闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

すずめのおやど

文字の大きさ
上 下
286 / 391

女子プロの星☆アステ皇帝(かいざあ)番外編「女の穴と書いて虎の穴?」・3

しおりを挟む
でまぁ、先行する大型帆船の後を追うようにして航行する、明日輝あすてか王専用船「翡翠チャルチウィチ号」の操舵席後方のラウンジに陣取る私他、船客。

操船はなんと、海事部に加えて監獄船舶社…三河監獄社の子会社から派遣された教官の方々による特訓を受けて覚えたという、明日輝の現・女王であるパパロトル。

とは言っても、最新鋭のお船らしく、ハンドルのような舵輪の横にはパランカデマンドジョイスティックまでもが備わる上に、航路や速度などを示す表示が前の窓に浮かんでおります。

もっとも、水深の浅い場所も多いというこのテスココ湖、全力で飛ばせる場所はかなり限られるようなので、安全な航路を航行するためにもこの手の装備は必須らしいのです。

(全長20mって、戦闘機並みですからね…港では注意して動かしてくださいよ…)

(海事部って厳しいんですね…とりあえず動かせるようになるまでが地獄でした…)

ええ、あの強気で勝気で、アナアナルの責め甲斐がありそうなパパロトルですら、顔を引きつらせて速度を上げすぎないように注意しておるの、側から見ていても丸わかり。

(フランシスカさんにそういうロマンがあったとは…)

(陛下。私はアナを責めたい訳ではなくて、気の強い女を泣かせたいだけなのです…それに何ですか、私もこの大きさの船に乗ったり動かした経験は皆無ではありませんけど…練習は必要ですが、とりあえず気楽に舵を握らせてくれましたよ…)

(というか船舶操縦免許が必要なのってスペインくらいなんですよ、日本以外では…)

ええ、逆に私も知った時に驚いたのですが、メヒコだとこのクラスのヤテヨットでも免許、要らんのです。

ただ、船舶無線免許、これは必要になりますけどね…。

(レーダーや三海特の試験の代わりに海事部の指導が入るのです…)

で、実のところはこのお船、前を行く帆船のククルカン号同様に、痴女皇国海事部の保有船舶です。

しかし、明日輝王だったショコヨツィンのために建造発注された経緯がありまして…前回でオノリナが絶句していた家族やグルーポぱりぴのごとき大人数乗船仕様で作られているのも、実のところは私やオノリナが乗っている状況…すなわち、明日輝あすてかを訪れた賓客をもてなしたり、はたまたメキシコ帝国の首都であるティオティワカンへと送り届ける状況を想定していたからだそうです。

つまり、この翡翠チャルチウィチ号、実質的に明日輝王国のために導入されたお船です。

しかも、痴女皇国世界で使用する事を鑑みてディーゼル機関ではなく、こちらではお馴染みの半生体発電機と超電磁水流ジェットエンジンを搭載する特殊仕様となったことで…レンタルアルキレやリースではなく買い取るしかなくなったそうです…。

(1回の満タンで最大4,000リットルが入るという燃料をテスココ湖まで届けるのをエマ助が嫌がったせいなのです…その、レで始まるブランドの監獄社製と言いながら、実際にはアメリカの会社や現行モデルでは袋井音叉社が設計製造したお船、それなりの燃費なのです…)

んでぇ。

その説明をなさるのは、他ならぬベラ子陛下。

茸島の沖合で夜遊び船遊び、してたんじゃなかったのですか。

しかも、お船ごと転送されて来られましたので、当然ですが同乗者の聖人様はおろか、セニョリータ・ベリンダまで連れて来られてますよ。

Belinda Carlyle. ベリンダ・カーライル Thousand Suction(Limited Single Suction). 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団 Information department, Ministry of Interior, Imperial of Temptress 痴女皇国内務局情報部付 Ian Lancaster Fleming anniversary Information Research Center. Foreign Affairs Division 2nd. イアン・フレミング記念情報研究センター外事第二室

(面白そうなお話を聞かせてもらえると思ったまで。臨時の抜き打ち視察ですぅっ)

ええ。

痴女皇国皇帝に逆らえる権力、さしもの私とて獲得してはおりません。

そして、エマニエル国土局建設部長に嫌味を言われまくったようですけどね、なんと陛下の持ちヤテヨットごと転送されて来られましたので…。

改めてその、乱暴ルギーニのヤテの現物を見ますと、こちらの監獄社製のお船とは似て異なるとはっきりわかります。

雨や大嵐での操縦を全く考えておらなさげなほど、操舵室がオープン構造なのですよ…その、乱暴な暴徒、いえボート。

(地中海の海風を感じつつぶっ飛ばす事しか考えておらぬのでしょう。そしてイタリア車同様、雨の日は港に係留するどころか、下手をすればドーリーに載せて陸に引き上げ屋根付き扉付きの格納庫に仕舞い込むものであるとしか考えておらぬようです)

なんという、ふざけた設計思想。

これ、雨はともかくハリケーンが来るメヒコ東岸…カリブ沿岸だと絶対に陸に上げて保管したほうがいい船ですよね…。

(または、アラビア半島の富裕層が購入するのを見越しておるのでしょう。あの界隈、離魔の辺りやゲレロネグロ以上に雨が降りませんから…)

でしょうねぇ…ああ、富裕層リカの考えるこたぁ、私にはわかり…。

(メキシコシティとマンハッタンの高級マンションを持っていたフランシスカさんには言われとうありません)

ええ、痴女皇国に送り込まれるにあたって、一旦は処分された私の持ち部屋ですがね。

それと、メヒコで使っていた私のアメリカ製四輪駆動車、本当ならこっちに持って来たかったのですが、犯罪の証拠物件として警察に押収されたまんまなのです。

せめて、あれを返して欲しいのですが…。

(姉に交渉させますが、とりあえずはティオティワカンに送り込んでいる盗まれ号で我慢してください…)

ええ、監獄社の有名な四輪駆動車、差し当たっての皇帝専用車として送り込まれております。

そして、それとは別にこの地にもダンケ号や壊され号といった、痴女皇国の息のかかった場所ではもはやお馴染みの車たちも数台ずつがティオティワカンと…そしてティノチティトランにも配属されておりまして。

で、正規の船着場に着岸する帆船ククルカン号とは別に、かなり違う場所に設けられた皇帝用岸壁に誘導される我々の翡翠号と、ベラ子陛下の乱暴丸ランボウマル

(サン・クリスト号という命名をしております。変な名前で呼ばぬように)

どうも、そのお船の主賓客である聖人様から命名なすった様子。

しかし、ここはひとつ、読者様に覚えられやすい名前で。

ほらほら、ベトナム帰りで名前の通りに乱暴らんぼーな最強兵士を演じたイタリア人もおる事ですし。

(あれはアメリカに移住した人です…イタリア系なのは間違いありませんが…)

まぁ、お船の事はともかく。

私とオノリナ、そしてショコヨツィンやパパロトル、急いで仮面を装着します。

公式の場ですと、この仮面は必須なのです。

特に6919号はまだしも、ショコヨツィンは王位をパパロトルに譲って還俗し男に戻ったというか偽女種になったとは申せ、内部的には明日輝王族の扱いです。

更に、我々は白のポンチョを被ります。

これ、お忍び目的で活動中だという意味なのです。

これを被っておかないと…つまり、メキシコや明日輝、魔屋王族として活動中の場合、当然ですが皆は私たちを王帝の類であるとみなして反応するからです。

(全力でバレている気がするのですが)

(このポンチョを着ている時は敬礼無用どころか、お忍び活動中なので話しかけ禁止の意味があるのです…)

で、桟橋にお船を係留すると、船尾の水遊び用張り出しと桟橋の板がほぼ、水平になりますのでそのまま上陸します。

そして、差し回されていたダンケ号に皆して乗り込み…。

椅子の数、足りません。

このダンケ号、こういう時に備えている明日輝王や招かれた賓客用の座席を備えた、送迎用です。

ですが、そのVIP仕様の立派な椅子、室内に4脚。

即ち、最後尾の荷物置き場を兼ねる通常座席に乗せるしかない犠牲者が発生します。

仕方がないので、私が最前部の助手席に座ることにします…うううううう。

いきなり押しかけて来られたら、こういう事が起きるのです。

運転席の神官も困惑顔じゃないですか。

お分かりですか陛下。

「あたしの上に座って頂いても」

ラスプーチンちん出しながら申されましても、困るんですけど。

それに、この中でそれ、入れられて辛うじて耐えられるのって私以外、いないじゃないですか。

ええ、セニョーラ・ジョスリーヌ主催のパスタ女被害者友の会なる団体、なぜに痴女皇国に存在するのかを私はたった今、はっきりと知りました。

これは、あの団体の存在の必要があると。

それに、これは謀反でもなんでもありません。

迷惑行為を指導する人間、いなければ人は増長するばかり。

(マスコミ関係者の割に常識人なんですね…)

(周囲に無茶苦茶なのが多かったせいなのです…)

で。

ティノチティトランの神殿兼・王宮ですが、スペイン語でテンプロ・マヨール、ナワトル語でウェイテオカリと呼ばれる大きな神殿が存在します。

そして実のところ、我々は北側から市街地に入る大きな運河を進み、神殿西横の船着場に到着しております。

(連邦世界のティノチティトランとはだいぶん構造が違うのも言っておきましょうね…エマ助がおもっきし手をいれやがりましたから…)

(ベラ子かーさま、うちが何か大悪事を働いたかのように言わないでくらはい…大神殿が西を向いて建てられとる上に、その更に西側が正面玄関にされとるからですやん…)

では、ここで元来の連邦世界に存在したティノチティトランと、痴女皇国世界の同名都市の違いをば。

元来のティノチティトラン、大きな水上道路を介して陸側と繋がっておりました。
<i836744|38087>

そして、街中に張り巡らされた水路は船での往来を考えたというよりも、どちらかと言えば生活用水の取水のためであるとされております。
<i836746|38087>

(もともと、テスココ湖の水深が浅めであったことや、周辺の森林を漆喰製造の燃料にしたことで本格的な船舶を建造しようにも材料が不足していたのも理由だったようですね…)

(高地にあって木材入手が困難だった乳母チチカカ湖も葦で編んだカヌーが主力だったようですが)

(今のチチカカ湖に浮かんでいる近代船、確か全て分解して陸路を運んで湖岸で再組み立てしてたはずなんですよ…)

この、ベラ子陛下他との雑談で、こちらの湖上のお船事情、お分かり頂けますでしょうか。

しかし、ティオティワカンをメキシコ帝国の首都として再整備した場合、ティノチティトランとの往来の交通手段は必須。

テスココ湖を干拓しーの埋め立てーので陸地にしてしまった連邦世界のメキシコ合衆国ならば、メキシコシティからティオティワカンまではそれなりの幹線道路が通じておりますけど、こちらは大きなテスココ湖が立ちはだかっております。

で、ティノチティトラン側の構造に手を入れた結果ですね。

 ↓ティノチティトラン島 東↑
 -------------
|      大神殿群   | 
| 船舶運河  口口    |
|  ↓ ↓  ○     |
  ===== |  |     |
|       |  |      南岸連絡道路
 -------      |↓
 大型船用岸壁 |  |     =====
        |  |-----
        |  |大型船用岸壁 
        |  | ←大連絡道路
 ------- ------
  テスココ湖岸(陸地)

こんな感じで、ティノチティトラン島の北からテスココ湖に繋がる水路を設ける大改装がなされた上に、神殿北側すぐ側に岸壁と桟橋が設けられてしまったのです。

そして、テスココ湖北岸やティノチティトランから荷揚げされたり、はたまた逆に運ばれる貨物の取り卸しも考えられた結果、サンティシマ型は島の西側の大型船岸壁に着岸することになりました。

(ですので、数本あったティノチティトラン島への連絡道路、西側と南側の大連絡道路以外は基本的に撤去されていますよ…)

そしてティノチティトラン島自体も大きく手が入りまして、島の西側は物資集積基地として倉庫が立ち並ぶことに。

この時点で、湖岸にも開発の手が入りまして、従来は島内に居住していた俗民…一般民衆はその大半、湖岸から島に通勤通学することになったのです。

で、我々は大神殿ウェイテオカリの敷地内に車で乗り込みますと、神殿東側の裏口へと案内されたのです。

この神殿東側にも、かつては官僚や軍人の住まう住宅などが立ち並んでおったようですが、現在はかなり整理されて挿入器具くすこでも見た女官・労働者向け仕様の寮舎が順次、建設されております。

つまり、明日輝王国の行政都市であるティノチティトラン、魔屋の行政の負担も生じたために全力で作り替えられておる最中なのです。

(この変更、島内の居住者が痴女種または偽女種となって行っておることにも関係しているのですよねぇ…)

(パイセン…室見国土局長からも資料が回って来ていましたけど、かなり大胆に作り替えるようですね…)

そう。

大神殿の中も、今やメキシコ帝国全域に対する行政のためのお部屋が多数設けられる状態になっております。

では、痴女皇国の都市にはつきものの売春、または姦淫はどうしているのか。

その答えの前に、まずは神殿内の上層階にある王帝執務区画へと向かう我々。

「で、今回お招きした件ですが…正直なところ、私には解決の手段を考えつけませんでした」

貴賓応接室に通され、茶が運ばれるのを待って口を開くパパロトル。

「この事象、実のところ魔屋方面での教育担当女官が不足している話を受けて、聖院学院福祉部教員か、または同等資格者や経験者の志願を募った結果、起きていると思われます」

で、パパロトルの話を引き継いだオノリナも、それまでとは一変して渋い顔。

「以前にも淫化での応援者を募った際と同条件のはずなのですが…」

困惑した顔のベラ子陛下ですが、一体全体、魔屋の地で何が起きているのか。

それは…一種の転勤拒否とも言えるサボタヘサボタージュめいた出来事なのです。

「あたしの方に上がって来た報告では、マンコラのレオノール司教、あの方が以前に南洋王国管内のスメネプ港町慈母寺で教育司祭を受け持っていた際の状況に酷似しているとされています。つまり…男児を籠絡して侍従にした上で他所への転勤を断ることを考え始め出す事態が発生しておると」

これは、私が聞いても困った話に思えます。

まず、淫化帝国に痴女皇国が介入し、リュネの難民を受け入れる話が出た際の出来事。

淫化の神官制度を大きく改め、海岸沿いの通称:俗地を含むあちこちの開発に着手した際、当然ですが人手不足が発生したのです。

「この時、当時の淫化支部を支援していた中核幹部が、オリューレ南洋行政局長その人でした。淫化に赴任する女官については魔毒抜きの作業が日常化することに目をつけたオリューレさんは古巣の厚労局に計り、淫化赴任中は少年従者を専属させる雇用形態を認めさせたのです」

「ベラ子陛下のご説明にあります通り、その後のこの制度、リュネ関係者が業務で頻繁に訪れたり、あるいは赴任している地域に勤務する千人卒以上の女官相当者に関しては、当該条件を極力適用する運びとなりました」

この私自身の発言をもう少し噛み砕いて柔らかく申しますと「魔毒抜きのための少年従者、淫化勤務の間は専属でつけてあげます」となります。

そう、一緒に起居する少年を手配してくれるのです。

そして、当時の淫化で特に強く要望されたのが、地方の淫化神殿に勤務可能な実務者。

もしくは、最小限の教育で赴任可能な人物とされたのです。

「当時の状況では、他地域の女官で千人卒昇格候補とされた者も含めて相当数…百人近い女官が志願し、その殆どが赴任を認められて淫化に来たはずです。更には、大半がそのまま定住の方向であったかと」

で、用意された原稿かんぺをささっと読み上げる私、フランシスカ。

と言っても、ちょっと前までは私もオノリナも淫化の関係者でしたから、おおよその事情は把握しております。

なにせ今の南米ですがね。

欧州の海綿菓子ぽるとがる国がまんま支部と化した海綿菓子支部から、首都リスボンの一時遷都を受けている尻出ぶらじる帝国こと尻出支部と、カリブ海沿いの快感王かかお産地である一部地域を除けば、その大半が南米行政局の所轄となっております。

つまり、人を入れても入れても…という事態は当時も今もあまり変わってません。

で、一旦そこに赴任したら当分はその地の統治をやらされる聖母教会や慈母寺方式の雇用で、地域の経営を任されているのが今の淫化の…ひいては南米行政局管内の地方神殿神官長または聖母教会司祭以上の教会長・修道院長の立場。

不祥事を起こさなければ、まず10年は絶対にそこの教会なら教会、神殿なら神殿の管轄地域の荘園経営を任されてしまうのです。

で、同様の処置を取られようとしたのが魔屋地域。

単純作業ではありますが、快感王かかおの実を採集した後でのカカオ豆の取り出しや発酵熟成工程については、カカオ同様に専用設備や職人芸を要求される快感王産地が魔屋圏内にも多数存在するため、当初は定住・定着型の人員育成策を取ろうとしたのです。

ところが…これ、私も原因なんですが、祖国メヒコ同様、格闘闘技…即ちルチャレスリングを地域の国技に定めて流行させ、強い女を騎士ならぬ闘士として取り立てようという案が浮上したせいでですね、中央集権型の国家になる方向性が固まってしもうたのです。

で、神官もティノチティトランとティオティワカンで教育するわとなりましてですね。

そして、教育を中央集中とした場合、どうなるか。

図らずも、レオノール司教がスメネプ時代に経験されたという悲劇。

そうです、せっかく仲良くなった生徒や、果ては侍従少年との涙の別離。

あれの再来が、この中米…特に、魔屋の地で起きてしまうのは明白。

いえ、既にわずか1件ですが、事例報告が上がったのです。

私は、エロ本ではなく、きちんと装丁された童話の形を取って、世に広められた小話を思い出しました。

そう、レオノール司教とサリム少年の一件、醜きプロゴンザなる架空の存在を主人公とした寓話と共に、痴女皇国の初等教育教科書として知らぬ者とておらぬ話となったのです。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/155/

となれば、ベラ子陛下の臨時のご来臨の理由、想像もつこうというもの。

しかも陛下、今、お越しなのは本体では。

これは黒薔薇資格者あたりでないと分かりませんが、痴女皇国の近衛騎士団である黒薔薇騎士、陛下の警備や警護も任務のうちとなっておりますので、聖環で見れるIFFステータスの中に秘密の情報が入って来るのです。

つまり、今から聞かされる内容、本国でも、ことの他重視されておる模様。

(ほんまなら当時の関係者である、ワイがそちらにお伺いしたいんですけどな…ワイも今、流刑地大陸の方に行く用事が出来とりましてな…)

これはマルハレータ殿下ですね。

で、殿下は痴女皇国に於ける恋愛推進論なる教育論を推し進めている一派の筆頭とされております。

その理由たるや、人心あっての人であり、単なる性欲だけではなく人間としての感情教育を重視することで価値の高い人を生み出し育てたいという、それなりに納得できる理想が含まれております。

そしてですね、この一派の中には、まさしく聖人様とよろしい仲であるベラ子陛下も関わっておられるのですよ。

ですので、この話に関しては我々も無下には出来ない事情があるのです。

で、一体全体何が起きておるのか。

まず現在、曲がりなりにも魔屋地域の都市国家を束ね、魔屋王国を建国した現在ですが、急激に統一を推進した代償のツケが来ております。

すなわち、各地の都市国家の神殿に派遣されるべき神官を慌てて用意する話となってしまいまして。

で、この際に取られた政策。

神話形態や住民意識が似通っていた上に、魔毒対策身体に切り替わっていた淫化管内の神官または聖母教会の尼僧を数十名、配転せざるを得なかったのです。

で、この配転対象神官。

そもそも本国や他支部から淫化への配転を受けた者を中心に選抜した上で内示を出したのです。

つまり、辞令を受け取った者には、またしてもドサ回りの指示と受け止められる懸念が出ました。

いえ、実際に女官たちからは不平不満が出たのです。

で、コレコレの事情で今、離れるとまずいという者については…そうですね、例えば挿入器具くすこの南南東、不倫垢ふりあか不能ぷーのから見れば南南西にある牧畜都市アレキパですとか、あるいは挿入器具くすこ東北東かつ付近にある農耕地のオリャンタイタンポでは、それぞれの地場産業振興や開拓の真っ最中。

いくらなんでも神殿長が司教級のこの界隈から長を引き抜かれるのは困りもんやと苦情が出ました。

(ワマンガ黄金神殿の者ですが、せっかく頂いた町をほったらかして魔屋に行くのも…)

あ、これはアヤクーチョという別名で知られたところの方ですね。

(イカ聖母教会です。こっちもラクダの放牧地の整備が進んでおりますところでして…)

そそ、このイカの町、ピスコというワインを基にした蒸留酒の製造で連邦世界では知られております。

そして、痴女皇国世界でもイカワインやピスコの製造、開始されていたはず…。

(イカで作られたワインでも、イカ臭くはないですから安心して…)

(エマネ様の管轄でしたっけ)

(いちおー。離魔の南東の俗地扱いの場所ですし、距離としては離魔からチンボテくらい。南米縦割街道をゆっくり行って2時間、普通に流れに乗れば1時間半ほどで到着しますね…)

まぁ、そんなこんなで淫化としても、旧・管轄地でもあった魔屋に人を出すにやぶさかではないものの、実際には人を迂闊うかつに引っこ抜かれると困りますねんわという苦情がかげにということに。

そこで、白羽の矢が立ったのが、挿入器具の炸砕岩満さくさいわまん・南神殿の学生ですとか、あるいは各地の助祭または百卒神官級。

つまりはまだ、ちんぽが生えてないか…生えていても応急処置の者たちです。

彼女たちに昇進を持ちかけるとともに、これまた欧州や南洋、果ては茸島の聖院学院生徒…特に司祭以上を目指す高度教育者も「他の宗派やけど域外実習に行ってこいや」とされて送り込まれたのです。

普通のキリスト教各宗派なら、絶対にあり得ない話。

しかし、レオノール司教のように慈母寺の尼僧の資格も、はたまた聖母教会の尼僧も可能な複合資格者は司教だけではありません。

淫化尼僧尊いんかあまぞん絶頂都市いきとすで毎日きゃあきゃあ言ってるらしいリリアス司教も、東方聖母教会と罰姦ばちかん聖母教会、そして淫化の神殿神官資格もお持ちです。

(フランシスカさん…代わりませんか…)

(代わって差し上げたいのはやまやまですけど、今、交代すると明日輝と魔屋がそっちの担当になりますよ…)

(どのみち、楽はできんのですね…せめて満女薄まなうす行かせてくれぇええええええ)

森の中にあって淫化や尻出はもとより、痴女皇国本国からの監視の目も薄い絶頂都市いきとすで一体全体、ナニを言っておいでなのかという思いもありますが。

------------

でまぁ、我々はその事例…現時点では処罰するかどうかも決まっていない、いわばメキシコ帝国…中米行政局と痴女皇国本国の関係者一同、現地には悟られぬように「これヤバいんちゃうん、レオノール様の二の舞やで」とか騒ぎながら酒の肴にしとるような事案に目を通します。

その、当事者とは…まず、赴任地はどこなのか。

魔屋王国・具悪手魔羅ぐあてまら州の州境に近い、本獣素ほんじゅらす州の山深く、翡翠ひすいの産地でもあるコパン。

ここは、連邦世界でも古くから文明文化が栄え、紀元前からの遺跡が多いマヤの遺跡群の中でも有名な場所。

何せ、観光に訪れる非・スペイン語話者のための語学学校がいくつか存在するくらい。

つまり、ガイドの説明を聞かないと何が何やらさっぱり、という部類の文化史跡でもあるのです。

で、そんな密林の中のコパン。

痴女皇国世界でもコパン川という水源が側にあることも相まって、古くから都市国家が形成されておりました。

で、このコパン。

コパン谷の山あいの地形を使って、連邦世界ではコーヒー栽培も盛んだったのです。

そう…珈琲淫かふぇいん農場、この地でも企画されました。

そして都合の良いことに、コパン・ルイナスという現在のコパン県の中心に該当する地域のそこそこの平野を切り拓けば、とうもろこしやお豆、そして熱帯ゆえにコメも作れるわとなったのです。

つまり、自給自足も下手すれば、充分に可能。

で、悲劇の理由は…コパン遺跡に該当する神殿都市中枢部は、密林の中に存在します。

そして痴女皇国の介入後、コパン・ルイナスに該当する地域を切り開こうとした際に、改めてこうした農産物生産を魔屋神殿の荘園化し、住民を俗人かつ小作農民主体の就業とする試みがなされたのです。

まぁ、ここまでは淫化や魔屋…そして明日輝でもあった話です。

そして気候帯でもカカオベルトのぎりっぎり北限に該当したため、快感王かかおの栽培地にも選ばれたのです。

そう…珈琲淫も快感王も、その実を収穫するためには人の手で行う方が良いか、人力作業が絶対に必要な部類の果実をつけるのです。

従って、珈琲淫や快感王のプランタシオンプランテーションをやるという時点で、それなりの作業人口の配置が必要になるのです。

で、快感王も珈琲淫も、その収穫自体は男の体力と速度や瞬発力を必要とはしません。

むしろ、手の細かい作業となるので女子供の方が向いているかも知れません。

実際に中南米、そしてアフリカのカカオ農場やコーヒー農場、真剣に女子供の労働で成り立っている一面がありますし…。

でまぁ、でんぷん質主体の主食…とうもろこしやコメ、お豆だけではなく快感王に珈琲淫、そしてバナナなどの産地として栄えさせようという試みがなされたのがこの、コパン谷の一帯とコパンの神殿都市だとお考えください。

で。

痴女皇国がこうした農業荘園を経営する、あるいはさせる場合、必ずセットで行われる作業があります。

ええ、読み書き計算…せめてメヒコの小学校プリマーリア中学校セカンダリア程度の学力を身につけさせること。

文字付きのエロ本が売られているのも、エロ本のサイドストーリー解説めいた簡単な文章を読める程度には学力を身につけろという意味があるのです。

そして…実は今から申し上げるセゴンド・インフィデンテ・ディ・レオノール…第二レオノール事件という、当のレオノール司教には屈辱的な事件は現在も進行中です。

で…コパンとその周辺、つまり魔屋地域では販売されてませんけどね、他地域ではエロ本にされて自販機で売られておるのです…既に…しかも、現在進行中にも関わらず!

---------------------------------------

れおの「やめてくださいおねがいします」

まるは「あかん。少年食いのどすけべ尼さんの一人として、レオノールの名前は痴女皇国史に残るのや」

れおの「のこさんでええです!」

しすか「で、レオノール司教がいまだに大司教の資格をお持ちにも関わらず司教の件ですけど」

まるは「もちろん、マンコラで飼い殺すためですがな」

れおの「デモーニョジアーボマダミオリューレセニョリータマルハレータ…」

まるは「海綿菓子語やとワイが理解できん思うて好き勝手言うとるやろ…実はスペイン語とあんま変わらんから意味は大体わかんねんぞ…」

れおの「と、メノアマイナーな言語のお国の方が」

まるは「ポルトガル語話者が多いのはブラジルのせいやろが…スペイン語も連邦世界やと植民地が多かったからやないけ…」

しすか「私やオノリナ、そして6919号がスペイン語母語なのはまさにそれが理由なんですよねぇ…」

べらこ「マイナー言語っていうとイタリア語はかなりギリギリでTOP30に入っておるのです…」

まるは「スイスのイタリア語話者地域もありますな」

べらこ「で、この言語や話者問題、もしかすると出てくるかも知れないのですね…次回に…」

まるは「ちなみに信じられん話、しましょか。ベラ子陛下経由で聞いたんですけどな。次回の登場人物の詳細、まだ決まってないそうですわ、天の声とやらの脳内では…」

べらこ「さすがにこれはまずいと思うのです…」
https://x.com/725578cc/status/1777982804590264618

しすか「つまり、どんな人物が淫行痴態を繰り広げるかは次回のお楽しみ…」

他全員(煮え切らんもどかしい話やな…)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...