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欧州傀儡雑技団ものがたり -Le cirque de marionnettes- 3

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目に涙を溜め、真剣にすがるような表情で我々、スペイン王家の王女王子集団を見るイスパニア河原者じぷしーの頭たる、アマヤ司教。

ええ、この話を我々イスパニア王家にに有利に運ぶためにも、敢えて昨晩のうちに、一服盛らせて頂いたのです。

「…アマヤ司教…かねての映画撮影はもとより、他の諸々の功績を鑑みて相応の処置を為せと、我が母イザベルより許可は得ておりますよ…私としては卑しい河原風情の子種など、受け入れるも穢らわしい話。しかし、母のみならずこの私とて、河原の未来を担う者がおらぬ点については憂えることしきり。さぁ、私どもの穴にその卑しき子種、存分に注ぎやれ!」

と、格好つけて言い切ると、私とクララ姉様、そしてカタリナ姉様の三名、長椅子に座って大股を開きます。

そう、この場で苗床に入れるための子種、この河原者で司祭以上の3人から搾り取るのです。

更には、ですね。

「ああっ汚れるっ卑しい河原者の子供を孕むっ孕まされるっ」

「いやあああああだめえええええええ」

「ひいいいいい穢れた汁が汁が汁がああああああ」

で、フェリペ兄様にははんでぃかめらとやらを一応は回してもらっとりますが、私たちの差別的なセリフは半分本当半分過剰演技なのです。

なんせこの時代の欧州、ほんとにほんとに、黒んぼ、それも奴隷身分とか河原者と子供なんぞ作ろうものなら、それこそ絶縁どころではありません。

そうですね、仮にうちの母親がその辺に理解がない女で、私が河原なり黒んぼなりとおめこして浅黒い子や黒い子を産んだとしましょうか。

最悪、その日のうちに死んでるか行方不明になってますね、私も子供も。

ですから、逆に我が母イザベルが暗黒大陸本部の幹部の方々を孕ませたり孕んだりとか、あるいは応援とはいえどこちらの要職に就いてもらっている件、いかに革新的かという認識になって頂きたいのです。

ですから、私たちは確かに嫌がってますけど、河原者たちの世界を興味深く見ているのも事実。

そして、なんとかとハサミは使いようと申しますけど、河原や黒んぼは上手く使えば、なんとかどころではないのです。

それこそ、河原女や黒んぼに失礼というもの。

(まぁ…暗黒大陸の側でも、わたくしどものめがねに叶うものを選んで送ってはくれておるようですからね…)

では、なぜ河原や黒んぼは忌み嫌われたのか。

まず、外観です。

金髪碧眼白肌じゃないだけで、この時代ではしろーーーい目で見られます。

そして、体つきも違えば、言葉も違う。

更には、それはもうごく自然に人のものを盗んだり拝借したり、はたまた所構わず排泄したりすれば、普通に人は嫌うでしょう。

で、言葉が違うから言っても聞かないとなれば、次に来るのは肉体言語でのお話し合い。

更には、これは黒んぼが悪いってんじゃありませんけどね、自分のものと誰かのものを区別しない習慣が正しいとか思ってる場合があるでしょう。

そーですねー、たとえば、映画に出てた黒んぼ女のワイゼラ。

あの子の生まれ故郷だと、何かを狩ってきた獲物の肉でご説明しますとですね、口に入ったものだけが自分のものという認識だそうです。

で、獲物の段階では、部族なり家族なりの集団の中で分かち合うもの。

更に、縞々の馬やら茶色い鹿がまだ狩られずにうろついておる段階では、誰のものでも無い、強いて言うならば神とでも言うべきものの物であると。

つまり、所有権とか地権とか、ある程度の文明が進んだ国や民族とはまた違う…マリアリーゼ陛下あたりがよく言われる「原始共産制」って考えが一般的なのですよ。

ですから、この土地のこっからここまでがうちのもんとか言われても困るのでしょう、狩猟型の生活をしておれば。

そして牧畜農業をやっている部族でも、その境界は曖昧だったり、ちょっと揉めたら総出で殺し合いの戦争とかになってることも普通にあったそうです。

(河原のおんなたち、あるていど以上のおかねがあっても、ものを売ってくれないとか、買えないこともあったようですわね)

えーと、うちの母が今言ったこと、本当です。

例えば地主の前に金積んで、土地ちょっと分けてくれとか言っても、断られるのがおち…いえ、最悪はその金を証文に細工するとか、難癖つけるとかしてぶんどられます。

そして、貴人が買ってる装身具や宝飾品でも、河原お断りとか。

ですから、このマドリードで稼いだ河原女が、ルイトモだっていうことで黒んぼの子たちを哀れんで、恵む代わりに買うとかいうのも、あながち好き勝手にやってるわけでもなく、他にあまり金の使い道がないってのもあるのですよ。

しかし、うちの母親はこうも申します。

「今は街中に珍しいものや、よその国から持ち込まれた何がしも並ぶ世の中。我がイスパニアでは河原だからと買えぬような意地悪はいたしませんわ…ただ、料理屋や劇場など、装いに定めがある場所ではそれに従うべし。行きたいならば装いを整えてお越しなさいな」

で、そう言う場所で要求される振る舞い…つまりはマナーも。

「なんのために聖母教会をあちこちにつくってもろたと思うとるんですかぁっ。あれは人が獣ではなくする振る舞いを教えるのみならず、読み書きそろばんも皆に平等に教える機会を与えんがためにもあるのですっ」

そう、母の言い分では、聖母教会附属の学校ならば言葉の壁も取り払ってやるし、最低限必要な読み書きや計算も教えるから、肌の色で駆け出す場所が変わることがないよう、私たちも手助けをしているんだからそれに乗れや、となるのです。

ですから、河原や黒んぼが土地を買ってそこに家を建てて住むことも、イスパニアなら可能なのです。

(ただ、うち、今、農場国営化とかやってますからねぇ…マドリードやバルセロナの郊外のじゅうたくを買うくらいですわねぇ…)

つまり、その住宅を買って住めるのは、マドリードならマドリードで稼げている市民となるのですよ。

(で、うちの国で金の使いみちがなくとも、よそで使ってもろうても良いのですよ。たとえば暗黒大陸なら、くにによっては土地はただ同然、家を建てる材料を買うおかねだけで家が建つところもあるとお聞きしておりますしね)

ですので、無理に頑張ってイスパニアに住むよりは、こっちで稼いで物価の安い暗黒大陸に戻ってお大尽をする方がいいんじゃないのというのが、黒んぼに対する暗黒大陸本部や、南欧支部の姿勢です。

そして、こき使われたり売られたりと酷い目に合わないくてもよいように保護してあげるけど、一定期間が過ぎたら一旦は国か、出稼ぎ事務所がある諸子や主人痢阿あたりに帰ってから、出稼ぎ再挑戦なり母国に戻れるように図っておるというのが今の時点での、方針。

しかしまぁ、流浪が生業になっている流浪の民である河原じぷしー族。

その流浪の生活をやめて百姓やれとかいうのも、野暮な話ではとも思えます。

このフラメンシアとて、河原女の実態を見ておる限りでは、河原女たちを囲い込んだり自分の子を産ませようとすることこそ、野暮の極みに見えるのです。

ただ…そんな暮らしだけでは、河原者が河原者たる、芸の継承ができないのも事実。

そこで、河原頭たちは男を産ませてくれと言って来ておりますし、私たちもそれに応じてやろうとしているのです。

「ふう、流石は好色な河原女たちを束ねておるアマヤ司教。なかなかのものでしたわね…」

で、実のところはこの愛隣会館やビルヘン・デル・プエルト教会にも苗床トンネルが来ております。

厳密に言えば、触手を延々と伸ばせるのです。

んで、私たちは河原司教や司祭から出された精液で孕んだ受精卵、速攻で抜き取ってもらっております。

しかし、これだけでは優秀な河原の男子または河原偽女種を作るには、不足しとるのです。

で、その件の朝食のお粥、温め直して運んでもらいました。

「ふむ…これ、勃起を促すエロカロイド成分が入っておりますわね…」

「ど、どういうことですのフラメンシア…」

「つまり、快感王系統のちんぽを元気にする何かが混ざったようですわよ…であれば、警務騎士もおそらくは不問にしよる可能性があります…これが本当の毒であれば絶対に調べさせますし、それに、この愛隣会館が聖母教会併設または同等施設である以上、食事に毒を盛るなどと大それたことを考えた時点で関係者に警告が行くはずなのです」

「た、確かにそれはそうですが、こんなものが混ぜられては…」

「司教、このマドリード愛隣会館で食事を振る舞う対象を考えてもみてください…この粥を食しても、実際にちんぽが元気になるのは黒んぼの小僧と、そしてちんぽ持ち女官または尼僧のみ…または有償で食した者たちでしょう」

「む、むう…アマヤ司教、確かにこれはフラメンシア殿下のご指摘の通りでは…」

「よしんば、金を払うて食べた者のちんぽが元気になっても、ここが聖母教会であれば、告解室に入れて抜いてやればよいのですから…むしろ、精気収入となって、我らにはご褒美ですらあるやも知れませんよ…」

と、二人の司祭も「これ…ちんぽを元気にする部類のエロカロイド成分が聖母教会の食事に盛られたところで、なんの実害もないから聖環警報も出なかったんじゃないか」という考えに至ったようなのです。

ふふふ。

「それに、私の目は見つけました…ここの厨房、乾燥淫棒茸を粥のスープの隠し味に使うておりますね…」

「えええっ、な、なぜにそれをっ」

「あれは畏れ多くもルイーサ枢機卿じきじきに送りつけて来られたしろもの…罰姦聖母教会での炊き出しには必ず混ぜろとの御触れが出ておりますが…」

「ふほほほほほ、これが黒薔薇騎士の力というもの…」

うそです。

どっちかっちゅうと、紫薔薇騎士の情報網検索能力です。

まぁともかく、私の痴女種視力や捜索能力が並じゃないことを教えられて何より。

それに…昨晩こそーっと忍び込んだ時点ですでに、乾燥インポタケの袋、それなりのストックが調理場のとある鍵付きの棚に隠されているのを見つけてるんですよねぇ…ふひひひひひ。

で、これを指摘した理由。

「いくら罰姦教皇庁の副教皇様の仰せっちゅうても、貧民への炊き出しにインポタケ混ぜてるのがバレたらそれなりの騒ぎにならんか」っちゅう脅しです、脅し。

でなきゃ、鍵付きの棚に隠させないでしょう。

まぁ、バレたところで、私が指摘したのと同じ理由でですね、「よくよく考えたら大した騒ぎにならん」のは保証できますけど。

(フラメンシア殿下…いちおーは他言無用に…尼僧たちの慰安と精気授受成績向上のためにって、炊き出しに混ぜろって配らせてんですよ…)

(ふへへへへへ、ルイーサ様も、わしの行為は他言無用に…)

(お主も悪よのぅ…さすがはイスパニア次期王位指名者…)

(そちらも悪よのぅ…さすがは罰姦次期教皇指定後見人…)

ええ、こういう会話を他から遮断して交わせるのも黒薔薇権限ならではらしいのです。

ともかく「誰が粥に何かを持ったかは不問、粥のためのスープに混ぜ込むインポタケの量を思いっきり間違えた可能性大」という結論に行き着かせたところで、ですね。

「では、偽女種はもちろん、男児を授かりたいという河原者の思いに応えるためにも、今一つの仕上げをいたしましょう…」

と、牝狩淫で強化された私の巨根を見せつけます。

これ、もう一つ狙いがあります。

アマヤ司教を何がなんでも籠絡して、私のちんぽを忘れられなくするためなのです。

「この巨根は聖母様の聖母像に生やされたアレの類似品…少なくとも司教以上でなくば、これを入れただけですら、悶え死ぬことすら起きるのです…」

つまり、わしのお相手はアマヤ司教、あんたやでという意味です。

それと、アマヤ司教にはある意味、私のおめこ奴隷になってもらう代償に、ちょっと差し上げたいもんがありましてね。

具体的には、大司教位。

つまり、河原者の中でもとりわけ、えろうなっておいて欲しいのですよ。

んでまぁ、現状のアマヤ司教は正味の万卒です。

Amaya アマヤ Ten Thousand Suction 一万卒 Slut Visual. 痴女外観 Holy Order knights, Imperial of Temptress. 聖隷騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Madrid Instalaciones que brindan caridad a los vecinos マドリード愛染隣保会館長 Presidente de la Asociación Nacional Gitana de España 南欧地区河原者会会長

これを十万卒に引き上げること自体は、黒薔薇騎士ならさくっと済ませられます。

ただ…大司教への昇格認定は、それこそ罰姦聖母教会教皇庁事案。

ルイーサ副教皇様への口止め、ここで生きるってもんです。

(このビルヘン・デル・プエルト聖母教会の主幹境界はアルムデナ大聖堂となりますので、アルムデナ大聖堂担当枢機卿であるフラメンシア・バタイユ・デ・ヴァロイス名で昇格詮議書を送らせて頂きます…なにとぞよしなに…)

Amaya アマヤ en thousand Suction(Limited Hundred thousand)一万卒(限定十万卒) Slut Visual. 痴女外観 Holy Order knights, Imperial of Temptress. 聖隷騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Madrid Instalaciones que brindan caridad a los vecinos マドリード愛染隣保会館長 Presidente de la Asociación Nacional Gitana de España 南欧地区河原者会会長

Flamencia Bataille de Valois フラメンシア Hundred thousand Suction (Limited million) 十万卒(限定百万) Slut Visual. 痴女外観 Purple Rosy knights. (Black Rosy Knights)紫薔薇騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Director General del Departamento Real de Artes y Letras イスパニア王立文芸局長

んで、このアルムデナ担当の枢機卿っていう地位ですけどね。

実はイザベル母様から引き継いだもんなのです。

そして、この地位を持ってるということは、南欧支部担当のすべての聖母教会の長ってことでもあるのです、このフラメンシアがぁっ。

ですから、アマヤ司教の立場からしますと二重三重にも、わたくしに頭が上がらんのですよ…。

では、なんでめんどくさいことをしてまで先にわたしらが孕まされたか。

それはもちろん、恩を売るためです。

ちんぽの元気が止まらないアマヤ司教にお慈悲を授けておいて、あとでわしらが存分に犯してお楽しみの上で、腹ボテにするためなのですっ。

(フラメンシアが悪役枠だってのがよくわかるわ…)

(カタリナ…私たちは政略結婚枠でよかったと思わないかしら…こんな妹が次の女王になるのが確定してる国よ…)

(クララねーさま、このちんぽでいてこましますよっ)

ただ、ちょっと困ったことが。

フェリペ兄様の種こそ、男児を産ませるのには好都合なのです。

しかし、なんぼなんでも兄様とアマヤ司教を先におめこさせると、単に男児が生まれるだけなのです。

「それはそうとアマヤ司教、お伺いしたいことが。フェリペ兄様とつがわせる河原女、誰か推挙はできませんか。兄様はマダム中井ティアラと母様の子、その股ぐらの剛刀と、さむらいの血筋を引き継ぐ美女がおればと思いますの」

「むむ…確かに王子殿下のお子を頂戴できるならば、我らにも至高の栄誉。なれば…殿下、覚えておいででしょうか。過日の映画撮影時、河原から王賓庭園に商家の男を誘っておった役目のおなご。あのおなごはフロリカと申しまして、他の富豪どもにも目をつけられておって、いささかに本人も口説きの集中に困っておったようなのです。ここで王子殿下のお手つきとなりましたことが知れ渡りますと、フロリカめの世渡りには好適ともなります故、是非にフェリペ殿下には賞味をお試し頂けますればと…」

Florica フロリカ Thousand Suction.千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Puraple  Rosy knights. 紫薔薇騎士団  South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 compañía de baile de damas reales スペイン王立婦人舞踏団
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