198 / 396
女修道士渚に立つ・6.0
しおりを挟む
さて、場所は変わって…ここはジョクジャ王宮。
ジョクジャカルタ市内に存在する王宮です。
ですが、近年までは大多数の建物が放置されるままで荒れ果て廃墟と化していたとか…それを再生したのみならず、連邦世界にも現存する同一名の宮殿に酷似した壮大な建築物に建て替えた犯人は…。
(ベラ子かーさまの指示通りにしたつもりやのに、なんでうちばかり!例のお酒の原液購入予算、ダブルレモン分の価格で承認してくださいよ!)
(いくらエマちゃんの身体に影響がないと言っても周りの目があります!普通のレモンの原液にしておきなさい!)
そもそも「あのお酒」の業務用原液を箱単位で買い付けている時点で色々とダメな気もしますが、犯人はまぁ、あたしの娘でした。
---------
で、少し時を戻しまして、改めての戴冠式をそのジョクジャ宮殿で行うための準備中のあたしたちですが、ボロブドゥール慈母寺院にいます。
で、南洋王国の都の件なのですけど…少し前までの王都はこのジョクジャカルタに存在したそうです。
しかし、現王即位の際に港町ジャカルタに遷都した経緯があるとか。
(この辺は連邦世界のインドネシアの歴史と違うから注意よ、ベラちゃん…)と、雅美さんから連絡が入ります。
で、ジャカルタはこの当時、バタヴィアと呼ばれたあまり大きくはない港湾都市だったそうです。
ところが南洋王国の国王逝去に伴って王位継承権で揉めて、結局は先王の甥にあたる現王…ついさっき即位したカルノ君ではなく、女体化された上でカルノ君が犯していた王様その人が国家経営に暗かったため、まともな王宮を作れぬままに今に至ったとか。
そして新王スカルノ一世として即位することを宣言したカルノ君は、その場で古都ジョクジャカルタへの遷都を宣言。
新王の意に賛同する王臣や兵士、更に民は王の古都凱旋に同道せよとの勅令を発布しています。
んでですねぇ。
賛同しない者たちはどうなったのか。
実は、この政変の際に、鬼細胞雨をバタヴィア…ジャカルタ市内に降らせています。
そして、撒いた雨は、この当時のジャワ地域言語を使用する脳に作用するようにセットしたものです。
更には、少年新王の即位に賛同しない意志を示す事が駄洒落菌変種発動の引き金となるようにされていました。
ええ…バタヴィア市民で新王朝を歓迎しない人々は、残らず若い女…女官の姿になってしまったのです。
そして、一夜が明けるのを待たずに、一種の劫掠が始められていました。
老いも若きも性別を問わずに、若い女の姿になってしまったのですよ…?
で、混乱する人々を集団洗脳するが如く、堕天使さんたちを使役して知識を吹き込み、旧王宮を目指させたのです。
そして、とりあえず着るものをということで、淫蟲下着とサリーめいた布を配るのは聖隷騎士団の女の子たち。
更には、用意された聖環をつければ新王の王政に賛意を見せた者として扱うから、街に出ている騎士や兵士に守って貰えるからと吹き込んでいます。
ですがねぇ…これ、ワナだっての…おわかりになるでしょうか。
そうです、聖環による淫蟲下着の制御や、脳内駄洒落菌制御が働く環境が整うのです…。
加えて、エマ助が臨時に「ボロブドゥール寺院」との転送経路を開いて、王宮内には交代で千人卒以上の女官が増援として順次交代で送り込まれます。
更には警務罪人のシフトも変更されて、万を超える若い女性にちんぽを充当する対応を実施していたんです…。
で、これまた予め作らせておいた王宮付随の公衆浴場…なにせ元々火山島ですからね、温泉、本当ならば結構出てくるのです…に誘導して聖隷騎士や聖院学院の生徒たちを動員して身体を洗ってあげたあとで服を支給してあげるよという流れに持っていってます。
そう、ここでも罠が仕掛けられていました。
浴場内のお湯のみならず、水飲み場の水など、およそ身体に触れるか体内に入る水全ては鬼細胞によって保持されている駄洒落菌変種を含んでいたのです。
そして、こっちの方は女体化…例の一人卒女官相当の人体化した身体に効く品種です。
まず、淫蟲下着の攻撃と脳操作によって、エロ漫画や異世界エロ小説…あたしたちの話も考えてみればそうですよね、ほほほ…にありがちな、強力な媚薬を投与されたも同然の状態になってしまいます。
そして、発情した女たちは片端から苦しみを訴えますが、それを承知の聖隷騎士や、本宮から送り込まれた警務騎士資格者の女官たちが流れ作業のごとく、扉へ誘導。
そうです…女たちはボロブドゥール寺院の地下に飛ばされるのです。
で、ここでも待ち構えていた先ほどの千人卒女官と罪人たちが、警務任務時の服装で「女たちの要望」に応えていくのです。
ええそうですよ、今、寺院の下はとんでもないことになっています。
そして、犯された女たちは…慈母寺への信仰程度によって異なりますが、今の時点では半数が偽女種に変質してしまうでしょう。
で、寺院の地下でこれまた流れ作業のごとく犯された女たちは絶頂時に失神昏倒します。
更には妊娠していますので、茸島と寺院地下の即成栽培プラントに送り込まれてほぼ、自動的に出産処理されてしまいます。
で、起きた女たちは自分が孕んで子を産んだ自覚がないままに質問をされ、受諾した場合はこのまま慈母寺にて身柄を預かるが、希望するならばバタヴィアに戻すがどっちを選ぶか尋ねられるのです。
まぁ…これも、罠ですよね…。
