界における人類生存の」

「ふんふん。つまり…あたしができれば宇宙から消えて欲しい、金輪際見たくない生物ワーストファイブに入れてるあれか。ちなみに貴洋とおかんとタヌキ以外はノット哺乳類な」

「むちゃくちゃゆうなぁ。で、おかーさんが、某県民が宮入貝を見る目で見て扱うアレと似た生殖システムを備えた生物に進化したわけよ、この三人」

マリア様ご用意の、ダリアと同じ装備を身につけたアーペディオーネ様が興味深そうに話を聞いておられます。ええ、この三人、ちんぽとをめこ装備です。

「なるほど、つまり、二人いれば繁殖可能と。近親交配やったっけ、クリス。高等生物には繁殖限界いう数字があるて教えてくれたやん」

「その問題は通常タイプの人類が一定数いれば解決。彼女達は人類の上位生命体だけど、人類の遺伝子をベースにしてるから、時々人間の遺伝子を取り込めばOK。言ってみれば吸血鬼ほど倍々ゲームで繁殖していかないサキュバスと考えてもらうといいかな」

「吸血鬼が何でもかんでも食い尽くすイナゴなら、この子達はたまにリンゴ1個かじる程度ですむわ。エコよ。省エネよ。この外観だからエ◯キュートなのよ!」

「某メーカーから苦情来そうな名称やめ。で…この子らに飲み物渡さなかった。そして、用意周到なマリアが、この子らのレーション用意してない。つまり、摂食物は人間とは違う。かな?」

「ま、だいたい想像つくね。マリア、確かアーペディオーネさん、着替えてる時にあれあったの見えたけど、それが絡むかな?」クリス様がご自身のクリス様を指して聞かれました。

「むふふ。天の声が食事シーンをめんどくさがって書いてないのもあるけどさ、かーさん達も、あんまご飯いらなくなったでしょ。これが人類生存のためにこの子達に与えられた機能の一つよ」

「食べるものは完全に違うのかな?」

「んーとね、父様向けにわかりやすいのは…自動車で例えたら、普通の人達があの車がガソリンエンジンモデルでMY19までの純粋ガソリン車だとしましょう。おかーさんおとーさんはだいたい普通のプラグインハイブリッド車。そしてこの子達は、レンジエクステンダーだと天の声が言えって。わかるかぁ。わはは」

「そしてガソリンが普通の人類が食べるものって事やな?」

「いえーすかーさん。緊急時や、消化器官の過剰退化を防ぐ目的以外では通常の農作物や肉や魚を不用とするの。ただ、ガソリンに代わるエネルギー源を彼女達は強く必要とするし、主要部を聖院女官の細胞に交換されて現在は下級女官以上上級未満なとーさんかーさんも、ある程度は彼女達と同じものを取る必要があんのね。で、父様がダリア、母様がアルトといたすと補給されます」

「で、非常用エンジンの分のガソリンしかいらんレンジエクステンダーなのがアルト、ダリア、アーペディオーネさんと言うわけか。その例えで言うとマリアはどないなんねん」

「電気自動車…って言いたいけど、あたしこそさー、どないなとなるのよ。はっはっはっ。これが従来金衣とあたしの違いね。かーさん、いつかあたしがもう哺乳瓶いらんって言って驚いたことあったでしょ。あの辺よ、進化の自覚したの。でね、彼女たちやあたしは生殖任意体。つまり孕むって自分の意思で決められる。それと寿命も自分で決められて伸ばせる。氷河期乗り切るなんか楽勝よラクショー。下手したら宇宙空間でも長時間活動できちゃうわよ」

「うをーすげーうちのむすめがすっぱまんになった」

「かーさんこそ棒やめてよー。そして熱対策についても飛躍的向上を遂げました。人類互換ならなな何と対策不用。ただこれは今のところあたしのみ、この子達はある程度は必要。ただ、無視できる範囲。ま、彼女たちの服装で過ごさせたいからってのもある。車でいうと従来の金衣が有鉛ハイオク。銀衣以下が無鉛ガソリン触媒付き。で、新型金衣が…あれ。まさにあの車未満。つまり尿はいるけどクリーン。あたしは何とかの科学力は世界一な国のレンジエクステンダーレベルになりました。つまり日本の学校、OK」

「尿ゆーな尿」

(いやね、実はね、某スピンオフ話でやたら尿出るけどさ、あれ実はガチにこの例えに近いのよ。つまり排熱の意味あんのよね、っと)

「まぁアドブルーな液体をやたら人様に放つ話はこの時点で既に出てる気もするが、マリアの学校話に進展がある、しかし、君は行けるのかね。いまの話だとクレーゼさんの代替わりが必要になるやろ。じゃ誰が次よって展開必須よのう」

「それなのよねー。しかも現段階では収納可能とは言え、これよこれ」マリア様のマリア様がかなりおっきい件につきまして。っていうかあけすけに実の両親にえれくちおんを見せていますがまりあさまにしゅうちしんは。

「あるわよ!失礼ねアルト。あたしにだって領事館から出ようとして玄関のガラスに写る自分に気づいてUターンする程度の自覚あるのよ?」

「…あー、痴女服すらつけ忘れてたアレかい…」

「うう、あれすら付けずにウロウロするクレーゼ母様よりはマシなはずなのよ、そうなのよ。あと体力測定とか定期健康診断なんか一番受けたくないわね」

「正体バレバレとなるか。生理は?」

「一応あり。食べると同じで、身体器官維持に必要。ただ任意器官化してるから止めたりインターバル調整は可能」

「何この娘の完全生物感。ほんま人族痴女科に進化したような話やな」

「そーよ。ほんとにあたしら、単性生殖種生物【痴女種】というべき存在よ、もはや」

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アルト「仮にあたくし学校でちんぽ出したら怒られますよね…」
ジーナ「またLGBTの関係でうるさい時期にびみょーな話を…」
マリア「そーいやアーペディオーネってこの話で初の完全に日焼けした人@どっかの掲示板の我が党研用語よねぇ」
アル子「…これ日焼けじゃないんですけど…あとくぱぁして超重力砲発射しそうな略名やめて欲しいです…」
アルト「とあるまんがではれぱるすさまがくぱあしてゆげのどうきょうみたいなちんちんはっしゃしてましたね」
マリア「いいわね。パイオツミサイルとあわせて機能実装を検討してみましょう(にやり)」
ジーナ「だから人外改造やめーや(はりせんっ)」
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