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欧州傀儡雑技団ものがたり -Le cirque de marionnettes- 11.09
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淫化帝国首都である挿入器具市。
しかし、その都、山に周囲を囲まれた谷の底に存在するせいでしょうか…これを都と申すにはいささかに小さげな気もします。
(パリを見慣れたせいか、都というには小ぢんまりとしておる気も)
(謎掛獅子国の神殿を思わせるような立派な石の建物もいくつか伺えますが…)
(それとママンにスール・エネ、みんなおしりをだしていますね。さむくないのでしょうか)
と、フランス出身の王家の女性陣からすると、都に見えんなぁという感想が出るようですね。
ですが、この挿入器具の市街地、意図的に拡大しないように図っておりましてね…ほぼ1週間単位で人を受け入れるか産ませ、あるいは淫化の各地へ送り出している事を私・フラメンシアは存じております。
つまり、この挿入器具市、現在の居住者は淫化各地の神殿勤務者候補か、それを支える者たち。
(近隣の棚畑で働く者や挿入器具の街に勤め先がある者もおるが、その数は千名を下回るか…)
(炸砕岩満神殿や行政神殿に詰めておる私たち他もおりますよ、アスタロッテ…)
とりあえず、私たちは挿入器具空港の近くにあるばすたーみなるとやらを経由して、挿入器具市街地北西の丘の上にある炸砕岩満神殿まで来ております。
で、アントワネット妃とテレーズ王女とソフィー王女のお三方、そして私はまずはとばかりに苗床送りとなりました…。
いくら知識や痴識があったとしても、辛いものは辛いのです。
しかし、この挿入器具市…そして淫化帝国のほぼ全土に滞在するならば、この苗床入浴は避けては通れぬ話となってしまうのです…。
で、不能から飛んできた全員、問答無用で苗床に、直行。
(ええ湯だな、とはいきませんねぇ…相変わらず)
(贅沢を言うなイリヤ…久々に全力飛行に近かったんだから仕方なかろう…)
(いやー音速超えられませんでしたけど、ひっさびさに飛んだっちゅう感じで)
ええ、頭にタオルを載せて温泉気分で浸かっておられる羽根持ちの皆様の横で、触手攻撃を受けているフランス組とスペイン組。
つまり、私も「お、こいつ新顔やな…」とばかりに苗床にいじくり回されとるのです。
「そのうち気持ち良くなって病みつきになりますからね…」
「イリヤ、皆が皆お前のようなエロフじゃないんだから…」
「その称号はリュネ王位とともに、エマネに渡しております」
「おばさまぁ…私は受け取った覚えはありませんよっ」
すちゃ、とエマネ様が抜剣する気配。
しかし、惨劇は回避されました。
「あーエマネ殿、はよ来てくれとコイリュルが」
「命拾いしましたね、おばさま…」
「それは私の科白ですよ…」
バチバチと飛び交う火花が見えるようなやり取りですが、リュネ族とやらはかくも、戦闘民族なのでしょうか。
「この二人だけだ…あ、紹介しておこう。イリヤと同じヤスニ氏族の扱いだが、魔族とリュネ族の合いの子でもあるヤスニ・アキラ…魔族としての名前はエイモンとなる人物だ」
なんですかこの、見た目は女性のような方。
髪の毛も長いし。
Amon (Akira Yasuni) アモン Thousand Suction (Limited million) 千人卒(限定百万)Slut and incubus Visual, Angel wing Equipment. 夢魔外観(天使翼装備・痴女種互換)Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団 Peru branch, South-America Americas Regional Headquarters, Imperial of Temptress. 痴女皇国米大陸統括本部・南米行政局 qurimanta caballerokuna 黄金騎士団 Demon kingdom sword saint. 魔王国剣聖
いえ、偽女種を知ってる私からしても、股間の膨らみを見てもなお、女または痴女種そのものなのですが。
しかし、IFFステータスを拝見する限りは痴女種同等の偽女種のようでもあります。
(実は僕は一度、女として再生されたりなど、しっちゃかめっちゃかになっておった時期があるのですよ…元来は男なのですけどね)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/241/
で、魔族とかいう種族の特性を利用して、普段は敢えてその辺を適当にしておられるようです。
そんな無茶な、と思いますけどね。
このエイモン氏の力を淫化で引き出すためには、痴女種化されておくのが好ましいようです。
しかし、ムッシュ・エイモンは思考では完璧な男性。
それに、淫化の行政側はもとより、痴女宮本宮の方々からすら「最低でも偽女種か少年。お願いだから魔剣持っててもいいからとにかく!」と泣きつかれたため、やむなく偽女種のような立ち位置で振る舞っておられるそうです。
大変ですね…。
で、ムッシュ・エイモン、ヤスニ氏族なるリュネの有力者一族の血も引いておられるそうでして、普段はリュネ人の見た目になっているのが通常であると。
(しかし、有事あれば変身するんだ。するんだけど…出昼族というんだが、魔族とリュネ族の合いの子の括りの者は純粋な魔族とはまた違った姿になるんだよ。本人はあまり見せたがらないので、見られたら幸運に思うといい)
逆に、そういう姿を取られること自体が危険な状況という気もしますが、そこは突っ込まないでおきましょう。
それと、このムッシュ・エイモン。
痴女種として見ても、女ウケしそうです。
なぜならば剣士!と全身で自己主張しておられるからです。
いえ、一見すれば小柄な方ですよ。
しかし、その全身の挙動に隙がない部類。
画像だけ見てたら地味子さんでも、実際に動いて喋っている姿は「これが男なら…」と私ですら、ついつい考えてしまう部類なのです。
プランセス・テレーズ。
いいですか、痴女種化しても、ちんぽ使わんとこういう上玉とは仲良くなれないのですよっ。
(よ、良いのです、世の中には星の数ほど男がおるでしょう…)
しかし、その発言心話とは裏腹に、心中はぐぬぬ状態。
そして、ムッシュ・エイモンに案内された先のお部屋で、テレーズ王女はもっともっと、ぐぬぬと歯ぎしりすることになったのです…そればかりか、アントワネット妃までもがぁっ。
で、私はクシ陛下とコイリュル殿下、そしてクシー皇子とジャムジュナ殿下とは面識、あるにはあるのですよ…後見支部の王女という立場ですから。
そして、ジョスリーヌ団長はもっと、面識がありました。
「ふむ…ママ・ジョスリーヌ…」
(クシ、ママじゃなくてファルタ…)
ええ、全員が知らぬふりをしました。
「そしてそこな王妃殿や王女殿に、この挿入器具…分けてもチンチャイ・スーユの東西大通り側を見学させたいと申されるか…イリヤ殿、アスタロッテ殿、そしてエマネ。いかが」
(エマネ様だけ呼び捨て…)
(これにはややこしい理由や経緯があるんですけどね、要はコイリュル皇后とクシ、そしてクシーと私はそれぞれが公認の精毒授受相手なのです。つまりは一種の愛人同士めいたもんで)
(誰彼なしにちんぽ突っ込むエマネの乱行の結果でしょう…)
(おばさま。離魔の立ち上げ当初に私がどんだけ苦労したか。そして当初のクシーとコイちゃんの仲とか、その後の乱れた関係になった理由をちんぽでお教えしましょうか…)
なんすかそれ。
で、またしても何かを知ってしまったアントワネット妃と、テレーズ王女。
(あの、母様…フェルセン伯爵の件とか、全く夜空の流れ星のようにどこかに燃え尽きたような気がしますが)
(あのねテレーズ。要はあなたや私と、あなたの弟たちが逸物だけ立派になって、私やあなたとまぐわる日常を想像なさい…それがこの方々の毎日のようなのですけど…)
ええと、オリエンテ宮殿はまだしも、サルスエラで起きてることを考えますと、うちの愚母は決して王妃殿下をぼろっくそに言えない。間違っても言う資格はない。
私はそう、思っております。
「で、王妃様に王女様。ジョスリーヌ団長から話は伺いました。しかし論より証拠という言葉もありますから、実際にチンチャイ・スーユやアンティ・スーユの実態をご覧になって頂きましょう。全てはその目で見て頂いてからかと」
と、宣言されるのはコイリュル皇妃。
この方…ルネ夫人を若くしたような感じなのです。
そして、淫化人らしい風貌。
つまり、好色そうな美人ではないが、正妻とか正室とかいう言葉が似合いそうな人物です。
「それと団長。私たちだけならばすやじてんしゃですぐなんですけど…あのその」
と、言いにくそうにされる皇妃様。
(皆までいわんでください…VABの鍵、運転台についたままですね…よしよし)
この会話の意味は何なのか。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/228/
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/231/
北神殿の敷地内の厩舎のごとき屋根の下に駐められた、青い馬なし馬車。
けっこう、大きいですね。
「これはVAB3装甲車と申しまして、一時期はフランス共和国の国営企業であった会社が作ったもの。元来は鉄砲や小型携帯大砲で武装した兵士を運ぶしろものですが、その悪路踏破能力が淫化の地で威力を発揮することを期待してここに置かれております」
つまり、フランスで作られたものである。
団長はそう、申されたいようです。
そして、わざわざとそのような前置きをするからには。
つまり、兵士を乗せるくるまであって、王侯用の馬車のようにはいかない、という断りなのです。
では、なんでそうなっておるのか。
「淫化の皇族や重鎮は翼を持つか、または縁者に翼持ちがおります…俗界は別ですが、神界の者ならば自分で羽根出して飛ぶ方がめんどうがないのです…」
つまり、この淫化では皇帝という身分、神孫であり、人の用意した乗り物を下手に使うよりは自力で移動する方が速いという考えが一般的であり、何かの乗り物に頼るのは大量のものや人を運ぶときか、さもなくば飛べない状態に陥ったか、という話になってしまうのだそうですね。
では、コイリュル妃とクシ帝も…。
って、それは何ですか。
そして、その装いは。
「これは、さいくるぱんつなるしろもの。私専用のけったましんに乗る際の正装なのですっ」
いや、何も腰に両手を当てて宣言なさらなくとも。
そして、その装い、白と金が基調。
つまり、下の金色のひも下着が透けておるのですが。
「これに関する質問、これを拵えて渡してきた本宮内務局のたなか様に」
で、恥ずかしそうにしておられる、同じ装いの方、もう1名。
つまり、ジャムジュナ妃…クシー皇子のお母様も、上半身はその、ぴったりした白い半袖服。
下半身も、コイリュル妃と同じで、ひざ上までの白いタイツ姿です。
(普通は下着を履かないというか、そのサイクルタイツ自体が一種の下着の働きをするんだけど…そこは痴女皇国だから…)という、マサミさんからの注釈が入ります。
んで。
そんなものを着て、更には頭に白い兜…ろーどばいくへるめっととかいうものを被っておられるからには、私も持ってはおる、ケッタマシンなる人力移動きかい…二輪車をお持ちのはず。
ですが、引き出された2台のそのケッタ、なんと左横に人が乗るらしき車輪付き籠がついております。
さいどかー、というものらしいのです。
「この1号車は南洋行政局長のオリューレ様より寄贈頂いた縁起物。そして、2号車はクシー皇子とジャムジュナ妃のために同じものをご用意頂いたのですよ」
ふむふむ。
(なるほど…おりゅーれとか申される蘭人とアンドネジアンの間に生まれた方が、現地の少年王を乗せて視察なさる際に用いられたと…)
(普通なら男女が逆ではとお考えにもなるでしょう。しかし、痴女皇国では女の方が遥かに強い存在。南洋の国王たるカルノ1世陛下に相応しい扱いをと本宮に相談された結果、毎朝の日課である男女同衾の「愛を育む住宅」が立ち並ぶ一角を視察なさる際の足にお使いだったのですよ…いわば、少年王と母親役かつ、王妃役のオリューレ局長がその愛を育むためにと用意なさった縁起もののケッタなのです…)
そして、その厩舎めいた場所の一角に、小さなくるまがおります。
「このウサギ3号も、私の運転の練習用にと持ち込まれたものですが、同じく南洋島にてオリューレ局長とアニサ大僧正がお使いのくるまと同じしりーずのけい自動車だそうです。これまた、アニサ様は亭主のベテハリ様、局長はカルノ陛下をお乗せになって出かけられる際にお使いのものと同じ型のくるまなのです…」
これ、痴女皇国では有名な話なのです。
ですので、なぜ、コイリュル皇妃がこうした南洋王国に絡む恋愛の話に関わったものを求めたのか…そしてマンコラ担当のレオノール司教を受け入れた経緯、私からもご説明しておきます。
「ふむ…コイリュル妃、男女の恋愛と父母のおる家庭が理想であられると…」
「ふらんすの皆様には当たり前のように思われますでしょうが、かつて淫化では子供は皇帝や神の子として召し上げられたり、果ては神への使者として山に登り、そこで生き埋めにされるような存在でした。先々帝アヤ・マンコはその風習について痴女皇国からお越しのアレーゼ様とお話をなさいました。そして、最終的にはいけにえ制度の撤廃に至ったのです…更には、アヤ帝はその崩御の際の遺言として「この淫化の地に人の幸せを」と願ってワイナピチュ神殿の地下に向かわれたのですよ…」
「で、もともとこの挿入器具の貴族家の生まれのコイちゃんは痴女皇国と淫化帝国の打ち出した新しい政治方針を受けて一家で離魔に移り住んだのですが、そこでクシー皇子やクシ王子と知り合いました。で、皇妃となるまで…そして、皇妃皇后となってからも、この家族団欒のあり方を模索していたのです」
その、離魔での生活の面倒を見ていたエマネ様いわく。
「このけったーましん1号、侍従騎士二人を伴って当時の淫化各地の神殿または聖母教会を1年がかりで巡察する事業に使われた車両そのものなのです…私も知ってますけどね、クシ帝と二人…そして侍従のニスカとワヤチャを従えて、淫化の街道を自分たちの足でケッタを漕いで北の端から南の外れまでを本当に回ったんですよ…」
しかし、その都、山に周囲を囲まれた谷の底に存在するせいでしょうか…これを都と申すにはいささかに小さげな気もします。
(パリを見慣れたせいか、都というには小ぢんまりとしておる気も)
(謎掛獅子国の神殿を思わせるような立派な石の建物もいくつか伺えますが…)
(それとママンにスール・エネ、みんなおしりをだしていますね。さむくないのでしょうか)
と、フランス出身の王家の女性陣からすると、都に見えんなぁという感想が出るようですね。
ですが、この挿入器具の市街地、意図的に拡大しないように図っておりましてね…ほぼ1週間単位で人を受け入れるか産ませ、あるいは淫化の各地へ送り出している事を私・フラメンシアは存じております。
つまり、この挿入器具市、現在の居住者は淫化各地の神殿勤務者候補か、それを支える者たち。
(近隣の棚畑で働く者や挿入器具の街に勤め先がある者もおるが、その数は千名を下回るか…)
(炸砕岩満神殿や行政神殿に詰めておる私たち他もおりますよ、アスタロッテ…)
とりあえず、私たちは挿入器具空港の近くにあるばすたーみなるとやらを経由して、挿入器具市街地北西の丘の上にある炸砕岩満神殿まで来ております。
で、アントワネット妃とテレーズ王女とソフィー王女のお三方、そして私はまずはとばかりに苗床送りとなりました…。
いくら知識や痴識があったとしても、辛いものは辛いのです。
しかし、この挿入器具市…そして淫化帝国のほぼ全土に滞在するならば、この苗床入浴は避けては通れぬ話となってしまうのです…。
で、不能から飛んできた全員、問答無用で苗床に、直行。
(ええ湯だな、とはいきませんねぇ…相変わらず)
(贅沢を言うなイリヤ…久々に全力飛行に近かったんだから仕方なかろう…)
(いやー音速超えられませんでしたけど、ひっさびさに飛んだっちゅう感じで)
ええ、頭にタオルを載せて温泉気分で浸かっておられる羽根持ちの皆様の横で、触手攻撃を受けているフランス組とスペイン組。
つまり、私も「お、こいつ新顔やな…」とばかりに苗床にいじくり回されとるのです。
「そのうち気持ち良くなって病みつきになりますからね…」
「イリヤ、皆が皆お前のようなエロフじゃないんだから…」
「その称号はリュネ王位とともに、エマネに渡しております」
「おばさまぁ…私は受け取った覚えはありませんよっ」
すちゃ、とエマネ様が抜剣する気配。
しかし、惨劇は回避されました。
「あーエマネ殿、はよ来てくれとコイリュルが」
「命拾いしましたね、おばさま…」
「それは私の科白ですよ…」
バチバチと飛び交う火花が見えるようなやり取りですが、リュネ族とやらはかくも、戦闘民族なのでしょうか。
「この二人だけだ…あ、紹介しておこう。イリヤと同じヤスニ氏族の扱いだが、魔族とリュネ族の合いの子でもあるヤスニ・アキラ…魔族としての名前はエイモンとなる人物だ」
なんですかこの、見た目は女性のような方。
髪の毛も長いし。
Amon (Akira Yasuni) アモン Thousand Suction (Limited million) 千人卒(限定百万)Slut and incubus Visual, Angel wing Equipment. 夢魔外観(天使翼装備・痴女種互換)Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団 Peru branch, South-America Americas Regional Headquarters, Imperial of Temptress. 痴女皇国米大陸統括本部・南米行政局 qurimanta caballerokuna 黄金騎士団 Demon kingdom sword saint. 魔王国剣聖
いえ、偽女種を知ってる私からしても、股間の膨らみを見てもなお、女または痴女種そのものなのですが。
しかし、IFFステータスを拝見する限りは痴女種同等の偽女種のようでもあります。
(実は僕は一度、女として再生されたりなど、しっちゃかめっちゃかになっておった時期があるのですよ…元来は男なのですけどね)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/241/
で、魔族とかいう種族の特性を利用して、普段は敢えてその辺を適当にしておられるようです。
そんな無茶な、と思いますけどね。
このエイモン氏の力を淫化で引き出すためには、痴女種化されておくのが好ましいようです。
しかし、ムッシュ・エイモンは思考では完璧な男性。
それに、淫化の行政側はもとより、痴女宮本宮の方々からすら「最低でも偽女種か少年。お願いだから魔剣持っててもいいからとにかく!」と泣きつかれたため、やむなく偽女種のような立ち位置で振る舞っておられるそうです。
大変ですね…。
で、ムッシュ・エイモン、ヤスニ氏族なるリュネの有力者一族の血も引いておられるそうでして、普段はリュネ人の見た目になっているのが通常であると。
(しかし、有事あれば変身するんだ。するんだけど…出昼族というんだが、魔族とリュネ族の合いの子の括りの者は純粋な魔族とはまた違った姿になるんだよ。本人はあまり見せたがらないので、見られたら幸運に思うといい)
逆に、そういう姿を取られること自体が危険な状況という気もしますが、そこは突っ込まないでおきましょう。
それと、このムッシュ・エイモン。
痴女種として見ても、女ウケしそうです。
なぜならば剣士!と全身で自己主張しておられるからです。
いえ、一見すれば小柄な方ですよ。
しかし、その全身の挙動に隙がない部類。
画像だけ見てたら地味子さんでも、実際に動いて喋っている姿は「これが男なら…」と私ですら、ついつい考えてしまう部類なのです。
プランセス・テレーズ。
いいですか、痴女種化しても、ちんぽ使わんとこういう上玉とは仲良くなれないのですよっ。
(よ、良いのです、世の中には星の数ほど男がおるでしょう…)
しかし、その発言心話とは裏腹に、心中はぐぬぬ状態。
そして、ムッシュ・エイモンに案内された先のお部屋で、テレーズ王女はもっともっと、ぐぬぬと歯ぎしりすることになったのです…そればかりか、アントワネット妃までもがぁっ。
で、私はクシ陛下とコイリュル殿下、そしてクシー皇子とジャムジュナ殿下とは面識、あるにはあるのですよ…後見支部の王女という立場ですから。
そして、ジョスリーヌ団長はもっと、面識がありました。
「ふむ…ママ・ジョスリーヌ…」
(クシ、ママじゃなくてファルタ…)
ええ、全員が知らぬふりをしました。
「そしてそこな王妃殿や王女殿に、この挿入器具…分けてもチンチャイ・スーユの東西大通り側を見学させたいと申されるか…イリヤ殿、アスタロッテ殿、そしてエマネ。いかが」
(エマネ様だけ呼び捨て…)
(これにはややこしい理由や経緯があるんですけどね、要はコイリュル皇后とクシ、そしてクシーと私はそれぞれが公認の精毒授受相手なのです。つまりは一種の愛人同士めいたもんで)
(誰彼なしにちんぽ突っ込むエマネの乱行の結果でしょう…)
(おばさま。離魔の立ち上げ当初に私がどんだけ苦労したか。そして当初のクシーとコイちゃんの仲とか、その後の乱れた関係になった理由をちんぽでお教えしましょうか…)
なんすかそれ。
で、またしても何かを知ってしまったアントワネット妃と、テレーズ王女。
(あの、母様…フェルセン伯爵の件とか、全く夜空の流れ星のようにどこかに燃え尽きたような気がしますが)
(あのねテレーズ。要はあなたや私と、あなたの弟たちが逸物だけ立派になって、私やあなたとまぐわる日常を想像なさい…それがこの方々の毎日のようなのですけど…)
ええと、オリエンテ宮殿はまだしも、サルスエラで起きてることを考えますと、うちの愚母は決して王妃殿下をぼろっくそに言えない。間違っても言う資格はない。
私はそう、思っております。
「で、王妃様に王女様。ジョスリーヌ団長から話は伺いました。しかし論より証拠という言葉もありますから、実際にチンチャイ・スーユやアンティ・スーユの実態をご覧になって頂きましょう。全てはその目で見て頂いてからかと」
と、宣言されるのはコイリュル皇妃。
この方…ルネ夫人を若くしたような感じなのです。
そして、淫化人らしい風貌。
つまり、好色そうな美人ではないが、正妻とか正室とかいう言葉が似合いそうな人物です。
「それと団長。私たちだけならばすやじてんしゃですぐなんですけど…あのその」
と、言いにくそうにされる皇妃様。
(皆までいわんでください…VABの鍵、運転台についたままですね…よしよし)
この会話の意味は何なのか。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/228/
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/231/
北神殿の敷地内の厩舎のごとき屋根の下に駐められた、青い馬なし馬車。
けっこう、大きいですね。
「これはVAB3装甲車と申しまして、一時期はフランス共和国の国営企業であった会社が作ったもの。元来は鉄砲や小型携帯大砲で武装した兵士を運ぶしろものですが、その悪路踏破能力が淫化の地で威力を発揮することを期待してここに置かれております」
つまり、フランスで作られたものである。
団長はそう、申されたいようです。
そして、わざわざとそのような前置きをするからには。
つまり、兵士を乗せるくるまであって、王侯用の馬車のようにはいかない、という断りなのです。
では、なんでそうなっておるのか。
「淫化の皇族や重鎮は翼を持つか、または縁者に翼持ちがおります…俗界は別ですが、神界の者ならば自分で羽根出して飛ぶ方がめんどうがないのです…」
つまり、この淫化では皇帝という身分、神孫であり、人の用意した乗り物を下手に使うよりは自力で移動する方が速いという考えが一般的であり、何かの乗り物に頼るのは大量のものや人を運ぶときか、さもなくば飛べない状態に陥ったか、という話になってしまうのだそうですね。
では、コイリュル妃とクシ帝も…。
って、それは何ですか。
そして、その装いは。
「これは、さいくるぱんつなるしろもの。私専用のけったましんに乗る際の正装なのですっ」
いや、何も腰に両手を当てて宣言なさらなくとも。
そして、その装い、白と金が基調。
つまり、下の金色のひも下着が透けておるのですが。
「これに関する質問、これを拵えて渡してきた本宮内務局のたなか様に」
で、恥ずかしそうにしておられる、同じ装いの方、もう1名。
つまり、ジャムジュナ妃…クシー皇子のお母様も、上半身はその、ぴったりした白い半袖服。
下半身も、コイリュル妃と同じで、ひざ上までの白いタイツ姿です。
(普通は下着を履かないというか、そのサイクルタイツ自体が一種の下着の働きをするんだけど…そこは痴女皇国だから…)という、マサミさんからの注釈が入ります。
んで。
そんなものを着て、更には頭に白い兜…ろーどばいくへるめっととかいうものを被っておられるからには、私も持ってはおる、ケッタマシンなる人力移動きかい…二輪車をお持ちのはず。
ですが、引き出された2台のそのケッタ、なんと左横に人が乗るらしき車輪付き籠がついております。
さいどかー、というものらしいのです。
「この1号車は南洋行政局長のオリューレ様より寄贈頂いた縁起物。そして、2号車はクシー皇子とジャムジュナ妃のために同じものをご用意頂いたのですよ」
ふむふむ。
(なるほど…おりゅーれとか申される蘭人とアンドネジアンの間に生まれた方が、現地の少年王を乗せて視察なさる際に用いられたと…)
(普通なら男女が逆ではとお考えにもなるでしょう。しかし、痴女皇国では女の方が遥かに強い存在。南洋の国王たるカルノ1世陛下に相応しい扱いをと本宮に相談された結果、毎朝の日課である男女同衾の「愛を育む住宅」が立ち並ぶ一角を視察なさる際の足にお使いだったのですよ…いわば、少年王と母親役かつ、王妃役のオリューレ局長がその愛を育むためにと用意なさった縁起もののケッタなのです…)
そして、その厩舎めいた場所の一角に、小さなくるまがおります。
「このウサギ3号も、私の運転の練習用にと持ち込まれたものですが、同じく南洋島にてオリューレ局長とアニサ大僧正がお使いのくるまと同じしりーずのけい自動車だそうです。これまた、アニサ様は亭主のベテハリ様、局長はカルノ陛下をお乗せになって出かけられる際にお使いのものと同じ型のくるまなのです…」
これ、痴女皇国では有名な話なのです。
ですので、なぜ、コイリュル皇妃がこうした南洋王国に絡む恋愛の話に関わったものを求めたのか…そしてマンコラ担当のレオノール司教を受け入れた経緯、私からもご説明しておきます。
「ふむ…コイリュル妃、男女の恋愛と父母のおる家庭が理想であられると…」
「ふらんすの皆様には当たり前のように思われますでしょうが、かつて淫化では子供は皇帝や神の子として召し上げられたり、果ては神への使者として山に登り、そこで生き埋めにされるような存在でした。先々帝アヤ・マンコはその風習について痴女皇国からお越しのアレーゼ様とお話をなさいました。そして、最終的にはいけにえ制度の撤廃に至ったのです…更には、アヤ帝はその崩御の際の遺言として「この淫化の地に人の幸せを」と願ってワイナピチュ神殿の地下に向かわれたのですよ…」
「で、もともとこの挿入器具の貴族家の生まれのコイちゃんは痴女皇国と淫化帝国の打ち出した新しい政治方針を受けて一家で離魔に移り住んだのですが、そこでクシー皇子やクシ王子と知り合いました。で、皇妃となるまで…そして、皇妃皇后となってからも、この家族団欒のあり方を模索していたのです」
その、離魔での生活の面倒を見ていたエマネ様いわく。
「このけったーましん1号、侍従騎士二人を伴って当時の淫化各地の神殿または聖母教会を1年がかりで巡察する事業に使われた車両そのものなのです…私も知ってますけどね、クシ帝と二人…そして侍従のニスカとワヤチャを従えて、淫化の街道を自分たちの足でケッタを漕いで北の端から南の外れまでを本当に回ったんですよ…」
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