なぜならばこのまま戻れば、半数は日の出と共に偽女種化します。
そして、従来から灸場やこの南洋島に他の地で「生産」している偽女種さん同様に変態性欲を強められた偽女種ですから…。
ええ、日の出と共に、バタヴィアでは今度は住民同士による劫掠が始まってしまうでしょう。
更には、この工程で偽女種化した女官同等の女たちが強姦に走ったが最後、射精後に懲罰機能が働いて…ええ、急速老化が始まるそうです…。
むろん、バタヴィア市内には慈母観音像が運び込まれて精気を回収する準備も万端です。
恐らくはバタヴィアの人口、今日と明日で半分未満に数を減らしてしまうでしょう。
ですが、その代替は既に都合がついているのです。
量産に量産を重ねた聖院学院の生徒…この慈母寺に併設した仏学部の生徒さんも含めて、穴埋めする人口は既に準備されているのですよ…。
「何と恐ろしきは痴女皇国の技術、というものですか…」
「まぁ、あたしらが本気出したらざっとこんなもんね。焼けて死ぬ偽女種の巻き添え火災防止も含めて、警務騎士を大量に送り込んでるし…それにダリアが現地指揮官で残ってくれてるから、バタヴィアの町と港は、ほぼそっくりそのままあたしたちの手に入ると思って間違いないわ。警務騎士が略奪や破壊を阻止してるし、やろうとしただけで捕縛されてここに送られて罪人女官処理の流れに乗っちゃうし」
で、早速にも開通させたバタヴィア旧・王宮とこのボロブドゥールを結ぶ転送ルートを使ってカルノ君と、そして捕縛した王女と元・王子様と共にこの寺院に戻って来た雅美さんのお話がこれです。
「恐らくは1週間もかからずにバタヴィアの都市機能は復活するでしょうし、1ヶ月もあればこことの間に鉄道も出来るって事でエマちゃんと理恵ちゃんが準備してくれてるしね」
「マサミさんと陛下には本当に頭が上がりませんね…私とベテハリがお世話になってから2年かからずに、南洋王国が慈母宗…そして痴女皇国のものになってしまうのですから…」
「なぜ女官や少年を大量に産ませていたか、これでわかりますよね。かなり小さな集落にも目が届くように、なかば無理やりに慈母寺を建設していたのもこのためなのです」
社寺領最上階の窓から、眼下の公園…ところどころに絶林檎の木が生えている芝生めいた草原を眺めながら感慨深げにしているアニサちゃんですが、その見ている広大な緑地では、夜も絶えない参詣者と尼僧だけでなく、バタヴィアから連れて来られた女たちを犯す騎士や警務罪人の姿までもがあちこちに見えます。
「地下の礼拝堂だけじゃ追いつかないから仕方ないわね。じゃ、ベラちゃん…あたしは一旦痴女宮に帰投するけど、翌朝には交代でデルフィリーネ南洋島警務部長が着任するはずよ。あとはよろしくっ」
と、転送依頼をして消えて行く雅美さんです。
まぁ、雅美さんには眼下の淫猥を極めた光景も、あまり新鮮味はないようですけどね。
ただ、アニサちゃんやベテハリ君には興奮する眺めなのは間違いないです。
まぁ、この場でおめこを始めても良いのですが…とりあえず、あたしたちはDA62に乗ってジョクジャカルタ市内のアジスチプト飛行場に行く事にします。
べらこ● くりす
べてはり あにさ
すかるの おうさま おうひ
「では、リンジーさん、ルイーサちゃんにシャルロットおばさま…よろしくお願いします」
「お任せを」
「行ってらっしゃいませ、お従姉様」
「慈母宗も聖母教会も意外に致しておる事は変わらぬ様子。新王の戴冠式につきましてはマリアヴェッラ陛下のお心のままに」
ええ、この三人には既に慈母宗尼僧衣装を着てもらっています。
で、あたしたちがジョクジャカルタに行ってる間の留守番をお願いしているのですよ。
「ジャカルタ…バタヴィアには既にサンティシマが入港して、ナディアさんと凛ちゃんの率いる紺碧騎士団の増援と、入植者送り込みも始まっているようです。向こうは大混乱を来すことはないでしょう」
「かしこまりました、行ってらっしゃいませ」
尼僧たちの見送りを受けて、固定式の燭台照明に照らされる参道からDA62を再び離陸させます。
真っ暗な中ですが、アジスチプト飛行場には以前の死霊盆踊り作戦の時と違い、電波標識や照明がそれなりに用意されています。
何よりも、ボロブドゥールからの飛行距離はせいぜい40キロほどなので、すぐに着いてしまいます。
もう、面倒なので脚を出したまま飛んでしまおうかと思ったくらいですね。
(北大東島と南大東島の間の飛行やあらへんねんから…それにDA62はあくまでも自家用機やから、着陸脚はあまり頑丈やないねんさかい、ちゃんと脚上げて飛びなさい…)
ええ、持ち主がNBからわざわざお小言をぶっ込んで来られました。
確かに着陸脚を破損した状態で胴体着陸などしようものならば、新品で1億円を優に超えるこのDA62をほぼ確実に全損させてしまうでしょう…。
(一応それ、複合素材使いまくっとるから全金属機体のよりはある意味でヤワやからな…最高速度400キロ未満なのを念頭に置いて有限要素法とか駆使してコストダウンしてる一面は否定できん…)
なんちゅう飛行機を買うのですか、と言いかけましたが…確かにこのDAシリーズというのはそういう小型ディーゼルエンジンと軽量機体で経済的な運航を望む小型機オーナーパイロットにアピールする目的で作ったとも説明を受けた気が…。
(ベラ子も落胆してたやないか…え?もっと速い飛行機だと思ったとか現物試乗の際に言うとったやろ?)
ま、まぁ確かに…。
(ただなぁ…ビーチのキングエアにするとな…値段が5倍ばかりハネ上がるぞ…維持コストも爆上がりするからな…)
ええ、それもお聞きしました。
最高速度が200キロほど上がる代償に、ものすごく値段が上がると…更に、その価格ならばいっそスケアクロウを飛ばすか、フランスにお願いしてビジネスジェットのリースを受けた方が安く上がる可能性すら言われて断念したのですよね…。
(痴女皇国として今後、航空機を大量に導入する必要性がある場合は同一機種を大量に買う事で重要カスタマー扱いされるからな…そういう事が起きたらキングエアどころか、ダッソー・ソニックファルコン辺りの導入を考えても充分にペイするやろけど…当面はDA62で我慢しときなさいっ)
ああ、カエル女の国で作ってる超音速ビジネスジェットですね…。
これ、戦闘機1機くらいの値段がするので普通のプライベートジェットよりも更に持つ人を選ぶそうでして、F1パイロットであたしの友達のジャン=リュック・パスカルですら購入を諦めたって言ってましたね。
(ベラチャンは自分で操縦できるからいいけど、ヒトミはまだしも、ボクも流石に超音速飛行機のライセンスを取るのは難しかったから、ヒコウキを買うだけじゃなくてパイロットを雇用する必要があるんだよネ…)
これは瞳さんの分体に協力してもらってあたしに呼びかけているらしき、ジャン=リュックの嘆きです。
まぁともかく、普通のビジネスジェットでもそう簡単には持てないのですから、モテない男性の嘆きとヘイトが集中しないように、そういう贅沢な悩みはあまり披露しないように言っておきましょう。
それはともかく、滑走路沿いの灯火に合わせて着陸を決めた後で我々が滑走路に降り立ちますと、待ち構えていた橙騎士団員より、送迎仕様のダンケ号に乗り込んで市街地に向かうことになると説明を受けます。
「ボロブドゥールでの作業がひと段落すれば、リンジー行政支局長もこちらにお越しになるそうですね。駅からのお出迎えも拝命しております」
で、駅という単語にピンと来られた方、そもそも北部の港町であるスマランとの間に連邦世界からの犯罪者を中心とした「処理対象者」を輸送する鉄道が存在しているのを思い出してください。
あれは…この政変後に南洋島内に敷設される産業鉄道網のひとつなのです。つまり、痴女皇国による制圧とその後の開発も見越して建設されているのです…。
ま、それはともかくとして、車で送って頂く事にしましょう。
「そうですか…まぁ、痴女皇国の中でも緘口令を敷いていましたし、かなりの荒っぽい作戦になるのは予想しておりましたから…お疲れ様です」
で、まだ夜も明けぬジョクジャカルタの町に向けて車が走り出しますが、5分も走らせない内に運転席と助手席から苦しそうな声がします。
「陛下…恐れ入ります、少しだけ車を停めさせて頂いてよろしいでしょうか…」
どうも、このジョクジャカルタに撒いた雨の影響が出てしまったようです。
しかし、今苦しんでいる騎士たちは慈母寺本山や王宮守衛につく、いわばエリートのはずですが…少し気になりますので、ちょっとステータスを覗いてみましょう。
Margareta van Oranje マルハレータ Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Oranje ridder, Borobudur Nanyang Mercy Mother-tempel. (Ridders van het paleis van Jakarta) 南洋慈母寺僧兵(ジャカルタ宮殿所属)
Willemina van Oranje ウィレミーナ Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Oranje ridder, Borobudur Nanyang Mercy Mother-tempel. (Ridders van het paleis van Jakarta) 南洋慈母寺僧兵(ジャカルタ宮殿所属)
ふむ。お二人とも千人卒ですね。
それとアニサちゃん、この子たちは明らかに南洋王国の子ではないのです。
見た目も完全に白人ですし、パツキーンってやつですよ、髪の毛も。
おまけに、かろうじて日焼けしてない肌を観察するだに、結構緯度の高い地域で暮らしていたらしい白い肌が本来の基本の模様。
で、この子たちの名前や、最近は出生国の言語で書かれていることが一種のヒントになっているらしいステータス情報からすると、何やらこのジョクジャカルタの配属になるまの経緯がものすごく怪しい気がします。
という訳で、語り手をアニサちゃんに代わってもらいましょうか。
----------------
ええええええ。
ベラ子陛下がご説明くださいよっ。
Selamat pagi semuanya. Nama saya Anisa.
失礼。
我が南洋では、多くの皆様のように名前の前に苗字をつけないのです。
あ、後々の世では戸籍管理のためや、あと、今ここで苦しんでいる女たちの元々の国の習わしに合わせるために姓というものを導入することにもなるだろうとは聞きましたが、差し当たって私を示す言葉、アニサでしかありません。
これは、我が亭主のベテハリも同じでして、よそのお国ならば高木ベテハリだとか、あるいはスラバヤのベテハリといった具合に「どこの土地のどの家のベテハリ」なのかを示すような何かしらを日頃から名乗ったりしてると思うのです。
ですが、この時点での南洋王国では「よそから来た」方以外は基本的に名前以外を持ちません。
ま、王様やら地頭様やら村かしらなど、何かしらの仕事につく大人でしたら「ジョクジャカルタの街頭のハッタ」みたいな感じで地位身分職業などと合わせて名乗ったり語られたりで、どこのハッタさんですかという識別区別を行いますけどね。
で、この決まりで行きますと、わたしは南洋王国のボロブドゥールにある慈母観音という仏様を祀る大きなお寺の女の僧侶を束ねる長をしているアニサです、と皆様に名乗ることになります。
ですので、わたしたち南洋の民が「名前がない暮らしをしている人よりはちょっとは考えていた」言葉を使って意思を通じ合わせていた程度は覚えておいてくださいね。
そして…今、わたしの前で苦しんでる二人が、明らかに南洋王国とは違うところの生まれなのも。
ええ、見た目からして違いますよ。
わたしもベテハリも、元々の肌の色は黒めで顔立ちだって、この子たちとは明らかに違います。
更に言うと、目の色はこの子たちのように青じゃないですし、髪の毛も黒色ですよ。
(またアニサちゃんは白々しい…この女の子たちの親御さんはですね、北方皇帝が身分を隠して船大工の中に紛れて帆船建造技術を学んでいたのを見て見ぬふりをしていただけでなく、毛皮取引でうまうまと美味い汁を吸おうとして未来の北方帝国の皇帝になる予定だったモスクワ大公国の王子様に色々と渡すものを渡して海軍力をつけさせようとした…北方帝国をしばこうとしていた当時の痴女皇国からすると大悪人だったんですよ?)
ええ知ってます。
しかも、ノヴゴロドという寒い街に赴任したわたしとベテハリは、女の人みたいなお兄さんのおめこの相手役をしていたのですけど、そのラドゥとかいうお兄さんのご商売の邪魔を重ねていたみたいですね。
で、北方帝国の攻略ついでにその、「海より低い大地ばかりが続く変な国」もしばいてたじゃないですか。
そして、この子たちは痴女皇国に逆らったらこないなるんじゃとばかりにコカンを生やされて普通の男と結婚できない体にされてしまったあげく、人質としてこの南洋の地に連れて来られたと。
(それにアニサちゃん。この子たちの親御さんが王様をしていた海面下売春国…球根詐欺国ですけど、この南洋王国の先代の王様と通じて一部地域に重税を強いたり、果ては奴隷売買で利益を上げていたじゃないですか。大麻を槍大麻に作り替えた件だって、この球根詐欺国が香辛料だけでなくて大麻を本国に持ち帰って荒稼ぎを企んだからなのですよ?)
