332 / 396
尻球譚 -変態男爵の話 Histoire de fesses.- baron pervers -・12.02
しおりを挟む
バロン・サドが存命であればさぞや見たがった…いえ、自ら参加するか、主催しておったことでしょう。
ええ、地獄の姦淫劇とでも申し上げるべき状況が、今のテアトロ・レアル…スペイン王立劇場の観客席で繰り広げられています。
しかし、それだけではないのです。
舞台では、ご褒美と称して女優たちが犯されております。
なんともはや、狂いに狂ったこの眺め。
ちなみに私の受け持ちは、マルセルです。
(うちの亭主が存命であれば、亭主の女にはちょうどいいかも…)などと考えております。
ただ、息子の女にはちょっと、遠慮したいなとも。
ええ、一応、私ことアウグスティーナの息子たるバルセロナ伯アルフォンソ…かつてのアラゴンの武人王の名前を頂いた子供ですけどね、私は一応、未亡人の立場なのです、現在。
------------------------------
で、ここで少しだけ話を外しますが、シャルロット・ダルブレ司教様の出身国かつ、チェーザレ教皇猊下との血縁関係も存在するナバーラ王国や、私や亭主の統治下にあったアラゴン王国とはどういう国であったのか、軽くご説明させて頂きましょう。
今ではスペイン王国がイベリア半島ほぼ全土を支配するまでに至っておりますが、かつてはイベリア半島の付け根のあたりを領有していたのがナバーラ王国で、ある代のナバーラ王の息子がナバーラ領の東側を譲り受けたのがアラゴン王国の始まりです。
で、バスク人の国でもあったナバーラ、その首都はパンプローナでしたが、後に商都ビルバオが建設されてそっちが栄えることになりました。
そしてアラゴン王国が後にスペインに併合される前後の経緯から、アラゴンの領主はバルセロナ伯爵を名乗る事もあったのです…ですから、皆様の認識ではバルセロナの方が都会に思えるでしょうが、アラゴンの者からすれば首都サラゴサの方が格上だったのですよ…。
(連邦世界の叔父チェーザレは父たる教皇の死亡によって後ろ盾を失い、ナバーラに事実上は亡命した歴史があります。で、スペインとナバーラの戦争で命を落とすのですが…痴女皇国世界では罰姦聖母教会教皇として健在ですね)
◇◇◇◇スペイン・フランス国境付近概要図◇◇◇◇
↑フランス王国
/////| トゥールーズ◯ |///
/////| ◯ルルド |///
大西洋側 |◯バイヨンヌ |///
/////|◯ビアリッツ |地中海側
_____|---ピレネー山脈----|_////
◯ビルバオ ↓スペイン王国 |//
◯パンプローナ |//
◯サラゴサ バルセロナ◯|/
で、現在のイザベル朝スペイン王国とでも申し上げるべきスペインの政体ですが、実はがっつりはっきりと民族的…というよりは使用言語で区分できる分断が存在します。
バスク人は第一母国語がバスク語になるのです…。
これが海綿菓子国のようにはっきり国が分かれておれば良いのですが、フランスとの間のいさかいもあって、バスクの地の王権やら支配権、わりとごっちゃごっちゃと絡んでおります。
(良い例が叔父の奥様であるシャルロットおばさまです。スペインからすればナバーラ王国生まれのバスク人ですけど、フランスから見るとバスク系フランス貴族っちゅう括りになるのですよ…)
で、現在の行政区分ですけど、フランス側の領土に編入されてしまっておる北バスク地方、ここをなんとかスペイン側にもらえんやろかとイザベル陛下には交渉して頂いておるところです。
しかし、フランスはフランスでピレネー山脈の水源地が含まれる北バスクを領有したい事情もありますので、最終的にはナバーラ・アラゴン王国としてビルバオからルルドの手前までを認めて、スペインとフランスの二重領土かつ自治州としての扱いで決着するだろうという話ももらっております。
で、バスクにしても、バスク人だけの国を作りたいのはやまやまなれど、今やよそ様とのお付き合いも考えねばならぬ時期に来ておると思うのです、私。
なぜならば、昔ならいざ知らず、この痴女皇国世界でも鉄道やら道路やら、更に車によって広域に物や人が往来するようになったためでもあります。
