闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

すずめのおやど

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尻球譚 -変態男爵の話 Histoire de fesses.- baron pervers -・12.00

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でまぁ、この演劇。

申し上げるまでもありませんが、子供には到底、見せられぬ内容の代物です。

更に申し上げますと、大の大人でも見せる対象を選ぶ内容であると思えるのです。

しかし、我が主君たるイザベル陛下。

上演を許可するどころか、本国と連携の上で著者を保護しました。

そしてバタイユはともかく、奉仕偽女種・懲罰偽女種特有の性交によって発生する副症状…自己発火によって死亡の憂き目に遭ったサドについては、その著作権版権から印税に至るまでを管理する知財管理財団を設立しておしまいに。

(そもそもサド侯爵の著作は痴女皇国の息のかかった版元から出版されておったのですし、発禁ものの内容ということで原稿の保有や管理、シルヴィア夫人も含めて親族の一切に拒否されたしろもの。本人が死亡したからと言って権利関係は簡単に相続できないように法的措置を講じておりますし、だいいち発禁ものの内容ですからねぇ…私ども以外の誰があんな危険極まりない内容の原稿、手元に置いて管理できるのやら…)

そう、それなりに非常な話題作という事で、サド男爵の死亡後、間を置かず、金に目が眩んだ虫が何匹も寄って来たようなのですよ。

(ちなみに海賊版として出版しようとしたがおりましたが、そもそも各国で発禁になっとるのを全く忘れておったようで、取次先に通報されて片端から御用にされとりますわねっ)

ああ、なんて事なのでしょう。

悪党が、更に上手の悪党にしてやられてしまう絵図を垣間見た気がするのですけど。

(アウグスティーナ…私を悪党呼ばわりするのはちょっとその…)

(マリアヴェッラ陛下は変態エロ女王とか口舌を尽くして陛下を誹謗しておられましたが、あれに比べれば悪党の方がむしろ、陛下の手腕を称賛する称号のようにすら思えます…)

(私を褒めるのか貶すのか、どちらかに…)

で、こういうやりとりの間にも、上演開始の音が場内に響き渡り、照明が消されるか薄暗くなってしまいます。

「普通はこういう演劇、開演初日には舞台挨拶とかあるのでは…」

「危険な内容の演劇であるが故に、女優は皆、匿名だと言われとるのです…」

何がどう、危険なのか。

アントワネット妃いわく。

(私と多少の交流があった思想家のルソーですが、作曲など高尚な趣味も持っておったのが判明しております。しかし、しかし…)

えーと、革命派の思想的な拠り所でもあった思想書の著者たるジャン・ジャック・ルソーとかいう男ですが。

下半身露出の性癖持ちであり、事もあろうに男連れの女にすらちんぽを見せつけて捕まった前科すら存在するそうです。

そして、この一件はルソーの晩年…革命未遂事件の直前にも発生しておったそうです。

あのルソーが変態であった事が暴露されただけではなく、その変態行為と行状について「尼僧エドワルダ」の作中で大いに言及され、フランスの大衆に広く晒されたも同然の結果となってしまったのです。

幸いなことにルソーは長年、年上の婦人と同棲関係にありましたが、思想家への道を歩むためにこの婦人と別れておりました。

すなわち、残された遺族への被害は最小限で済んだのが救いですが…。

(窃盗や強姦、児童遺棄はもちろん、ロリヤ事案すら引き起こしかけてるわね…)

(いくら痴女皇国でも庇えないレベル…ルソー氏存命中のフランスが痴女皇国の完全支配下ではなかったこと、感謝して頂くべきでは…)
https://x.com/725578cc/status/1817404982116921476
https://x.com/725578cc/status/1817408524760326365

ええ、こうした一連の行為が事実であることを暴露された結果、革命派への風当たりは以前にも増して強くなり、もはや革命を言い出すものについては身の潔白をノートルダム寺院、すなわち聖母教会で証明してもらえとかちまたで言われる始末。

(ロベスピエールが女を買っておったのも暴露されましたわね…)

(しかもあれ、ルソー氏の変態露出行為を過激化させたのと同じで、シモーヌがそそのかしてましたね…)

ええそうです。

この戯曲版「尼僧エドワルダ」をわっざわざ、このマドリードで上演する理由。

ヴァロワ王家の出であるイザベル陛下が、今後はブルボン王家とフランスを後見して革命のかの字も言い出せないようにしてしまうためなのです。

(ただ、フランスの支部化についてはちょっと待てと物言いがついておりましてよ。アントワネット妃とルイ16世陛下については隠居の方向で話が進んでおり、テレーズ王女の支部長就任を実現すべく関係者が奔走しとるとか)

(うちの叔母…シャルロットおばさまをノートルダムの長にするのも、他ならぬルイーサちゃんが嫌がってまして…)

(ルイーサです。筆頭枢機卿かつ副教皇の地位に賭けてでも、うちの母親にノートルダム…つまりフランス国内の聖母教会の長の位を与えるのはやめとくべきと強固に断言しますっ。せめてモンマルトル・サクレクレールの長で妥協してもらえまへんか…父も嫌がってますよ…)

(ルイーサちゃん…なら代替人事を考えるのです…確かにシャルロットおばさまは問題児ですが、フランスに送り込める適材が今んとこ、おばさまなのです…覆したいならチェーザレおじさま他と協議して代わりを指名するのです…)

(ううううう、べらこおばさまの鬼ぃいいいいいいいい)

ええ、なまじマリアヴェッラ陛下の血縁が罰姦教皇庁上層部なだけに、余計に揉めとるのです。

(アウグスティーナさん…シャルロットおばさま、ナバーラの出なのを忘れないように…アウグスティーナさんをフランスに赴任させる手もありますからね…)

(へーか。あたくしの隠居の話を全力で阻止する気ですか)

(それが嫌ならフランス聖母教会の安定、後見支部として協力するのですっ)

(ただでもアウグスティーナの後継で悩んどるのにぃっ)

(アナベルさんあたりどうなんですか)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/213/

(あきまへん。あれを本国戻しにすると、灸場にティアラを張り付ける話となりましてよ…)

(もともとティアラちゃんは灸場張り付けのようなものですからねぇ…いまさらという気もしますけど)

(ティアラがリンクとくっついた以降、ベラ子陛下が態度急転して冷とうなったという意見が)

(臣下は公平に見るべしを実践したまでなのですぅっ)

うちの陛下とベラ子陛下の仲の良さはともかくとして、開演ですよ開演。

とりあえず、王族貴賓席2階の王賓席に出て、開演前の挨拶をなさる必要がありますよ、陛下。

「皆、此度はテアトロ・レアル改装記念のこけら落とし公演に参集頂き感謝の極み。そしてこの記念すべき公演の演目として、オーシュ卿ことバタイユ男爵の戯曲、そしてこのマドリードで物故となった悲運の異端作家たるサドを巡る物語…二人の変態男爵についてのお話を演じる運びとなったことは欣快きんかいの極みと申せましょう」

ええ、のっけからなんちゅう挨拶なのでしょうか。

しかし、スペインにとってフランス王国、どちらかと言えばあまり力を持ち過ぎて欲しくはない相手なのです。

そしてフランス王国の後見支部となった南欧支部としては、フランスの売春事業を発展させたい方向なのです。

ですから、フランス人=アレマナどいつじんとはまた違う種類の好色変態であるという印象を各国に植え付けたいのです、イザベル陛下は。

(うちの国に買春旅行はまだしも、これ以上、変態に押し寄せられては)

(それでエマネちゃんとフランシスカさんの子種、サルスエラで貰い受けて即成栽培させたんですか…あれ、バタイユくんの子種でしょ…)

(ほほほほほ、かくとうぎの鬼でありバスク人のフランシスカ局長でしょ、それにエマネ副局長も故郷のリュネでは剣豪の棟梁だったといわれるではありませんか…)

純粋なイスパニア人ちゃうやん、という意見も出そうですが、実は私もバスクの者ですよ。

それに、南欧支部は何かあれば暗黒大陸支部の幹部騎士にお越し頂いて臨時の長をお願いする体制を組んでおりますが、実はこれが人種偏見を和らげるための政策でもあります。

というのも、船で1時間の距離にある暗黒大陸行政本部。

ここから人を借りると、ものすごく高い確率で色黒の方々がお越しになるのです。

イザベル陛下も私も、事ある事に黒んぼ黒んぼと蔑称を口走っておりますが、言い換えれば肌黒の方々のちんぽがそれだけ凶器であるということ。

逆に向こうでは我々を白んぼとか白豚とか言ってますけど、要は適度な相互差別で姦淫を盛り上げるための措置なのです。

(でなければサミラ団長やマリカ団長、快く婦人騎士団の臨時の長に迎えませんわよ…)

それはともかく、イザベル陛下の開演挨拶を受けて、いよいよ前座演劇たる「尼僧エドワルダ」が始まります。

『パリ、そしてフランスを揺るがす発禁小説を度重ねて発表した罪に問われたサド侯爵とオーシュ卿ことバタイユ伯爵でありましたが、このマドリードを経てバスクの地に逃れ、更には再度の文筆界復帰と爵位回復を目指し、サド男爵とバタイユ男爵はパリに戻り身を潜めたのです…しかし、いかな神罰か、二人のいちもつは力を無くして地を向いたまま…』

で、語り手が冒頭のなれーしょんを始めますが…この声、ルネ夫人ではないですか…。

で、舞台に現れた男装の偽女種というややこしい立場の、サド卿とバタイユ卿役。

(あれ、シルヴィアとサド男爵の息子たちですよ…)と、私の隣で仏頂面して言うのは、他ならぬジョルジュ…バタイユ男爵です。

『おお、サド卿…いかがしたものでしょうか…』

『オーシュ卿…おれにもわからぬ…くなる上は、ノートルダムの聖母教会の尼どもの厄介にならざるを得ないのか…神や聖母のふぜいを信じず、涜神と世間を冒涜し女どもを地に這わせる欲望でペンを取って参ったこのおれが、尼に頭を下げるなぞ金輪際まっぴらごめんだというに…』

『しかし侯爵さま、この不能の病をなんとかせねば、我らは印字機に向かおうとも、あるいは以前のようにペンを取ろうとも、今や前の如く、水を流すようにさくさくと文を綴れぬ身の上でしょう…ここは恥を忍んででも…』

その時、舞台に現れるサド夫人役。

『貴方…そしてヴァタイユ卿、これは聖母教会の者が届けた文。そして使いの者曰く、お悩みであればこの便りの通りになさること。さすれば以前のごとく、泉から湧き出るがごとく執筆も可能となるでしょうとの伝え事をして行きよりましたわ…』

ええ、ルネ夫人役、なんと本人なのです。

『おお、我が夫たるジョルジュ…その文には何と書いておるのでしょうか…』

で。

バタイユ夫人たるシルヴィア夫人役。

シモーヌがやっとります。

ええ、シモーヌなのです、あのシモーヌがシルヴィア夫人の役で、舞台に上がっておるのです。

『なになに、何日何時の夜、聖母の奇跡によって雨の降る夜にヴァンセンヌ娯楽館を訪ねるべし、他にお二方の逸物、女を犯す力を取り戻す道はなし…S.E.…バタイユ卿いやさジョルジュ、この手紙の書き手たるや、もしや…』

『まさか、我らを呼ぶは、行方知れずとなったシモーヌでは…』

『ともかくも、指定された日時に赴くしかあるまい…誰が我らを呼びつけたのかはその時、明白となるであろう…』

そして舞台は一旦暗くなり、大道具が組み替えられてヴァンセンヌの館とおぼしき舞台美術に照明が当たります。

『変装の意味もあるから偽女種となりて来いとあったが、落ち着かぬな…』

『侯爵どの、今少しのしんぼう…全てはこの夜に明らかとなりましょうぞ…』

まぁ、実際のやり取りよりは演劇的らしいのですが、とにかく二人のが中庭に案内されるらしき演技のあと。

『ほほほほほ、待ち焦がれたわジョルジュ…それにサド様!このシモーヌ・エドワルダは聖母教会尼僧の地位を得てパリに戻れましたのよ!』

ええ、尼服姿のシモーヌ役ですがね。

これまた仰天の配役。

(しししししししシルヴィア…なんでお前がシモーヌ役を…)

ええ、ジョルジュにはこの配役、全ては教えられとりませんでした。

そして、罰姦聖母教会司祭服まんまの姿のシルヴィア夫人、いえ未亡人ですが、その尼僧服の見た目を変えると、なんと舞台の上でオイララばすくごでちんぽ、いえポーリャすぺいんごでちんぽをひけらかすのです。

『ふふふふふ、マルセル…サド男爵さまにそのCoqふらんすごでちんぽをくわえてもらうのよ…ええジョルジュ、あんたも女騎士団長さまのちんぽくわえておたのしみだったそうじゃない…あたしのちんぽにごほうしするのよっ』

なんたる事か。

サド男爵役とはいえ、実の息子に己のいちもつを咥えさせるシルヴィア。

いくら元来の戯曲にこの場面が書かれておるとはいえど、こんなことを舞台の上で…それも観客で満員の王立劇場の舞台でやらせてよいものなのでしょうか、はい、イザベル陛下っ。

(むしろ、ロントモンに代わって座長となったルネ夫人には積極的に屑どもの屑たる演技や演出を脚色せよと、あたくし自らがけしかけておりましてよ)

ええ。

この王立劇場のヤーヴェアオーナーたるイザベル陛下の勅言での許可が出ておりました。

更には、マルセル…本当のあの夜のヴァンセンヌにはおらぬはずですが、これは演劇のための脚色演出として、シモーヌの悪事の片棒担ぎを引き続き、務めているという配役だそうです。

で、これまたマルセル本人が演技中。

では、邪魔烏賊の青満ぶるーまんこ子山うんてんに所在する、我がアラゴン家にイザベル陛下から直々に賜った、超高級とされる珈琲淫農園。

あれの面倒、誰が見ておるのか。

現地で黒人の精気奴隷偽女種少年に孕まされたマルセル、その娘を荘園総督代行として充当しておるのです。

そしてお尋ね者でもあるマルセル、その国際的罪人の贖宥めんざいのために、元来は河原者じぷしーにのみ出される芸人免状、罰姦聖母教会から授かったのです…。

(あれ、売春許可証でもあるのですよね…)

(更には初級以上の強姦検定受講証明でもありますから…)

ええ、新生ロントモン一座の座員は全て、痴女種か偽女種とされたのです…。

そして、罰姦聖母教会の芸人認定を受けた以上は、その身分や立場は保証してもらえるのです。

更には、フランスで突きつけられた罪状と、聖母教会の宗教審判の結果は全く別物やでとばかりに、座員はなんらかの罰姦の尼僧資格をそのまま剥奪されずに持っているか、はたまた新規で尼僧研修を受けさせられた者ばかりになったのです…。

そして、淫らな音がことさらに響くようにされただけではありません。

この劇場の観客席を埋める者の大半、女です。

更には、入場の時点で聖環はもちろん、淫蟲下着または助平褌の着用を点検されます。

それどころか。

シモーヌ役のシルヴィア未亡人と、マルセル役の本人がシルヴィアとサド男爵との間に作った遺児、二人。

その二人の奉仕偽女種かつで男装している息子たちの快感と射精の瞬間の絶頂、全ての観客が共有するのです。

しかも、何やら気色悪い触手が、いつの間にか観客全員の股間に忍び寄り、逸物を咥え込むか、はたまた女陰や尻穴に侵入するありさま。

(くくく…コンスタンチノープルとモスクワに続いて、欧州地区第三弾となるそうですわね、このマドリードはカンポ・デ・モーロ地下の苗床とやら…)
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