そうなんですよ…。
今、車の後ろの椅子に座ってて、わたしたちの息子のカルノが見張ってる南洋国王と奥さんは自分たちの財産を増やしてぜいたくをするためと、この球根詐欺国の兵隊さんを利用して自分たちのしたいようにすることを考えてたんです。
これは、痴女種というのですよね…わたしにコカンが生える前の時から人の考えが自然に読めるようになったのですけどね…。
そのときから王様たちの本音はよく聞こえてきてましたけど、何をどう見ても聞いても知っても、ちょっと許したくない部類です。
だって…わたしとベテハリが別れさせられた理由だって、わたしをバタヴィアに売るためだったんですから。
それも、この王様のセックの相手になるだけならまだしも。
あ、南洋の島ではバタヴィアと、それ以外では女の扱いはかなり違いますよ。
もっとはっきり言ってしまいますと、この球根詐欺国のせいで男は働くどれい、女はオメコにコカンを突っ込まれる穴どれいの扱いをされかねなかったのです。
なにせ、球根詐欺の国は人をどれいとして買ってくれたのですから。
そして、ゴムというねばついて伸びる汁や、くしゃみが止まらない粉…肉に擦り込んで味付けに使う粉を作るための草の実ですとか、実を煮て黒い飲み汁を取り出す果実などなどなど、球根詐欺の国では高く売れるものをどれいに作らせてたんですよ。
これを止めさせて、その商売を根こそぎ自分達のものにしてしまった…いえ、やってることは同じでも、人をどれいにするような野蛮なことでなくてもっと、毎日明るく楽しくいやらしく働けるやりかたで、お給料という働いた代償もくださるようにしてくれたのが、ベラ子陛下たちなのです。
ですから、後ろの王様たちに従うえらいひとや兵隊さんよりも、この王様と仲間の人を恨み憎み…機会があれば殺してやると思っていた人の方が多かったと思いますよ、うん。
そして、ちょっと前まではベラ子陛下たちと見分けがつけづらかったのですけど、心で話せない金色髪の女や男たちは、王様を操って悪いことをしていた大悪人の国だから滅ぼしはしないけど痛い目に合わせるってことで、北方帝国をなぐる戦いの時に色々とされたの、わたしもノヴゴロドにいたから知ってるんです。
そして、この女二人を人質として引っ張って来られた時に、ベテハリと二人してオメコをして犯して汚してやったのはわたしなのです。わたしも…このためにチンポを生やしてもらったも同然の立場なのです。
そして、この仕返しをさせてくれたのはベラ子陛下です。
そもそもベテハリが親兄弟にいじめられていたのはまだしも、わたしと子供を作るお付き合いをする邪魔までした理由を作ったのはこの子たちの親だって。
ただし、この子たちにもあえてチンポを生やさせて、男とも女ともオメコしないと生きて行けないようにするから私たちに仕える人生を選ばせてあげてとも頼まれました。
で、前からお話が出ていたと思うんですけどね。
ベラ子陛下は、わたしとベテハリをことのほか可愛がって、飼ってくれていました。
それも、後々勉強した中で知ったのですが、ペットとか家畜とかいう…人に大事にしてもらえる立場で飼われていたどころじゃありません。養子やょぅι゛ょ、いえ養女という言い方の扱いだったみたいです。
それだけ色々大事にしてくれていたら、陛下やクリスさんとオメコするくらいは別にいいじゃないですか。
むしろ、私もベテハリも陛下と喜んでオメコしてましたよ。
そして今、私はこの生意気そうな女たちを家来にできる立場です。
ええ、ジャカルタの町に降らせた雨がオメコしたくなるくすりを混ぜられてたのは知ってます。
それも、痴女皇国や私がアマさんの長を務めるお寺に逆らう気持ちが強いやつほどオメコしたくなるようにされていると聞かされてましたよ。
つまり、こいつらがオメコしたくなってチンポをはしたなくギンギンに大きくしてるということは、内心ではわたしたちにまだまだ逆らう気が満々だったってことです。
この、くそ女ども。
(これこれアニサちゃん…殺したいくらい憎んでいるのはわかりますけど、憎むばかりでは人の世は荒れるばかりなのです…許すことも覚えないと、今度は逆にアニサちゃんを憎む人が同じことをするかも知れません。ですから、この女の子たちの心を入れ替えてあげるのですよ)
と、ベラ子陛下からさとされます。
確かに、それもそうですね。
こいつらや後ろの王様と王妃さま…二人とも若い女になっちゃいましたけど…をいじめにいじめていては、わたしがそうだったように、人を憎みに憎んでいつか殺すの犯すのはずかしめる事を寝ても起きても考えることでしょう。
ええ、ベテハリがいなくなったとき、私が毎日仏さまに祈ってたのは本当です。
そして、私とベテハリの仲を引き裂いたやつ全員、死んでしまえとも。
(アニサちゃん、それを実際に実行するかどうかは別にして言いますよ。あたしの頭を見せたからわかると思うんですけど、あたしのおじさんはアニサちゃんのように口や態度には出しませんけど、人から受けた仕打ちや恨みをきっちり覚えていて、絶対にお返しをするような性格でした)
あ、ヨーロッパというんですか、向こうでお会いしましたよ。
わたしたちのような黒い髪の毛のかっこいいおにいさんですよね。
うん、あのひとならわかります。
それに、ミケーレさんっていう、チェーザレさんと仲良しのおともだちだけど、静かで怖いおにいさん。
人に逆らう気をなくすくらいにきつい仕返しをするのが大好きなんですよね。
そして、ベラ子陛下だってそうじゃないですか。
おじさんの血を引いてるんですから。
(ただ…あたしたちにとって、人は財産なんです。それに、アニサちゃんに仕えて言うことを聞いていれば、おめこざんまいの暮らしができるとまず教えること。そして…次にして欲しいのは、アニサちゃんとベテハリ君、それからカルノ君のためには死んでもいいっていうくらいに崇拝させることですからね…?)
