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番外・女騎士は見た!地下墓所に潜む闇を!・3
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東方諸国の隠れた蛮族ぶりに驚くアルトリーネでございます。
しかし、よく考えて見ればわたくしの愛刀・リトルクロウこと小烏丸。
その後にジーナ様のお国で作られたという名刀のご先祖様だけあって、何やら首おいてけな雰囲気を感じます。
ええ、今後、私がいくさ場でお前は大将首か大将首だろう、なぁと日本語でリトルクロウ片手に詰問していましても、どうか生温かく見守って頂ければ。
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みなさま。
801とか宗主とか、挙句やおいあなとかのみこんでぼくのえくすかりばーという意味をこの間知って、向こう様のご趣味の幅広さに頭を抱えておりますアルトリーネでございます。
で、あたらしくつくったひこうきにエクスカリバーという名前をつけて大々的に平民の皆様にぴーあーるを行っていたえぬびーことにゅーぶりてんの航空騎士団の皆様が、ジーナ様のあたまのそこくでえくすかりばーというと、どういう受け止め方をされるか知ってしまって泣きそうな顔で、名前を変えるべきかと真剣に悩んでおられたのを拝見いたしまして。
更に、今こちらに来ておりますおふね。
てんぷれすとかいうお名前、誘惑とか痴女とかすごい意味らしいのですが、そんな名前にした理由が、もともとはあるとりあ・ぺんどらごんと名付けるはずがですね。
ちちうえさまとか乳上様とか、更におっぱいばいんばいんのばにーがーると申すのですか。
父上というのはちんちんが生えていて子種を流し込むお立場の方を、お子様側から敬称として呼びかける意味と学びましたが、どう見ても流し込まれる立場に見える絵がですね。
ええ、わたくしも拝見しました。
ああいう格好でクリス様みたいな年恰好の殿方とげふんげふんげふんな戯画を描かれておりますのも。
国の威信にもかかわる、いくさ船にあれだとまずいのはわたくしも理解いたしますが、個人的にはあの姿でクリス様に以下略。
(ここでジーナ様からツッコミ。あんたの髪の毛の色とか長さ考えたらこれがええと、にーあおーとまただのつーびーだのないんえすだのと調べさせられました。あたくしの今の見た目を想像頂けない殿方には「日焼けしたつーびー」言うとけ。あとは勝手に調べてくれはるとのお話です。よろしいでしょうか)
ええ、とりあえず間に合わせでも何でもいいから別の名前にしようと、たんとうしゃ様がですね、ジーナ様いわく「適当に語感がいい単語をいい加減に選んでつけよりよった」と…。
更にはあーくろいやる。同型艦といって、同じかたちのおふねがあと五隻つくられているそうですが、レパルスというおふねはわかります。めがねの侍女が出てきました。
ですが、あーくろいやるです。クレーニャの髪の色みたいな赤髪ですとーかーの女性。これもまだわかります。
問題は中原大陸国で描かれたとかいう黒髪でおっぱいばいんばいんの「おばはん」の方。
なんですかこの小娘趣味。
見た目が女性ってだけで、やることなすこと頭の中まであれじゃないですか、あたしの膜がないとか因縁つけてきた豚息子とか、例の「ろりや」じゃないですか。
ええ。豚息子。
あの豚息子が船を仕立てて、はるばる我が聖院本院まで来るとか聞きまして。
更に、あのくそなまいきなしんじんくろぶた(ぼうよみ)をあてがうと聞きまして。
そして、わたくしの人生を良き方に変える第一歩となった聖院分院からでいりきんしを言い渡され、仕方なくこちらに来るに至るまで、かなりのお金を使ったと思います。
恐らく、あの辺の平民の方ならいちまんにんくらいを一年間食べさせていけるくらいは。
そんなおかねの出どころが、ちょっと掘れば湧いてくる、ねばねばした黒い汁、いやもとい燃える水。
そして、我が実家の重大収入源でもあった真珠の取引で儲けていると調べて頂いてるそうで。聖院分院の皆様、素晴らしいおしごとです。
燃える水については、うかつに広めるとジーナ様が死ぬほど嫌がる「かんきょうはかい」に繋がるので、おんなあそびの為にお金がいるからと後先考えずに掘るかの領主家の振る舞いたるや、我が聖院の前に立ちはだかる障害としてえねみー認定されたそうです。
はい、一連の情報を得たジーナさまが「ゆっ◯りーん」なはんにゃというのですか、おにおんなの顔に変わられまして。
で、真珠の取引市場になってる島もろともまとめて吹き飛ばしたれと怒り狂いながら例のるどぅたぶるとかいう鋼のまらを持ち出す手配を騎士団にしようとしてあたくしが必死でなだめるとか、えふわん弾頭のてりぶるとかいうほそめのかなまらを満載したどぅぶるゔぇ持ってこい、あれならごうけいしたらるどぅたぶる二発分やとか、クレーゼ様が暴れてるような乱心ぶりでした。
あのどぅぶるゔぇってひこうき、そんな危ないものだったんですか。
え?かりばーんにおぷしょんのあーみんぐこんてなとやらをあけて、そのなかみをつけてみでぃもーどでうごかしたらたらもっとひどい?
じゅっぷんあったら地球の上で生きてるものはかんぜんにおらんようになると?いまちょうどてんぷれすにそれつんでる?
更に、こないだうちのでっちがまちがって入りかけてめっちゃおこられてたけど、そのやばいくらのなかのもの全部えんりょなく使ったらもう少し時間かかるけど似たことができる?
…あの、ジーナ様、お願いですから乱心なさらないでくださいね。
あのてんぷれすっておふね、見た目はそんな物騒には全く見えないんですけど、そんなろくでもないおふね連れてこないでくださいよ。
え?あんた知らんのか?あーくろいやるも似たようなもんやと?特に、あれのかんぱんにさんまみたいなこぶねをろっぽんくらいころがしてる時はとくに注意せぇ?
でぃふぇんだーという、ひとがのらなくても勝手にうごいて、指定したばしょにあるものぜんぶけしとばしみなごろしにしてかえってくるおふね?
まだこっちには、あっちでいちばんやばい、しんそこやばいもんもってきてないからあんしんせぇ?
あばおあくうというものがきたらさいごや、そのうちゅうごとけしとばしてぜんぶなかったことにする?
…あの…そちらの本気のいくさってどんなのなんですか?そちらでいう神様と悪魔の戦いみたいなものですか?あたくしには理解できません!
「まぁ、あくまでもそれは使った場合や。わたしらにしても使ったら危ないという認識やから、何重もの安全装置や、今さっきのあたしみたいな事言い出してもすぐ実行できんような仕掛けしとるから安心しい。でなかったらルドゥタブルみたいなもんですら今や花火みたいな認識やからな、うちら」
「ジーナ様、仮にあの真珠島に鋼まらのるどぅたぶるを打ち込んだらどうなります?」
「あの湾の岸辺から歩いて7日の範囲にある人間全員、すぐさま太陽より熱い熱に焼かれて蒸発して死体も残らん死に方で死ぬ。歩いて14日までの範囲やったら、死体は残ると思うが即死か1日で死ぬ。あの湾で仮に魚取っても一千年は食えなくなる。っていうか下手したら海が蒸発したり、さっきいうた範囲内で畑作れん。作っても目に見えへん穢れが溜まってるから食えん。それどころかあの辺歩き回っただけで子供作れなくなったり血を吐いて死ぬ。生きててもあり得んくらい早死にする」
あたくし、多分、マイレーネ様と今から戦えと言われたくらいに真っ青になってたと思います。いったいどれだけの人を殺そうとして作られたんですか。
「そして一番大事な事やけど、例の聖炎宮か、あそこで金衣が死んだら吹き上がる火の三倍の高さに毒の雲が吹き上がる。そして、そんなどでかい花火やから、地球を十周してやっと収まる爆風が世界中に吹き荒れる。その爆風に乗って穢れが撒き散らされて雪のようにあちこちに降ってきたり、穢れの溶けた雨が降って濡れたもの全て殺すか穢れる。自分で言うててイヤになるけど、持ってるオモチャのヤバさ、わしら自身で把握しとかんかったらあかんからなぁ」
「…クレーゼ様が、ジーナ様が豪胆だと褒めるのがわかった気がします…」
「なお言うとくと、あれの信管をアクティブに…爆発するようにするためには、仮に菅野くんの飛行機に、アルトくんいわくの鋼マラを積んだとしよう。まずは、あたしとゴルディーニ大佐の二人が同時にカギを開けゴマするのに該当する操作がいる。更に、この方法だと、使った後で大佐とあたしの二人でやな、何で鉄マラ使ったかを言い訳する手紙何ページも作らされてな、そして、手紙を出してから呼び出し食らったら、何とマイレーネのおばはんみたいなんが何人も待ってて取り調べられるんや。それが嫌なら今から使いますけどよろしいかと、あたしと大佐で、マイレーネさんが10人くらいおるような場所に電話して、よっしゃ使えかあかんわボケかの判断もらわなあかんねん」
「なんとなく、クレーゼ様が暴れるように気楽に使えないものだとはわかりました。特に、マイレーネ様が調べるようなものなら、そりゃジーナ様でも躊躇なさりますよね」というか、わたくしたちの間で、マイレーネ様が恐怖を示すものさしの意味になっているのに戦慄いたします。
「あーそうそう。アレーゼのおばはんがな、ここから持ち出した黒いダイヤモンドちんぽか、あれ突っ込んで闇落ちしてウチらの世界から船呼んでたやろ」
「…はい、ジーナ様たちがこちらに来るきっかけになったあの時ですね?あたくしが上級に上がってすぐだったか」
「なんであの船意地でも潰さなあかんかったか、ちんこ出入り五回分の時間で理解してもらおう。あれな、こっち出てきた時に完全装備やってな。その状態で、積んでるの合計したらな…鋼のマラ66発分やったんや」
「…そりゃ、何がなんでも沈めますよねぇ…」
「しかも中のやつ生かして沈めろてどんだけ無茶言うねん。MIDI使えんかったら、ほんまこの星に生物というものどころか空気すらなくなってた可能性があったんや。ウチがいまだにアレーゼに手厳しいいちばんの理由がコレやねん」
「あのみでぃとかいう羽根付きで銀色のがいこつがすごいのはわかりましたね、ほんと」
「あれカリバーンやぞ?クリスの飛行機やぞ?」
「え?でもがいこつ…」
「さっきいうたアーミングコンテナいうつづらや。あれ開けたらガイコツと武器一式が入ってて、どうしても使わなヤバい場合にカリバーンにつけて使う。んでその状態で使うには、えーと、クリスとあたしと大佐とクレーゼと…あの時はとりあえずセーフモードで四人で起動してたな。ほんまは七人いるんやけどな」
「ふむふむ」
「ちなみにNBでも規制があってな。NBやったらあたし将軍やからもう少し単純やけど、テンプレスの禁断のヤバ蔵開けて中身使おうとしたり、アーミングコンテナ開けてMIDIとしてカリバーン使う場合はさすがにあたしとクリスと、クリスのおとーちゃんか、マッジルベリーいう大将軍なおっさんの合計三人の承認がいる。MIDIの場合、更に起動指示は現場で承認者七人おらんと動かんし、クリスのおとーちゃんに話せんと使うたら本国に呼び出されて、円卓会議いうて、マイレーネ十二人分がおる席で精神的にボコボコにされて吊し上げられるから安心しなさい」
で、この話。
実は巨瀑宮地下二十階の管制室の応接セットで話を伺っております。
長椅子には、吸い尽くされた感のあるプラウファーネ様。
あたくし、プラウファーネ樣の頭を膝上に載せて、哺乳瓶…いやもとい、管制室備品の栄養剤とやらを飲ませて介抱させて頂いております。
「ところでプラウファーネさん、大丈夫なんかいな」
「いや、大丈夫ではないです。まだ少し動けませぬ…いやーお恥ずかしい、普段は最小限度の精気吸収や放出が日常だったもので。あがが」
で、プラウファーネ様がこうなった理由ですが。
誰も悪くないけど、結果的にこうなったのです。ええ本当です信じてください無実です!
「じーなさまもわるいといえばわるいのですよー」
「なんやねんその棒読み。まぁ、白金衣の状態を軽く体験しとく方が本番の時にもまごつかんかなーとやね、あたくしの職務上必須な、手順履修の本能が騒ぎましてね」
「いや、白金衣の力があんなだったとは。正直、西方諸国の十字遠征軍撃退の時くらいでしたしねー。私が知ってる白金衣起動。あ、私の方の本国での鬼汗国襲来時の援軍の時もあったか。ただ、その時は私、ここ詰めだったんで直接見てないんですよ」
「その国名といい、なんか嫌な予感がするな」冷や汗をどばどばかいておられるジーナ様。なるべく簡潔に、なるべく詳細な事情を語らないでくれというオーラが。
「で、私どもの方では今もそうなんですが、一種の連合制度を敷いておりまして、持ち回りで天子様と三種の神器を預かる政体をとっております」
「ふむふむ。まぁ、あたしゃ向こうのそこらの育ちだからなんとなくはわかる」
「で、私が生まれる前でしたかねぇ、ガヅラとかいう、背びれと言わず口と言わず熱と光を撒き散らす怪獣が難波宮に上陸して大暴れして、大盧舎那仏という像を稼働させてガヅラを討ち払った事がありまして、今回もそれを使おうとしましたが…高木様、鬼汗国の位置や状況、そちらにも似た事例があると察しますが」
「うん、あった。しかも通路になったとこが主力でアンゴルモアった事があってな。こっちは台風襲来とか気候条件が向こうに不利に働いたのと、その当時の日本…東方諸国がね、国民皆黒火山芋国人状態の蛮族風土でね…うん、向こうも野蛮やったけど、こっちも蛮族を極めてそれはそれはもう地底人と最低人で野蛮の最低記録更新を競い合うようないくさをですね」
「じーなさまがしんだめをしています」
「当たり前じゃ!例えばやな、向こうが軍船の舷側に人質吊るして射てるもんなら射ってみろと煽ったとしよう」
「なんですかそれ。なかなかに蛮族ですね」
「我が方は、そんなもん知るかとばかりに長射程の弓矢ぴゅんぴゅんぶち込んで、挙句その軍船に切り込んで皆殺しにして放火して沈めた」
「やはり私、男色を求めてそちらにお邪魔するのは身の危険を感じるのですが」
「あああああ、それ、その時代前後数百年くらいだけの話やから、あんだけ狂ってたのは日本史でもそうそうないから!」
「参考までに、狂っていた事例を1つ2つ」
「まず、騎士の家があったとしましょう。これアルトくんにも分かりやすいと思う。で、旅の坊主が騎士の家の前を通った。気に入らん。斬り殺す。これで犯罪にならない」
えええええええ?当時の日本…ですか、どんだけ無茶苦茶なんですか?
「で、犯し殺し奪う。これが基本行動。昔の助平遊戯娯楽でそう言うものもあったらしいが、それが現実になったような感じで、そりゃもう犯せば犯し返し、殺せば殺し返すような戦闘をやね。あたしこれ生徒に教えんのが嫌で嫌で、日本の戦史担当教務から金輪際外してくれて教務主管に嘆願書入れたくらいやねん…」
ジーナ様が泣きそうな顔をしていますが、そりゃこんなもん修学宮でも嬉々として教えそうな教務官…(何人かいるな…)。
「よくそれで国、潰れませんでしたね」
「あんまりひどいので、せめて人としての最低限度の自制はせぇやと規律を作って広めた。ただし」
そこでジーナ様は、あたくしとプラウファーネ様をぎろ、と一瞥します。流石にマイレーネ様には負けますが、なかなかの迫力です。さしものアルトリーネもあの目で見られたら股を広げて誘います。
「これこれアルトくん。さっきまで散々プラウファーネさんと乳繰り合いしたであろう。で、そんな蛮族どもに、いきなりこれ守れ言うて箇条書きにした注意書き配って素直に守るて思うか」
このジーナ様のご質問への解答はシンプルです。
プラウファーネ様は両手でバツ作ってます。あたくしは首をぶんぶん横に振りました。
「よろしい。だが守らせた。守らん奴は殴るか斬り殺してな」
「結局暴力で全てを解決しておられる…」
「うん。その当時の連合政権中央政府にそんなどつき合い統治が続くわけもなくやな、潰れてんけどな」
「なんか悪い予感がします」
「プラウファーネさんの言うところの天子が兄弟で、うちのんが後継者やとか言うて二大勢力に分かれたときがあってな。そんときの片方の天子様がそれはもうある時期のクレーゼさんなまでに蛮デッドなお方でな。二回島流しにあって、二回戻って来てもう片方といくさに明け暮れてた」
「クレーゼ様の名前が出てくる時点でどういう性格の天子様か理解できますね」ようやっと起き上がれたプラウファーネ様が、呆れた顔でおっしゃいます。ええ、美女というか美青年というか。
で、この方は性別は男でした。
ただし、ジーナ様曰く「てんねんにゅーはーふ」なお方でして、骨格やのどぼとけといった男性要素が出やすい部分が、ことごとく女性に近い外観なんだそうです。
むろん、お声も女性です。
あたくしのアルトリーネな部分がちんこに置き換わったようなもんやなと、しげしげ観察させてもらってるジーナ様、もうてんぷれすのいむしつに即連れ帰って船医様というのですか、お医者様に預けて輪っかくぐらせたり、やたら重い前掛け付けて息吸って吐いて写真撮るとかおしっこや血を採集したくてたまらなそうなお顔で、わたくしどものまぐわいを観察しておられました。
で、ジーナ様ご指導の元で「このちんぽめすめせんずりこいてみろほれほれ」とか「けつおめこのぐあいはどうかちゃんといえ」ですとか聞くに耐えぬ罵詈雑言に近い猥雑な台詞を感情込めて言えるように二人で指導されまして。
