闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

欧州傀儡雑技団ものがたり -Le cirque de marionnettes- 11.10

さて、ジョスリーヌ団長の運転する青いくるま。

団長の座る先頭の椅子の真後ろに、このそこそこの大きさで重さも相応にありそうな物体を動かす心の臓腑があるとのことで、それなりにうわんうわんと唸りをあげる音、我々のおる中に伝わっております。

で、隣に座るのはなぜか、わたくしフラメンシア。

挿入器具市を南西に見下ろす丘の上に建つ炸砕岩満神殿ですが、実のところは大まかに分けてふた通り、市街地へと降りてゆく道が存在します。

ひとつは、このくるまの横窓からも見える、丘から伸びて曲がりつつも挿入器具市街地に降りていく灰色の橋。

しかし、この道は炸砕岩満・南神殿…聖院学院淫化神学部炸砕岩満校舎と、挿入器具市内の学生寮を結ぶば・す・が主に使います。

で、ば・す・の御者がややこしい操作をせずとも道なりに走れる仕掛けが備わっているため、この青いくるまのようなしろもの、今の段階ではあまり通したくはないようなのです。

そこで、団長は第二の道…炸砕岩満北・南神殿の間の広場から丘をぐねぐねと曲がりながら降ってゆく従来の道へとこの、VABなるくるまを向けたのです。

聞けば、このくるまはやはり相応に重さがありまして…コイリュル妃のウサギ号なる小さなくるまに直すと、なんと20台ぶんの重量だとか。

「ま、この歩兵輸送仕様で13tですので…小さめのカミオントラックと、そう変わりませんよ」などと申されますが、実際に動かされておるのを見ておりますと、手で回す大きな輪っかを右に左にと派手に回しておられます。

（なるほど…これはコイリュル妃が団長に任せるわけですね…）

（車重がありますからね…エンジンブレーキも使わないと安全に降坂できませんよ）

時折、右手でその舵輪横の小さい棒をがちゃがちゃしておられるのが、その何とかの操作なのでしょう。

ちなみにこのくるま。

水に浮くどころか、あまり速くはありませんが、船のように走るのは知っております。

ええ、マドリードのフランス共和国駐屯地に数台、たまにおりますのと、導入時にこんな機能がありますよということで、デモンストラシオンを見せられたことがあるのです。

あと、パリの革命阻止事件の際に、車体の前に降ろせる鉄板をつけた型が来ておりまして、暴徒の群れや障壁に突っ込んで力づくで啓開する際にこれを使うのだ、とも。

幸いにしてそのときは使用に至らなかったそうですが、フランス共和国の本土や海外領土を含めた暴動事件の際には、実際にその排障板を使用した実績があるそうです。

（そういう場合は放水車だの催涙弾投擲車だのといった、群衆を無力化したり追い払う装備を積んだ車たちと集団を組んで出動しますがね…）

未来のフランスも、大変なようですね…。

それはともかく、後ろの皆様は大丈夫でしょうか。

くるま酔いとか申す症状が気になります。

（私は慣れてますけどねぇ…）

（エマネに同じ。翼を出しての空中戦なんてやる場合、もっと上下左右に動きますから）

（コイリュルとジャムジュナ妃はまだしもクシとクシー、大丈夫かね…）

（まぁ、余やクシーも偽女種化されておるし、気遣い無用ですよ、ロッテ殿）

（このくるま、車輪が大きいせいか揺すられるのだよなぁ…）

で、臨時に痴女種化しておられるアントワネット妃と娘御。

（馬車と大差はありませんが、椅子の敷物が薄いせいか…お尻に衝撃がぁっ）

（しかもこの帯で体を縛られるのはなんとかならぬものでしょうか…）

（へいたいさんはよくこれでがまんしておられるのですね…）

ええ、後ろに座るものは、万一のために備えてしーとべるととかいう帯で、椅子に体をくくりつける必要があるそうです。

このくるまに慣れた痴女種なら、その辺は見逃すそうですが、本日は初体験の方が３名。

で、なんでコイリュル妃やクシ王子にクシー皇子、ケッタマシーンでなく、この装甲車に乗る事になったのか。

挿入器具市の中心にある行政神殿なる施設の長であるクイリョル丞相という人物から、視察の理由がアンティスーユ地区の神官と少年の実態見学であれば、なるべく恋愛の進展を邪魔せず密かに見守った方が良いのではとの助言を受けたから、との話がありました。

と申しますのも、やはりコイリュル妃やクシ帝が挿入器具市街地に行けば、例えお忍びであっても人は敬意を払うのだそうです。

ですので、こそーっと、こそーっと見る必要があるのだと、クイリョル大臣は申されます。

（あそこは本当に、その辺の配慮が必要なのですよ…）

とりあえず、団長は行政コリカンチャ神殿・クスコが建つ黄金広場にくるまを乗り入れ、そこからは歩いて目的地を目指すと申されます。

-------------------------------------------------
淫化帝国挿入器具市帝都略図

←サクサイワマン神殿（黄金広場から2km程度）

　　　　ハナン・クスコ（北半街区）
クンティスーユ地区｜チンチャイスーユ地区
太陽乙女神官候補寮｜太陽侍従居住区画
太陽乙女神官寮　　●　男子生徒寮
－●－東西大通り－○－－東西大通り－－●
コリャスーユ地区　●アンティスーユ地区
月乙女神官寮　　　｜俗人居住区画
乙女侍従女官寮　　｜　男子生徒寮
　　　　フリン・クスコ（南半街区）　　→クスコ空港
============ウアタナイ川================
●＝バス停　◯行政神殿・黄金広場
-------------------------------------------------

で。

既に山中の挿入器具の日は暮れており、街灯が市内の道を照らす状態。

東西大通りのばすみちの両脇に設けられた水路を流れる水音が響く中、男女の談笑の声が複数、かすかに聞こえてきます。

（ここからは身を潜めて欲しいとのクイリョルの申し添え…団長他、黒薔薇資格者の皆さま、ご協力をお願いします…）

ええ、黒薔薇騎士団服に着替えた団長と私と…イリヤ様とエマネ様、そしてくるまの屋根の上におられたエイモン氏の能力で、我々がその場にいないように欺瞞するそうです。

そして、そこまでする必要があるのかとの疑問。

私からしても、あると言えました…。

水路南側の遊歩道に並べられた二人がけの長椅子。

そこは、男女の語らいの場であったのです…。

そして遊歩道からは絶林檎の林でなかば目隠しされていますが、裏通りといった場所には屋台がいくつか出ておるのです。

焼きとうもろこしはまだしも、珈琲淫だの、ハラマスの串焼きだの、快感王チョコをかけたチョコばななだの…。

そうしたものを買い求めては絶林檎の林の向こう、水路沿いの遊歩道に消える二人連れ。

ええ、当然の如く、その男女は愛を語らうのです…主に、下半身で。

で、このすぐ北側のチンチャイスーユ地区では、こうした街中でのおめこはしていないのか。

（挿入器具に来る途中で立ち寄ったロテンブロがありましたでしょ…チンチャイスーユ地区の男の子たちは指導偽女種か奉仕偽女種なので。羽根つきの子が担当するのです…つまり、偽女種になった男子はあそこや他のロテンブロ・オンセンでおめこしてるんですよ…）

（コイリュル様…じゃ、このアンティスーユとかいう場所は）

（こっちは痴女皇国の分類だと百人卒未満で羽根なしの神官候補が主な担当なのです。以前は羽根付きの子の担当だったんですけど、挿入器具空港の先に新しい銭湯でるまえが出来ましてね、俗人男性の転居先でもあるので、アンティスーユ地区のお風呂に余裕が生まれたんですよ…今はアンティスーユ愛隣の湯、ほとんど学生専用みたいになってますよ…）

ふむふむ、私が淫化についての講義を受けた後で、寮のことども、ちょっと変わったのですね。

（あと、俗人男性は月乙女が担当…つまり、月乙女ならば羽根持ちですから、俗人寮を別の場所に作ってもさほど困らないっていう話もありまして…）

ふむふむ。

しかし、痴女皇国の例によって「見た目はともかく中身は成人者」である俗人男性。

そのお相手をじゅくじょ枠とかと・し・ま・園とか言われる月乙女が担当する事自体は変化、なしと。

（熟女のねっとりしっぽりのおめこを見学希望であれば、この後で…それに、月乙女が俗人男性の部屋に夜這いする風習も変わってませんしね…）

ううむ。

団長から発せられた、夜這いなる新しい単語。

この意味するものは何か。

（よ、よばいとは…）

（ジャポネの民間風習でして、寝ておる女の家に忍び込んで犯しに行くのです。なにせあちらは木造の、防犯性の低い住宅が一般的ですから…）

そ、それ、痴女皇国はともかく、普通ならば犯罪なのでは。

（拒否権が存在します。しかし、拒んでもなお無理に犯そうとすれば、その時こそ大声で家人を呼ばれます。さらに女が反撃の暴行を行っても不問とされているのです）

しかし、普通ならば男が女の家に忍び込むわけですよね。

この挿入器具では、女…それも月神官が忍んで行くわけですから、性交が成功する率はほぼ完全達成となるのでは。

（もちろん、100%と言ってよいでしょう…ロッテ、月神官が夜這いでなにかやらかした話って聞いたことはありますか）

（ない。強いて言えば吸い過ぎで男がしんどいとか言ってきたくらいのはずだ）

まぁ、それは他でもあること…こほん。

で、夜這いの現場。

この、男女の愛の語らいの場のすぐ近くの、アンティスーユ地区内にいくつも建つ男性寮。

この男性寮は基本、学生が使う建物と俗人成人にあてがわれる寮舎が別れており、えろほん自販機が置かれていないのが俗人寮舎であると…。

うむ。

見ておりますと、既に肌の色がほんのりと赤色に変わったと覚しき月乙女神官が何人も、寮舎内に入って行くのが窺えます。

フランス王国関係者には、ジョスリーヌ団長がその視覚と聴覚を共有して、俗人寮舎内の出来事をお見せしたようですけど、はい、アントワネット妃殿下、ご感想を。

（あのぉ…お使いなの、手だけなのでしょうか）

いえ、ちんぽを男の尻に入れるとかはやってるはず…あああ、あれか！あれですか！

（その先は私から言おう…王妃にお見せするが、卒倒しないようにな…程度や能力によって違いがあるが、魔族化すると、こういうことが可能にもなるのだ…）

（ぎゃあああああ！　ロッテ！何をするのですか！）

ええ、振り向けば、その手から触手を伸ばしたアスタロッテ様、イリヤ様の股間にその触手を伸ばされています。

（で、この触手だが見ての通り、先を歯のない口だけ海の生き物のように変えてちんぽを咥えさせたり、はたまたちんぽ状に変えて突っ込むべき穴に突っ込むなどの使い方が可能でね…ああ、やはり男の金玉や尻穴を刺激させているのか…）

（それはいいからやめなさいよ…まぁ、客人に見せるというならば止めませんが）

ええ、イリヤ様の逸物を咥え込んで動く触手、目に入ってきました。

今の状態ですと、いわゆるイソギンチャクアクティニーのような先っぽになっているようです。

（これ、純血魔族でないと出来ないようなのですよね…）

と、申し訳なさげに告げるムッシュ・エイモン。

で。

私の股間にもその、触手が来たのですが。

（ふむふむ、フラメンシア殿もエマネと同じで巨根なのか…）

ええと、勝手に動くおなほ状態の件の触手、なかなかにきもちええのですが。

見れば、全員の股間に伸びる触手。

しかも、誰一人拒んでませんよ…。

（これ、時間がない時に精気抜きやらを頼まれた際にうまい手はないかと考えたところ、タナカ局長やマリアリーゼ陛下が魔王様の触手あそびを思い出されてな…で、見ての通りに私も触手は出せなくもないだろ。そして、それが出来そうな月乙女に正規の精気授受技術として広めざるを得ないくらいに評判が広まってね…）

ええ、触手を出している当人は、周囲のあへあへしている皆の顔と違って悲しげです。

（魔王様がひとり遊びをしているのを目撃した時にも思ったんだが、せんずり禁止の掟以前に何かこう、虚しいものがね…）

つまり、責めている当人の心境としては、よほどのサド男爵めいた思考がなくば、やっても空しいようです。

うむっ。

いいですか、テレーズ殿下。

あの、俗人住宅の中といい、我々のすぐ側で乳繰り合い性の喜びを満喫する若人どうしといい、相手がおらんと悲しいものがあるのですよっ。

そして、俗人男性にちんぽ突っ込まれてる月乙女神官。

片っ端から赤肌じゃないですか。

（あれはどのような意味が…）

（テレーズ王女、私の肌の色を見てくれ。青いだろ…これが、興奮したり戦いになると赤くなるんだよ…つまり今、男とくんずほぐれつやってる月乙女、軒並み興奮して楽しんでるのが一目瞭然なんだ…）

（ロッテ…いやロッテ閣下、後で僕が…）

（しーっエイモン！今は何も言うな、言わないでくれ…）

（きーこーえーたーでー）

（ロッテさん…イリヤおばさまがおる時に変な心話始めたらダメって言ったじゃないですか…この年増園、フユキくんがいるくせにそういう話には地獄耳…おばさま、例えちんぽ柄の方でも、聖剣で私のお尻をつつくの、やめてもらえませんか）

え。

見れば聖剣とやら、その柄が痴女皇国女官向けチャロックと同じ、ちんぽ柄になってるじゃないですか。

ということは魔剣とやらも。

（あのぉ…私の爆炎剣もそれにされまして…）

ええ、今度はマドモアゼル・エマネとムッシュ・エイモンが悲痛な顔になっておられます。

と、私は閃きました。

自分のチャロックを鞘ごと黒薔薇服の太ももベルトから外すと、アントワネット妃とテレーズ＆ソフィー王女にその面妖なブツを拝見頂きます。

（痴女皇国女官になると、漏れなくこれを渡されるのです…で、使い方は見ての通りなのですが、今も俗人寮で使ってる女官の方おられますよね…例えばちんぽ咥えながらこの柄をおめこに突っ込んだ上で、下着の機能で出し入れとかするんですよ…いわゆる武器としての短剣じゃなくて、あくまでも懲罰や性交の補助具として持たされてるんです、このチャロックって短刀…言い換えれば女官の装備って、ことごとくが性交のために出来てるようなしろものですから…）