329 / 391
尻球譚 -変態男爵の話 Histoire de fesses.- baron pervers -・11.99
しおりを挟む
Kaixo guztioi.
(皆様こんにちわ)
Nire izena Agustina de Aragon da, Maiestatearen zalduna.
(女王陛下の騎士、アウグスティーナ・ド・アラゴンと申します)
Lehen aldia da narratzaile papera egin ahal izango dudana.
(今回初めて、語り手の役を頂ける模様)
Tira, Madriletik bidaliko dizut...
(では、マドリードよりお送り申し上げます…)
---------------------------------------
マドリード市内に所在する、スペイン王国(=痴女皇国南欧支部)の行政宮殿たる、オリエンテ宮殿。
その南側に位置する罰姦聖母教会・アルムデナ大聖堂ともども南欧支部の行政の一大拠点を形成する一帯でありますが、オリエンテ宮殿の東側は今やスペイン国民にとって馴染み深い名所がふたつ、存在することになりました。
一つは、王立闘牛場。
(王宮周辺の庭園や公園…つまりは王立闘牛場の前を含むのですが、軒並み強姦公園の指定を受けていて、ヴィオラシオンと覗きの名所となっておるのですが)
(スペイン国王として、強姦公園をわが国の名所として勘定するには私の感情が許さないのです…)
/////|プリンシペ・ピオ駅
/////|(地下↑)
/////|オリエンテ|カポノバル|
カンポ//| |庭園//|
デルモーロ|宮殿 |◆///|
王宮庭園/| オリエンテ広場 |テアトロ|
(強姦公園◆| オリエンテ広場 |レアル |
の指定あり)|アルムデナ|レバント/|
/////|大聖堂 |庭園//||王 立|
/////|修道院 |◆///||闘牛場|
そして王立闘牛場のすぐ北側に並び、オリエンテ宮殿とは広場や公園を挟んで隣り合う形となる王立劇場たるテアトロ・レアル。
平屋の観客席に加えて5層式バルコニー形の桟敷席を擁する本格的オペラ劇場との触れ込みですけどね。
舞台を挟んで正面に位置する、一際大きな区切りたる王族観覧席。
一種の個室になっております。
そして、2階部分が通常の王賓席…普通に過激、いえ歌劇や楽曲を鑑賞するため、あるいは来賓を接待するための席です。
(演目に過激な変態エロ歌劇が存在するから歌劇ではなく過激でも誤字ではないと思うのです…)
https://x.com/725578cc/status/1816838230647669015
(そう思うのはベラ子陛下の脳内だけにしておいてくださいましっ)
(イザベルさん…そもそも国立闘牛場で姦淫闘牛する際の貴賓観覧席と同じ仕様で作ってと依頼されたのはどこのエロ女王か、申請書を見せましょうか…)
ええ、その貴賓観覧席の3階席部分…ガラス張りの個室席が問題なのです。
私は今、そこにおります。
ええ、イザベル陛下の護衛名目です。
そしてですね、このテアトロ・レアルに来るからには、いうまでもなく観劇のために来ております。
「ふふふ…ジョルジュ・バタイユ男爵執筆脚本の二本建て上演初日ですからね…」
ええ、本日の演目は「尼僧エドワルダ」「サド男爵夫人」の題名がついた戯曲の劇演。
そして演じるは、スペイン王室が召し抱えることとなった、過日のビアリッツでの公演で遭遇したロントモン一座。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/326/
実はこの一座のロントモン座長、その資金調達や公演場所の交渉役…皆様にわかりやすく申し上げますとぷろでゅーさー役であった自称カリオストロ伯爵も巻き込まれた「首飾り事件」詐欺に絡んでお縄になってしまったのです。
罪名は、イザベル陛下在位記念白金硬貨の偽物保有。
硬貨それ自体は非常に精巧に鋳造されており、本物とは0.1mmと違わぬ寸法精度だったそうですが、肝心の材料が「銀」で出来ていたために、精密重量計で測定したところ、一瞬で偽物であると発覚。
更には、本物の白金硬貨との違い…銀は硫黄成分を含む温泉の湯で変色する性質があるのです…によって動かぬ証拠を突きつけられたばかりではありません。
入手経路についての取り調べ過程で、フランスとスペインにまたがる演劇団を隠れ蓑にした「痴女皇国や聖母教会に断りなく営まれた売春組織の運営」が発覚して罰姦教皇庁主催の宗教裁判にかけられることになってしまったのです、カリオストロ伯とロントモン座長…。
むろん、二人は猛烈に抗弁しましたが、そもそも聖母教会の布教域で断りなく売春組織をやっていた事自体を宗教犯罪に問われております。
「否認するのは勝手だが、その場合はフランス病または女に変わる病に罹患してもらう」と申し渡されております。
そして、この宗教裁判。
スペインはもちろん、フランス…いえ、欧州全域でも中継されました。
そして、東方聖母教会全地総主教と罰姦聖母教会教皇だけでなく、慈母寺大僧正と比丘尼国慈母宗宗務庁座長が勢揃いして「この宗教裁判に文句がある場合は遠慮なく抗議してよし。ただし、抗議を入れた者とその国の民は残らず女か偽女種に変わる天罰ないし仏罰を受けるだろう。さもなくば、男どもの逸物は子供を成す力を失うであろう」と宣言したのです…。
つまりは、今後、聖母教会または慈母宗…すなわち痴女皇国に逆らえば、その国家や民族含めて断種される。
それで良ければ反旗を翻すがいいという宣言、出されたのです…。
ただし、この決定からほぼ唯一、逃れられる可能性がある国家が存在します。
そう…大英帝国です。
ただ、英国国教会総主教は「うちの国が痴女皇国とがっつり提携しとるのを忘れんようにな(意訳)」という公式談話を出しております。
で。
当のフランス王国でも、この宣言に反発する者は確かにおりました。
革命を企画していた連中です。
しかし、フランス革命派と言われる者たちはこの宣言によって、事実上は後ろ盾を失ったも、同然。
つまり、本来は貴族やブルボン王家の浪費やら贅沢、そして重税をダシにして小麦戦争再びを企画していたのが、当の弾圧されているべき庶民…特に農民が聖母教会の庇護や支援で生活苦をカイゼンされているのに苦情を言えなくなったからです。
「なんでお前らが勝手にうちの国の国民助けてるの」
こういう意見を出せなくなったばかりか、こうした聖母教会を非難する意見を発表した場合、フランス国家憲兵が取り締らずとも、その者は勝手に行方不明になってしまう事例が頻発してしまったのです。
なにせ、聖母教会に行けばおめこにありつける上に、体を治療するどころか若返らせてもらえるのです。
フランス王国の大多数を占める農夫層にとっては、これ以上の実利はないでしょう。
しかも、フランス王室と政府が国家徴税請負人として罰姦聖母教会を指名したおかげで、農産物は納税の手間を省かれ買い取ってもらえるのですから。
(昔のロレーヌだと徴税請負人を追い返すとか領主の軍勢追い払うとか、とんでもない事をしてたそうですけど…)
(それ以前にまず、徴税請負人というものを説明しておきませんと、どくしゃのみなさまになにをいうておるのか、理解してもらえませんわよ…)
(と、セニョーラ・マリアンヌに言われたのですが陛下)
(はいはいっ。わたくし一応スペイン王国の女王ですが、実家のやっとった事なんで一応は説明しときます…まず、ちょっと前のフランスでは二重三重の多重課税…農民の家だの土地だの家族だのと、産物税は取るわ資産税は取るわ人頭税は取るわと、どこかで聞いたような話がございました。そして徴税役人の失敗や事務仕事のみす、更には癒着や脱税幇助など、徴税に関する失政が問題になっとったのです。で、たまりかねた王家は「民間から徴税請負者を募り、徴税代行権を有償で貸与したのですわっ)
つまり、役人が信用ならんとばかりに徴税を代行する者を募られたと…。
(で、その徴税公募制度ですけど、マダム・マリアンヌのところは聖母教会が徴税しておりましたわよね、うち同様。あれをフランス全土でやってよし、いえ、やって欲しいとブルボン王家と政府が依頼したのですわよ…)
(まぁ、国内の土地を徴発国有化したいっちゅう意図があって敢えて農地税と資産税については重い税率敷いてましたけどねっ、うち…)
つまり、納税の計算を省くために、国民の生活に必要なものは支給するが、生産品…特に農産物は全て徴用するという「南洋王国方式」でやっているのが現在のロレーヌ公国。
この方式は痴女皇国が直接あるいは間接統治している他の国にも広まっており、淫化帝国と明日輝・魔屋王国…女裂振珍帝国が特に積極的に実施しております。
(ぶっちゃけ淫化って6公4民とか欧州基準でも無茶な税制敷いてましたからね…)
(しかも収穫物いったん全部召し上げとかおっそろしい事を…)
しかし、裏では国民1人1人の収入やら納税額やらが全て計算されております。
しかも、表立っては民衆の生活に必要な食糧や物品は言えば貰えるか、あるいは教会…淫化の場合は太陽神殿で毎食を調理してくれるのでそれを食べればよいとなっております。
それと、この方式では絶対に必要となるのが、支給品の物流。
与えるべきを与えられないと、この方式では容易に破綻し、人心を失うでしょう。
「ダンケ号などを有している痴女皇国でないと無理ですよね…」
「つまり、設備や人員を有する痴女皇国ならまだしも、この時代の大体の国だと取りっぱぐれや取りすぎが当たり前になってたのですわよ、極端な話…で、役人の計算能力にもバラつきやムラがあったのに怒ったある代のご先祖様がですね、塩を中心に「徴税権を売り出した」のですわ…」
なんじゃそれ、と思いましたが、要は役人に代わって税金を取り立てる者を募集したのです。
そして、公募で選ばれた徴税人は、納税見込み額を王に納めます。
で、そのぶんを今度は製塩業者や農家から徴収するわけです。