ジョクジャカルタ市内に存在する王宮です。
ですが、近年までは大多数の建物が放置されるままで荒れ果て廃墟と化していたとか…それを再生したのみならず、連邦世界にも現存する同一名の宮殿に酷似した壮大な建築物に建て替えた犯人は…。
(ベラ子かーさまの指示通りにしたつもりやのに、なんでうちばかり!例のお酒の原液購入予算、ダブルレモン分の価格で承認してくださいよ!)
(いくらエマちゃんの身体に影響がないと言っても周りの目があります!普通のレモンの原液にしておきなさい!)
そもそも「あのお酒」の業務用原液を箱単位で買い付けている時点で色々とダメな気もしますが、犯人はまぁ、あたしの娘でした。
---------
で、少し時を戻しまして、改めての戴冠式をそのジョクジャ宮殿で行うための準備中のあたしたちですが、ボロブドゥール慈母寺院にいます。
で、南洋王国の都の件なのですけど…少し前までの王都はこのジョクジャカルタに存在したそうです。
しかし、現王即位の際に港町ジャカルタに遷都した経緯があるとか。
(この辺は連邦世界のインドネシアの歴史と違うから注意よ、ベラちゃん…)と、雅美さんから連絡が入ります。
で、ジャカルタはこの当時、バタヴィアと呼ばれたあまり大きくはない港湾都市だったそうです。
ところが南洋王国の国王逝去に伴って王位継承権で揉めて、結局は先王の甥にあたる現王…ついさっき即位したカルノ君ではなく、女体化された上でカルノ君が犯していた王様その人が国家経営に暗かったため、まともな王宮を作れぬままに今に至ったとか。
そして新王スカルノ一世として即位することを宣言したカルノ君は、その場で古都ジョクジャカルタへの遷都を宣言。
新王の意に賛同する王臣や兵士、更に民は王の古都凱旋に同道せよとの勅令を発布しています。
んでですねぇ。
賛同しない者たちはどうなったのか。
実は、この政変の際に、鬼細胞雨をバタヴィア…ジャカルタ市内に降らせています。
そして、撒いた雨は、この当時のジャワ地域言語を使用する脳に作用するようにセットしたものです。
更には、少年新王の即位に賛同しない意志を示す事が駄洒落菌変種発動の引き金となるようにされていました。
ええ…バタヴィア市民で新王朝を歓迎しない人々は、残らず若い女…女官の姿になってしまったのです。
そして、一夜が明けるのを待たずに、一種の劫掠が始められていました。
老いも若きも性別を問わずに、若い女の姿になってしまったのですよ…?
で、混乱する人々を集団洗脳するが如く、堕天使さんたちを使役して知識を吹き込み、旧王宮を目指させたのです。
そして、とりあえず着るものをということで、淫蟲下着とサリーめいた布を配るのは聖隷騎士団の女の子たち。
更には、用意された聖環をつければ新王の王政に賛意を見せた者として扱うから、街に出ている騎士や兵士に守って貰えるからと吹き込んでいます。
ですがねぇ…これ、ワナだっての…おわかりになるでしょうか。
そうです、聖環による淫蟲下着の制御や、脳内駄洒落菌制御が働く環境が整うのです…。
加えて、エマ助が臨時に「ボロブドゥール寺院」との転送経路を開いて、王宮内には交代で千人卒以上の女官が増援として順次交代で送り込まれます。
更には警務罪人のシフトも変更されて、万を超える若い女性にちんぽを充当する対応を実施していたんです…。
で、これまた予め作らせておいた王宮付随の公衆浴場…なにせ元々火山島ですからね、温泉、本当ならば結構出てくるのです…に誘導して聖隷騎士や聖院学院の生徒たちを動員して身体を洗ってあげたあとで服を支給してあげるよという流れに持っていってます。
そう、ここでも罠が仕掛けられていました。
浴場内のお湯のみならず、水飲み場の水など、およそ身体に触れるか体内に入る水全ては鬼細胞によって保持されている駄洒落菌変種を含んでいたのです。
そして、こっちの方は女体化…例の一人卒女官相当の人体化した身体に効く品種です。
まず、淫蟲下着の攻撃と脳操作によって、エロ漫画や異世界エロ小説…あたしたちの話も考えてみればそうですよね、ほほほ…にありがちな、強力な媚薬を投与されたも同然の状態になってしまいます。
そして、発情した女たちは片端から苦しみを訴えますが、それを承知の聖隷騎士や、本宮から送り込まれた警務騎士資格者の女官たちが流れ作業のごとく、扉へ誘導。
そうです…女たちはボロブドゥール寺院の地下に飛ばされるのです。
で、ここでも待ち構えていた先ほどの千人卒女官と罪人たちが、警務任務時の服装で「女たちの要望」に応えていくのです。
ええそうですよ、今、寺院の下はとんでもないことになっています。
そして、犯された女たちは…慈母寺への信仰程度によって異なりますが、今の時点では半数が偽女種に変質してしまうでしょう。
で、寺院の地下でこれまた流れ作業のごとく犯された女たちは絶頂時に失神昏倒します。
更には妊娠していますので、茸島と寺院地下の即成栽培プラントに送り込まれてほぼ、自動的に出産処理されてしまいます。
で、起きた女たちは自分が孕んで子を産んだ自覚がないままに質問をされ、受諾した場合はこのまま慈母寺にて身柄を預かるが、希望するならばバタヴィアに戻すがどっちを選ぶか尋ねられるのです。
まぁ…これも、罠ですよね…。
なぜならばこのまま戻れば、半数は日の出と共に偽女種化します。
そして、従来から灸場やこの南洋島に他の地で「生産」している偽女種さん同様に変態性欲を強められた偽女種ですから…。
ええ、日の出と共に、バタヴィアでは今度は住民同士による劫掠が始まってしまうでしょう。
更には、この工程で偽女種化した女官同等の女たちが強姦に走ったが最後、射精後に懲罰機能が働いて…ええ、急速老化が始まるそうです…。
むろん、バタヴィア市内には慈母観音像が運び込まれて精気を回収する準備も万端です。
恐らくはバタヴィアの人口、今日と明日で半分未満に数を減らしてしまうでしょう。
ですが、その代替は既に都合がついているのです。
量産に量産を重ねた聖院学院の生徒…この慈母寺に併設した仏学部の生徒さんも含めて、穴埋めする人口は既に準備されているのですよ…。
「何と恐ろしきは痴女皇国の技術、というものですか…」
「まぁ、あたしらが本気出したらざっとこんなもんね。焼けて死ぬ偽女種の巻き添え火災防止も含めて、警務騎士を大量に送り込んでるし…それにダリアが現地指揮官で残ってくれてるから、バタヴィアの町と港は、ほぼそっくりそのままあたしたちの手に入ると思って間違いないわ。警務騎士が略奪や破壊を阻止してるし、やろうとしただけで捕縛されてここに送られて罪人女官処理の流れに乗っちゃうし」
で、早速にも開通させたバタヴィア旧・王宮とこのボロブドゥールを結ぶ転送ルートを使ってカルノ君と、そして捕縛した王女と元・王子様と共にこの寺院に戻って来た雅美さんのお話がこれです。
「恐らくは1週間もかからずにバタヴィアの都市機能は復活するでしょうし、1ヶ月もあればこことの間に鉄道も出来るって事でエマちゃんと理恵ちゃんが準備してくれてるしね」
「マサミさんと陛下には本当に頭が上がりませんね…私とベテハリがお世話になってから2年かからずに、南洋王国が慈母宗…そして痴女皇国のものになってしまうのですから…」
「なぜ女官や少年を大量に産ませていたか、これでわかりますよね。かなり小さな集落にも目が届くように、なかば無理やりに慈母寺を建設していたのもこのためなのです」
社寺領最上階の窓から、眼下の公園…ところどころに絶林檎の木が生えている芝生めいた草原を眺めながら感慨深げにしているアニサちゃんですが、その見ている広大な緑地では、夜も絶えない参詣者と尼僧だけでなく、バタヴィアから連れて来られた女たちを犯す騎士や警務罪人の姿までもがあちこちに見えます。
「地下の礼拝堂だけじゃ追いつかないから仕方ないわね。じゃ、ベラちゃん…あたしは一旦痴女宮に帰投するけど、翌朝には交代でデルフィリーネ南洋島警務部長が着任するはずよ。あとはよろしくっ」
と、転送依頼をして消えて行く雅美さんです。
まぁ、雅美さんには眼下の淫猥を極めた光景も、あまり新鮮味はないようですけどね。
ただ、アニサちゃんやベテハリ君には興奮する眺めなのは間違いないです。
まぁ、この場でおめこを始めても良いのですが…とりあえず、あたしたちはDA62に乗ってジョクジャカルタ市内のアジスチプト飛行場に行く事にします。
べらこ● くりす
べてはり あにさ
すかるの おうさま おうひ
「では、リンジーさん、ルイーサちゃんにシャルロットおばさま…よろしくお願いします」
「お任せを」
「行ってらっしゃいませ、お従姉様」
「慈母宗も聖母教会も意外に致しておる事は変わらぬ様子。新王の戴冠式につきましてはマリアヴェッラ陛下のお心のままに」
ええ、この三人には既に慈母宗尼僧衣装を着てもらっています。
で、あたしたちがジョクジャカルタに行ってる間の留守番をお願いしているのですよ。
「ジャカルタ…バタヴィアには既にサンティシマが入港して、ナディアさんと凛ちゃんの率いる紺碧騎士団の増援と、入植者送り込みも始まっているようです。向こうは大混乱を来すことはないでしょう」
「かしこまりました、行ってらっしゃいませ」
尼僧たちの見送りを受けて、固定式の燭台照明に照らされる参道からDA62を再び離陸させます。
真っ暗な中ですが、アジスチプト飛行場には以前の死霊盆踊り作戦の時と違い、電波標識や照明がそれなりに用意されています。
何よりも、ボロブドゥールからの飛行距離はせいぜい40キロほどなので、すぐに着いてしまいます。
もう、面倒なので脚を出したまま飛んでしまおうかと思ったくらいですね。
(北大東島と南大東島の間の飛行やあらへんねんから…それにDA62はあくまでも自家用機やから、着陸脚はあまり頑丈やないねんさかい、ちゃんと脚上げて飛びなさい…)
ええ、持ち主がNBからわざわざお小言をぶっ込んで来られました。
確かに着陸脚を破損した状態で胴体着陸などしようものならば、新品で1億円を優に超えるこのDA62をほぼ確実に全損させてしまうでしょう…。
(一応それ、複合素材使いまくっとるから全金属機体のよりはある意味でヤワやからな…最高速度400キロ未満なのを念頭に置いて有限要素法とか駆使してコストダウンしてる一面は否定できん…)
なんちゅう飛行機を買うのですか、と言いかけましたが…確かにこのDAシリーズというのはそういう小型ディーゼルエンジンと軽量機体で経済的な運航を望む小型機オーナーパイロットにアピールする目的で作ったとも説明を受けた気が…。
(ベラ子も落胆してたやないか…え?もっと速い飛行機だと思ったとか現物試乗の際に言うとったやろ?)
ま、まぁ確かに…。
(ただなぁ…ビーチのキングエアにするとな…値段が5倍ばかりハネ上がるぞ…維持コストも爆上がりするからな…)
ええ、それもお聞きしました。
最高速度が200キロほど上がる代償に、ものすごく値段が上がると…更に、その価格ならばいっそスケアクロウを飛ばすか、フランスにお願いしてビジネスジェットのリースを受けた方が安く上がる可能性すら言われて断念したのですよね…。
(痴女皇国として今後、航空機を大量に導入する必要性がある場合は同一機種を大量に買う事で重要カスタマー扱いされるからな…そういう事が起きたらキングエアどころか、ダッソー・ソニックファルコン辺りの導入を考えても充分にペイするやろけど…当面はDA62で我慢しときなさいっ)
ああ、カエル女の国で作ってる超音速ビジネスジェットですね…。
これ、戦闘機1機くらいの値段がするので普通のプライベートジェットよりも更に持つ人を選ぶそうでして、F1パイロットであたしの友達のジャン=リュック・パスカルですら購入を諦めたって言ってましたね。
(ベラチャンは自分で操縦できるからいいけど、ヒトミはまだしも、ボクも流石に超音速飛行機のライセンスを取るのは難しかったから、ヒコウキを買うだけじゃなくてパイロットを雇用する必要があるんだよネ…)
これは瞳さんの分体に協力してもらってあたしに呼びかけているらしき、ジャン=リュックの嘆きです。
まぁともかく、普通のビジネスジェットでもそう簡単には持てないのですから、モテない男性の嘆きとヘイトが集中しないように、そういう贅沢な悩みはあまり披露しないように言っておきましょう。
それはともかく、滑走路沿いの灯火に合わせて着陸を決めた後で我々が滑走路に降り立ちますと、待ち構えていた橙騎士団員より、送迎仕様のダンケ号に乗り込んで市街地に向かうことになると説明を受けます。
「ボロブドゥールでの作業がひと段落すれば、リンジー行政支局長もこちらにお越しになるそうですね。駅からのお出迎えも拝命しております」
で、駅という単語にピンと来られた方、そもそも北部の港町であるスマランとの間に連邦世界からの犯罪者を中心とした「処理対象者」を輸送する鉄道が存在しているのを思い出してください。
あれは…この政変後に南洋島内に敷設される産業鉄道網のひとつなのです。つまり、痴女皇国による制圧とその後の開発も見越して建設されているのです…。
ま、それはともかくとして、車で送って頂く事にしましょう。
「そうですか…まぁ、痴女皇国の中でも緘口令を敷いていましたし、かなりの荒っぽい作戦になるのは予想しておりましたから…お疲れ様です」
で、まだ夜も明けぬジョクジャカルタの町に向けて車が走り出しますが、5分も走らせない内に運転席と助手席から苦しそうな声がします。
「陛下…恐れ入ります、少しだけ車を停めさせて頂いてよろしいでしょうか…」
どうも、このジョクジャカルタに撒いた雨の影響が出てしまったようです。
しかし、今苦しんでいる騎士たちは慈母寺本山や王宮守衛につく、いわばエリートのはずですが…少し気になりますので、ちょっとステータスを覗いてみましょう。
Margareta van Oranje マルハレータ Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Oranje ridder, Borobudur Nanyang Mercy Mother-tempel. (Ridders van het paleis van Jakarta) 南洋慈母寺僧兵(ジャカルタ宮殿所属)
Willemina van Oranje ウィレミーナ Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Oranje ridder, Borobudur Nanyang Mercy Mother-tempel. (Ridders van het paleis van Jakarta) 南洋慈母寺僧兵(ジャカルタ宮殿所属)
ふむ。お二人とも千人卒ですね。
それとアニサちゃん、この子たちは明らかに南洋王国の子ではないのです。
見た目も完全に白人ですし、パツキーンってやつですよ、髪の毛も。
おまけに、かろうじて日焼けしてない肌を観察するだに、結構緯度の高い地域で暮らしていたらしい白い肌が本来の基本の模様。
で、この子たちの名前や、最近は出生国の言語で書かれていることが一種のヒントになっているらしいステータス情報からすると、何やらこのジョクジャカルタの配属になるまの経緯がものすごく怪しい気がします。
という訳で、語り手をアニサちゃんに代わってもらいましょうか。
----------------
ええええええ。
ベラ子陛下がご説明くださいよっ。
Selamat pagi semuanya. Nama saya Anisa.
失礼。
我が南洋では、多くの皆様のように名前の前に苗字をつけないのです。
あ、後々の世では戸籍管理のためや、あと、今ここで苦しんでいる女たちの元々の国の習わしに合わせるために姓というものを導入することにもなるだろうとは聞きましたが、差し当たって私を示す言葉、アニサでしかありません。
これは、我が亭主のベテハリも同じでして、よそのお国ならば高木ベテハリだとか、あるいはスラバヤのベテハリといった具合に「どこの土地のどの家のベテハリ」なのかを示すような何かしらを日頃から名乗ったりしてると思うのです。
ですが、この時点での南洋王国では「よそから来た」方以外は基本的に名前以外を持ちません。
ま、王様やら地頭様やら村かしらなど、何かしらの仕事につく大人でしたら「ジョクジャカルタの街頭のハッタ」みたいな感じで地位身分職業などと合わせて名乗ったり語られたりで、どこのハッタさんですかという識別区別を行いますけどね。
で、この決まりで行きますと、わたしは南洋王国のボロブドゥールにある慈母観音という仏様を祀る大きなお寺の女の僧侶を束ねる長をしているアニサです、と皆様に名乗ることになります。
ですので、わたしたち南洋の民が「名前がない暮らしをしている人よりはちょっとは考えていた」言葉を使って意思を通じ合わせていた程度は覚えておいてくださいね。
そして…今、わたしの前で苦しんでる二人が、明らかに南洋王国とは違うところの生まれなのも。
ええ、見た目からして違いますよ。
わたしもベテハリも、元々の肌の色は黒めで顔立ちだって、この子たちとは明らかに違います。
更に言うと、目の色はこの子たちのように青じゃないですし、髪の毛も黒色ですよ。
(またアニサちゃんは白々しい…この女の子たちの親御さんはですね、北方皇帝が身分を隠して船大工の中に紛れて帆船建造技術を学んでいたのを見て見ぬふりをしていただけでなく、毛皮取引でうまうまと美味い汁を吸おうとして未来の北方帝国の皇帝になる予定だったモスクワ大公国の王子様に色々と渡すものを渡して海軍力をつけさせようとした…北方帝国をしばこうとしていた当時の痴女皇国からすると大悪人だったんですよ?)
ええ知ってます。
しかも、ノヴゴロドという寒い街に赴任したわたしとベテハリは、女の人みたいなお兄さんのおめこの相手役をしていたのですけど、そのラドゥとかいうお兄さんのご商売の邪魔を重ねていたみたいですね。
で、北方帝国の攻略ついでにその、「海より低い大地ばかりが続く変な国」もしばいてたじゃないですか。
そして、この子たちは痴女皇国に逆らったらこないなるんじゃとばかりにコカンを生やされて普通の男と結婚できない体にされてしまったあげく、人質としてこの南洋の地に連れて来られたと。
(それにアニサちゃん。この子たちの親御さんが王様をしていた海面下売春国…球根詐欺国ですけど、この南洋王国の先代の王様と通じて一部地域に重税を強いたり、果ては奴隷売買で利益を上げていたじゃないですか。大麻を槍大麻に作り替えた件だって、この球根詐欺国が香辛料だけでなくて大麻を本国に持ち帰って荒稼ぎを企んだからなのですよ?)
そうなんですよ…。
今、車の後ろの椅子に座ってて、わたしたちの息子のカルノが見張ってる南洋国王と奥さんは自分たちの財産を増やしてぜいたくをするためと、この球根詐欺国の兵隊さんを利用して自分たちのしたいようにすることを考えてたんです。
これは、痴女種というのですよね…わたしにコカンが生える前の時から人の考えが自然に読めるようになったのですけどね…。
そのときから王様たちの本音はよく聞こえてきてましたけど、何をどう見ても聞いても知っても、ちょっと許したくない部類です。
だって…わたしとベテハリが別れさせられた理由だって、わたしをバタヴィアに売るためだったんですから。
それも、この王様のセックの相手になるだけならまだしも。
あ、南洋の島ではバタヴィアと、それ以外では女の扱いはかなり違いますよ。
もっとはっきり言ってしまいますと、この球根詐欺国のせいで男は働くどれい、女はオメコにコカンを突っ込まれる穴どれいの扱いをされかねなかったのです。
なにせ、球根詐欺の国は人をどれいとして買ってくれたのですから。
そして、ゴムというねばついて伸びる汁や、くしゃみが止まらない粉…肉に擦り込んで味付けに使う粉を作るための草の実ですとか、実を煮て黒い飲み汁を取り出す果実などなどなど、球根詐欺の国では高く売れるものをどれいに作らせてたんですよ。
これを止めさせて、その商売を根こそぎ自分達のものにしてしまった…いえ、やってることは同じでも、人をどれいにするような野蛮なことでなくてもっと、毎日明るく楽しくいやらしく働けるやりかたで、お給料という働いた代償もくださるようにしてくれたのが、ベラ子陛下たちなのです。
ですから、後ろの王様たちに従うえらいひとや兵隊さんよりも、この王様と仲間の人を恨み憎み…機会があれば殺してやると思っていた人の方が多かったと思いますよ、うん。
そして、ちょっと前まではベラ子陛下たちと見分けがつけづらかったのですけど、心で話せない金色髪の女や男たちは、王様を操って悪いことをしていた大悪人の国だから滅ぼしはしないけど痛い目に合わせるってことで、北方帝国をなぐる戦いの時に色々とされたの、わたしもノヴゴロドにいたから知ってるんです。
そして、この女二人を人質として引っ張って来られた時に、ベテハリと二人してオメコをして犯して汚してやったのはわたしなのです。わたしも…このためにチンポを生やしてもらったも同然の立場なのです。
そして、この仕返しをさせてくれたのはベラ子陛下です。
そもそもベテハリが親兄弟にいじめられていたのはまだしも、わたしと子供を作るお付き合いをする邪魔までした理由を作ったのはこの子たちの親だって。
ただし、この子たちにもあえてチンポを生やさせて、男とも女ともオメコしないと生きて行けないようにするから私たちに仕える人生を選ばせてあげてとも頼まれました。
で、前からお話が出ていたと思うんですけどね。
ベラ子陛下は、わたしとベテハリをことのほか可愛がって、飼ってくれていました。
それも、後々勉強した中で知ったのですが、ペットとか家畜とかいう…人に大事にしてもらえる立場で飼われていたどころじゃありません。養子やょぅι゛ょ、いえ養女という言い方の扱いだったみたいです。
それだけ色々大事にしてくれていたら、陛下やクリスさんとオメコするくらいは別にいいじゃないですか。
むしろ、私もベテハリも陛下と喜んでオメコしてましたよ。
そして今、私はこの生意気そうな女たちを家来にできる立場です。
ええ、ジャカルタの町に降らせた雨がオメコしたくなるくすりを混ぜられてたのは知ってます。
それも、痴女皇国や私がアマさんの長を務めるお寺に逆らう気持ちが強いやつほどオメコしたくなるようにされていると聞かされてましたよ。
つまり、こいつらがオメコしたくなってチンポをはしたなくギンギンに大きくしてるということは、内心ではわたしたちにまだまだ逆らう気が満々だったってことです。
この、くそ女ども。
(これこれアニサちゃん…殺したいくらい憎んでいるのはわかりますけど、憎むばかりでは人の世は荒れるばかりなのです…許すことも覚えないと、今度は逆にアニサちゃんを憎む人が同じことをするかも知れません。ですから、この女の子たちの心を入れ替えてあげるのですよ)
と、ベラ子陛下からさとされます。
確かに、それもそうですね。
こいつらや後ろの王様と王妃さま…二人とも若い女になっちゃいましたけど…をいじめにいじめていては、わたしがそうだったように、人を憎みに憎んでいつか殺すの犯すのはずかしめる事を寝ても起きても考えることでしょう。
ええ、ベテハリがいなくなったとき、私が毎日仏さまに祈ってたのは本当です。
そして、私とベテハリの仲を引き裂いたやつ全員、死んでしまえとも。
(アニサちゃん、それを実際に実行するかどうかは別にして言いますよ。あたしの頭を見せたからわかると思うんですけど、あたしのおじさんはアニサちゃんのように口や態度には出しませんけど、人から受けた仕打ちや恨みをきっちり覚えていて、絶対にお返しをするような性格でした)
あ、ヨーロッパというんですか、向こうでお会いしましたよ。
わたしたちのような黒い髪の毛のかっこいいおにいさんですよね。
うん、あのひとならわかります。
それに、ミケーレさんっていう、チェーザレさんと仲良しのおともだちだけど、静かで怖いおにいさん。
人に逆らう気をなくすくらいにきつい仕返しをするのが大好きなんですよね。
そして、ベラ子陛下だってそうじゃないですか。
おじさんの血を引いてるんですから。
(ただ…あたしたちにとって、人は財産なんです。それに、アニサちゃんに仕えて言うことを聞いていれば、おめこざんまいの暮らしができるとまず教えること。そして…次にして欲しいのは、アニサちゃんとベテハリ君、それからカルノ君のためには死んでもいいっていうくらいに崇拝させることですからね…?)
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる