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アルトリーネの最も恥ずかしい一日・その1

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みなさま。
怒りに今わたくしアルトリーネは満ち溢れております。
怒りましたから。今回は完全に怒りましたからね。

黒いふんどしや貞操帯どころか、黒いダイヤモンドち○ぽなんか使わなくてもアレーゼ様のように闇堕ちしてしまいそうなくらいです。せんたくきを壊したくらいでは収まりません。

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みなさま。

世の中にはブ○専という方がいらっしゃるそうです。

逝麺なのに釣り合わない方とつがっているお方、わたくしどもの方でもお見かけします。

聞けば、美人というものは俺を捨てる可能性があるが、美人でない女性は捨てずに尽くすとか。

ええ。性格の問題もあるとは思うんですよ?美人で性格悪いと伝わる方、いらっしゃいませんか?

更にジーナ様もおっしゃいます。

「沖縄の店のママも言うてたけどな。ぶっ○いくは化粧とか髪型で何とでもなる。更にあたしが補完して言うと、水の場合は決してじっとしてる時は美人ちゃうけど、よう笑い性格が明るくて話合わすのがうまい子がNo.1の事が多い。これが風…天の声のいう写生産業の場合は話は変わるけどな。あと、ママんとこの場合、うちもどっちか言うとその部類やけど、話し下手で酒苦手やねんけど体はよう動くいうのが多かった。これはポールダンスとかするから、可哀想やけど太い子には無理いう業種やったからな。正直、顔はどないなとなるけど体はなかなか難しい。まだ10代の娘さんがいらっしゃったりする方や、はたまた結婚適齢期前後のお嬢さんは体型を崩す食生活をさせないしない方が人生いろいろ広がるかも知れん」

そして、わたくしども。

実は女官にラ王はいます。

ええ。そちら様の単位で体重100キロどころじゃないあの世紀末覇者です。

ただ、あの方を女性…いや、人類とみて良いものでしょうか。

仮にあの方が下院の勤務を希望されても、果たして男性をお付けしても良いものだろうかと思います。

つまり、そんな壮絶な例外を除けば、わたくしども女官で、ふとましい方はいないのです。

そうです。二年に一度の職場変更で、文官は騎士に、騎士は文官に。

この変更についていけない方は聖院を去らざるを得ないのです。

そして、騎士を鍛える教育体制の頂点はアレーゼ様です。

こないだ、わざわざ嬌声を聞かせていた騒音公害痴女を打ち据えておりましたが、3mを超す高さの区切りを悠々と飛び越えていらっしゃったのがわかりました。

むろんアレーゼ様は銀衣ですからちょっとやそっとではない超能力も駆使する事ができます。

しかし、あの方は敢えてなるべく己の鋼の筋肉で戦おうとされるのです。

超常の力に驕らず、人としての限界にとりあえず挑み、常人を超える力を必要最低限度に留めようとなさいます。

これは、アレーゼ様の素晴らしい筋肉なお尻を堪能させて頂いたからではありませんよ。

金衣に昇格したから墓所の皆様のお声も直接お聞きできるようになりましたが、アレーゼ様の鍛錬の成果たる鍛え抜かれた身体故に、禁断の黒金剛石持ち出しも黙認したという声が少なくありません。

鋼の意志で成し遂げた節制と鍛錬を具したあの身体を、石頭のごとき掟を盾に失意に沈ませるは果たしていかがなものか。

あの壮絶な努力を賛美してこそ、金衣であり銀衣ではないか。

そう、努力の人、鍛錬の人なのです。

その努力を知ったジーナ様は、部下六人とひこうき三機を一瞬で失っていたにも関わらず、しかもご自身の教え子が中に数名いらっしゃった立場だったにも関わらず「こうなった経緯を聞くだに、ある意味では部外者の私らが厳罰を主張するのもよろしくはないやろう。これだけ嘆願の声が集まっとるのを無視するのは誰が見ても禍根を残す。懲罰を与えるにしても、この嘆願を寄せた人間にも納得のいく内容にすべきちゃうか?」と言われ、単純な厳罰の危険を説かれました。

あたくしもその場でお聞きしたのでよく覚えております。

…ただ、アレーゼ様、男性受けは…悪いんです。

ええ、その戦闘力が一目でわかる戦士の体。

ジーナ様いわく「あれが世紀末覇者やったら、アレーゼさんは世紀末救世主やな。毎回毎回戦うたんびに後で小っちゃい女の子に服縫わしてる疑惑のアレ」と、多少の恨みをこめて形容する程度には戦士なのです。

「えーとな、アレーゼさんくらい鍛えてたらよほどアレーゼさんの方から包容力を示さんと普通の男、無理。あんだけ強かったら引く。みんな引く。観賞用としてはともかく、人生の伴侶としてあれを迎え入れるんはアレーゼさんより強いか更に賢いか、とにかくアレーゼさんより何か秀でた男でないと自然な付き合いにはならんやろ」とおっしゃいます。

「どれだけ鍛えてるか教えてあげてくださいよ」

「…あたしの中のイタコがいう。だいろくてんまおうぐれーと、と。それでわからんかったらごーるどじむ じょせい。で。アルトくん、あたしに文句言うなよ。これ見たら最後、夢に出る可能性が高い」

…ええ、夢に世紀末覇者が出てきて跳ね起きました、あたくし。

ですが、世の中、一見細いのに壮絶な運動能力を誇る人間もいます。

例えば、今まさにあたくしに凶刃を当てようと剣を振るうダリアリーネです。

案の定、目が血走っています。瞳孔も開いています。

なんか危ないおくすりやってそうです。半分くらい人間やめてる雰囲気です。

そういえば、例のぽぴーありますよね。

あのぽぴーから作るものは怠惰無気力をもたらすそうですが、勤勉な国民性で知られる菅野様の国では壮絶に流行しなかったそうです。

そのかわり、戦時中に中毒性のある「ぽぴーのぽぴーを亀の子の絵で現したものと似てるけど効き目は真逆」なものをがんがん製造して合法的に配ったそうです。

夜でも目が見えるとか、疲労がぽんと取れるただのビタミン剤を。

なにを配ってるんですかだいにほんていこく。

「うそをつけっ」ですよ。

ちなみに、クレーリャの母国では、病気の麦から作る本で、ページをなめなめしてめくると怪しい幻が見れるものを発明したそうです。変態ですね。

で、黒絹の効果です。痴女が呪いのふんどしを普通に締めるだけならまだしも、あとでおねーさんと助平できるよ!できるよ!みたいな感じでいらんこと吹き込んでえろえろに絞めやがったせいで、着用効果がすぐ出たみたいです。

ええ。

生きて立ってたら絶対シメます。

あの容器の中の食べ物も没収してあたくしが頂きます。

肥満の原因らしいんですが、腹立つから奪います。

あたくしはあたくしで、ジーナ様のおっしゃる「かまくらとかいう時代の日本人」の目になってたと思います。

とりあえず眼前の敵を倒さねばなりません。

「ごーるどふゅーじょん承認!」あたくしは叫びました。

が、何も起きません。

しばくぞ。

ええ、ジーナ様に教えて頂いた怒りの表現です。

東方諸国のごく一部で使う表現だそうですが、語感の良さで結構他の地方でも通じるそうです。

そして、この表現で形容すべき対象。

待ち切れずに食ってやがります、あれ。

アレーゼ様のように黒落ちしたろか。

ええ。こちらは真剣に真剣を相手しているのに、湯気の立つそれを。

今すぐスコールを祈りたくなります。それも、クレーゼ様の周囲だけ。

あまりにも見かねたのでしょう。

本当にそうなりました。

そして、あたくしの全身に力がみなぎります。

あたくしの外観、髪の毛止めしてなくて目隠しもしてない「つーびー」だとジーナ様はおっしゃいます。

ですが、タムラさんという方に言わせると「じぇねりっくはまかぜ」「ましゅ」の方ではないかと。

そして、恐らく今、あたくしの髪の毛の色、金色のはずです。

下の毛が金色に輝いてましたから。

後で教えていただきました。

偶然、菅野様がぽぴーの生えてる場所をひこうきで出歯亀する作戦で飛びたつのをれぱるすの甲板で見送っていたゴルディーニ様が、聖炎宮が光るのを見て、菅野様に指示して聖炎宮の上空をゆっくりと飛んでもらい、ていさつぽっどというものでこちらを撮影させたものを見たそうなんですが、「アルトリーネさんが超野菜人すーぱーやさいじんになっていた」とおっしゃいます。

母国フランスでも人気だったそうなんです。知らんけど。

その瞬間。しゅぱーんと空気が噴き出るような音がして、あたくしが身につけていた試作衣装が全て脱げました。というか吹っ飛びました。当然、全裸です。

しかし、脳裏にアドバイスが来ます。そのまま飛び上がれ、と。

腰だめに騎士女官の標準装備剣を構えて突き刺す気満々で突撃してきたダリアリーネは目標を見失います。

その顔を空中で回転して思い切り、ジーナ語で言うとおもっきし蹴ります。

そして着地し、再度跳躍。

せこんどというのですか、頭の中で金衣のどなたかが戦い方を指導してくれます。

(あの馬鹿娘のせいで窮地に陥っているのは理解している。娘の恥は我らが恥、加勢を受け入れよ)

そこで意地張って自分でなんとかしますというほど、あたくし実戦経験が超絶に豊富なわけではありません。

今、目を回している黒豚よりは、偉大な先輩方の意見を尊重できる方と思っております。

今じゃ、飛べ!という声に従います。

そして空中で大開脚せよと。ええ。躊躇せずに体が動く程度には鍛えております。

いくら実戦経験が少ないと言っても、一瞬の遅滞が死を招くと体に刻んでおります。

後でお伺いすると、百点満点の会心の決まり具合だったそうです。

まこと我らの意図の通りに技を決めてくれたと。

更に、ばんしーというのですか。あたくし気づきませんでしたが、あのひこうき、かなり上から覗けるんですね。

菅野様は訓練のために最大あんぐるおぶあたっくという状態で、ほとんどまっすぐ上に上がってる最中に指示が来たので、あわてて宙返りして水平ひこうに戻してから、聖炎宮の上空はるか上で八の字を描きながらくるくる回っていたそうです。

更に、後ろで機械の目を操作していたのが監督者兼、ご自身もこの後で「定期的に飛んでおかないとめんきょとりあげ」になるからいろいろな飛び方をする予定だったジーナ様。

ええ、ジーナ様はもともと、ばんしーというひこうきをうごかすことからはじめて、それの飛ばし方を教える立場になった人です。

当然、機械の目の使い方、よくご存知です。

更に、ここで何をしてるか知ってます。

アルトリーネが危ない場合は最悪、ダリアリーネを射撃するつもりだったそうです。

で、ばんしーも、どぅぶるゔぇとだいたい同じ場所に、いんちゅう、いやこんちゅうのように真下も見える目がついているそうです。もちろん光線もうてるそうです。

ただ、試合だと知っておられます。

とりあえず、やみくもにダリアリーネをうちころすのをごしゃとかうしろうちというそうですが、そんな事を起こさないだけの理性は働く人です。

しかも、ていさつぽっどというのですか。

聖炎宮で弔いの火柱が上がる高さくらいからなら、後で打ち合わせ通りにしなかったおしおきのためにクレーゼ様をよつんばいにしておしりにくだをさしておさけをながしこんでおきましたが、それをしているのが誰かわかるそうです。

実際に後でどうがとしゃしんを見せてもらいましたが、すぐ上からとけいのかめらでとったのとかわらないくらいにきれいに撮れていました。

(ジーナ様いわく「ふつうのにんげんならぜったいにしぬが、きんいならよっぱらうだけや。あのあほいもうとにはこれくらいやらんとあるとくんがあぶなかったのはわからんやろ。やれ。むしろそれくらいやっとかんと、せっかくあたしがはなしつけたったのにごせんぞさまにしめしがつかん。ついでにかんちょうしてるあいだこれつっこんどけ。ないてわびてもこうあつかんちょうでちょうのなかみぜんぶだすまでぬくな。で、やってるあいだのがぞうをうえからとってぼしょでごせんぞさまにしばいときましたとあたしがおわびしておく。ここまでやったらさすがにみなさんもゆるすやろ」と、でかちんとかいう、ものすごくおおきいにせものちんちんを渡されました。もしできるならこれやなしにあるとくんのこぶしつっこんでもええ。あたしやったらぜったいふぃすとふぁっくしてると、怒りをみなぎらせていました)

で、金衣の皆様のご指導の技です。

決まりました。ただし、わたくしは二度と使いたくありません。

絶対に。二度と。

なぜならば。

ジーナ様の世界ではインド、そう、あのえぬびーの香水のきついサレーニーはかせのご先祖様が住んでいた国の山奥でめんきょをとりけされないための修行をしたついでに菅野様と二人で軽くポピーの畑をさつえいしていきがけのだちんで軽くこうせんでやきはらって(ぼう)からおふたりが帰って来られたんですが。

菅野様がものすごい困ったような目であたくしを見るのです。

あの、お国では空の英雄とたたえられている菅野様が。

どきゅんのせいしつはありますが、今やジーナ様程度には自制がきいておられる菅野様が。

「なぁ、アルトくん。あれ、ここでの騎士の戦い方なのか?正直、高木少佐…ジーナが後ろで笑いまくってた事から察するけどよ、いくら君たちでもよ、普通は素っ裸で戦うもんじゃないと思うんだけどよ」と、真顔で聞いてこられたからです。

ええ。戦士としては尊敬している英雄の菅野様にそんなこと言われたら、流石のわたくしも顔を真っ赤にしますよ。

で、菅野様「あいつ、アルトくんが技決めてた時にレスリングの試合見てるように、あるとりーねきめたああきまったああああおっぴろげじゃーんぷ!わん!つー!すりいいいいい!かんかんかんかん!とかアホなこと言ってたけど、あれは格闘の技か?技なのか?」と、自分の常識を疑う事象が起きた時に探求する意思をみなぎらせてお尋ねになります。

ええ。ジーナ様にお尋ね下さいと。あたくしは昔の金衣様方のお指図に従って戦っただけなのです。

いくらあたくしでも、あれがこの世界の普通の決闘と思われますと恥だとは理解しております、と。

そう申しますと。

俺もいろいろな上官に仕えてきたが、君は誇っていいと。

仮に俺が太平洋戦争当時、あんな指揮官の下に配属されていたら、陛下の御影の前で「さすがにこれ以上お国のためには働けませぬ。この菅野が自決することをお許し下さい」とピストル握って泣いていたと思う。これだけは君は誇ってくれ。俺は君の忍耐力を認めよう。君を一流の戦士として認めよう、と。

菅野様の励ましのお言葉が、そのお言葉が後でどれだけわたくしの慰みになったか。

荒れ狂うわたくしを菅野様の一言がどれだけ救って頂けたか。

お姉様との添い寝の事実など、あまたの戦場と死地を潜ってきた戦う男の姿の前には霞むというもの。

だから早くアレーゼ様を孕ませてあげてください。

わたくしからの、たった一つのお願いです。
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アルトリーネ「もしかしてジーナ様。あの…あの後の一部始終を撮影などされておられませんよね(肉薄)」
ジーナ「うん。さすがにあたしも、大体アルトくんが何するか読んでたし、それにある程度あたしの頭の中に考えてる事流れるやん。せやから早めに対応できてんけどな」
アルトリーネ「ありがとうございます。あの、怒りに身を任せて暴れてる姿まで撮られたら…」
ジーナ「ついでに言うとくと、昼からダリアリーネに予約が入ってるのを潰さない程度には理性が残ってると期待して、午前中はあの死愛(しあい)の場を何がなんでも誰にも記録させないようにクリス経由でカリバーンに依頼した。偵察衛星どころか、恐らくドローン…出歯亀ひこうきすら入れなかったはずや」
アルトリーネ「えぐえぐえぐ(涙)」
バカヤロウ「いや、あの場で人死に以外なら何が起きても何もなかった事にするだろ。それが人の道ってもんだな」
アルトリーネ「という訳で何が起きたかはちょっと待ってくださいね。頭を整理してからお教えします…」

謎の声「お待ちなさい!」
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