ええ。更に、白金衣の姿でしたら絶倫化するか興味を持たれたジーナ様、プラウファーネ様を通じて十分限定の慣熟運動と称する白金衣状態の交尾をさせられまして。
さぞ金衣銀衣の皆様が怒るかと思ったのですが、まぁ十分程度なら構わん、むしろ慣れておくのは賛成と総意を寄せられた結果ですね。
わたくしの目には見えませんでしたが、プラウファーネ様によれば、もう歴代金衣銀衣総出で「こみけかわんふぇすのえろかめこにかこまれるれいやー」状態なくらい周りを囲まれてガン見されてたそうです。
で、ついその場の雰囲気で、プラウファーネ様を男としてお相手したところ、ジーナ様曰く「あんな凄い抜かずのみこすり半は見た事ない。一分で三回写生してガス欠て、あたしの沖縄時代でも流石にない。三分はいたが」と評される状況でして。
「そーいやプラウファーネさん、大仏よこして猛虎いや蒙古の怪人軍団しばく話、どないなったん」
「盧舎那仏の移動速度では間に合わない事がわかりまして。ええ、あれ、そもそも首都で迎撃する用の大仏型最終決戦兵器で、しかも年齢一四歳の稚児を生贄に」
「なんちゅう聞きたくない兵器や。怪獣みたいに吠えて暴走とかせーへんやろなそれ」
「ちゃんと動けば強いのですがね。どうも絶対障壁の使い方によっては第一大異変とか第二大異変を起こす可能性も」
「…なぁ、今度それ使う場面あったら、動かさんとうちに頼んで。MIDIいうて似たようなもんやけど、まだ安定してるの回したるから」
「ま、まぁ、結局のところ、こちらが助けを求める前に、異変を察知した金衣様が白金衣を召して来られましてですね。一人対七万六千の軍勢で」なんかなかだしされそうな戦力比に聞こえます。
「ふむ。虐殺の未来が見えそうやな」
「…ええ。ジーナ様が思われた通りの結果になりました。七万六千を吸い殺してちょっと力が有り余ったからと、彼らの進軍経路をですね、二度とその道順で来る気が起きないように火炎でなぎ払い海底に沈めまして、返す刀で経緯を見守る東方連合軍の後方軍勢に対してですね、参戦の慰労と称して若干の手加減の上で死なぬぎりぎりまで吸い尽くして満足気に帰院なされました」
「なんか一人で事務顔の伝説巨人を作ってる気がする話やな」
「ええ、申し上げにくいのですが、戦後、このわたくしを介しての本国から聖院への今後の援軍についての請願状が参りまして。今後助力加勢を願う時は我等から必ず連絡申し上げるので、無用の参戦はお控え願いたい。あと、参戦依頼の場合も、金衣以上の加勢厳に無用と三度の念押しで伝えよと」
「なぁプラウファーネさん。その時の金衣、明らかにクレーゼさん違うよな」
「ええ、確か第七代あたりだったか…」
「プラウファーネさん。まだ昔の金衣の人、この辺にいたら絶対に絶対に絶対に念を押しといて。報告連絡相談のほうれんそうも末代までの金衣家訓に加えるから皆さんも厳守してなと」
ええ、ジーナ様がこう言った瞬間、周りから「えええええええええええええええええええええ」と叫びが渦巻いた気がいたします。きっと。
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アルトリーネ「しかしジーナ様の国のおふねがあんなに物騒だったとは…」
ジーナ「うちらには相互確証破壊という概念があってな。要するに、仮にクレーゼさんがおったとしよう。あれに言う事聞かすためにはどうしたらええと思いますか」
アルトリーネ「マイレーネ様を自陣に加えます」
ジーナ「それが相互確証破壊という概念の基本や、わかったか」
アルトリーネ「なんか非常にわかりたくない理解のしかたをした気がします」
2021.5.15
マリア「おかーさん歴史めっちゃ弱かったでしょ。武家諸法度ってさ…かまくらじゃないよ?たまに愚痴ってる【そとぼりうめやがったたぬき】のほーよ。かまくらは御成敗式目よ?」
ジーナ「え」
マリア「んもー。GODAIGOを北朝っていうくらい痛恨系よ?いや、そうしたいならちょっと歴史いじったげるけどさぁ。おかーさんに常時ちんちん生えてるくらい衝撃的なミスよっ」
ジーナ「歴史改変はともかくちんちんやめてちんちん。ただでもあたし、昔の部下同僚からなんとか素子だの、NBはNBでフォークランドにカチコミかけたおばはん再来呼ばわりとかさ、会社に至っては鯖◯井春とか、取締役ってThe◯ッツに出てても不思議ちゃうよねとか顔や体に火傷跡ないのが不思議やとか、バ◯ライカさん扱いやめてあれだけはやめてマジやめて」
アルト「なお聖院でも、アレーゼ様と互角に戦えるとかマイレーネと拳を交え」
クリス「体脂肪率を気にされてるのは事実ですね。マッスル過ぎると踊る時に女の子らしく見えないので、敢えて腹筋が割れて見えないギリギリを保っておられると自慢」
ジーナ「仮にこの話が有名になっても、第◯天魔王という人にだけはあたし描かれたら泣くめっちゃ泣く。あそこまで鍛えてないから。あと対魔忍扱いもやめてな。あへがおだぶぴー決めたくないみ◯くら語も叫んでないから」
クリス(ちなみにFu*kとかComming系です。僕との時によく口にされてるのは…)
しかし、よく考えて見ればわたくしの愛刀・リトルクロウこと小烏丸。
その後にジーナ様のお国で作られたという名刀のご先祖様だけあって、何やら首おいてけな雰囲気を感じます。
ええ、今後、私がいくさ場でお前は大将首か大将首だろう、なぁと日本語でリトルクロウ片手に詰問していましても、どうか生温かく見守って頂ければ。
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みなさま。
801とか宗主とか、挙句やおいあなとかのみこんでぼくのえくすかりばーという意味をこの間知って、向こう様のご趣味の幅広さに頭を抱えておりますアルトリーネでございます。
で、あたらしくつくったひこうきにエクスカリバーという名前をつけて大々的に平民の皆様にぴーあーるを行っていたえぬびーことにゅーぶりてんの航空騎士団の皆様が、ジーナ様のあたまのそこくでえくすかりばーというと、どういう受け止め方をされるか知ってしまって泣きそうな顔で、名前を変えるべきかと真剣に悩んでおられたのを拝見いたしまして。
更に、今こちらに来ておりますおふね。
てんぷれすとかいうお名前、誘惑とか痴女とかすごい意味らしいのですが、そんな名前にした理由が、もともとはあるとりあ・ぺんどらごんと名付けるはずがですね。
ちちうえさまとか乳上様とか、更におっぱいばいんばいんのばにーがーると申すのですか。
父上というのはちんちんが生えていて子種を流し込むお立場の方を、お子様側から敬称として呼びかける意味と学びましたが、どう見ても流し込まれる立場に見える絵がですね。
ええ、わたくしも拝見しました。
ああいう格好でクリス様みたいな年恰好の殿方とげふんげふんげふんな戯画を描かれておりますのも。
国の威信にもかかわる、いくさ船にあれだとまずいのはわたくしも理解いたしますが、個人的にはあの姿でクリス様に以下略。
(ここでジーナ様からツッコミ。あんたの髪の毛の色とか長さ考えたらこれがええと、にーあおーとまただのつーびーだのないんえすだのと調べさせられました。あたくしの今の見た目を想像頂けない殿方には「日焼けしたつーびー」言うとけ。あとは勝手に調べてくれはるとのお話です。よろしいでしょうか)
ええ、とりあえず間に合わせでも何でもいいから別の名前にしようと、たんとうしゃ様がですね、ジーナ様いわく「適当に語感がいい単語をいい加減に選んでつけよりよった」と…。
更にはあーくろいやる。同型艦といって、同じかたちのおふねがあと五隻つくられているそうですが、レパルスというおふねはわかります。めがねの侍女が出てきました。
ですが、あーくろいやるです。クレーニャの髪の色みたいな赤髪ですとーかーの女性。これもまだわかります。
問題は中原大陸国で描かれたとかいう黒髪でおっぱいばいんばいんの「おばはん」の方。
なんですかこの小娘趣味。
見た目が女性ってだけで、やることなすこと頭の中まであれじゃないですか、あたしの膜がないとか因縁つけてきた豚息子とか、例の「ろりや」じゃないですか。
ええ。豚息子。
あの豚息子が船を仕立てて、はるばる我が聖院本院まで来るとか聞きまして。
更に、あのくそなまいきなしんじんくろぶた(ぼうよみ)をあてがうと聞きまして。
そして、わたくしの人生を良き方に変える第一歩となった聖院分院からでいりきんしを言い渡され、仕方なくこちらに来るに至るまで、かなりのお金を使ったと思います。
恐らく、あの辺の平民の方ならいちまんにんくらいを一年間食べさせていけるくらいは。
そんなおかねの出どころが、ちょっと掘れば湧いてくる、ねばねばした黒い汁、いやもとい燃える水。
そして、我が実家の重大収入源でもあった真珠の取引で儲けていると調べて頂いてるそうで。聖院分院の皆様、素晴らしいおしごとです。
燃える水については、うかつに広めるとジーナ様が死ぬほど嫌がる「かんきょうはかい」に繋がるので、おんなあそびの為にお金がいるからと後先考えずに掘るかの領主家の振る舞いたるや、我が聖院の前に立ちはだかる障害としてえねみー認定されたそうです。
はい、一連の情報を得たジーナさまが「ゆっ◯りーん」なはんにゃというのですか、おにおんなの顔に変わられまして。
で、真珠の取引市場になってる島もろともまとめて吹き飛ばしたれと怒り狂いながら例のるどぅたぶるとかいう鋼のまらを持ち出す手配を騎士団にしようとしてあたくしが必死でなだめるとか、えふわん弾頭のてりぶるとかいうほそめのかなまらを満載したどぅぶるゔぇ持ってこい、あれならごうけいしたらるどぅたぶる二発分やとか、クレーゼ様が暴れてるような乱心ぶりでした。
あのどぅぶるゔぇってひこうき、そんな危ないものだったんですか。
え?かりばーんにおぷしょんのあーみんぐこんてなとやらをあけて、そのなかみをつけてみでぃもーどでうごかしたらたらもっとひどい?
じゅっぷんあったら地球の上で生きてるものはかんぜんにおらんようになると?いまちょうどてんぷれすにそれつんでる?
更に、こないだうちのでっちがまちがって入りかけてめっちゃおこられてたけど、そのやばいくらのなかのもの全部えんりょなく使ったらもう少し時間かかるけど似たことができる?
…あの、ジーナ様、お願いですから乱心なさらないでくださいね。
あのてんぷれすっておふね、見た目はそんな物騒には全く見えないんですけど、そんなろくでもないおふね連れてこないでくださいよ。
え?あんた知らんのか?あーくろいやるも似たようなもんやと?特に、あれのかんぱんにさんまみたいなこぶねをろっぽんくらいころがしてる時はとくに注意せぇ?
でぃふぇんだーという、ひとがのらなくても勝手にうごいて、指定したばしょにあるものぜんぶけしとばしみなごろしにしてかえってくるおふね?
まだこっちには、あっちでいちばんやばい、しんそこやばいもんもってきてないからあんしんせぇ?
あばおあくうというものがきたらさいごや、そのうちゅうごとけしとばしてぜんぶなかったことにする?
…あの…そちらの本気のいくさってどんなのなんですか?そちらでいう神様と悪魔の戦いみたいなものですか?あたくしには理解できません!
「まぁ、あくまでもそれは使った場合や。わたしらにしても使ったら危ないという認識やから、何重もの安全装置や、今さっきのあたしみたいな事言い出してもすぐ実行できんような仕掛けしとるから安心しい。でなかったらルドゥタブルみたいなもんですら今や花火みたいな認識やからな、うちら」
「ジーナ様、仮にあの真珠島に鋼まらのるどぅたぶるを打ち込んだらどうなります?」
「あの湾の岸辺から歩いて7日の範囲にある人間全員、すぐさま太陽より熱い熱に焼かれて蒸発して死体も残らん死に方で死ぬ。歩いて14日までの範囲やったら、死体は残ると思うが即死か1日で死ぬ。あの湾で仮に魚取っても一千年は食えなくなる。っていうか下手したら海が蒸発したり、さっきいうた範囲内で畑作れん。作っても目に見えへん穢れが溜まってるから食えん。それどころかあの辺歩き回っただけで子供作れなくなったり血を吐いて死ぬ。生きててもあり得んくらい早死にする」
あたくし、多分、マイレーネ様と今から戦えと言われたくらいに真っ青になってたと思います。いったいどれだけの人を殺そうとして作られたんですか。
「そして一番大事な事やけど、例の聖炎宮か、あそこで金衣が死んだら吹き上がる火の三倍の高さに毒の雲が吹き上がる。そして、そんなどでかい花火やから、地球を十周してやっと収まる爆風が世界中に吹き荒れる。その爆風に乗って穢れが撒き散らされて雪のようにあちこちに降ってきたり、穢れの溶けた雨が降って濡れたもの全て殺すか穢れる。自分で言うててイヤになるけど、持ってるオモチャのヤバさ、わしら自身で把握しとかんかったらあかんからなぁ」
「…クレーゼ様が、ジーナ様が豪胆だと褒めるのがわかった気がします…」
「なお言うとくと、あれの信管をアクティブに…爆発するようにするためには、仮に菅野くんの飛行機に、アルトくんいわくの鋼マラを積んだとしよう。まずは、あたしとゴルディーニ大佐の二人が同時にカギを開けゴマするのに該当する操作がいる。更に、この方法だと、使った後で大佐とあたしの二人でやな、何で鉄マラ使ったかを言い訳する手紙何ページも作らされてな、そして、手紙を出してから呼び出し食らったら、何とマイレーネのおばはんみたいなんが何人も待ってて取り調べられるんや。それが嫌なら今から使いますけどよろしいかと、あたしと大佐で、マイレーネさんが10人くらいおるような場所に電話して、よっしゃ使えかあかんわボケかの判断もらわなあかんねん」
「なんとなく、クレーゼ様が暴れるように気楽に使えないものだとはわかりました。特に、マイレーネ様が調べるようなものなら、そりゃジーナ様でも躊躇なさりますよね」というか、わたくしたちの間で、マイレーネ様が恐怖を示すものさしの意味になっているのに戦慄いたします。
「あーそうそう。アレーゼのおばはんがな、ここから持ち出した黒いダイヤモンドちんぽか、あれ突っ込んで闇落ちしてウチらの世界から船呼んでたやろ」
「…はい、ジーナ様たちがこちらに来るきっかけになったあの時ですね?あたくしが上級に上がってすぐだったか」
「なんであの船意地でも潰さなあかんかったか、ちんこ出入り五回分の時間で理解してもらおう。あれな、こっち出てきた時に完全装備やってな。その状態で、積んでるの合計したらな…鋼のマラ66発分やったんや」
「…そりゃ、何がなんでも沈めますよねぇ…」
「しかも中のやつ生かして沈めろてどんだけ無茶言うねん。MIDI使えんかったら、ほんまこの星に生物というものどころか空気すらなくなってた可能性があったんや。ウチがいまだにアレーゼに手厳しいいちばんの理由がコレやねん」
「あのみでぃとかいう羽根付きで銀色のがいこつがすごいのはわかりましたね、ほんと」
「あれカリバーンやぞ?クリスの飛行機やぞ?」
「え?でもがいこつ…」
「さっきいうたアーミングコンテナいうつづらや。あれ開けたらガイコツと武器一式が入ってて、どうしても使わなヤバい場合にカリバーンにつけて使う。んでその状態で使うには、えーと、クリスとあたしと大佐とクレーゼと…あの時はとりあえずセーフモードで四人で起動してたな。ほんまは七人いるんやけどな」
「ふむふむ」
「ちなみにNBでも規制があってな。NBやったらあたし将軍やからもう少し単純やけど、テンプレスの禁断のヤバ蔵開けて中身使おうとしたり、アーミングコンテナ開けてMIDIとしてカリバーン使う場合はさすがにあたしとクリスと、クリスのおとーちゃんか、マッジルベリーいう大将軍なおっさんの合計三人の承認がいる。MIDIの場合、更に起動指示は現場で承認者七人おらんと動かんし、クリスのおとーちゃんに話せんと使うたら本国に呼び出されて、円卓会議いうて、マイレーネ十二人分がおる席で精神的にボコボコにされて吊し上げられるから安心しなさい」
で、この話。
実は巨瀑宮地下二十階の管制室の応接セットで話を伺っております。
長椅子には、吸い尽くされた感のあるプラウファーネ様。
あたくし、プラウファーネ樣の頭を膝上に載せて、哺乳瓶…いやもとい、管制室備品の栄養剤とやらを飲ませて介抱させて頂いております。
「ところでプラウファーネさん、大丈夫なんかいな」
「いや、大丈夫ではないです。まだ少し動けませぬ…いやーお恥ずかしい、普段は最小限度の精気吸収や放出が日常だったもので。あがが」
で、プラウファーネ様がこうなった理由ですが。
誰も悪くないけど、結果的にこうなったのです。ええ本当です信じてください無実です!
「じーなさまもわるいといえばわるいのですよー」
「なんやねんその棒読み。まぁ、白金衣の状態を軽く体験しとく方が本番の時にもまごつかんかなーとやね、あたくしの職務上必須な、手順履修の本能が騒ぎましてね」
「いや、白金衣の力があんなだったとは。正直、西方諸国の十字遠征軍撃退の時くらいでしたしねー。私が知ってる白金衣起動。あ、私の方の本国での鬼汗国襲来時の援軍の時もあったか。ただ、その時は私、ここ詰めだったんで直接見てないんですよ」
「その国名といい、なんか嫌な予感がするな」冷や汗をどばどばかいておられるジーナ様。なるべく簡潔に、なるべく詳細な事情を語らないでくれというオーラが。
「で、私どもの方では今もそうなんですが、一種の連合制度を敷いておりまして、持ち回りで天子様と三種の神器を預かる政体をとっております」
「ふむふむ。まぁ、あたしゃ向こうのそこらの育ちだからなんとなくはわかる」
「で、私が生まれる前でしたかねぇ、ガヅラとかいう、背びれと言わず口と言わず熱と光を撒き散らす怪獣が難波宮に上陸して大暴れして、大盧舎那仏という像を稼働させてガヅラを討ち払った事がありまして、今回もそれを使おうとしましたが…高木様、鬼汗国の位置や状況、そちらにも似た事例があると察しますが」
「うん、あった。しかも通路になったとこが主力でアンゴルモアった事があってな。こっちは台風襲来とか気候条件が向こうに不利に働いたのと、その当時の日本…東方諸国がね、国民皆黒火山芋国人状態の蛮族風土でね…うん、向こうも野蛮やったけど、こっちも蛮族を極めてそれはそれはもう地底人と最低人で野蛮の最低記録更新を競い合うようないくさをですね」
「じーなさまがしんだめをしています」
「当たり前じゃ!例えばやな、向こうが軍船の舷側に人質吊るして射てるもんなら射ってみろと煽ったとしよう」
「なんですかそれ。なかなかに蛮族ですね」
「我が方は、そんなもん知るかとばかりに長射程の弓矢ぴゅんぴゅんぶち込んで、挙句その軍船に切り込んで皆殺しにして放火して沈めた」
「やはり私、男色を求めてそちらにお邪魔するのは身の危険を感じるのですが」
「あああああ、それ、その時代前後数百年くらいだけの話やから、あんだけ狂ってたのは日本史でもそうそうないから!」
「参考までに、狂っていた事例を1つ2つ」
「まず、騎士の家があったとしましょう。これアルトくんにも分かりやすいと思う。で、旅の坊主が騎士の家の前を通った。気に入らん。斬り殺す。これで犯罪にならない」
えええええええ?当時の日本…ですか、どんだけ無茶苦茶なんですか?
「で、犯し殺し奪う。これが基本行動。昔の助平遊戯娯楽でそう言うものもあったらしいが、それが現実になったような感じで、そりゃもう犯せば犯し返し、殺せば殺し返すような戦闘をやね。あたしこれ生徒に教えんのが嫌で嫌で、日本の戦史担当教務から金輪際外してくれて教務主管に嘆願書入れたくらいやねん…」
ジーナ様が泣きそうな顔をしていますが、そりゃこんなもん修学宮でも嬉々として教えそうな教務官…(何人かいるな…)。
「よくそれで国、潰れませんでしたね」
「あんまりひどいので、せめて人としての最低限度の自制はせぇやと規律を作って広めた。ただし」
そこでジーナ様は、あたくしとプラウファーネ様をぎろ、と一瞥します。流石にマイレーネ様には負けますが、なかなかの迫力です。さしものアルトリーネもあの目で見られたら股を広げて誘います。
「これこれアルトくん。さっきまで散々プラウファーネさんと乳繰り合いしたであろう。で、そんな蛮族どもに、いきなりこれ守れ言うて箇条書きにした注意書き配って素直に守るて思うか」
このジーナ様のご質問への解答はシンプルです。
プラウファーネ様は両手でバツ作ってます。あたくしは首をぶんぶん横に振りました。
「よろしい。だが守らせた。守らん奴は殴るか斬り殺してな」
「結局暴力で全てを解決しておられる…」
「うん。その当時の連合政権中央政府にそんなどつき合い統治が続くわけもなくやな、潰れてんけどな」
「なんか悪い予感がします」
「プラウファーネさんの言うところの天子が兄弟で、うちのんが後継者やとか言うて二大勢力に分かれたときがあってな。そんときの片方の天子様がそれはもうある時期のクレーゼさんなまでに蛮デッドなお方でな。二回島流しにあって、二回戻って来てもう片方といくさに明け暮れてた」
「クレーゼ様の名前が出てくる時点でどういう性格の天子様か理解できますね」ようやっと起き上がれたプラウファーネ様が、呆れた顔でおっしゃいます。ええ、美女というか美青年というか。
で、この方は性別は男でした。
ただし、ジーナ様曰く「てんねんにゅーはーふ」なお方でして、骨格やのどぼとけといった男性要素が出やすい部分が、ことごとく女性に近い外観なんだそうです。
むろん、お声も女性です。
あたくしのアルトリーネな部分がちんこに置き換わったようなもんやなと、しげしげ観察させてもらってるジーナ様、もうてんぷれすのいむしつに即連れ帰って船医様というのですか、お医者様に預けて輪っかくぐらせたり、やたら重い前掛け付けて息吸って吐いて写真撮るとかおしっこや血を採集したくてたまらなそうなお顔で、わたくしどものまぐわいを観察しておられました。
で、ジーナ様ご指導の元で「このちんぽめすめせんずりこいてみろほれほれ」とか「けつおめこのぐあいはどうかちゃんといえ」ですとか聞くに耐えぬ罵詈雑言に近い猥雑な台詞を感情込めて言えるように二人で指導されまして。
ええ。更に、白金衣の姿でしたら絶倫化するか興味を持たれたジーナ様、プラウファーネ様を通じて十分限定の慣熟運動と称する白金衣状態の交尾をさせられまして。
さぞ金衣銀衣の皆様が怒るかと思ったのですが、まぁ十分程度なら構わん、むしろ慣れておくのは賛成と総意を寄せられた結果ですね。
わたくしの目には見えませんでしたが、プラウファーネ様によれば、もう歴代金衣銀衣総出で「こみけかわんふぇすのえろかめこにかこまれるれいやー」状態なくらい周りを囲まれてガン見されてたそうです。
で、ついその場の雰囲気で、プラウファーネ様を男としてお相手したところ、ジーナ様曰く「あんな凄い抜かずのみこすり半は見た事ない。一分で三回写生してガス欠て、あたしの沖縄時代でも流石にない。三分はいたが」と評される状況でして。
「そーいやプラウファーネさん、大仏よこして猛虎いや蒙古の怪人軍団しばく話、どないなったん」
「盧舎那仏の移動速度では間に合わない事がわかりまして。ええ、あれ、そもそも首都で迎撃する用の大仏型最終決戦兵器で、しかも年齢一四歳の稚児を生贄に」
「なんちゅう聞きたくない兵器や。怪獣みたいに吠えて暴走とかせーへんやろなそれ」
「ちゃんと動けば強いのですがね。どうも絶対障壁の使い方によっては第一大異変とか第二大異変を起こす可能性も」
「…なぁ、今度それ使う場面あったら、動かさんとうちに頼んで。MIDIいうて似たようなもんやけど、まだ安定してるの回したるから」
「ま、まぁ、結局のところ、こちらが助けを求める前に、異変を察知した金衣様が白金衣を召して来られましてですね。一人対七万六千の軍勢で」なんかなかだしされそうな戦力比に聞こえます。
「ふむ。虐殺の未来が見えそうやな」
「…ええ。ジーナ様が思われた通りの結果になりました。七万六千を吸い殺してちょっと力が有り余ったからと、彼らの進軍経路をですね、二度とその道順で来る気が起きないように火炎でなぎ払い海底に沈めまして、返す刀で経緯を見守る東方連合軍の後方軍勢に対してですね、参戦の慰労と称して若干の手加減の上で死なぬぎりぎりまで吸い尽くして満足気に帰院なされました」
「なんか一人で事務顔の伝説巨人を作ってる気がする話やな」
「ええ、申し上げにくいのですが、戦後、このわたくしを介しての本国から聖院への今後の援軍についての請願状が参りまして。今後助力加勢を願う時は我等から必ず連絡申し上げるので、無用の参戦はお控え願いたい。あと、参戦依頼の場合も、金衣以上の加勢厳に無用と三度の念押しで伝えよと」
「なぁプラウファーネさん。その時の金衣、明らかにクレーゼさん違うよな」
「ええ、確か第七代あたりだったか…」
「プラウファーネさん。まだ昔の金衣の人、この辺にいたら絶対に絶対に絶対に念を押しといて。報告連絡相談のほうれんそうも末代までの金衣家訓に加えるから皆さんも厳守してなと」
ええ、ジーナ様がこう言った瞬間、周りから「えええええええええええええええええええええ」と叫びが渦巻いた気がいたします。きっと。
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アルトリーネ「しかしジーナ様の国のおふねがあんなに物騒だったとは…」
ジーナ「うちらには相互確証破壊という概念があってな。要するに、仮にクレーゼさんがおったとしよう。あれに言う事聞かすためにはどうしたらええと思いますか」
アルトリーネ「マイレーネ様を自陣に加えます」
ジーナ「それが相互確証破壊という概念の基本や、わかったか」
アルトリーネ「なんか非常にわかりたくない理解のしかたをした気がします」
2021.5.15
マリア「おかーさん歴史めっちゃ弱かったでしょ。武家諸法度ってさ…かまくらじゃないよ?たまに愚痴ってる【そとぼりうめやがったたぬき】のほーよ。かまくらは御成敗式目よ?」
ジーナ「え」
マリア「んもー。GODAIGOを北朝っていうくらい痛恨系よ?いや、そうしたいならちょっと歴史いじったげるけどさぁ。おかーさんに常時ちんちん生えてるくらい衝撃的なミスよっ」
ジーナ「歴史改変はともかくちんちんやめてちんちん。ただでもあたし、昔の部下同僚からなんとか素子だの、NBはNBでフォークランドにカチコミかけたおばはん再来呼ばわりとかさ、会社に至っては鯖◯井春とか、取締役ってThe◯ッツに出てても不思議ちゃうよねとか顔や体に火傷跡ないのが不思議やとか、バ◯ライカさん扱いやめてあれだけはやめてマジやめて」
アルト「なお聖院でも、アレーゼ様と互角に戦えるとかマイレーネと拳を交え」
クリス「体脂肪率を気にされてるのは事実ですね。マッスル過ぎると踊る時に女の子らしく見えないので、敢えて腹筋が割れて見えないギリギリを保っておられると自慢」
ジーナ「仮にこの話が有名になっても、第◯天魔王という人にだけはあたし描かれたら泣くめっちゃ泣く。あそこまで鍛えてないから。あと対魔忍扱いもやめてな。あへがおだぶぴー決めたくないみ◯くら語も叫んでないから」
クリス(ちなみにFu*kとかComming系です。僕との時によく口にされてるのは…)
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