354 / 391
欧州傀儡雑技団ものがたり -Le cirque de marionnettes- 11.08
しおりを挟む
「あんぎゃあああああああ!」
「ひいいいいいいい!」
「きゃああああああ!」
ええ、頭上はるか上を飛ぶ何かから聞こえてくる、悲鳴。
厳密に言えば、その飛んでいる方々が抱き抱えている人物が悲鳴を上げておるのが地面にまで聞こえておるのですが。
そして、飛んでおる方々の眼下を…厳密に言えば街道沿いを時に爆走、そして時には派手に跳躍するジョスリーヌ団長を必死で追いかけている私、フラメンシアには、その悲鳴の理由を共に嘆き悲しんでいる余裕は全くないのです。
なぜならば先ほどまでいた不能の地から、飛ぶのはおろか、黒薔薇騎士団員ならば20分から30分程度で到着すると言われましては。
実は不能から、今回の目的地までの距離は…そうですね、スペインで申し上げますと、マドリードからバレンシアくらい。
フランスですと、パリからディジョンの先くらいまで。
そして道中のほとんどの地形は、暗死山脈でも比較的緩やかな高原の台地だそうです。
で、飛んでいる方々。
(王女様、暴れるからドレインさせてもらいました…)
(エマネに同じ…)
(この子…ソフィーというのか、この子はまだ落ち着いてくれているな)
ええ、淫化帝国の翼持ちの方が、不能郊外に所在するチュクイト神殿までお迎えに来て頂けたのです。
で、私とジョスリーヌ団長、不能から淫化帝国の首都であり、痴女皇国南米行政局の拠点である挿入器具市までの約300きろの道のり、地上を走って行くことになったのです…。
で、空中を運ばれているアントワネット妃殿下や王女殿下たち、これに先駆けてチュクイト聖母教会を兼ねるチュクイト神殿の屋外礼拝・洗礼場で聖母像からの聖水を浴びて頂いたのですがね。
ここの聖母像、台座が回転するのです。
そして、洗礼場内に立つ80本のちんぽ石像の上に座った者にまんべんなく、聖母像のちんぽから迸る小便…いやもとい聖水をぶっかけられるようになっております。
ええ、お分かりでしょう。
王妃殿下や王女様方には、この飛行移動はもちろん、淫化の高地や魔毒汚染地への対策として、臨時の痴女種化が認められたのです。
そして、ジョスリーヌ団長が王妃様方を連れて行こうとしている挿入器具市。
言うまでもなく、淫化帝国の首都です。
ただ、挿入器具までの間、途中でちょっと寄るところがあるとは申されましたけど。
その、立ち寄る場所というのは…。
挿入器具市の手前にあるという、温泉。
ロテンブロとかいう造作ですね。
そこで、私たちは衝撃の光景を目にするのです。
そこ、いくつもの野外浴場が、河原に設けられています。
そして溢れた湯は、川に流れて行きます。
で、鳥の羽根のような翼を背中に生やした女性が、男子を抱き抱えて次々と着陸するのです、その浴場に。
いえ…偽女種もいます。
そして、偽女種や少年は、翼をどこかに仕舞った女性の股間に生えたちんぽを咥えておるのです…。
浴場を利用する前から欲情しておるとは、これいかに。
で、女たち…それもまだ若い女たちは、淫化人らしい日焼け肌の者と、白い肌の者が混ざっていますが、一様に若いのです。
これ、私は淫化特有の銭湯の件も含め、これらの事情を知っています。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/270/
淫化帝国では、羽根が生やせる女官、確か数えの齢二十四を過ぎると、私の近くで身を潜めて欲情を、いえ浴場を見守るアスタロッテ・南米行政局副局長様のように青肌や赤肌の姿になってしまうのです。
(試験を通過すれば引き続き太陽乙女の姿を維持できるし、昨今は月乙女でも普段は魔族容姿ではない者も増えてはいるけどね。ま、それよりはこの浴場、マチュピチュ付近と同じで学生の入浴の時間帯なのだ。王妃様や王女様というのか…とにかく淫化の外で暮らす女性には衝撃的な光景だろうが、とりあえずはご覧頂こうじゃないか)
ええ、アスタロッテ様は、幹部会で既にジョスリーヌ団長や私の顔馴染み。
いえ、エマネ様やイリヤ様とも周知の仲ですよ。
私が今まで、淫化…それも神界とされる淫化の高地地帯に来ていないも同然だけで。
で、この温泉。
淫化帝国の首都である挿入器具市には、聖院学院淫化神学部が存在します。
この淫化神学部、女性の神官だけでなく男性…少年の教育も行っておるのです。
ですが、挿入器具の少年学生寮、女子のそれとは分けられています。
それも、偽女種と通常の男子でもまた、寮の建つ場所が変えられておるそうです。
-----------------------------------
←サクサイワマン神殿(黄金広場から2km程度)
クンティスーユ地区|チンチャイスーユ地区
太陽乙女神官候補寮|太陽侍従居住区画
太陽乙女神官寮 ●男子・偽女種生徒寮
-●-東西大通り-○--東西大通り--●
コリャスーユ地区 ●アンティスーユ地区
月乙女神官寮 |俗人居住区画
乙女侍従女官寮 | 男子生徒寮
→クスコ空港
●=バス停 ◯行政神殿・黄金広場
-----------------------------------
で、問題はアンティスーユ地区なる一角。
ここの浴場は、寮の部屋ごとに設けられておらず、ヴェルサイユ宮殿王宮歌劇場付随の浴場をもっと大きくしたような大浴場となっておるそうです。
で、問題は、俗人男性と男子生徒の入浴時間調整。
この大浴場をもってしても、アンティスーユ地区の住民の入浴需要全てを満たせないようです。
しかも、大人である俗人男性労働者の間で、少年たちが肩身の狭い思いをする可能性すら指摘されたと。
(で、考え出されたのが少年たちを挿入器具近辺の温泉に連れて行って風呂を使わせるということなんだよ)
(太陽乙女はもちろん、候補の学生も学年によっては羽根を出せますからね)
(で、お風呂に入るついでに…今、まさにやってるように精気も貰えるわけですよ)
つまり、アスタロッテ副局長やエマネ副局長、更にはイリヤ顧問が説明なさった通りでして。
要は、神学校の男子学生である少年たちをお風呂に入れてあげるついでに、女神官や神官候補の女生徒がおめこさせているのです。
(で、では…あの娘たちが孕んだ場合は…)
(炸砕岩満神殿地下の苗床で卵を抜くことになっているのですよ。むしろ、孕んでもらわないと苗床の滋養とはなりませんからな)
(ということは…ここでは毎日のように、あのような若い男女がまぐわいを…これはランスの高校など及びもつかぬ一大醜聞…)
そうはならんのですよ、とテレーズ王女をたしなめる私。
(私も淫化を知っておくべき立場なので存じていますが、この先の挿入器具市では淫化高地の神殿に勤務する神官の教育をほぼ、一手に引き受けているのです)
本当は、離魔でもやっているのは知ってますけど、話がややこしくなりますので。ふふふ。
(そして、淫化の神官は山の中で自在に空を飛べることも資格のうち。ですので、羽根とちんぽを生やせる立場に昇格しなくてはならないのです…)
(それと重要な事をお教えしておこう。不能の神殿で聖水を浴びてもらったと思うが、あれをしておかないと淫化の山中では人は簡単に死んでしまうのだ…理由はこの私、アスタロッテやさらにはイリヤとエマネがまさにそうなのだが、元々、羽根が生えた者は淫化の生まれではなく、別の土地から移り住んでいるのだよ…)
で、いつもの…なぜ、リュネ世界と呼ばれる場所から来られた人々の耳が斜めに尖っていたり、あげくアスタロッテ様のように人ならざる青い肌や、更には頭に角が生えているなどなどの違いがあるかを講義することに。
(はぁ…つまり、アスタロッテ様と、イリヤ様やエマネ様は元々はそれぞれの種族の命運を賭けて争っておられたと…)
(でまぁ、痴女皇国の介入や仲介を経て、私たちは先行き不安なリュネの大地からこの淫化に移り住んで共存の道を歩むことになったのだが、ここで問題が生じた。私たちが空を飛べるのは魔毒という不可視の毒素が空中に漂っている場所に限られるのだ)
これまた、魔毒でんちの事を申し上げると話がややこしくなりますから、省略で。
(で、魔毒は体内に蓄積すると、リュネ族はもちろんのこと、魔毒を撒いている当の魔族の身体にすらよからぬ影響を与え、その寿命を縮めるのですよ)
(しかし、その魔毒を抜く方法は存在します。一つは…私たちが苗床と言っている赤い血の池めいた場所に行って浸かること。もう一つは、リュネ族を含む若い人間の男性の精毒…精液を身体に取り込む事なのです)
ええ…これ、説明した相手には絶対に毎回呆れられるか、頭では理解しても生理的に受け入れられない話になるというのが見えている、毎度毎度の魔毒抜きの話です。
そして、今回もアントワネット妃とテレーズ殿下を呆然とさせています。
(更には、私たちの使う剣は剣であって剣にあらず、魔族を瞬殺しなければこちらが瞬殺されるために、炎を噴き出す必要があったのですけどね…その炎を噴き出す力を得るためにも、一定量の魔毒が空中に漂っている必要があるのです…)
(お妃様、王女様…イリヤおばさまが何を言われたいか申しますと、さっき会ったチャスカ様の侍従のハルキ君。私たちのかつての戦場では、あの子のような男の子とおめこして、魔毒を抜く必要があったのです…それも、戦いの真っ最中に…)
どんな戦争やねん、と呆れておられますけどね。
鉄砲や大砲に弾や火薬を込めて詰めてとか、矢をつがえて弓を構えるのと理屈は似てると思うんですよ、私にしてみれば。
この人たちが鉄砲や大砲の代わりに、炎を噴き出す剣を振り回してると思えば理解が早いんじゃないでしょうか。
(つ、つまり、その…リュネとか申す場所では、まぐわいをしないと文字通り、死んでしまうと…)
(姦淫を嫌がる場合はどうなるのでしょうか…)
(死ぬしかありません)
(リュネでは魔族の餌になるか、はたまた魔族の出す炎で焼かれるかとなります)
この、剣を提げた羽根つきの女戦士めいたお二人の即答。
なぜ、ソフィー殿下はまだしもテレーズ殿下とアントワネット妃がここに連れて来られたのかの答えが、この淫化…特に挿入器具にあるのはもはや明白。
この挿入器具の地では、おめこの拒否は即座に死に至る。
リュネのように戦争をしていないだけで、事情は全く同じ。
更には魔毒の薄い地帯である海岸沿いの淫化俗地と呼ばれる一帯であっても、おめこは避けて通れないのです。
更には、南米行政局という重要地域となっている理由も、まさにリュネ世界の方々の特殊事情を踏まえて痴女皇国が選定した隔離可能な移住先だからなのですよ。
そして、淫化と魔屋・明日輝の後見支部である南欧支部の人間は、ここいら一帯の特殊事情を知っておく必要があるのです…。
(つつつつつ、つまりフラメンシア殿下がくろばらなる親衛隊に抜擢されておられるのも…)
(さっき空の上からご覧になった通りでしてね、淫化に来たが最後、飛ぶのに近い速度で走れる必要があるからなのですっ)
ま、これも、普通の人間なら空気の薄い淫化の地では走るどころか歩くことすら次第に難しくなるのです。
激しい運動なんて、絶対無理ですから。
(はぁ…わたくしは勘違いをしておったようですね…バレエ以上に厳しく激しい修練を要することがあったようで…)
(プランセス・テレーズ…この淫化では姫騎士や女騎士といった文言に象徴される能力、女神官にも求められるのですよ。今から向かう挿入器具では、神官たちは全て程度こそあれど騎士の訓練を受けるのです…そして、Coqを使ってオメコするのもまた、必須の行為…ただ、それは単に性欲だけでやっているのではないのですよ。今、風呂に入っている少年と神官たちをよくご覧なさい…女神官は甲斐甲斐しく少年の世話を焼いているし、少年は少年で神官の身体を洗ったり、あるいは将来を語り合ったり…さながら、恋人同士のように振る舞っているのも注目すべきなのですよ…)
「ひいいいいいいい!」
「きゃああああああ!」
ええ、頭上はるか上を飛ぶ何かから聞こえてくる、悲鳴。
厳密に言えば、その飛んでいる方々が抱き抱えている人物が悲鳴を上げておるのが地面にまで聞こえておるのですが。
そして、飛んでおる方々の眼下を…厳密に言えば街道沿いを時に爆走、そして時には派手に跳躍するジョスリーヌ団長を必死で追いかけている私、フラメンシアには、その悲鳴の理由を共に嘆き悲しんでいる余裕は全くないのです。
なぜならば先ほどまでいた不能の地から、飛ぶのはおろか、黒薔薇騎士団員ならば20分から30分程度で到着すると言われましては。
実は不能から、今回の目的地までの距離は…そうですね、スペインで申し上げますと、マドリードからバレンシアくらい。
フランスですと、パリからディジョンの先くらいまで。
そして道中のほとんどの地形は、暗死山脈でも比較的緩やかな高原の台地だそうです。
で、飛んでいる方々。
(王女様、暴れるからドレインさせてもらいました…)
(エマネに同じ…)
(この子…ソフィーというのか、この子はまだ落ち着いてくれているな)
ええ、淫化帝国の翼持ちの方が、不能郊外に所在するチュクイト神殿までお迎えに来て頂けたのです。
で、私とジョスリーヌ団長、不能から淫化帝国の首都であり、痴女皇国南米行政局の拠点である挿入器具市までの約300きろの道のり、地上を走って行くことになったのです…。
で、空中を運ばれているアントワネット妃殿下や王女殿下たち、これに先駆けてチュクイト聖母教会を兼ねるチュクイト神殿の屋外礼拝・洗礼場で聖母像からの聖水を浴びて頂いたのですがね。
ここの聖母像、台座が回転するのです。
そして、洗礼場内に立つ80本のちんぽ石像の上に座った者にまんべんなく、聖母像のちんぽから迸る小便…いやもとい聖水をぶっかけられるようになっております。
ええ、お分かりでしょう。
王妃殿下や王女様方には、この飛行移動はもちろん、淫化の高地や魔毒汚染地への対策として、臨時の痴女種化が認められたのです。
そして、ジョスリーヌ団長が王妃様方を連れて行こうとしている挿入器具市。
言うまでもなく、淫化帝国の首都です。
ただ、挿入器具までの間、途中でちょっと寄るところがあるとは申されましたけど。
その、立ち寄る場所というのは…。
挿入器具市の手前にあるという、温泉。
ロテンブロとかいう造作ですね。
そこで、私たちは衝撃の光景を目にするのです。
そこ、いくつもの野外浴場が、河原に設けられています。
そして溢れた湯は、川に流れて行きます。
で、鳥の羽根のような翼を背中に生やした女性が、男子を抱き抱えて次々と着陸するのです、その浴場に。
いえ…偽女種もいます。
そして、偽女種や少年は、翼をどこかに仕舞った女性の股間に生えたちんぽを咥えておるのです…。
浴場を利用する前から欲情しておるとは、これいかに。
で、女たち…それもまだ若い女たちは、淫化人らしい日焼け肌の者と、白い肌の者が混ざっていますが、一様に若いのです。
これ、私は淫化特有の銭湯の件も含め、これらの事情を知っています。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/270/
淫化帝国では、羽根が生やせる女官、確か数えの齢二十四を過ぎると、私の近くで身を潜めて欲情を、いえ浴場を見守るアスタロッテ・南米行政局副局長様のように青肌や赤肌の姿になってしまうのです。
(試験を通過すれば引き続き太陽乙女の姿を維持できるし、昨今は月乙女でも普段は魔族容姿ではない者も増えてはいるけどね。ま、それよりはこの浴場、マチュピチュ付近と同じで学生の入浴の時間帯なのだ。王妃様や王女様というのか…とにかく淫化の外で暮らす女性には衝撃的な光景だろうが、とりあえずはご覧頂こうじゃないか)
ええ、アスタロッテ様は、幹部会で既にジョスリーヌ団長や私の顔馴染み。
いえ、エマネ様やイリヤ様とも周知の仲ですよ。
私が今まで、淫化…それも神界とされる淫化の高地地帯に来ていないも同然だけで。
で、この温泉。
淫化帝国の首都である挿入器具市には、聖院学院淫化神学部が存在します。
この淫化神学部、女性の神官だけでなく男性…少年の教育も行っておるのです。
ですが、挿入器具の少年学生寮、女子のそれとは分けられています。
それも、偽女種と通常の男子でもまた、寮の建つ場所が変えられておるそうです。
-----------------------------------
←サクサイワマン神殿(黄金広場から2km程度)
クンティスーユ地区|チンチャイスーユ地区
太陽乙女神官候補寮|太陽侍従居住区画
太陽乙女神官寮 ●男子・偽女種生徒寮
-●-東西大通り-○--東西大通り--●
コリャスーユ地区 ●アンティスーユ地区
月乙女神官寮 |俗人居住区画
乙女侍従女官寮 | 男子生徒寮
→クスコ空港
●=バス停 ◯行政神殿・黄金広場
-----------------------------------
で、問題はアンティスーユ地区なる一角。
ここの浴場は、寮の部屋ごとに設けられておらず、ヴェルサイユ宮殿王宮歌劇場付随の浴場をもっと大きくしたような大浴場となっておるそうです。
で、問題は、俗人男性と男子生徒の入浴時間調整。
この大浴場をもってしても、アンティスーユ地区の住民の入浴需要全てを満たせないようです。
しかも、大人である俗人男性労働者の間で、少年たちが肩身の狭い思いをする可能性すら指摘されたと。
(で、考え出されたのが少年たちを挿入器具近辺の温泉に連れて行って風呂を使わせるということなんだよ)
(太陽乙女はもちろん、候補の学生も学年によっては羽根を出せますからね)
(で、お風呂に入るついでに…今、まさにやってるように精気も貰えるわけですよ)
つまり、アスタロッテ副局長やエマネ副局長、更にはイリヤ顧問が説明なさった通りでして。
要は、神学校の男子学生である少年たちをお風呂に入れてあげるついでに、女神官や神官候補の女生徒がおめこさせているのです。
(で、では…あの娘たちが孕んだ場合は…)
(炸砕岩満神殿地下の苗床で卵を抜くことになっているのですよ。むしろ、孕んでもらわないと苗床の滋養とはなりませんからな)
(ということは…ここでは毎日のように、あのような若い男女がまぐわいを…これはランスの高校など及びもつかぬ一大醜聞…)
そうはならんのですよ、とテレーズ王女をたしなめる私。
(私も淫化を知っておくべき立場なので存じていますが、この先の挿入器具市では淫化高地の神殿に勤務する神官の教育をほぼ、一手に引き受けているのです)
本当は、離魔でもやっているのは知ってますけど、話がややこしくなりますので。ふふふ。
(そして、淫化の神官は山の中で自在に空を飛べることも資格のうち。ですので、羽根とちんぽを生やせる立場に昇格しなくてはならないのです…)
(それと重要な事をお教えしておこう。不能の神殿で聖水を浴びてもらったと思うが、あれをしておかないと淫化の山中では人は簡単に死んでしまうのだ…理由はこの私、アスタロッテやさらにはイリヤとエマネがまさにそうなのだが、元々、羽根が生えた者は淫化の生まれではなく、別の土地から移り住んでいるのだよ…)
で、いつもの…なぜ、リュネ世界と呼ばれる場所から来られた人々の耳が斜めに尖っていたり、あげくアスタロッテ様のように人ならざる青い肌や、更には頭に角が生えているなどなどの違いがあるかを講義することに。
(はぁ…つまり、アスタロッテ様と、イリヤ様やエマネ様は元々はそれぞれの種族の命運を賭けて争っておられたと…)
(でまぁ、痴女皇国の介入や仲介を経て、私たちは先行き不安なリュネの大地からこの淫化に移り住んで共存の道を歩むことになったのだが、ここで問題が生じた。私たちが空を飛べるのは魔毒という不可視の毒素が空中に漂っている場所に限られるのだ)
これまた、魔毒でんちの事を申し上げると話がややこしくなりますから、省略で。
(で、魔毒は体内に蓄積すると、リュネ族はもちろんのこと、魔毒を撒いている当の魔族の身体にすらよからぬ影響を与え、その寿命を縮めるのですよ)
(しかし、その魔毒を抜く方法は存在します。一つは…私たちが苗床と言っている赤い血の池めいた場所に行って浸かること。もう一つは、リュネ族を含む若い人間の男性の精毒…精液を身体に取り込む事なのです)
ええ…これ、説明した相手には絶対に毎回呆れられるか、頭では理解しても生理的に受け入れられない話になるというのが見えている、毎度毎度の魔毒抜きの話です。
そして、今回もアントワネット妃とテレーズ殿下を呆然とさせています。
(更には、私たちの使う剣は剣であって剣にあらず、魔族を瞬殺しなければこちらが瞬殺されるために、炎を噴き出す必要があったのですけどね…その炎を噴き出す力を得るためにも、一定量の魔毒が空中に漂っている必要があるのです…)
(お妃様、王女様…イリヤおばさまが何を言われたいか申しますと、さっき会ったチャスカ様の侍従のハルキ君。私たちのかつての戦場では、あの子のような男の子とおめこして、魔毒を抜く必要があったのです…それも、戦いの真っ最中に…)
どんな戦争やねん、と呆れておられますけどね。
鉄砲や大砲に弾や火薬を込めて詰めてとか、矢をつがえて弓を構えるのと理屈は似てると思うんですよ、私にしてみれば。
この人たちが鉄砲や大砲の代わりに、炎を噴き出す剣を振り回してると思えば理解が早いんじゃないでしょうか。
(つ、つまり、その…リュネとか申す場所では、まぐわいをしないと文字通り、死んでしまうと…)
(姦淫を嫌がる場合はどうなるのでしょうか…)
(死ぬしかありません)
(リュネでは魔族の餌になるか、はたまた魔族の出す炎で焼かれるかとなります)
この、剣を提げた羽根つきの女戦士めいたお二人の即答。
なぜ、ソフィー殿下はまだしもテレーズ殿下とアントワネット妃がここに連れて来られたのかの答えが、この淫化…特に挿入器具にあるのはもはや明白。
この挿入器具の地では、おめこの拒否は即座に死に至る。
リュネのように戦争をしていないだけで、事情は全く同じ。
更には魔毒の薄い地帯である海岸沿いの淫化俗地と呼ばれる一帯であっても、おめこは避けて通れないのです。
更には、南米行政局という重要地域となっている理由も、まさにリュネ世界の方々の特殊事情を踏まえて痴女皇国が選定した隔離可能な移住先だからなのですよ。
そして、淫化と魔屋・明日輝の後見支部である南欧支部の人間は、ここいら一帯の特殊事情を知っておく必要があるのです…。
(つつつつつ、つまりフラメンシア殿下がくろばらなる親衛隊に抜擢されておられるのも…)
(さっき空の上からご覧になった通りでしてね、淫化に来たが最後、飛ぶのに近い速度で走れる必要があるからなのですっ)
ま、これも、普通の人間なら空気の薄い淫化の地では走るどころか歩くことすら次第に難しくなるのです。
激しい運動なんて、絶対無理ですから。
(はぁ…わたくしは勘違いをしておったようですね…バレエ以上に厳しく激しい修練を要することがあったようで…)
(プランセス・テレーズ…この淫化では姫騎士や女騎士といった文言に象徴される能力、女神官にも求められるのですよ。今から向かう挿入器具では、神官たちは全て程度こそあれど騎士の訓練を受けるのです…そして、Coqを使ってオメコするのもまた、必須の行為…ただ、それは単に性欲だけでやっているのではないのですよ。今、風呂に入っている少年と神官たちをよくご覧なさい…女神官は甲斐甲斐しく少年の世話を焼いているし、少年は少年で神官の身体を洗ったり、あるいは将来を語り合ったり…さながら、恋人同士のように振る舞っているのも注目すべきなのですよ…)
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説




サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる