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アルトリーネさんの里帰り・3

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アルトリーネでございます。
懐かしい人との再会は心踊ります。



ええ、その方といきなりまぐわえと無茶を振る上司の指示さえなければ!

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「ほんまにまぁ、うちの娘は悪ノリしまくるから…」

「あたくしが本当にあれだけなら泣いてますわよ!ぶんぷん!」

とりあえずあの好色海女さんスーツはない、あれはないと泣いてるとマリア様が「こんなこともあろうかと」と呟いて、ダリアと色違いみたいな衣装を出して下さいました。

確かに、素晴らしい出来です。

ダリアと真逆の白と金。まるで着ていないかのような着心地に驚くしかありません。ダリアですらむむむと唸りやがる始末。更に、髪の毛金色。

名前改名はまだだけど、とりあえず本任務遂行の為に君達二人を超野菜人に任じるとマリア様。

そうです。金衣です。みなぎります。

更にご立派システム改造。もはや張型携帯不用。ちんこふくらませてもきつくないそうです。

で、ダリアにも専用装備。

穢れ剣とか言う禍々しいまでの黒い剣。短剣も黒仕様です。更に更に剣帯には革の袋がつけられています。

(それ砂漠用ホルスターやから中身出すのちょっと手間やねんけどな。現地ではなるべく砂かますなよ)そうです。けんじゅうとかいうものが支給されています。

さらに、長細い袋も側についています。

(その筒はサイレンサー、つまり撃った音が小さくなる。ま、ダリア向きやな。あと吹き矢もブーツ外側に筒つけてる。それと今回の弾は当たると相手を気絶さすだけやから、一発当てたらええからな)

で、あたくしの剣帯にはじゅうの代わりに投げ短剣。

これまた音を立てずにという配慮だそうです。軽くかすらせるだけで眠らせる薬を塗っています。

それと、相手に押し付けて握ると気を失う棒も。

使う時は必ず黒いごむとやらのやわらかい握り以外を握らないと自分もやられるそうです。ダリアに犯されかけた時に試せとこっそり。これは右のブーツについています。

で、その日の夜にれぱるすに集合しているのはジーナ様、マリア様、クリス様、ダリア、あたくし。

ここは夕方いたぶりーふぃんぐるーむです。

先程から衣装合わせをしておりまして、その後に今回の一連の作戦指揮官のマリア様と打ち合わせをします。

菅野様とアレーゼ様は特使として東方八百比丘尼国に派遣され「あることの根回し」をお願いしに行くのだとか。

で、マリア様はとある年代のにほんにある鳥羽というまちに飛んでひみつ活動をしながら全体指揮をとるそうです。すごい。

「聖院支部には連絡済み。とりあえず車だけ向こう送っといた。街道は荷馬車通行可能だからまぁ、岩でパンクしないように飛ばさないなら大丈夫でしょ」

「土産物は積んでくれとるよな」

「三列目片側倒して積載済み。聖院宛以外は海藻以外の海産物干物でよかったよね」

「それでよし。…車のスマートキーは…よし」

「一応車内に予備キー忍ばせてるから開くはずよ」

「おっしゃ。ほな行ってくるわ。まぁ金衣組なら事前酸素吸入いらんやろ。ダリアはカリバーンやから与圧かかるし」

「アルトも潜水やってるから大丈夫でしょ」

「よっしゃ、手順確認。フタサンマルマル離艦。マルマルマルマル現地着陸。以降UTCでの現地時刻ヒトキュウマルマル。現地状況報告受領の後マルヒトマルマル出発、マルヨンマルマル目標付近着」

「徒歩六時間だったら車ならもっと早いんじゃない?」

「現地の道次第やな。夜行性の大型動物はおらんとは思うけど、とりあえず最低でも酷道や思うてのんびりいくわ。久々にフルマニュアル運転やしな。早よ着いたら仮眠しとく。アルトくーん」

「はいなんでしょう」

「出漁…船出すのだいたい明け方前後やったな?」

「ええ。男衆と海女組は変えてますけど男衆は日の出前です」

「男性組が出る前に話したいからな。あの辺があたしの想像通りなら男系社会や」

「半月刀くらいおみやげー。踊り子さんの衣装でもー」

「ま。そういうもんがあるのかの調査や。それに向こうさんが話に乗ってくれたら再訪あるし。あと例の作業方法盗撮と頭の中覗き見頼むで。あの貝に核を仕込む作業に全てのキモがあるからな」

「了解ー。いけたらアワビと伊勢海老もみつり…手に入れるー」

「よしでは諸君。只今よりふんどし作戦組は行動に入る。各員装備点検の後に乗機。かかれ」マリア様を前にみんなでけいれいをして、ジーナ様を先頭にかくのうこへ向かいます。

「まずこんな感じで仕切りまたいで、ざぶとんに足乗せる。で、枠つかんで体滑り込ませて脚突っ込む。ダリアとアルトは今回操縦せぇへんからペダル合わせはいらんやろ。あと変なとことか、このちんちんみたいな棒とか握るな。動ききついときは椅子の両脇にある取手つかんどけ」と、ジーナ様が乗り方指導。

で、あたくしがへるめっとをかぶりばばやがーのいすに座ると、ジーナ様がくだを繋いでくれます。

あたくしはつながなくても生きていられますが、けいほうがうるさいそうです。

で、左右の肩や首を支えるこうそくそうちという枠を降ろされて体をいすに固定されます。

窮屈ですが仕方ない我慢してくれと。こんな状態で半日くらい過ごすのが普通だった世界はどんなものなのでしょう。

(わ、こっち乗ったら中真っ暗。怖い)

(クリスが電源入れたら明るくなる。ちょっと我慢せぇ。アルトくん、こっちも一瞬暗いけど我慢してくれよ)

(はーい)頭の上にふたがかぶさります。なんか空気が吹き出す音とか色々始まって、いきなり回りの景色がはっきり見えたりします。

(一応前向きに飛んでる時の景色が映るけど、こっちでドグファイトスイッチ…喧嘩する状態にしたら、アルトくんが向いた方向が目に直接入るからな。これや)

また暗くなると、今度はあたくしが首を回した方向の景色が見えます。

へるめっとの機械であたくしの見た向きの景色を写すそうですが、目に悪いので普段はふたに写っている風景をみるそうです。

くるまにひっぱられてえれべーたーに載せられ、かんぱんにあがります。

こんどはマイレーネ様みたいな感じになる青いよろいを着た人がひこうきに繋いだ棒を引いてばばやがーをえれべーたーから離します。

「HMS-N006 tower.  JA0334. Reactor Start. ICD stabrized. Short Take-off. crearance delivery please.」

ジーナ様が何かをどこかに頼むと、ばばやがーから少し離れていた黄色いもこもこ服のひとが、ものすごく大げさな動作であかりを持った手を前に振りました。

瞬間、きゅいんきゅいんという音がして景色が前に動き出すと、あっという間にれぱるすのかんぱんを離れます。体が少し浮いた感じがします。

急な角度でぐいぐい上昇していきますが、不思議なことに体が押さえつけられる感じはしません。

なにかわからない文字や数字らしきが出ていますがめまぐるしく変わるのでよくわかりません。ジーナ様もクリス様も、よくこんなの飛ばしますね。

ぽん、と音がしました。ふと気づくとごうごう唸る音がしません。なんとなく回りが明るい上に、地面や海の果てが丸く見えます。向こうはまだお昼とかなのですね。

(時差があるからな、向こうに着いたら夜七時くらいのはずや。とりあえず聖院の人に話を聞いてからやな)

(これがうちゅうくうかんというものですか)

(いや、そこまで上がってない。今高度三万メートルくらいやな。上見てみ)

(なんか星がはっきり見えます)

(ここまで上がったら空気はないも同然やから、星がきれいに見えるねん。お、カリバーン来たな)

ぴぴっと音がして、あたくしの左横にオレンジ色の表示が出ました。

(横になんかおるいう意味。緑に変わったら味方。赤くなったら敵)

(かりばーんはえぬびーなのに味方に見えるのですか)

(…おもろいとこ気づくな。実はあたしら、今日本国籍の民間機の信号出して飛ばしてるんや。こないせんとアルトくんがいうことが起きるからな。クリスの方の奴は賢いからあたしらがこれ乗ってんのわかってくれてるけど、この飛行機アホいうか融通利かん子でなぁ。日本帰ったら対応工事すんねんけどな、まだ新品のまま引っ張ってきてもうたからな)

(ということはしょぢょですね)

(…まぁ完全な処女やないんやけど、新品感はみなぎっとるな)

(それより何か下に地図が出ていますね)

(えーとな。いまポピー亜大陸を越えてちょっと北へ進路変えた。あと10分くらいで支部に着くわ)

(めちゃくちゃ速くないですか)

(そら音の六倍くらいで飛んでるからな。それより今下の方に飛行機の絵があって、かなりのところが赤に近くなってるやろ?これが黄色か緑にならんうちに降りたら火傷する可能性あるから、ちょっと冷やしてから降りるで)

(はーい)前はまだ明るいです。

時差というのがあって、あたくしの実家のあたりは聖院のあたりより一日の四分の一くらい日が沈むのが遅いそうです。

ぽーんぽーんと警報が鳴っています。

(これ落ちてる速さ調べるためにあえて鳴らしてるからな。速く落ちたら落ちるだけぽんぽんうるさく鳴るんや)おーでぃおばりおという仕掛けだそうです。

(聖院分院にはどれくらい近づいたら心話つながるかな)

(マリア様が中つなぎしてくれるそうです)

(そろそろ屋根に灯つけといていうてくれるか)

(はーい)

やがてほとんど暗くなった街が見えてきました。

(みんな油がもったいないから早く寝るんですよ。あかりがほとんどないでしょう)

(せやなー。この辺やと薪も取れんやろし)

(もう少し陸の方だと羊やらくだのうんこ乾かして、燃やしてごはんつくりますね)

(ふむふむ。ラクダはおると。あと刀は変に丸く反ったやつ使ってないか。シャルハントというんやけど)

(リトルクロウよりもう少しくにゃっとした感じですね)

(了解。お、あれやな)屋根にあかりを灯した低くて広い建物が見えました。聖院分院は結構広いので、庭に降りるそうです。

ジーナ様はてぎわよくばばやがーを庭に降ろしてしまいます。ぱこんがちゃんと音がして頭の上のふたが開きました。

(よし、ちょっとマスクとアンビリカルパイプ外したるわ。拘束アームはあたしがええいうまで押せいうたとこ押さんといてな)ジーナ様は片手で枠をつかみながらえいしょえいしょとくだを外して下さいます。

(ヘルメットとマスクはざぶとんの上に置いといてええやろ)

(よくこんな降り方できますよね…ひゃー)

(これをきれいに降りるのがベテランの貫禄なのぢゃ。ふはははは)そうです。何回か降り方を練習させられました。ほっそいはしごを伝っておりるのはこういうひこうきの伝統らしいです。

(まぁお客さん乗せるように出来てないからなぁ。それより聖院の人に通訳頼むで。クリス降りてくるまで近寄らんといてくれて)

ジーナ様がはんどらいとというあかりを空に向けて振っています。ほとんど音を立てずにかりばーんが降りてきました。

そろっ、と着陸するとあちらもふたが開いてクリス様、続いておっかなびっくりでダリアが降りてきました。

ジーナ様がどこかからてば止めという三角形のかたまりをしゃりんにかましてばばやがーが動かないようにしています。

クリス様はかりばーんのおなかからわたくしたちの荷物を取り出しています。あまり大きなものは積めないみたいですね。

(もう来てもろて大丈夫。あとマリアが車よこしてるからそれから土産物おろすわ。あーあそこやな)

白い馬なし馬車から包みを一つ下ろすと、ジーナ様がふたのどこかを触ります。ぴーぴーと音が鳴って勝手にふたがしまりました。

(よしよし、乾きもんにして正解やな)

(女官の方がご案内したいそうですが、大丈夫ですか)

(おけ。いこか)

で、分院のお部屋に通されます。

ご挨拶を交わした後でまずは目的の場所の状況を教えて頂きます。

(まぁ、とりあえずは存命のご様子ですね。ただ、昨今は税率を増やされたり買取の値を下げられたりなど困っておられる様子。もしそちらの話が良さげで有れば話には乗るかと存じます)

(聖院への課税は何か申されていますか?)

(こちらには無理難題はございませんね。あればこの分院の手勢だけでも全く問題ありませんが…)

(町の方に何か問題が?)

(昨今、怪しげな塊や刻み葉を焚いて吸い、予言を得るとかいう者ども率いる怪しい一派が当国南側あたりで現れている模様。マリア様からの連絡にありました預言者とやらとは少し違う様ですが)

(ふむふむ。あと、領主が火薬を集めているらしき動きを聞いておりますが、ここの領主はどこかと戦をしているか、またはしそうな心当たりはございますか)

(特には。ただ、国元…北の本国に火薬や硝石を貢じておるとは聞いております)

(聖院に関する悪しき噂とは?)

(みなし児をかどわかすだの流行り病を持ち込むだのですが、ここで行っております事はつまびらかにしております。町のものは概ね気にはしておりませぬが、そもそもわたくしどもの生業があれでございますからねぇ。この町を支える井戸、わたくしたちが掘りましたのに)

(かしこまりました。あと、マリア様から書状を預かっておりますが、これはこの地で見られる流行や装束や食事などをお聞きするものでございます。恐らく二、三日はわたしどもも滞在させて頂くかとは存じます。その際にわたくしの方でも諸々を調べて上に報告をさせて頂くつもりですが、短い日にちでは調べきれぬ事もありますので、余計なお仕事をお渡しして申し訳ないのですがよろしくお願い致します)

(あと…いきなりで申し訳ございませんが、マリア様より、可能な限り備えに応じて頂きたいとの話がございまして…)実は、あんあんぱんぱん言ってる声や音がさっきから奥の間でしております。音源の片割れはダリアです。

(ええ。心話で直接お伺いしております。かかる身ではございますが一つ)

(よしなにお願いいたします、アルトリーネ様)ええ。まさか着いてすぐ女官や騎士にぱわーあっぷしろとか。

しかもですよ。

騎士様は配転になっておられましたがね。

(おお、何とたくましい…このネイレリーヤ、貴女様を送り出した甲斐がございました)

そうです。今、このアルトリーネのアルトリーネをぐぽぐぽとされながら発情しまくってる目で見上げてるの、あたくしが聖院入りするきっかけとなった恩人のネイレリーヤ様その人なんです!

…果たしてあたくし、いくら強化のお仕事とはいえ、これ受けて良いのでしょうか。

(あ。何も女官全員お相手して頂かなくとも大丈夫ですよ?わたくしとエフリオーネの方から配分しておきますので)つまり人数分の精気まとめて渡せば仕分けしてくださるそうでして、ネイレリーヤ様お一人のお相手で済むと。

で、客間です。ここ。

さっきからこのやり取りに同席している二名。

ガン見されています。

正直、見るなら参加して欲しいです。

(ああ、我ら夫婦は誓ったのだよアルトくん)

(以前、この手の事が起きて大変な目にあいまして…朝まで寝かされずにボロボロにされまして…)

(なんかそのネイレリーヤ様って、ふいんきがドメちゃんそっくりでな。わたしらが参加すると非常にやばい予感がするねん)

(あん、あんっご覧頂いてると燃えましてよ!)

(とりあえずあたし運転あるしー)

(…あの車、日本車と違って運転席と助手席、あまりリクライニングしないから仮眠向きじゃないんですよね…まぁ、車の中で寝てても襲われない日本の治安が良すぎる気もしますが…)

(とりあえず普通の人間に毛が生えた程度の我々はまぐわいを見るにとどめさせてくれ!頼むアルトくん!ここは一つ頑張ってネイレリーヤさんに奉仕をするのだ!)

(ひぎっひいっアルト様のが奥に奥にぃいいい!)いえ、確かに気持ちいいんですけど。ええ、ネイレリーヤ様、きついんですけど。


…はるばる旅して実家の近くに着いたそうそう、いきなり駐在女官様とのおめこの予定隠さないで下さい、マリア様!

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アルト「ジーナ様。素で戦ったらマリア様に勝てないので何か秘策を」
ジーナ「ふむ。奴に挿れるから話がこじれるのだ。奴に挿れさせなさい」
アルト「ちんぽに勝てなかった未来しか見えないんですが…」
ジーナ「わかった。航空自衛軍に加勢を頼もう。幸い、レパルスは特殊部隊の基地になっているからあちこちに動かせん。そして、間もなく戻ってくるテンプレスの側にいると一緒にくっついてこっちこれるからな」
クリス「なんか酒癖が悪い方が来そうで怖いのですが」
百目鬼三尉「ふっふっふっ、漫湖を連呼させられましたからねぇ、あの時は」
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