しかし、これとて結局は「財政に苦しむ王室や政府が多重課税に走れば」本来の意図とかけ離れた重税を敷いてしまうことになります。
(天災や不作で見込み税収額が狂うとか、ふっつーにありましたからね…)
(痴女皇国の手が入ると、その辺は劇的にカイゼンされますし…)
で、なんで税金の話になったのやら。
「ふふん、国民に見せる歌劇演目の一つもなくば、蛮族扱いされるのみでしてよ…アウグスティーナも、それはお分かりですわね…」
ええ。
ロントモン一座の接収により、逆にスペイン演劇界の充実が図られた結果、こちらの劇作家の書いた戯曲、なんとパリのガルニエ宮…オペラ・ガルニエで上演する運びもついたのです。
(つまり、オペラ座としてみなさまにも知られる建物で、逆にうち発の戯曲を演じることにもなっとるのですわ…)
ですが、重税に喘ぎ苦しむフランスの民衆に、高価な入場料をふんだくる歌劇場に通えと言っても無理な話。
イザベル陛下曰く「オペラ・ガルニエの個室席を年間借り切るのが貴族の嗜みとか、無駄な出費ばかりやっとるから財政難に陥るのですわよ…」
ええ、かつてのマダム・サド…ルネ夫人に言わせると「サド家も価値のあるかどうかわからない絵画や彫刻などの芸術品を無駄に買い漁り、財政難に喘いでいた」のだそうです。
では、スペイン王国…南欧支部の貴族たちはどうであったのか。
(連邦世界だと世界三大銀山から得られた莫大な銀を浪費しまくってたけど…痴女皇国世界だと早くから介入したからなぁ)
(いい加減借金の積み増し上乗せはやめて頂きたいのですが)
(王立闘牛場だけならまだしもテアトロ・レアルの建設資金をおねだりするから証文がまた1枚となるのです…自業自得ですよっ)
(でもテアトロ・レアルはマダム・マサミとマリアリーゼ陛下から作れ作れぜひ作れって言われたのですわよ!)
まぁ、やいのやいのと言い合いしておられる本宮幹部の皆様と、うちの主君はともかくとしましょう。
実は…スペインの貴族家、徐々に徐々にとその力を削がれてはいるのです。
しかし、貴族の力を一度に削いでしまうのは弊害もまた多い話ではあります。
そこで、貴族を代替する地方統治の仕組みを導入するためにも、スペインでは様々な取り組みを重ねて来ました。
聖母教会網の建設はもちろん、道路・鉄道・水道といった施設設備の導入。
そして聖母教会をあちこちに作るということは、取りも直さず「国民への教育が進んで行く」事を意味しました。
ある意味では、貴族の持つ一種の優越特権と言えた教育。
この教育を、庶民が受けられるようにした聖母教会の統治が、どれほどに革新的であったか。
文字が読めるということは、えろほんだけが読める対象ではなくなるのです。
そして…えろほん自販機を量産し、聖母教会や主要施設の側に何台も設置できる痴女皇国の未来技術が、この時代に適合させた活版印刷機を製造し、市中に流通させる事を苦労する訳がありません。
更には、南米や北方帝国から送り込まれる木材は、建材はもちろん、石炭や鯨油の代わりの燃料にされるだけではありませんでした。
なんと、砕かれた木々を機械に通して処理する工場に持ち込みますと、まばゆく輝かんばかりの白い紙にも化けるのです。
…すなわち、紙を量産できるならば、本も大量に刷れる事になるでしょう。
ええ、本が大量かつ廉価に生産できること…すなわち庶民、特に農夫たちには縁がないはずだった文学的な単語や言い回しも、彼らが手を伸ばせば届くところまで降りてくることを意味していました。
この状況を受けて、スペイン王国では貴族を揶揄する戯曲「セビリアの色事師と石の客」や「ラ・マンチャの男」を出版し、かつ国立劇場だけでなく地方を巡る巡業劇団の演目としても推奨したのです。
前者は…皆様にわかりやすく申しますと、女たらしの好色貴族「ドン・ファン」の物語。
そして後者は、いわゆる「ドン・キホーテ」の話であると言えば通じると言われました。
つまり、俺たちが汗水垂らして鍬や鋤や鎌を振るってる時に色男は女遊びざんまいどころか、気に入った女の父親すら刃にかけるような理不尽な存在であるか、さもなくば老人ボケして時代遅れの価値観を振り回すような石頭であると、物笑いのたねにしたのです。
(プロゴンザの話も戯曲化されたんですわよねぇ…あれも言うなれば、遠回しに仕官の道が厳しいのを伝える内容ですし…)
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/157/
つまり、かつては異端貴族たるヴラド3世公の評判を地に堕とすため、他の貴族が仕掛けた宣伝戦争に使われた印刷技術、今度は貴族全体に対する必殺の鉄砲弾として向けられたようなもの。
「本当に革命派も賢いようで馬鹿ばっかりで…」
「痴女皇国と手を結ぶどころか敵対した時点で、あほうの烙印を押して良いでしょうね…」
ええ、次に揶揄されたのは…いわゆる、頭でっかちのインテリたち。
そう「尼僧エドワルダ」の戯曲版では、痴女皇国の尼僧の地位を悪用した好色な淫蕩女が罪の限りを尽くす姿と、そして淫乱な女に翻弄されるインテリ連中の末路を描いたのです。
では、今日の演目の目玉たる「サド男爵夫人」とは。
それは、貴族の見栄や体面や面子に振り回され、望まぬ婚姻の挙句、変態亭主の所業に振り回される貞淑妻の悲劇を、ある意味では喜劇化してしまったようなもの。
その戯曲の中では直接の描写はありませんが、お堅いインテリたちがサド男爵の著作を巡って毀誉褒貶賛否両論となり、世間の混乱に拍車をかけているのが言及されております。
そして、この戯曲、実は発表当時から物議を醸していたのです。
で、パリの街の雀たちいわく。
「ルネ夫人はさっさと離婚すべきだった」
「王家とのコネや伝手はそんなにも重視すべきことなのか」
「こんなにも色々裏目裏目になるって、呪われてんじゃねぇのか」
「でな…よっくよく考えりゃヴァンセンヌの森やブローニュの森にいる売春女、かねさえ積めばその手の変態行為もしてくれるって話じゃねぇの」
「しかもあの売春女連中、教会の売春鑑札持ちだろ? 聖母教会の認めた売春女ってことじゃねぇか…」
「おいおい、娯楽館やキャバレーで金持ち連中がやってること、知らねぇのか…えろほんが出てるから買って見てみるといいぜ…」
「しかもドイツの温泉だか、バーデン=バーデンってところの温泉街だと湯治だけでなく助平行為をできるって話じゃねぇの。お望みであれば、あの城に女たちを監禁して変態行為をするのに近いこともできるそうだぞ」
「そればかりかスペインに行けば、公園って公園は軒並み、夜になれば女を犯しても強姦御免の強姦公園ってもんになるらしいぜ…女を犯す趣味がある変態野郎がオーステルリッツやリヨン駅からさ、あの列車ってのに乗ってわっざわざバルセロナやマドリードに行ってお楽しみらしいじゃねぇの」
「いや、ビアリッツの砂浜だと夜は淫売だらけ…いや、淫売だけじゃなくて、やりてぇ女が街中をあられもない格好でうろついてるらしいじゃん」
などと、戯曲と関係ない話を含めて、フランスとその周辺の風紀を乱しておるような姦淫行為の実態の噂が広まったのです。
そして、フランス国内はまだしも、スペインならスペイン、ドイツ帝国ならドイツ=オーストリア=ハンガリー三重帝国に文句が言えるのか。
イタリアに至ってはそれこそ、罰姦聖母教会のお膝元ですし、鯖挟国や北方帝国はそうそう簡単に攻め込めない強国として認識されております。
(大英帝国はこうした好色な話は英国国教会ともども完全無視。しかし、英仏の間の海の底の穴の件も含めて、自国の貴族や富裕市民が海外に出かけて女遊びをする件、特段の規制は敷いてはおりませんね…むしろ、バード様の旅行記でもそれとなく各国のへそから下の事情にも言及する始末…)
(アウグスティーナ…あそこ、地球のやり方とかはめ方とかいう下半身専門のがいどぶっく、発禁覚悟の地下出版ですけど、市中に出回らせておりますわよ…しかもえろほん自販機での陳列認定が出ておるようで)
ええ、イザベル陛下が言及された、その売春指南というべき本、なんと各国版がえろほん自販機でも買えるのです。
なんてことなのか。
そして、この売春がいどぶっくとやら。
我がイスパニア…スペインの下半身事情、特に旅行者向けのそれに触れておらないわけがないのです。
(ドイツが変態大国として知られるようになるほど売春温泉や売春サウナ施設の充実に注力しとるのはともかく、我が国を強姦大国や売春大国のように書かれるのは…)
(イザベルさん。スペイン版については特に、実態を取材した正確さが際立つと思うのです…ベネチアのオペラ座もたいがいな実態がありますが、一般観客席でまでおめこをさせてませんよ…)
(ベラ子陛下、叔母上たるデステ殿下にいうといてくださいまし。強姦大国や売春大国の称号をイタリアが得るための支援、我がスペインには惜しまぬ用意があると)
(要するに、嫌な称号をイタリアに押し付けたいのですね。イザベルさん、あたしが蒼海島の生まれなのと、あそこがどこの管轄か思い出す気になれませんか)
(一時期、南欧支部で面倒見させられてましたわよ…ティアラの証言を得てもようございます…)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/173/
(なら蒼海島の保養所が今、エロ保養所になっているのも言い訳が立ちますね…さすがは欧州きっての変態エロ王国たるスペイン、助平を極めた南欧支部と申し上げるべきか)
(スペインならどんな汚名を着ても良いと申されるのですか!)
(それはいいですからちゃんと観劇してくださいっ。あと、なんのためにヴァタイユ男爵やルネ未亡人にシルヴィア未亡人のスペイン亡命を支援しとると思うておるんですか…せっかくサド男爵文学館をマドリード、オーシュ卿記念館をビアリッツ・アングレットに建ててまでして、お二人の変態行為と小説の文学的価値を伝え続ける支援もしたというのに…)
(皆様こんにちわ)
Nire izena Agustina de Aragon da, Maiestatearen zalduna.
(女王陛下の騎士、アウグスティーナ・ド・アラゴンと申します)
Lehen aldia da narratzaile papera egin ahal izango dudana.
(今回初めて、語り手の役を頂ける模様)
Tira, Madriletik bidaliko dizut...
(では、マドリードよりお送り申し上げます…)
---------------------------------------
マドリード市内に所在する、スペイン王国(=痴女皇国南欧支部)の行政宮殿たる、オリエンテ宮殿。
その南側に位置する罰姦聖母教会・アルムデナ大聖堂ともども南欧支部の行政の一大拠点を形成する一帯でありますが、オリエンテ宮殿の東側は今やスペイン国民にとって馴染み深い名所がふたつ、存在することになりました。
一つは、王立闘牛場。
(王宮周辺の庭園や公園…つまりは王立闘牛場の前を含むのですが、軒並み強姦公園の指定を受けていて、ヴィオラシオンと覗きの名所となっておるのですが)
(スペイン国王として、強姦公園をわが国の名所として勘定するには私の感情が許さないのです…)
/////|プリンシペ・ピオ駅
/////|(地下↑)
/////|オリエンテ|カポノバル|
カンポ//| |庭園//|
デルモーロ|宮殿 |◆///|
王宮庭園/| オリエンテ広場 |テアトロ|
(強姦公園◆| オリエンテ広場 |レアル |
の指定あり)|アルムデナ|レバント/|
/////|大聖堂 |庭園//||王 立|
/////|修道院 |◆///||闘牛場|
そして王立闘牛場のすぐ北側に並び、オリエンテ宮殿とは広場や公園を挟んで隣り合う形となる王立劇場たるテアトロ・レアル。
平屋の観客席に加えて5層式バルコニー形の桟敷席を擁する本格的オペラ劇場との触れ込みですけどね。
舞台を挟んで正面に位置する、一際大きな区切りたる王族観覧席。
一種の個室になっております。
そして、2階部分が通常の王賓席…普通に過激、いえ歌劇や楽曲を鑑賞するため、あるいは来賓を接待するための席です。
(演目に過激な変態エロ歌劇が存在するから歌劇ではなく過激でも誤字ではないと思うのです…)
https://x.com/725578cc/status/1816838230647669015
(そう思うのはベラ子陛下の脳内だけにしておいてくださいましっ)
(イザベルさん…そもそも国立闘牛場で姦淫闘牛する際の貴賓観覧席と同じ仕様で作ってと依頼されたのはどこのエロ女王か、申請書を見せましょうか…)
ええ、その貴賓観覧席の3階席部分…ガラス張りの個室席が問題なのです。
私は今、そこにおります。
ええ、イザベル陛下の護衛名目です。
そしてですね、このテアトロ・レアルに来るからには、いうまでもなく観劇のために来ております。
「ふふふ…ジョルジュ・バタイユ男爵執筆脚本の二本建て上演初日ですからね…」
ええ、本日の演目は「尼僧エドワルダ」「サド男爵夫人」の題名がついた戯曲の劇演。
そして演じるは、スペイン王室が召し抱えることとなった、過日のビアリッツでの公演で遭遇したロントモン一座。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/326/
実はこの一座のロントモン座長、その資金調達や公演場所の交渉役…皆様にわかりやすく申し上げますとぷろでゅーさー役であった自称カリオストロ伯爵も巻き込まれた「首飾り事件」詐欺に絡んでお縄になってしまったのです。
罪名は、イザベル陛下在位記念白金硬貨の偽物保有。
硬貨それ自体は非常に精巧に鋳造されており、本物とは0.1mmと違わぬ寸法精度だったそうですが、肝心の材料が「銀」で出来ていたために、精密重量計で測定したところ、一瞬で偽物であると発覚。
更には、本物の白金硬貨との違い…銀は硫黄成分を含む温泉の湯で変色する性質があるのです…によって動かぬ証拠を突きつけられたばかりではありません。
入手経路についての取り調べ過程で、フランスとスペインにまたがる演劇団を隠れ蓑にした「痴女皇国や聖母教会に断りなく営まれた売春組織の運営」が発覚して罰姦教皇庁主催の宗教裁判にかけられることになってしまったのです、カリオストロ伯とロントモン座長…。
むろん、二人は猛烈に抗弁しましたが、そもそも聖母教会の布教域で断りなく売春組織をやっていた事自体を宗教犯罪に問われております。
「否認するのは勝手だが、その場合はフランス病または女に変わる病に罹患してもらう」と申し渡されております。
そして、この宗教裁判。
スペインはもちろん、フランス…いえ、欧州全域でも中継されました。
そして、東方聖母教会全地総主教と罰姦聖母教会教皇だけでなく、慈母寺大僧正と比丘尼国慈母宗宗務庁座長が勢揃いして「この宗教裁判に文句がある場合は遠慮なく抗議してよし。ただし、抗議を入れた者とその国の民は残らず女か偽女種に変わる天罰ないし仏罰を受けるだろう。さもなくば、男どもの逸物は子供を成す力を失うであろう」と宣言したのです…。
つまりは、今後、聖母教会または慈母宗…すなわち痴女皇国に逆らえば、その国家や民族含めて断種される。
それで良ければ反旗を翻すがいいという宣言、出されたのです…。
ただし、この決定からほぼ唯一、逃れられる可能性がある国家が存在します。
そう…大英帝国です。
ただ、英国国教会総主教は「うちの国が痴女皇国とがっつり提携しとるのを忘れんようにな(意訳)」という公式談話を出しております。
で。
当のフランス王国でも、この宣言に反発する者は確かにおりました。
革命を企画していた連中です。
しかし、フランス革命派と言われる者たちはこの宣言によって、事実上は後ろ盾を失ったも、同然。
つまり、本来は貴族やブルボン王家の浪費やら贅沢、そして重税をダシにして小麦戦争再びを企画していたのが、当の弾圧されているべき庶民…特に農民が聖母教会の庇護や支援で生活苦をカイゼンされているのに苦情を言えなくなったからです。
「なんでお前らが勝手にうちの国の国民助けてるの」
こういう意見を出せなくなったばかりか、こうした聖母教会を非難する意見を発表した場合、フランス国家憲兵が取り締らずとも、その者は勝手に行方不明になってしまう事例が頻発してしまったのです。
なにせ、聖母教会に行けばおめこにありつける上に、体を治療するどころか若返らせてもらえるのです。
フランス王国の大多数を占める農夫層にとっては、これ以上の実利はないでしょう。
しかも、フランス王室と政府が国家徴税請負人として罰姦聖母教会を指名したおかげで、農産物は納税の手間を省かれ買い取ってもらえるのですから。
(昔のロレーヌだと徴税請負人を追い返すとか領主の軍勢追い払うとか、とんでもない事をしてたそうですけど…)
(それ以前にまず、徴税請負人というものを説明しておきませんと、どくしゃのみなさまになにをいうておるのか、理解してもらえませんわよ…)
(と、セニョーラ・マリアンヌに言われたのですが陛下)
(はいはいっ。わたくし一応スペイン王国の女王ですが、実家のやっとった事なんで一応は説明しときます…まず、ちょっと前のフランスでは二重三重の多重課税…農民の家だの土地だの家族だのと、産物税は取るわ資産税は取るわ人頭税は取るわと、どこかで聞いたような話がございました。そして徴税役人の失敗や事務仕事のみす、更には癒着や脱税幇助など、徴税に関する失政が問題になっとったのです。で、たまりかねた王家は「民間から徴税請負者を募り、徴税代行権を有償で貸与したのですわっ)
つまり、役人が信用ならんとばかりに徴税を代行する者を募られたと…。
(で、その徴税公募制度ですけど、マダム・マリアンヌのところは聖母教会が徴税しておりましたわよね、うち同様。あれをフランス全土でやってよし、いえ、やって欲しいとブルボン王家と政府が依頼したのですわよ…)
(まぁ、国内の土地を徴発国有化したいっちゅう意図があって敢えて農地税と資産税については重い税率敷いてましたけどねっ、うち…)
つまり、納税の計算を省くために、国民の生活に必要なものは支給するが、生産品…特に農産物は全て徴用するという「南洋王国方式」でやっているのが現在のロレーヌ公国。
この方式は痴女皇国が直接あるいは間接統治している他の国にも広まっており、淫化帝国と明日輝・魔屋王国…女裂振珍帝国が特に積極的に実施しております。
(ぶっちゃけ淫化って6公4民とか欧州基準でも無茶な税制敷いてましたからね…)
(しかも収穫物いったん全部召し上げとかおっそろしい事を…)
しかし、裏では国民1人1人の収入やら納税額やらが全て計算されております。
しかも、表立っては民衆の生活に必要な食糧や物品は言えば貰えるか、あるいは教会…淫化の場合は太陽神殿で毎食を調理してくれるのでそれを食べればよいとなっております。
それと、この方式では絶対に必要となるのが、支給品の物流。
与えるべきを与えられないと、この方式では容易に破綻し、人心を失うでしょう。
「ダンケ号などを有している痴女皇国でないと無理ですよね…」
「つまり、設備や人員を有する痴女皇国ならまだしも、この時代の大体の国だと取りっぱぐれや取りすぎが当たり前になってたのですわよ、極端な話…で、役人の計算能力にもバラつきやムラがあったのに怒ったある代のご先祖様がですね、塩を中心に「徴税権を売り出した」のですわ…」
なんじゃそれ、と思いましたが、要は役人に代わって税金を取り立てる者を募集したのです。
そして、公募で選ばれた徴税人は、納税見込み額を王に納めます。
で、そのぶんを今度は製塩業者や農家から徴収するわけです。
しかし、これとて結局は「財政に苦しむ王室や政府が多重課税に走れば」本来の意図とかけ離れた重税を敷いてしまうことになります。
(天災や不作で見込み税収額が狂うとか、ふっつーにありましたからね…)
(痴女皇国の手が入ると、その辺は劇的にカイゼンされますし…)
で、なんで税金の話になったのやら。
「ふふん、国民に見せる歌劇演目の一つもなくば、蛮族扱いされるのみでしてよ…アウグスティーナも、それはお分かりですわね…」
ええ。
ロントモン一座の接収により、逆にスペイン演劇界の充実が図られた結果、こちらの劇作家の書いた戯曲、なんとパリのガルニエ宮…オペラ・ガルニエで上演する運びもついたのです。
(つまり、オペラ座としてみなさまにも知られる建物で、逆にうち発の戯曲を演じることにもなっとるのですわ…)
ですが、重税に喘ぎ苦しむフランスの民衆に、高価な入場料をふんだくる歌劇場に通えと言っても無理な話。
イザベル陛下曰く「オペラ・ガルニエの個室席を年間借り切るのが貴族の嗜みとか、無駄な出費ばかりやっとるから財政難に陥るのですわよ…」
ええ、かつてのマダム・サド…ルネ夫人に言わせると「サド家も価値のあるかどうかわからない絵画や彫刻などの芸術品を無駄に買い漁り、財政難に喘いでいた」のだそうです。
では、スペイン王国…南欧支部の貴族たちはどうであったのか。
(連邦世界だと世界三大銀山から得られた莫大な銀を浪費しまくってたけど…痴女皇国世界だと早くから介入したからなぁ)
(いい加減借金の積み増し上乗せはやめて頂きたいのですが)
(王立闘牛場だけならまだしもテアトロ・レアルの建設資金をおねだりするから証文がまた1枚となるのです…自業自得ですよっ)
(でもテアトロ・レアルはマダム・マサミとマリアリーゼ陛下から作れ作れぜひ作れって言われたのですわよ!)
まぁ、やいのやいのと言い合いしておられる本宮幹部の皆様と、うちの主君はともかくとしましょう。
実は…スペインの貴族家、徐々に徐々にとその力を削がれてはいるのです。
しかし、貴族の力を一度に削いでしまうのは弊害もまた多い話ではあります。
そこで、貴族を代替する地方統治の仕組みを導入するためにも、スペインでは様々な取り組みを重ねて来ました。
聖母教会網の建設はもちろん、道路・鉄道・水道といった施設設備の導入。
そして聖母教会をあちこちに作るということは、取りも直さず「国民への教育が進んで行く」事を意味しました。
ある意味では、貴族の持つ一種の優越特権と言えた教育。
この教育を、庶民が受けられるようにした聖母教会の統治が、どれほどに革新的であったか。
文字が読めるということは、えろほんだけが読める対象ではなくなるのです。
そして…えろほん自販機を量産し、聖母教会や主要施設の側に何台も設置できる痴女皇国の未来技術が、この時代に適合させた活版印刷機を製造し、市中に流通させる事を苦労する訳がありません。
更には、南米や北方帝国から送り込まれる木材は、建材はもちろん、石炭や鯨油の代わりの燃料にされるだけではありませんでした。
なんと、砕かれた木々を機械に通して処理する工場に持ち込みますと、まばゆく輝かんばかりの白い紙にも化けるのです。
…すなわち、紙を量産できるならば、本も大量に刷れる事になるでしょう。
ええ、本が大量かつ廉価に生産できること…すなわち庶民、特に農夫たちには縁がないはずだった文学的な単語や言い回しも、彼らが手を伸ばせば届くところまで降りてくることを意味していました。
この状況を受けて、スペイン王国では貴族を揶揄する戯曲「セビリアの色事師と石の客」や「ラ・マンチャの男」を出版し、かつ国立劇場だけでなく地方を巡る巡業劇団の演目としても推奨したのです。
前者は…皆様にわかりやすく申しますと、女たらしの好色貴族「ドン・ファン」の物語。
そして後者は、いわゆる「ドン・キホーテ」の話であると言えば通じると言われました。
つまり、俺たちが汗水垂らして鍬や鋤や鎌を振るってる時に色男は女遊びざんまいどころか、気に入った女の父親すら刃にかけるような理不尽な存在であるか、さもなくば老人ボケして時代遅れの価値観を振り回すような石頭であると、物笑いのたねにしたのです。
(プロゴンザの話も戯曲化されたんですわよねぇ…あれも言うなれば、遠回しに仕官の道が厳しいのを伝える内容ですし…)
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/157/
つまり、かつては異端貴族たるヴラド3世公の評判を地に堕とすため、他の貴族が仕掛けた宣伝戦争に使われた印刷技術、今度は貴族全体に対する必殺の鉄砲弾として向けられたようなもの。
「本当に革命派も賢いようで馬鹿ばっかりで…」
「痴女皇国と手を結ぶどころか敵対した時点で、あほうの烙印を押して良いでしょうね…」
ええ、次に揶揄されたのは…いわゆる、頭でっかちのインテリたち。
そう「尼僧エドワルダ」の戯曲版では、痴女皇国の尼僧の地位を悪用した好色な淫蕩女が罪の限りを尽くす姿と、そして淫乱な女に翻弄されるインテリ連中の末路を描いたのです。
では、今日の演目の目玉たる「サド男爵夫人」とは。
それは、貴族の見栄や体面や面子に振り回され、望まぬ婚姻の挙句、変態亭主の所業に振り回される貞淑妻の悲劇を、ある意味では喜劇化してしまったようなもの。
その戯曲の中では直接の描写はありませんが、お堅いインテリたちがサド男爵の著作を巡って毀誉褒貶賛否両論となり、世間の混乱に拍車をかけているのが言及されております。
そして、この戯曲、実は発表当時から物議を醸していたのです。
で、パリの街の雀たちいわく。
「ルネ夫人はさっさと離婚すべきだった」
「王家とのコネや伝手はそんなにも重視すべきことなのか」
「こんなにも色々裏目裏目になるって、呪われてんじゃねぇのか」
「でな…よっくよく考えりゃヴァンセンヌの森やブローニュの森にいる売春女、かねさえ積めばその手の変態行為もしてくれるって話じゃねぇの」
「しかもあの売春女連中、教会の売春鑑札持ちだろ? 聖母教会の認めた売春女ってことじゃねぇか…」
「おいおい、娯楽館やキャバレーで金持ち連中がやってること、知らねぇのか…えろほんが出てるから買って見てみるといいぜ…」
「しかもドイツの温泉だか、バーデン=バーデンってところの温泉街だと湯治だけでなく助平行為をできるって話じゃねぇの。お望みであれば、あの城に女たちを監禁して変態行為をするのに近いこともできるそうだぞ」
「そればかりかスペインに行けば、公園って公園は軒並み、夜になれば女を犯しても強姦御免の強姦公園ってもんになるらしいぜ…女を犯す趣味がある変態野郎がオーステルリッツやリヨン駅からさ、あの列車ってのに乗ってわっざわざバルセロナやマドリードに行ってお楽しみらしいじゃねぇの」
「いや、ビアリッツの砂浜だと夜は淫売だらけ…いや、淫売だけじゃなくて、やりてぇ女が街中をあられもない格好でうろついてるらしいじゃん」
などと、戯曲と関係ない話を含めて、フランスとその周辺の風紀を乱しておるような姦淫行為の実態の噂が広まったのです。
そして、フランス国内はまだしも、スペインならスペイン、ドイツ帝国ならドイツ=オーストリア=ハンガリー三重帝国に文句が言えるのか。
イタリアに至ってはそれこそ、罰姦聖母教会のお膝元ですし、鯖挟国や北方帝国はそうそう簡単に攻め込めない強国として認識されております。
(大英帝国はこうした好色な話は英国国教会ともども完全無視。しかし、英仏の間の海の底の穴の件も含めて、自国の貴族や富裕市民が海外に出かけて女遊びをする件、特段の規制は敷いてはおりませんね…むしろ、バード様の旅行記でもそれとなく各国のへそから下の事情にも言及する始末…)
(アウグスティーナ…あそこ、地球のやり方とかはめ方とかいう下半身専門のがいどぶっく、発禁覚悟の地下出版ですけど、市中に出回らせておりますわよ…しかもえろほん自販機での陳列認定が出ておるようで)
ええ、イザベル陛下が言及された、その売春指南というべき本、なんと各国版がえろほん自販機でも買えるのです。
なんてことなのか。
そして、この売春がいどぶっくとやら。
我がイスパニア…スペインの下半身事情、特に旅行者向けのそれに触れておらないわけがないのです。
(ドイツが変態大国として知られるようになるほど売春温泉や売春サウナ施設の充実に注力しとるのはともかく、我が国を強姦大国や売春大国のように書かれるのは…)
(イザベルさん。スペイン版については特に、実態を取材した正確さが際立つと思うのです…ベネチアのオペラ座もたいがいな実態がありますが、一般観客席でまでおめこをさせてませんよ…)
(ベラ子陛下、叔母上たるデステ殿下にいうといてくださいまし。強姦大国や売春大国の称号をイタリアが得るための支援、我がスペインには惜しまぬ用意があると)
(要するに、嫌な称号をイタリアに押し付けたいのですね。イザベルさん、あたしが蒼海島の生まれなのと、あそこがどこの管轄か思い出す気になれませんか)
(一時期、南欧支部で面倒見させられてましたわよ…ティアラの証言を得てもようございます…)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/173/
(なら蒼海島の保養所が今、エロ保養所になっているのも言い訳が立ちますね…さすがは欧州きっての変態エロ王国たるスペイン、助平を極めた南欧支部と申し上げるべきか)
(スペインならどんな汚名を着ても良いと申されるのですか!)
(それはいいですからちゃんと観劇してくださいっ。あと、なんのためにヴァタイユ男爵やルネ未亡人にシルヴィア未亡人のスペイン亡命を支援しとると思うておるんですか…せっかくサド男爵文学館をマドリード、オーシュ卿記念館をビアリッツ・アングレットに建ててまでして、お二人の変態行為と小説の文学的価値を伝え続ける支援もしたというのに…)
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説




サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる