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尻球譚 -変態男爵の話 Histoire de fesses.- baron pervers -・6
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なんたる事なのでしょうか。
ええ、マルセルやシモーヌ、この黒人偽女種のアミナドに犯され、種をつけられていたのです…。
(もちろん、この女生徒どもがランスの学校で何をやらかしたのか、承知の上の話ですよ、マダム・ルネ…全く、とんでもない女たちだ…それも純然たる聖院学院神学校認定校でやらかすならまだしも、一般課程の存在するフランスの教育制度上の学校での話ですからね…)
(ええ…ヴァタイユ少年たちがマドリードにおる間に、本国では大騒ぎになったようで…)
(一人の学生の妊娠、発覚して騒がれたのが契機であると、頂いた原稿には書かれておりましたね…)
ええ、私が心話でお話ししているのは、痴女皇国南欧支部・婦人騎士団に所属する方で、当時のヴァタイユ少年一行に与えられたマドリードへのご褒美旅行の案内役として随行された、アウグスティーナと名乗られた方です。
その身分、ヴァタイユ少年たちにはぎりぎりまで伏せられておったようですが…。
(ま、さすがにフランスのイスパニア大使館から緊急連絡が来ては、私も正体を明かさざるを得なくなったのですよね、あの時は…ふふふ)
Agustina de Aragon アウグスティーナ Ten Thousand Suction (Limited Hundred thousand.) 一万卒(限定十万卒) Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Caballeros femeninos de españa. スペイン王立婦人騎士団長 Capitán de Guardia del Palacio de la Oriente.
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/213/
ええ、のけぞりものでしたよ…ヴァタイユ様やシモーヌ、そしてマルセルの記憶を辿っただけでも、ただの騎士様ではなさそうでしたが…まさか、婦人騎士団長様だけでなく、罰姦聖母教会教皇たるチェーザレ・ボルジア猊下の縁者であらせられるとは。
(バタイユ少年たちをイスパニアに招いたのは痴女皇国内務局・情報部の要請でした。むろん、彼らには伏せられていましたがね…バタイユ氏の文筆家としての才能を開花させるための策動も、フランス王国への調略の一環として行われたものです)
そう…ヴァタイユ様とサド侯爵…最初から狙われておったようなのです…。
では、ヴァタイユ伯の一家はもちろん、シモーヌやマルセルの生家すら揺るがした一件、いかなるものであったのか。
アウグスティーナ・アラゴン王女殿下の記憶も拝見しながら、引き続き、このルネ・ペラジー・コルディエ・ド・ローネー・ド・モントルイユ…当時の事情をバタイユ男爵の問題作に沿って語らせて頂くことに致しましょう…。
----------------------
マドリードでの官能の一夜を終えた学生一行ですが、その後のスペイン滞在中のある日…オリエンテ宮殿の、婦人騎士団長室ではなく…この宮殿のあるじの部屋に、畏れ多くも呼ばれております。
で、その部屋にいらっしゃるお方。
フランス王国の駐・マドリード領事館長と、領事。
そしてアウグスティーナ様と…痴女皇国南欧支部長、そしてスペイン王国女王であらせられるイザベル陛下です…。
「ふむ…確かに、素直にこの3名を引き渡して差し上げたいところではありますわね、この訴状を拝読させて頂きます限りでは…」
そうです…青ざめた顔で立たされている学生3名の前で、マドリード駐在のフランス領事が読み上げた訴状の内容たるや、シモーヌ・エドワルダとマルセル・マンディアルグ…そしてジョルジュ・ヴァタイユの捕縛協力とフランス本国への送還を要請する文面だったのです…。
「ふむ。ランスの学舎だけでなく、フランスの教育制度や社会を騒がせた罪は重く、騒乱と姦淫の罪で裁く予定であるから、何卒協力を、とありますわね…」
「ええ、イザベル陛下…醜聞ではありますが、彼らの罪について概要を言及いたしますと、ランス中後期高等学舎寄宿寮生、ほぼ全員の童貞と処女を喪失させたばかりではなく、その爛れた乱交姦淫の範囲は一部の教職員にまで及んでいたと…問題は、ランスのこの学校で学ぶ寄宿生徒、大多数が貴族または富裕な第三身分市民の子女だったことにありまして…」
「で、父親不明の妊娠に至った女生徒の数も相応となったことから発覚したようですね。さて、書面では学生の分際でかかる大規模な醜聞を撒き散らして、ランスのみならずパリの政府や王宮などを巻き込んで揉めに揉めた罪は極めて重く、スペイン王国には恐縮であるが、フランス王家とも縁深いイザベル陛下のご協力を願いたく…だから私はヴァロワ家の出であって今のブルボン王家とは直接の縁があらへんっちゅうとんのにやな…」
と、怒ってみせるイザベル陛下ですが、カンサイベンが出ておるのはともかく、次の一瞬で女王の威厳を取り戻されたご様子。
「これは私としたことが、領事の前で取り乱してはイスパニア、そしてフランス王家双方の名折れですわね、ほほほ…。ですが、あなたとしてもこの訴状と協力要請、素直に私に届けるおつもりで来られたのかしら?」
「ええ。私とて、元来はそのつもりで王宮を訪問させて頂きました。しかしですね、陛下…」
(これよりは心話で、内密に願います…イザベル陛下)
(単刀直入に申します。マリネイル、あなた、ここな学生たち、素直に本国に戻して裁かせるつもり、毛頭ございませんわね…)
(でなくば素直に国王名の引き渡し要請文書を手交させて頂くのみ。何も領事館長を伴ってまで、陛下に謁見頂くまでもございませんわ…)
(ふふふ、流石はトルシー侯コルベールの娘…我がイスパニアへの実質大使として任じられただけはありますわね…)
この、マリネイル・コルベールなる女性外交官。
ジャン=バティスト・コルベールというフランス外務大臣経験者の娘です。
(我が父が引退後もフランス外交に関する人材育成に熱心でありましたのは周知の事実…今やフランス外務省の要職はオテル・ド・トルシー…父の開いた外交教室サロンの出身者が趨勢を占めております…)
(更に、コルベールはあの蜜蜂騎士団の一員…)
この、蜜蜂騎士団という集団にも説明が必要でしょう。
(メーヌ公爵夫人ことルイーズ・ベネディクト・ド・ブルボン…結婚によってブルボン王家との縁が出来て王家義女になった貴族婦人が開いていた文芸サロンがパリに存在しました。連邦世界では、そのサロンが存在したソー城は取り壊されて現在はソー公園となっていますが、痴女皇国世界では健在です。そして、メーヌ公爵夫人は女王蜂とあだ名された事を自分でも気に入り、自らの開いたサロンに集う有力な人士を自分の騎士として扱い、蜜蜂騎士団員のメダルを下賜してサロンの構成員として重んじたのです)
と、田中雅美・内務局長に解説を頂きました。
つまり、蜜蜂騎士団員のメダルはあくまでもメーヌ公爵夫人の取り巻きを示すものであり、何かしらの武装勢力構成員を示すものではなかったと。
そして、この蜜蜂騎士団員の一人が、マリネイル領事の父親だったそうです。
すなわち、マリネイル領事も、この文芸サロン有志の顔馴染み。
(外交官としてはベルニ枢機卿、思想家や文筆家ではモンテスキューやヴォルテールにルソーがこのサロンの参加者でした…つまり、結構な要人が集まっていたのですよ)
https://x.com/725578cc/status/1815287681070309509
で、実はこの蜜蜂騎士団ですが、フランス王家内の勢力争いや、果ては革命派などと言われた連中との確執があったそうです。
(そもそもメーヌ公爵夫人がソーの城に引きこもった理由なんだけど、マントノン侯爵夫人であるフランソワーズ・ドービニェという女性が問題でした。これ、ルネ夫人やマリネイル領事はもちろん、イザベル陛下もご存知だと思うんですけどね…ルイ14世陛下の内妻だったんですよ、マントノン侯爵夫人…)
なのです。
(で、メーヌ公爵夫人はヴェルサイユ宮殿での権勢をマントノン夫人やモンテスパン夫人と争ったりして、ごったごたの渦中に巻き込まれる事を嫌いました。更には、モンテスパン夫人も文芸サロンを開いて文壇人を集めていたりするんですよねぇ…)
この、ややっこしい王宮内の女たちの権力争いについていけないと思われたのでしょうか。
で、メーヌ公爵夫人の薫陶を受けた人物の娘たるマリネイル領事。
実のところは、王宮の王党派主流を占めていたポンパドゥール夫人の一派とは、あまり仲良しの関係ではなかったのです。
そして、イザベル陛下との会話でお察し下さい、関係…。
(ほほほほほ、我が王宮に出入りするからには、最低でも1回は息子たちの精液便器を勤めて頂きませんと…その代わりに闘牛騎士上がりの偽女種を領事館付け武官に付けておりましてよ)
(陛下…あれは私の偽女種との醜聞を記録させるためでしょうに…)
(あれだけ毎夜の如く、お楽しみでは言い訳になっておりませぬわよ…)
ええ、スペイン流の股間外交に屈した人物のようです、マリネイル領事…。
つまり、マリネイル領事の所属する一派は、痴女皇国とも関係が深いのですね。
ということは…。
(王党派の勢力も削ぎ落とすには、ここなバタイユたちや、サド伯爵の子息が世に憚ることが何より。つまり、この学生3名、何としてでもフランスの手から逃すべきであろうと進言に参りました)
(そのためにはフランスの手の届かぬ地域への伝手も多い我が王国を頼ろうと…)
(更には、サド侯爵の例のアレはもちろんのこと、オーシュ卿なる怪人物が連邦世界で書いたとされる怪文書めいた小説の件でございます。あんなもんを記述したのはどこの誰かと、今や本国の文壇やサロンでは大騒ぎ。スペイン王国を知ってしまいましたこの私にとって、殺人以外は「なんでこんなもんで騒ぐのやら」という感想しか出ては来ませんがねぇ)
(そこへ持ってきて、サド侯爵の狂った話のみならず、オーシュ卿の新たなる原稿が見つかっては、どこのサロンに与する文筆家であろうかなどなど…このイスパニアにおりながら、パリの連中が火をつついたかの如く大騒ぎするのが目に見えるようですわね。蜜蜂騎士でもあるマリネイル、あなたにしても愉快痛快でしょ?)
(明察にございます、陛下…領事館長、申し訳ありませんが、イザベル陛下とアウグスティーナ騎士団長には書面を手交したが協力の受諾について明言には至らず、本国外務省にはそう、お返し下さい…それと、私はイザベル陛下ともう少しお話がありますので、先に領事館へと帰館願えれば…)
と、領事館長に申されるフランス領事のマリネイル嬢ですが…。
先に退出する領事館長をお見送りせよと、アウグスティーナ団長が呼びつけた婦人騎士団員。
その右手、館長の尻を密かに触り、撫で回しておったのが垣間見えた一瞬。
(ふふふ、ご配慮、ありがとうございます…これで領事館長も、すったもんだの激論の挙句、イザベル陛下の協力要請を快く取り付けるには手土産なしには困難と本国外務省に報告するはずですわ…)
(ほほほ、領事館への帰路、くるまは必ずや強姦公園に立ち寄るはず…ですわね、アウグスティーナ)
(もちろんです、陛下。さて…学生諸君。君たちは元来ならば、この私からしても狂った変態たちに見える。いや、ただの変態ではなく、凶悪かつ狡猾な犯罪者の気質にみなぎっているのが、この不肖アウグスティーナからも読み取れる有様…本来ならば我がスペイン独自の法規によって裁いても私の権限で処理できるだろう…)
この、自らを婦人騎士団長と明かしたアウグスティーナ様の心話に、倒れかけるマルセルと、あわやのところでマルセルを支えようとするジョルジュ少年。
しかし、シモーヌは豪胆にも、このように申したそうです。
「もしも騎士様がわたしたちをお裁きになるのなら、何もやんごとない女王様の前に、わたしたちのような下賤を引き出すまでもないはずですよね?」
「ふふふ…傲岸不遜にして大胆不敵にも程がある女ですね…しかし、この場であなた方の首が繋がるも離れるも、このイザベルの機嫌次第。マリネイル嬢、こやつらを悪魔島かグアンタナモに運んでもよろしいかしら?」
「領事館としては、この3名はどうやらイスパニア人で南欧支部の所轄になっておると、聖環の旅券並びに査証情報が出ております以上、フランス王国としては関与できません。あとは、女王陛下のお心のままに…と申し上げたいのですが、騎士団長様が何やら腹案をお持ちの様子でございますわね」
と、紫薔薇騎士団の制服に一瞬で着替えるマリネイル嬢。
そう…この人物、痴女皇国に縁があるどころか、紫薔薇騎士団所属の密偵であり、工作要員だったのです…。
「そうですな…シモーヌ、君は豪胆で大胆不敵、更にはランスの寄宿舎を誰に言われるわけでなく、自分が気に食わないだけで阿鼻叫喚の姦淫地獄に変えた女だ。だが、その行為は結果として我がスペイン王国の利益となっているが…ただ、その事実は表に出せない、これはわかるね?」
と、シモーヌに問いかけるアウグスティーナ様。
「ええ、あたしはあのふんぞり返っていた連中、ただえらいさんの息子や娘ってだけでちやほやされて輪を作ってたの、とことん気に入らなかっただけですよ」
「よくぞそこまで驕れるもの。ですが、その傲慢さは気に入りました。ところであなた方…痴女皇国の礎となった聖院には、ある掟が存在します」
と、シモーヌよりも、更に傲慢に語るイザベル陛下。
その装いも、いつの間にか婦人騎士団の最高位を示す卑猥な乳尻剥き出しのものに変わっておったそうです。
「その掟とは…聖院女官にあっては、助くる事を願う者のみを助くるべし。そして痴女皇国女官に於いても、人助けの押し売りは原則として禁じられております」
「つまり、シモーヌ…そしてあなた方がね、助けて下さいとイザベル陛下におすがりしない限り、あなた方はこの私に引き渡され、フランスで弾劾裁判にかけられてしまうのです…」
「うむ。賢明で聡明な君たちのことだ。この場では何をすればいいか、既に承知のことだろう…」
ええ、いつの間にか、痴女皇国幹部でもある3人の貴人の股間には、逸物がそそり立っております。
そして、破廉恥な装いを強要されたシモーヌとマルセルだけでなく、何時のあいだにか、偽女種にされてしまったヴァタイユ…ジョルジュ少年の姿も。
「この淫行の首魁であるシモーヌ、君はイザベル陛下に命乞いをするのだ…君には屈辱の極みだろうがな…」
ええ、高慢なシモーヌの本質を知ったアウグスティーナ様の差配によって、シモーヌはその口で命乞いを始めました。
イザベル陛下の、ちんぽに対して…。
「マルセル、君も貴族子女だろう。さすればマリネイル様と貴族同士の友誼や懇意を広げるのにやぶさかではないはず…」
ええ、マルセルも、マリネイル様の紫薔薇制服の下の方に顔を埋めます。
「さて、バタイユ君…いやジョルジュ、君は私の尻にも執心だったな。私が君という人間について、特段の興味を持ったのは君だけでなくマルセルやシモーヌにも伝わっているだろう。シモーヌからすれば、私にジョルジュを寝取られたようで不快に思うかも知れないが、ジョルジュも男であり、性的な興味を惹かれた女を片端から犯したくなる男の性質を利用した君なら、文句を言えない話だと思うぞ…そうだジョルジュ、偽女種となった君がいつもやってくれた事をすればいいだけだ…私の射精を口と顔で受けてくれるなら、私の尻と身体を思うがままに卑猥に貪っていいからな?」
-----------------------------------------
しも「わたしら、どないなるのですか」
いざべる「どないもこないも」
まり「何もせんうちから、あんたら3人ともフランスに戻せるわけがないでしょうが…」
てぃーな「つまり、マリネイル嬢の所属が紫薔薇騎士団だろ。君たちを何らかの形でフランス文壇や政界に関わらせるための工作をするから、ちょっとどこかに隠れておけって話だよ」
まり「そーゆーこってす。あんたたち3人にはまーだまーだ利用価値があるって、私の上司…田中局長や、他の方々もおっしゃっておられるんでね。でなきゃあんたらみたいな変態を相手したくないんだけど…ただ、蜜蜂騎士団は今も、その形や構成要員こそ変わってますけど、名前自体は存続していますよ」
いざべる「欧州文壇界を操作し、混乱させるのがあなたたち蜜蜂騎士団の使命でしたかしら」
てぃーな「痴女皇国のスパイ機関の一つ…でしたな」
まり「あー!!!!!!!!それバラすのなしですよっ!」
てぃーな「まぁともかく、この変態少年と少女たちは我がスペインの差配となったわけであるから」
しも「あたしのジョルジュを返してくらはい…(涙)」
ええ、マルセルやシモーヌ、この黒人偽女種のアミナドに犯され、種をつけられていたのです…。
(もちろん、この女生徒どもがランスの学校で何をやらかしたのか、承知の上の話ですよ、マダム・ルネ…全く、とんでもない女たちだ…それも純然たる聖院学院神学校認定校でやらかすならまだしも、一般課程の存在するフランスの教育制度上の学校での話ですからね…)
(ええ…ヴァタイユ少年たちがマドリードにおる間に、本国では大騒ぎになったようで…)
(一人の学生の妊娠、発覚して騒がれたのが契機であると、頂いた原稿には書かれておりましたね…)
ええ、私が心話でお話ししているのは、痴女皇国南欧支部・婦人騎士団に所属する方で、当時のヴァタイユ少年一行に与えられたマドリードへのご褒美旅行の案内役として随行された、アウグスティーナと名乗られた方です。
その身分、ヴァタイユ少年たちにはぎりぎりまで伏せられておったようですが…。
(ま、さすがにフランスのイスパニア大使館から緊急連絡が来ては、私も正体を明かさざるを得なくなったのですよね、あの時は…ふふふ)
Agustina de Aragon アウグスティーナ Ten Thousand Suction (Limited Hundred thousand.) 一万卒(限定十万卒) Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Caballeros femeninos de españa. スペイン王立婦人騎士団長 Capitán de Guardia del Palacio de la Oriente.
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/213/
ええ、のけぞりものでしたよ…ヴァタイユ様やシモーヌ、そしてマルセルの記憶を辿っただけでも、ただの騎士様ではなさそうでしたが…まさか、婦人騎士団長様だけでなく、罰姦聖母教会教皇たるチェーザレ・ボルジア猊下の縁者であらせられるとは。
(バタイユ少年たちをイスパニアに招いたのは痴女皇国内務局・情報部の要請でした。むろん、彼らには伏せられていましたがね…バタイユ氏の文筆家としての才能を開花させるための策動も、フランス王国への調略の一環として行われたものです)
そう…ヴァタイユ様とサド侯爵…最初から狙われておったようなのです…。
では、ヴァタイユ伯の一家はもちろん、シモーヌやマルセルの生家すら揺るがした一件、いかなるものであったのか。
アウグスティーナ・アラゴン王女殿下の記憶も拝見しながら、引き続き、このルネ・ペラジー・コルディエ・ド・ローネー・ド・モントルイユ…当時の事情をバタイユ男爵の問題作に沿って語らせて頂くことに致しましょう…。
----------------------
マドリードでの官能の一夜を終えた学生一行ですが、その後のスペイン滞在中のある日…オリエンテ宮殿の、婦人騎士団長室ではなく…この宮殿のあるじの部屋に、畏れ多くも呼ばれております。
で、その部屋にいらっしゃるお方。
フランス王国の駐・マドリード領事館長と、領事。
そしてアウグスティーナ様と…痴女皇国南欧支部長、そしてスペイン王国女王であらせられるイザベル陛下です…。
「ふむ…確かに、素直にこの3名を引き渡して差し上げたいところではありますわね、この訴状を拝読させて頂きます限りでは…」
そうです…青ざめた顔で立たされている学生3名の前で、マドリード駐在のフランス領事が読み上げた訴状の内容たるや、シモーヌ・エドワルダとマルセル・マンディアルグ…そしてジョルジュ・ヴァタイユの捕縛協力とフランス本国への送還を要請する文面だったのです…。
「ふむ。ランスの学舎だけでなく、フランスの教育制度や社会を騒がせた罪は重く、騒乱と姦淫の罪で裁く予定であるから、何卒協力を、とありますわね…」
「ええ、イザベル陛下…醜聞ではありますが、彼らの罪について概要を言及いたしますと、ランス中後期高等学舎寄宿寮生、ほぼ全員の童貞と処女を喪失させたばかりではなく、その爛れた乱交姦淫の範囲は一部の教職員にまで及んでいたと…問題は、ランスのこの学校で学ぶ寄宿生徒、大多数が貴族または富裕な第三身分市民の子女だったことにありまして…」
「で、父親不明の妊娠に至った女生徒の数も相応となったことから発覚したようですね。さて、書面では学生の分際でかかる大規模な醜聞を撒き散らして、ランスのみならずパリの政府や王宮などを巻き込んで揉めに揉めた罪は極めて重く、スペイン王国には恐縮であるが、フランス王家とも縁深いイザベル陛下のご協力を願いたく…だから私はヴァロワ家の出であって今のブルボン王家とは直接の縁があらへんっちゅうとんのにやな…」
と、怒ってみせるイザベル陛下ですが、カンサイベンが出ておるのはともかく、次の一瞬で女王の威厳を取り戻されたご様子。
「これは私としたことが、領事の前で取り乱してはイスパニア、そしてフランス王家双方の名折れですわね、ほほほ…。ですが、あなたとしてもこの訴状と協力要請、素直に私に届けるおつもりで来られたのかしら?」
「ええ。私とて、元来はそのつもりで王宮を訪問させて頂きました。しかしですね、陛下…」
(これよりは心話で、内密に願います…イザベル陛下)
(単刀直入に申します。マリネイル、あなた、ここな学生たち、素直に本国に戻して裁かせるつもり、毛頭ございませんわね…)
(でなくば素直に国王名の引き渡し要請文書を手交させて頂くのみ。何も領事館長を伴ってまで、陛下に謁見頂くまでもございませんわ…)
(ふふふ、流石はトルシー侯コルベールの娘…我がイスパニアへの実質大使として任じられただけはありますわね…)
この、マリネイル・コルベールなる女性外交官。
ジャン=バティスト・コルベールというフランス外務大臣経験者の娘です。
(我が父が引退後もフランス外交に関する人材育成に熱心でありましたのは周知の事実…今やフランス外務省の要職はオテル・ド・トルシー…父の開いた外交教室サロンの出身者が趨勢を占めております…)
(更に、コルベールはあの蜜蜂騎士団の一員…)
この、蜜蜂騎士団という集団にも説明が必要でしょう。
(メーヌ公爵夫人ことルイーズ・ベネディクト・ド・ブルボン…結婚によってブルボン王家との縁が出来て王家義女になった貴族婦人が開いていた文芸サロンがパリに存在しました。連邦世界では、そのサロンが存在したソー城は取り壊されて現在はソー公園となっていますが、痴女皇国世界では健在です。そして、メーヌ公爵夫人は女王蜂とあだ名された事を自分でも気に入り、自らの開いたサロンに集う有力な人士を自分の騎士として扱い、蜜蜂騎士団員のメダルを下賜してサロンの構成員として重んじたのです)
と、田中雅美・内務局長に解説を頂きました。
つまり、蜜蜂騎士団員のメダルはあくまでもメーヌ公爵夫人の取り巻きを示すものであり、何かしらの武装勢力構成員を示すものではなかったと。
そして、この蜜蜂騎士団員の一人が、マリネイル領事の父親だったそうです。
すなわち、マリネイル領事も、この文芸サロン有志の顔馴染み。
(外交官としてはベルニ枢機卿、思想家や文筆家ではモンテスキューやヴォルテールにルソーがこのサロンの参加者でした…つまり、結構な要人が集まっていたのですよ)
https://x.com/725578cc/status/1815287681070309509
で、実はこの蜜蜂騎士団ですが、フランス王家内の勢力争いや、果ては革命派などと言われた連中との確執があったそうです。
(そもそもメーヌ公爵夫人がソーの城に引きこもった理由なんだけど、マントノン侯爵夫人であるフランソワーズ・ドービニェという女性が問題でした。これ、ルネ夫人やマリネイル領事はもちろん、イザベル陛下もご存知だと思うんですけどね…ルイ14世陛下の内妻だったんですよ、マントノン侯爵夫人…)
なのです。
(で、メーヌ公爵夫人はヴェルサイユ宮殿での権勢をマントノン夫人やモンテスパン夫人と争ったりして、ごったごたの渦中に巻き込まれる事を嫌いました。更には、モンテスパン夫人も文芸サロンを開いて文壇人を集めていたりするんですよねぇ…)
この、ややっこしい王宮内の女たちの権力争いについていけないと思われたのでしょうか。
で、メーヌ公爵夫人の薫陶を受けた人物の娘たるマリネイル領事。
実のところは、王宮の王党派主流を占めていたポンパドゥール夫人の一派とは、あまり仲良しの関係ではなかったのです。
そして、イザベル陛下との会話でお察し下さい、関係…。
(ほほほほほ、我が王宮に出入りするからには、最低でも1回は息子たちの精液便器を勤めて頂きませんと…その代わりに闘牛騎士上がりの偽女種を領事館付け武官に付けておりましてよ)
(陛下…あれは私の偽女種との醜聞を記録させるためでしょうに…)
(あれだけ毎夜の如く、お楽しみでは言い訳になっておりませぬわよ…)
ええ、スペイン流の股間外交に屈した人物のようです、マリネイル領事…。
つまり、マリネイル領事の所属する一派は、痴女皇国とも関係が深いのですね。
ということは…。
(王党派の勢力も削ぎ落とすには、ここなバタイユたちや、サド伯爵の子息が世に憚ることが何より。つまり、この学生3名、何としてでもフランスの手から逃すべきであろうと進言に参りました)
(そのためにはフランスの手の届かぬ地域への伝手も多い我が王国を頼ろうと…)
(更には、サド侯爵の例のアレはもちろんのこと、オーシュ卿なる怪人物が連邦世界で書いたとされる怪文書めいた小説の件でございます。あんなもんを記述したのはどこの誰かと、今や本国の文壇やサロンでは大騒ぎ。スペイン王国を知ってしまいましたこの私にとって、殺人以外は「なんでこんなもんで騒ぐのやら」という感想しか出ては来ませんがねぇ)
(そこへ持ってきて、サド侯爵の狂った話のみならず、オーシュ卿の新たなる原稿が見つかっては、どこのサロンに与する文筆家であろうかなどなど…このイスパニアにおりながら、パリの連中が火をつついたかの如く大騒ぎするのが目に見えるようですわね。蜜蜂騎士でもあるマリネイル、あなたにしても愉快痛快でしょ?)
(明察にございます、陛下…領事館長、申し訳ありませんが、イザベル陛下とアウグスティーナ騎士団長には書面を手交したが協力の受諾について明言には至らず、本国外務省にはそう、お返し下さい…それと、私はイザベル陛下ともう少しお話がありますので、先に領事館へと帰館願えれば…)
と、領事館長に申されるフランス領事のマリネイル嬢ですが…。
先に退出する領事館長をお見送りせよと、アウグスティーナ団長が呼びつけた婦人騎士団員。
その右手、館長の尻を密かに触り、撫で回しておったのが垣間見えた一瞬。
(ふふふ、ご配慮、ありがとうございます…これで領事館長も、すったもんだの激論の挙句、イザベル陛下の協力要請を快く取り付けるには手土産なしには困難と本国外務省に報告するはずですわ…)
(ほほほ、領事館への帰路、くるまは必ずや強姦公園に立ち寄るはず…ですわね、アウグスティーナ)
(もちろんです、陛下。さて…学生諸君。君たちは元来ならば、この私からしても狂った変態たちに見える。いや、ただの変態ではなく、凶悪かつ狡猾な犯罪者の気質にみなぎっているのが、この不肖アウグスティーナからも読み取れる有様…本来ならば我がスペイン独自の法規によって裁いても私の権限で処理できるだろう…)
この、自らを婦人騎士団長と明かしたアウグスティーナ様の心話に、倒れかけるマルセルと、あわやのところでマルセルを支えようとするジョルジュ少年。
しかし、シモーヌは豪胆にも、このように申したそうです。
「もしも騎士様がわたしたちをお裁きになるのなら、何もやんごとない女王様の前に、わたしたちのような下賤を引き出すまでもないはずですよね?」
「ふふふ…傲岸不遜にして大胆不敵にも程がある女ですね…しかし、この場であなた方の首が繋がるも離れるも、このイザベルの機嫌次第。マリネイル嬢、こやつらを悪魔島かグアンタナモに運んでもよろしいかしら?」
「領事館としては、この3名はどうやらイスパニア人で南欧支部の所轄になっておると、聖環の旅券並びに査証情報が出ております以上、フランス王国としては関与できません。あとは、女王陛下のお心のままに…と申し上げたいのですが、騎士団長様が何やら腹案をお持ちの様子でございますわね」
と、紫薔薇騎士団の制服に一瞬で着替えるマリネイル嬢。
そう…この人物、痴女皇国に縁があるどころか、紫薔薇騎士団所属の密偵であり、工作要員だったのです…。
「そうですな…シモーヌ、君は豪胆で大胆不敵、更にはランスの寄宿舎を誰に言われるわけでなく、自分が気に食わないだけで阿鼻叫喚の姦淫地獄に変えた女だ。だが、その行為は結果として我がスペイン王国の利益となっているが…ただ、その事実は表に出せない、これはわかるね?」
と、シモーヌに問いかけるアウグスティーナ様。
「ええ、あたしはあのふんぞり返っていた連中、ただえらいさんの息子や娘ってだけでちやほやされて輪を作ってたの、とことん気に入らなかっただけですよ」
「よくぞそこまで驕れるもの。ですが、その傲慢さは気に入りました。ところであなた方…痴女皇国の礎となった聖院には、ある掟が存在します」
と、シモーヌよりも、更に傲慢に語るイザベル陛下。
その装いも、いつの間にか婦人騎士団の最高位を示す卑猥な乳尻剥き出しのものに変わっておったそうです。
「その掟とは…聖院女官にあっては、助くる事を願う者のみを助くるべし。そして痴女皇国女官に於いても、人助けの押し売りは原則として禁じられております」
「つまり、シモーヌ…そしてあなた方がね、助けて下さいとイザベル陛下におすがりしない限り、あなた方はこの私に引き渡され、フランスで弾劾裁判にかけられてしまうのです…」
「うむ。賢明で聡明な君たちのことだ。この場では何をすればいいか、既に承知のことだろう…」
ええ、いつの間にか、痴女皇国幹部でもある3人の貴人の股間には、逸物がそそり立っております。
そして、破廉恥な装いを強要されたシモーヌとマルセルだけでなく、何時のあいだにか、偽女種にされてしまったヴァタイユ…ジョルジュ少年の姿も。
「この淫行の首魁であるシモーヌ、君はイザベル陛下に命乞いをするのだ…君には屈辱の極みだろうがな…」
ええ、高慢なシモーヌの本質を知ったアウグスティーナ様の差配によって、シモーヌはその口で命乞いを始めました。
イザベル陛下の、ちんぽに対して…。
「マルセル、君も貴族子女だろう。さすればマリネイル様と貴族同士の友誼や懇意を広げるのにやぶさかではないはず…」
ええ、マルセルも、マリネイル様の紫薔薇制服の下の方に顔を埋めます。
「さて、バタイユ君…いやジョルジュ、君は私の尻にも執心だったな。私が君という人間について、特段の興味を持ったのは君だけでなくマルセルやシモーヌにも伝わっているだろう。シモーヌからすれば、私にジョルジュを寝取られたようで不快に思うかも知れないが、ジョルジュも男であり、性的な興味を惹かれた女を片端から犯したくなる男の性質を利用した君なら、文句を言えない話だと思うぞ…そうだジョルジュ、偽女種となった君がいつもやってくれた事をすればいいだけだ…私の射精を口と顔で受けてくれるなら、私の尻と身体を思うがままに卑猥に貪っていいからな?」
-----------------------------------------
しも「わたしら、どないなるのですか」
いざべる「どないもこないも」
まり「何もせんうちから、あんたら3人ともフランスに戻せるわけがないでしょうが…」
てぃーな「つまり、マリネイル嬢の所属が紫薔薇騎士団だろ。君たちを何らかの形でフランス文壇や政界に関わらせるための工作をするから、ちょっとどこかに隠れておけって話だよ」
まり「そーゆーこってす。あんたたち3人にはまーだまーだ利用価値があるって、私の上司…田中局長や、他の方々もおっしゃっておられるんでね。でなきゃあんたらみたいな変態を相手したくないんだけど…ただ、蜜蜂騎士団は今も、その形や構成要員こそ変わってますけど、名前自体は存続していますよ」
いざべる「欧州文壇界を操作し、混乱させるのがあなたたち蜜蜂騎士団の使命でしたかしら」
てぃーな「痴女皇国のスパイ機関の一つ…でしたな」
まり「あー!!!!!!!!それバラすのなしですよっ!」
てぃーな「まぁともかく、この変態少年と少女たちは我がスペインの差配となったわけであるから」
しも「あたしのジョルジュを返してくらはい…(涙)」
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