つまり、バスク人が自治権を欲しがりすぎると、スペインとフランスの国境地帯が元々の領土なわけですから、別の政治体制にすれば人や物の流れを阻害しかねませんし、今やバスク地方だけで自活するには、食料や他の必要物資を領内だけで調達するには困難な状況もあります。
でまぁ、リュネ王国人の淫化における位置付けを参考にさせて頂きながら「バスク人の同窓会みたいな団体を設立して王朝を残し、極力バスク人による自治を認めた地域を作ってもらおう」とか画策しておるわけですよ。
それと、イザベル陛下も実のところは代々続いたイベリア半島の生まれではなく、フランス王家から嫁いで来られた身の上です。
つまり、私もですが、純粋なイスパニアの者ではないのです。
で、以前から暗黒大陸地区本部が近いこともあって、そちらから「いわゆる黒んぼと言われる人々」をお借りすることや、暗黒大陸出身の労働者を中心に受け入れておる状況があります。
これは、実際には相互交流を図ることで地中海を挟んでの様々な取引や付き合いを円滑に行う意図があります。
なにせ、向こうも痴女皇国標準の教育制度や政治体制が整いつつあるわけですから、出身者の知能や文化水準は痴女皇国の間接統治下にある人々のそれになっていっておるわけです。
そして…テアトロ・レアルで淫猥な演し物をかけておる理由。
申し上げるまでもなく、国外の富裕層や貴人を誘引するためです。
もちろん、単に観光させるためだけに誘い込んでいるわけではありません。
更には、比丘尼国の河原者なる浮浪階級者を参考に、流浪の芸人についても東欧行政支局に続いて庇護の意向を見せております。
移動遊園地や曲芸団…更には紙芝居とやらを発展させた活動写真団なる者たちを迎え入れ、庶民の娯楽を提供するとともに、異国文化の一端に触れさせることも積極的に行なっておりますのもお伝えしておきましょう…。
(本来ならフランスが西欧州でこれをやる立場だったんだよね…)
(こういうところの抜け目のなさがイザベルさんらしいというか…海賊共和国はおろか、淫化や女裂振珍、アルゼンチンチンまでの巡業を企画するとか…海綿菓子国も尻出国も巡業を受け入れざるを得ないように主張しやがりましたからね、あの変態どすけべ女王様)
(ベラ子陛下にだけは、陛下にだけは言われとうありませんっ!)
(借金の証文追加。あと、おまとめローンも組ませてもらいまっせ)
(汚いさすがボルジア商会の身内汚いっ)
ええ、支部や支局、行政局の予算はその支部なら支部の独立採算でやっていけるわけではありません。
当然ながら本宮財務局から支部事業に関する交付金を頂かなくてはやっていけぬ支部ばかり。
(やろうと思えば独立採算性を採用することもできますが…)
(マリアヴェッラ陛下、我が主君が本気で独立した国家経営を決意していない時点で、そんな大それた事を考えるまでもないように思えます。何より今は来たる何かに備えて精気蓄積を含め本宮の指示に従うべき。我ら南欧支部はそのためにサド男爵とバタイユ男爵の著作管理のみならず、戯曲上演や記念館運営まで任されたのですから…)
(さすがはイザベル陛下からスペイン総統就任を打診されただけはありますね…例のお尻フェチ記念館の運営も上手くやって頂いておられるようで何よりです。過激な歌劇の上演記念品のエロ下着や記念館入場券の贈呈に関する予算も本宮文教局扱いにしていますので、頑張って観客の汚染処理をお願いしますよ…)
この上演記念品の贈呈というのが曲者なのです。
観客の股間に忍び寄っていた苗床の触手は、なんと観客女性の肉体年齢を十代後半にしてしまうだけでなく、一人卒痴女種女官または男性外観固定の奉仕偽女種に変質させる聖水と同等効果を発揮する駄洒落菌変種を注入するのです。
そして終劇の後で客席に推参する女官や偽女種たち、単に観客と姦淫するだけでなく、身体が変わっていることを担当する観客たちに告げ、下着だけでも着替えた方がと、全裸に剥いてから聖環機能で助平下着への強制更衣を仕掛けて行くのです…。
(しかしイザベルさん、指導偽女種をこのように使うとは…叔父や教皇庁に掛け合って罰姦聖母教会でも指導偽女種を認めさせた甲斐がありましたよ。まさかマドリードの夜と下半身ガイドを兼ねて偽女種をホスト役に使うとは…ふふふ)
(ですから劇場の観劇料も高め設定にせざるを得なかったのですわよ…ただ、アシは出ております、あれでも…)
(まぁまぁ、サド男爵文学館やバタイユ男爵記念館の関連費用と併せて文教局他に支援予算を拠出させましたし、その辺は無用に債務を増やすことがないように図ってますから…)
(ちょうけしをお願いいたしたいところですけど…いえ、これはアウグスティーナがスペイン総統とやらに就任した際のせいじ的不安を消しておいてやりたいからですわ…)
(しかし、大丈夫ですか…連邦世界のETAのような組織を作らせるなんて…)
(ふふふふふ、そのために色々画策したのですわよ…純粋なイスパニア人の国にしてしまっては、そもそも出自がフランスのわたくしがやりにくい訳でもありますし…)
そう、イザベル陛下自身の統治を円滑にするためにも、貴族階級の骨抜きやバスク人に黒人といった外国人扱いの者たちと、元来のイスパニア人との違いを無くしていく政策を水面下で推進していたのです。
そして、フランスで迫害された問題作家たちを庇護し、その著作を保護することで「スペインには言論や著述の自由がある」と印象を与える構想をお持ちです。
一見すると総統なる独裁者階級の創設や、夜間外出禁止令と矛盾しているように思えるこの政策ですが、実はサド侯爵と、何よりバタイユ伯爵の著作を痴女皇国として最大限に利用して、スペインの統治に活用しろという指示が下ったがため。
で。
男爵というのは、実は亡命したジョルジュとサド侯爵に対して、スペイン王たるイザベル陛下が新たに授けたイスパニアの爵位なのです。
フランスではその不適切な著作や行状が災いして、敢えて爵位を完全剥奪せずに降格したとされていますが。
(サド侯爵を男爵に降格したのと同様、貴族にあるまじき犯罪を犯したということで、赦免特権が適用されるどころか、より罪が重くなるように計らわれたと伺いましたが)
(で、敢えてその問題性を人の噂に上がらせるために痴女皇国としても、侯爵の復権は敢えてフランスに強く働きかけない方向でルイ16世陛下と合意なさったということですわね。私としても、バタイユ氏がフランスでは依然お尋ね者である方が都合がよいというもの)
そして、その尻にこだわる趣味を最大限に活かした絵画や彫像など、その著作を補完する展示物を飾っておるのがマドリード市内、それも王宮の目と鼻の先にあるテアトロ・レアルの北側の一角に設けられた「Museo Literario Bataille Sade(バタイユ・サド文学記念館)」なのです…。
このうちバタイユ記念館はビアリッツのアングレット修道院側に所在するオーシュ卿記念館の分館という位置付けですが、尻彫刻やら尻絵画に、オーシュ卿が好んだ猥褻衣装などが展示されております。
そればかりか、ですね。
ジョルジュの提案を聞きつけたイザベル陛下がマリアリーゼ陛下に上申に及んだところ、即座の快諾を得て実行されたことがあります。
それは、バイヨンヌからルルド、そして旧・アラゴン~ナバーラ一帯はもちろん、サンティアゴ・ディ・コンポステーラ以外のスペイン本土内聖母教会での専用聖母像への置き換え。
なんと、ベラ子陛下が自慢の美尻を突き出し振り向いている像にされていっておるのです。
そして、聖水授与者はベラ子陛下像の開いた両脚の間に仰向けになり、下向きになったラスプーチンちんから出る聖水を顔に拝浴する体裁となったのです…。
ですので、仮にアルムデナならアルムデナ大聖堂に入り、正面奥の内陣や聖像壇の方に見える聖母像、参拝者に向かって尻を突き出した状態で設置されておるのですよ…。
そして洗礼式に臨む者、本来の作法としては聖母像の尻穴に接吻し、その逸物を咥えて絶頂しながら聖水を受けるのが本式であるとなりました…ええ、二代目聖母様ご本人の心境や意向は無視されました、無視。
(好評なら罰姦の聖母像、サンティアゴ・ディ・コンポステーラのホタテウーマン水着聖母像以外は全これにしようと思うんだ…痛ぇっ痛ぇ痛ぇ痛ぇ痛ぇ!)
(その痛みはあたしの悲しみです。あと、今のはりせんはあたしがマリアねーさんをしばきたい感情もありましたけど、物理的に姉を殴るつもりはありませんでした。つまり、毎度毎度ですけどね、アレーゼおばさまによるあたしの意志の代弁ですよ)
で、イザベル陛下としては敢えての国民への服装規制を定めましたが、一方で、このようにもお決めになったのです。
・服装規制が存在するのは都市部だけ
・農村地帯や浜辺などでは従来と同じ、お尻食い込み服着用推奨
・都市部でも日没から翌日朝9時の鐘が鳴るまでは服装既定停止
・強姦公園では日中の強姦可能・禁止指定に関わらず服装を理由とした処罰は免除
つまり…ですね。
(夜に限っては変態どもが露出趣味を満喫できるように計らうてやったのです。あと農村や漁村で働くものたちや、保養地では客も働く者もリベルテであるのがよろしいでしょう)
そして、強姦公園の指定を受けた場所では浮浪者少年はちんぽを見せて暮らしてもよいとされたのです。
むしろ、日中の強姦が禁じられる大半の強姦公園において、訪問した女たちを誘うためにはちんぽを見せつける必要があります。
人によっては差し入れを手にした女たちは、浮浪児に食事や小銭を恵むかわりに、その隆々と勃起した若い野獣のようなちんぽを差し出させるのです…。
更には、その助平褌が食い込んだ尻穴を見せつけ、こちらでのお楽しみもあるよと猥褻な四つん這いになったりしておる、狂った光景すら。
昼間の強姦公園ですらこれですから、夜のマドリードはいかばかりか。
その、夜のマドリードに観劇のあとで発情した観客を解き放つのですよ…しかも、先ほども申しましたけど、苗床から伸ばされた触手によって男女ともに身体の外観年齢を若返らせ、更には上玉の娼婦や偽女種の少年形態時に調整しております。
で、オリエンテ宮殿内の呼称では「バタイユ尻フェチ文学館」としても通っている記念館が建つ一角、王立衣装館なるしょっぴんぐもーるとやらになっており、国内の著名な仕立て屋がブティークを出しておるのです。
ここ…変態食い込み衣装を仕立てる店ばかりなのです…。
いわゆる「じょおうさまとおよび」系だの、「ひもみずぎせんもん」だの、あげく下着類だけでなく透け透けだの丈が短いにもほどがある淫売用だの。
むろん、女のためだけでなく、偽女種や男のための変態下着類他も充実しとります。
ええ、アレマニア…ドイツの連中が大喜びするはずですよ…。
男女用の尻穴他の責め具やら、拘束具などのえすえむぐっずとか、本来はご禁制のはずの自慰器具、それも男用までもがしれっと売られておるのですから…。
そう、サド男爵の遺志を継いだバタイユ男爵が尻へのこだわりを見せたえろほんを作る際に使ったことごとく、ここで売られているということになっとるのです…。
(ふふふふふ、アレマンどもがマドリードで覚えた変態行為や器物を本国に持ち帰って広めれば重畳の極み…ただ変態どもの跳梁跋扈を許すのではなく、より精気を搾り取れる行為に邁進させるのですわよ…)
ええ、地獄の姦淫劇とでも申し上げるべき状況が、今のテアトロ・レアル…スペイン王立劇場の観客席で繰り広げられています。
しかし、それだけではないのです。
舞台では、ご褒美と称して女優たちが犯されております。
なんともはや、狂いに狂ったこの眺め。
ちなみに私の受け持ちは、マルセルです。
(うちの亭主が存命であれば、亭主の女にはちょうどいいかも…)などと考えております。
ただ、息子の女にはちょっと、遠慮したいなとも。
ええ、一応、私ことアウグスティーナの息子たるバルセロナ伯アルフォンソ…かつてのアラゴンの武人王の名前を頂いた子供ですけどね、私は一応、未亡人の立場なのです、現在。
------------------------------
で、ここで少しだけ話を外しますが、シャルロット・ダルブレ司教様の出身国かつ、チェーザレ教皇猊下との血縁関係も存在するナバーラ王国や、私や亭主の統治下にあったアラゴン王国とはどういう国であったのか、軽くご説明させて頂きましょう。
今ではスペイン王国がイベリア半島ほぼ全土を支配するまでに至っておりますが、かつてはイベリア半島の付け根のあたりを領有していたのがナバーラ王国で、ある代のナバーラ王の息子がナバーラ領の東側を譲り受けたのがアラゴン王国の始まりです。
で、バスク人の国でもあったナバーラ、その首都はパンプローナでしたが、後に商都ビルバオが建設されてそっちが栄えることになりました。
そしてアラゴン王国が後にスペインに併合される前後の経緯から、アラゴンの領主はバルセロナ伯爵を名乗る事もあったのです…ですから、皆様の認識ではバルセロナの方が都会に思えるでしょうが、アラゴンの者からすれば首都サラゴサの方が格上だったのですよ…。
(連邦世界の叔父チェーザレは父たる教皇の死亡によって後ろ盾を失い、ナバーラに事実上は亡命した歴史があります。で、スペインとナバーラの戦争で命を落とすのですが…痴女皇国世界では罰姦聖母教会教皇として健在ですね)
◇◇◇◇スペイン・フランス国境付近概要図◇◇◇◇
↑フランス王国
/////| トゥールーズ◯ |///
/////| ◯ルルド |///
大西洋側 |◯バイヨンヌ |///
/////|◯ビアリッツ |地中海側
_____|---ピレネー山脈----|_////
◯ビルバオ ↓スペイン王国 |//
◯パンプローナ |//
◯サラゴサ バルセロナ◯|/
で、現在のイザベル朝スペイン王国とでも申し上げるべきスペインの政体ですが、実はがっつりはっきりと民族的…というよりは使用言語で区分できる分断が存在します。
バスク人は第一母国語がバスク語になるのです…。
これが海綿菓子国のようにはっきり国が分かれておれば良いのですが、フランスとの間のいさかいもあって、バスクの地の王権やら支配権、わりとごっちゃごっちゃと絡んでおります。
(良い例が叔父の奥様であるシャルロットおばさまです。スペインからすればナバーラ王国生まれのバスク人ですけど、フランスから見るとバスク系フランス貴族っちゅう括りになるのですよ…)
で、現在の行政区分ですけど、フランス側の領土に編入されてしまっておる北バスク地方、ここをなんとかスペイン側にもらえんやろかとイザベル陛下には交渉して頂いておるところです。
しかし、フランスはフランスでピレネー山脈の水源地が含まれる北バスクを領有したい事情もありますので、最終的にはナバーラ・アラゴン王国としてビルバオからルルドの手前までを認めて、スペインとフランスの二重領土かつ自治州としての扱いで決着するだろうという話ももらっております。
で、バスクにしても、バスク人だけの国を作りたいのはやまやまなれど、今やよそ様とのお付き合いも考えねばならぬ時期に来ておると思うのです、私。
なぜならば、昔ならいざ知らず、この痴女皇国世界でも鉄道やら道路やら、更に車によって広域に物や人が往来するようになったためでもあります。
つまり、バスク人が自治権を欲しがりすぎると、スペインとフランスの国境地帯が元々の領土なわけですから、別の政治体制にすれば人や物の流れを阻害しかねませんし、今やバスク地方だけで自活するには、食料や他の必要物資を領内だけで調達するには困難な状況もあります。
でまぁ、リュネ王国人の淫化における位置付けを参考にさせて頂きながら「バスク人の同窓会みたいな団体を設立して王朝を残し、極力バスク人による自治を認めた地域を作ってもらおう」とか画策しておるわけですよ。
それと、イザベル陛下も実のところは代々続いたイベリア半島の生まれではなく、フランス王家から嫁いで来られた身の上です。
つまり、私もですが、純粋なイスパニアの者ではないのです。
で、以前から暗黒大陸地区本部が近いこともあって、そちらから「いわゆる黒んぼと言われる人々」をお借りすることや、暗黒大陸出身の労働者を中心に受け入れておる状況があります。
これは、実際には相互交流を図ることで地中海を挟んでの様々な取引や付き合いを円滑に行う意図があります。
なにせ、向こうも痴女皇国標準の教育制度や政治体制が整いつつあるわけですから、出身者の知能や文化水準は痴女皇国の間接統治下にある人々のそれになっていっておるわけです。
そして…テアトロ・レアルで淫猥な演し物をかけておる理由。
申し上げるまでもなく、国外の富裕層や貴人を誘引するためです。
もちろん、単に観光させるためだけに誘い込んでいるわけではありません。
更には、比丘尼国の河原者なる浮浪階級者を参考に、流浪の芸人についても東欧行政支局に続いて庇護の意向を見せております。
移動遊園地や曲芸団…更には紙芝居とやらを発展させた活動写真団なる者たちを迎え入れ、庶民の娯楽を提供するとともに、異国文化の一端に触れさせることも積極的に行なっておりますのもお伝えしておきましょう…。
(本来ならフランスが西欧州でこれをやる立場だったんだよね…)
(こういうところの抜け目のなさがイザベルさんらしいというか…海賊共和国はおろか、淫化や女裂振珍、アルゼンチンチンまでの巡業を企画するとか…海綿菓子国も尻出国も巡業を受け入れざるを得ないように主張しやがりましたからね、あの変態どすけべ女王様)
(ベラ子陛下にだけは、陛下にだけは言われとうありませんっ!)
(借金の証文追加。あと、おまとめローンも組ませてもらいまっせ)
(汚いさすがボルジア商会の身内汚いっ)
ええ、支部や支局、行政局の予算はその支部なら支部の独立採算でやっていけるわけではありません。
当然ながら本宮財務局から支部事業に関する交付金を頂かなくてはやっていけぬ支部ばかり。
(やろうと思えば独立採算性を採用することもできますが…)
(マリアヴェッラ陛下、我が主君が本気で独立した国家経営を決意していない時点で、そんな大それた事を考えるまでもないように思えます。何より今は来たる何かに備えて精気蓄積を含め本宮の指示に従うべき。我ら南欧支部はそのためにサド男爵とバタイユ男爵の著作管理のみならず、戯曲上演や記念館運営まで任されたのですから…)
(さすがはイザベル陛下からスペイン総統就任を打診されただけはありますね…例のお尻フェチ記念館の運営も上手くやって頂いておられるようで何よりです。過激な歌劇の上演記念品のエロ下着や記念館入場券の贈呈に関する予算も本宮文教局扱いにしていますので、頑張って観客の汚染処理をお願いしますよ…)
この上演記念品の贈呈というのが曲者なのです。
観客の股間に忍び寄っていた苗床の触手は、なんと観客女性の肉体年齢を十代後半にしてしまうだけでなく、一人卒痴女種女官または男性外観固定の奉仕偽女種に変質させる聖水と同等効果を発揮する駄洒落菌変種を注入するのです。
そして終劇の後で客席に推参する女官や偽女種たち、単に観客と姦淫するだけでなく、身体が変わっていることを担当する観客たちに告げ、下着だけでも着替えた方がと、全裸に剥いてから聖環機能で助平下着への強制更衣を仕掛けて行くのです…。
(しかしイザベルさん、指導偽女種をこのように使うとは…叔父や教皇庁に掛け合って罰姦聖母教会でも指導偽女種を認めさせた甲斐がありましたよ。まさかマドリードの夜と下半身ガイドを兼ねて偽女種をホスト役に使うとは…ふふふ)
(ですから劇場の観劇料も高め設定にせざるを得なかったのですわよ…ただ、アシは出ております、あれでも…)
(まぁまぁ、サド男爵文学館やバタイユ男爵記念館の関連費用と併せて文教局他に支援予算を拠出させましたし、その辺は無用に債務を増やすことがないように図ってますから…)
(ちょうけしをお願いいたしたいところですけど…いえ、これはアウグスティーナがスペイン総統とやらに就任した際のせいじ的不安を消しておいてやりたいからですわ…)
(しかし、大丈夫ですか…連邦世界のETAのような組織を作らせるなんて…)
(ふふふふふ、そのために色々画策したのですわよ…純粋なイスパニア人の国にしてしまっては、そもそも出自がフランスのわたくしがやりにくい訳でもありますし…)
そう、イザベル陛下自身の統治を円滑にするためにも、貴族階級の骨抜きやバスク人に黒人といった外国人扱いの者たちと、元来のイスパニア人との違いを無くしていく政策を水面下で推進していたのです。
そして、フランスで迫害された問題作家たちを庇護し、その著作を保護することで「スペインには言論や著述の自由がある」と印象を与える構想をお持ちです。
一見すると総統なる独裁者階級の創設や、夜間外出禁止令と矛盾しているように思えるこの政策ですが、実はサド侯爵と、何よりバタイユ伯爵の著作を痴女皇国として最大限に利用して、スペインの統治に活用しろという指示が下ったがため。
で。
男爵というのは、実は亡命したジョルジュとサド侯爵に対して、スペイン王たるイザベル陛下が新たに授けたイスパニアの爵位なのです。
フランスではその不適切な著作や行状が災いして、敢えて爵位を完全剥奪せずに降格したとされていますが。
(サド侯爵を男爵に降格したのと同様、貴族にあるまじき犯罪を犯したということで、赦免特権が適用されるどころか、より罪が重くなるように計らわれたと伺いましたが)
(で、敢えてその問題性を人の噂に上がらせるために痴女皇国としても、侯爵の復権は敢えてフランスに強く働きかけない方向でルイ16世陛下と合意なさったということですわね。私としても、バタイユ氏がフランスでは依然お尋ね者である方が都合がよいというもの)
そして、その尻にこだわる趣味を最大限に活かした絵画や彫像など、その著作を補完する展示物を飾っておるのがマドリード市内、それも王宮の目と鼻の先にあるテアトロ・レアルの北側の一角に設けられた「Museo Literario Bataille Sade(バタイユ・サド文学記念館)」なのです…。
このうちバタイユ記念館はビアリッツのアングレット修道院側に所在するオーシュ卿記念館の分館という位置付けですが、尻彫刻やら尻絵画に、オーシュ卿が好んだ猥褻衣装などが展示されております。
そればかりか、ですね。
ジョルジュの提案を聞きつけたイザベル陛下がマリアリーゼ陛下に上申に及んだところ、即座の快諾を得て実行されたことがあります。
それは、バイヨンヌからルルド、そして旧・アラゴン~ナバーラ一帯はもちろん、サンティアゴ・ディ・コンポステーラ以外のスペイン本土内聖母教会での専用聖母像への置き換え。
なんと、ベラ子陛下が自慢の美尻を突き出し振り向いている像にされていっておるのです。
そして、聖水授与者はベラ子陛下像の開いた両脚の間に仰向けになり、下向きになったラスプーチンちんから出る聖水を顔に拝浴する体裁となったのです…。
ですので、仮にアルムデナならアルムデナ大聖堂に入り、正面奥の内陣や聖像壇の方に見える聖母像、参拝者に向かって尻を突き出した状態で設置されておるのですよ…。
そして洗礼式に臨む者、本来の作法としては聖母像の尻穴に接吻し、その逸物を咥えて絶頂しながら聖水を受けるのが本式であるとなりました…ええ、二代目聖母様ご本人の心境や意向は無視されました、無視。
(好評なら罰姦の聖母像、サンティアゴ・ディ・コンポステーラのホタテウーマン水着聖母像以外は全これにしようと思うんだ…痛ぇっ痛ぇ痛ぇ痛ぇ痛ぇ!)
(その痛みはあたしの悲しみです。あと、今のはりせんはあたしがマリアねーさんをしばきたい感情もありましたけど、物理的に姉を殴るつもりはありませんでした。つまり、毎度毎度ですけどね、アレーゼおばさまによるあたしの意志の代弁ですよ)
で、イザベル陛下としては敢えての国民への服装規制を定めましたが、一方で、このようにもお決めになったのです。
・服装規制が存在するのは都市部だけ
・農村地帯や浜辺などでは従来と同じ、お尻食い込み服着用推奨
・都市部でも日没から翌日朝9時の鐘が鳴るまでは服装既定停止
・強姦公園では日中の強姦可能・禁止指定に関わらず服装を理由とした処罰は免除
つまり…ですね。
(夜に限っては変態どもが露出趣味を満喫できるように計らうてやったのです。あと農村や漁村で働くものたちや、保養地では客も働く者もリベルテであるのがよろしいでしょう)
そして、強姦公園の指定を受けた場所では浮浪者少年はちんぽを見せて暮らしてもよいとされたのです。
むしろ、日中の強姦が禁じられる大半の強姦公園において、訪問した女たちを誘うためにはちんぽを見せつける必要があります。
人によっては差し入れを手にした女たちは、浮浪児に食事や小銭を恵むかわりに、その隆々と勃起した若い野獣のようなちんぽを差し出させるのです…。
更には、その助平褌が食い込んだ尻穴を見せつけ、こちらでのお楽しみもあるよと猥褻な四つん這いになったりしておる、狂った光景すら。
昼間の強姦公園ですらこれですから、夜のマドリードはいかばかりか。
その、夜のマドリードに観劇のあとで発情した観客を解き放つのですよ…しかも、先ほども申しましたけど、苗床から伸ばされた触手によって男女ともに身体の外観年齢を若返らせ、更には上玉の娼婦や偽女種の少年形態時に調整しております。
で、オリエンテ宮殿内の呼称では「バタイユ尻フェチ文学館」としても通っている記念館が建つ一角、王立衣装館なるしょっぴんぐもーるとやらになっており、国内の著名な仕立て屋がブティークを出しておるのです。
ここ…変態食い込み衣装を仕立てる店ばかりなのです…。
いわゆる「じょおうさまとおよび」系だの、「ひもみずぎせんもん」だの、あげく下着類だけでなく透け透けだの丈が短いにもほどがある淫売用だの。
むろん、女のためだけでなく、偽女種や男のための変態下着類他も充実しとります。
ええ、アレマニア…ドイツの連中が大喜びするはずですよ…。
男女用の尻穴他の責め具やら、拘束具などのえすえむぐっずとか、本来はご禁制のはずの自慰器具、それも男用までもがしれっと売られておるのですから…。
そう、サド男爵の遺志を継いだバタイユ男爵が尻へのこだわりを見せたえろほんを作る際に使ったことごとく、ここで売られているということになっとるのです…。
(ふふふふふ、アレマンどもがマドリードで覚えた変態行為や器物を本国に持ち帰って広めれば重畳の極み…ただ変態どもの跳梁跋扈を許すのではなく、より精気を搾り取れる行為に邁進させるのですわよ…)
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる