闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

すずめのおやど

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アメリカ縦断ウルトラ耐久研修ツアー・9.1

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「さて、マリアヴェッラ陛下からお二人への指示ですが…シュバルツェーネ」

「ティアラ様とサリー様に黒薔薇資格を付与せよ、とあります。命令発議はペルセポネーゼ団長とジョスリーヌ欧州派遣団長の連名。ただ、実際にはマリアヴェッラ陛下の命令と見て間違いありませんね…」

ええ、黒いちじくとかいう禍々しいを持った二人に迫られる危機的状況です。

このお二人に迫られては、サリーさんが頼り。

しかし、サリーさんは限定解除しないと黒薔薇のお二人と同格。

Sarelfil Takagi 高木サリー Ten million Suction (Limited hundred million) 一千万卒(限定億卒) Slut Visual. 痴女外観  Senior knights, Holy Temple. 聖院上級騎士 Imperial lineage of holy temple. 銀衣皇統

(マリアさんが限定解除させてくれません…白金衣の取り寄せもNGって…)

まずい、これはまずい。

私の貞操はまだしも、人としての尊厳は確実に脅かされそうです。

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で、わたくし中井ティアラ、何でこんな事になってるのか。

海賊共和国こと、痴女皇国中米支部所轄の灸場きゅうば行政支局管内の視察にあたって、黒薔薇騎士資格を持てとかエロ皇帝にも程があるベラ子陛下の無理難題を押し付けられている真っ最中だからです。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/175/

しかも、本人が施工せずに部下にやらせるという姑息な手口で。

(あたしが犯したら犯したでティアラちゃんが恨むじゃないですか…それにこれは真の幹部となるためには、避けて通れない道なのですよ…)

(うそつけベラちゃん。それ武官…騎士だけじゃないのっ…っていうかキューバ視察、1日だけど後であたしも行くからね…? それとさ、ティアラちゃんとサリーさん、エロ皇帝の仕打ちで困ってんでしょ?)

え。

室見理恵・国土局長様から心話が来ましたが。

(とりあえず私も行くけど、そっちに2人、昇格処理かけられそうな子を連れて行くから)

で、元来ならば簡単には入って来れないはずのカバーニャ要塞内の行政支局長室に現れる、三人の人影。

一人は室見局長で間違い無いのですが、残り二人は…あれ?

Suzanne Takagi 高木スザンヌ Single Suction(Limited Billion)一人卒(限定十億卒) Slut Visual 痴女外観 Our Saint 3rd. Imperial of Temptress and Holy Temple. 第三代聖女候補(痴女皇国・聖院) Imperial lineage of holy temple. 金衣皇統

Marienne Takagi 高木マリアンヌ Single Suction(Limited Billion)一人卒(限定十億卒) Variable female Visual 可変型女性外観 Our Marie 3rd. Imperial of Temptress and Holy Temple. 第三代聖母候補(痴女皇国・聖院)

「やっほーティアラちゃん、互いに大きくなってるからわかんねーと思うけどさーマリアンヌだよー」

「ほほほほほ、マリアンヌが痴女種化する場合は必ずあたくしか誰かが手を貸さないと出来ないのですわ、限定解除…」

ええ、痴女皇国の制服らしきに身を包んだ高校生程度の身長体格ですけど、マリアンヌさんとスザンヌさんの面影は確かにあります。

「はぁ…大人形態は見たことありませんでしたからねぇ…」

「というより池尻大橋でプリ◯ュアごっことかビューティーツインズごっこして遊んだ仲じゃんか」

「あの時は見た目まんまの精神年齢でしたからね…」

「ほほほほほ、リアルに中の人と遊べましたものねぇ…」

ああ、お二人はあの番組の主役の声優、しておられましたね…。

で、かしこまってる黒薔薇のお二人。

「それはもう、スザンヌ様とマリアンヌ様ですから」

「ティアラさん…マリアンヌ様とスザンヌ様の服…金衣仕様です…」

ほぇ。

よくよく見れば白薔薇騎士団っぽいのですが、金色の装飾があちこちに入ってますね。

「リーゼ姉が22代だとすると、あたしはともかくスザンヌかベラちゃんのどっちかが第23代か第24代の金衣になるらしいのよ。で、継承権とかそーゆーの抜きにしても、スザンヌはガチにクレーゼおばさま…金衣の子供だからね」

「で、マリアンヌは初代聖母のジーナおばさまの子供で本来は純然たる人間なのですけど、あたくしの金衣能力で女官化できるのですわ」

「そしてね、あたしら一応黒薔薇試練“以上”を受けてんのよ…雅美さんと初代様が施工者なんだけど…」

えええええ。噂に聞くあれを受けたのですか…。

前にも申しましたが、白薔薇三銃士の間では、アンヌマリーが受けるには受けています。

ただ、時期尚早すぎるということで封印に。

更には同様に時期尚早すぎるということで、ジニアも保留になっていたはず。

「まぁ、ジニアはダリアが母親だからいつでも黒薔薇資格審査可能だし…必要があればいつでも出来る子だしねぇ。でも、今の白薔薇の仕事で黒薔薇の服とか着る必要があるのかって話をしたらさ、ベラちゃんの中の人…つまりスザンヌちゃんに黒薔薇以上の資格を与えるというか金衣リミッターを完全解除した人がね、ティアラちゃんにも黒薔薇試練、ちょうどいいから受けさせてみてもいいんじゃないとかね…」

(まぁマリアヴェッラと突き合う、いえ付き合うならば例の試練を受けた方がよろしい話ですわね。ただ…実際にあの試練を受けるのは大変でしょう。それに、そもそも聖院のサリーさん。貴女は試練を受けなくとも黒薔薇のふくを着るのは可能だと思うのですがね…)

(何度か試着も含めて着用した事はあるんですよ。ただ、長時間は経験してませんねぇ…)

「まぁ、黒薔薇の人たちは上に言われて施工しろって言われただけだからしゃーないと思うけど、あんたらもベラちゃんにいらん事させるなって苦情、言った方がいいわよ…何なら今だとスザンヌちゃんが金衣状態だから、スザンヌちゃんに対する請願として聞けるけどさ…まぁともかく、まりりがこの子達を冬休みだからって中米支部派遣黒薔薇の監視役に引っ張り出してさ…」

「はい…一応は請願しておきます…合意のない黒薔薇試練、それも懲罰目的ですらないものは互いのためになりませんと…」

「それと、我々も一応は昇格処理を指示された身の上です。室見女官長代行より何か一言を頂きませんと、我々の怠慢になってしまいますので…」

「あ、ティアラちゃんとサリーさんへの昇格処理はかけてもらうわよ」

え。

室見局長…ななななな何を申されるんですかぁっ。

それが嫌だから抵抗を試みているんですよっ。

「慌てないの。で、スザンヌちゃん」

「ほほほほほ。実は初代様にわたくしの中に入って頂きます。で…ですね…」

ふむふむなるほど…要は超・リアルなVR体験で実際には汚れないと…。

「大丈夫と思うの…きっと…多分…恐らく…めいびー」

「あたくしたちも以前、仮想堤防懲罰とやらを受けて大変に怖い思いはしましたけど、初代様のこの自体はバーデン=バーデン防衛戦や強姦作戦では大変に効き目があったのでしてよ。同じ受けるにしてもやる方もやられる方も肉体負担はなし。更には万一、不適合の場合も中止は楽なはずですわ」

ぬぬぬ。

そうと聞いては、もらうもんはもらっておけとかいう悪魔の囁きが。

まさか、堕天使とかいう方々の差し金では。

そう思った次の瞬間、意識が闇に包まれました。

(後でトラウマになるといけませんから、あたくしが乗っ取らせて頂きますわっ。マリアンヌはサリーさんを頼みますわよっ)

ななな、なんちゅう強引なぁっ。スザンヌちゃんって…こんな子でしたっけ。

(あたくしの実の母親が誰かを思い出して頂ければ幸い…あ、ティアラちゃんは知りませんわね…クレーゼ母様の武勇伝の数々…ま、知らない方が幸いかも知れませんわねっ)

しかし、これは考えようによっては好都合というもの。

(それとですねぇ、読者の方が密かに期待しておられるかも知れない、すけべいシーンについては何ものっけから濃いものを出さなくとも後でなんぼでもという天の声がですねぇっ)

ほんまかいな。

で、目覚めた時には全てが終わっていましたが、何で施工した側のグロンストラーネさんとシュバルツェーネさんが、煮込んだほうれん草のようにクタっとしておられるのでしょうか。

(これ、結構精気を使うのですよ…しかも、仮想昇格式に使うからと我々の溜め込んでた分やら配給された分まで、初代様がごっそりとお持ちに…)

(この方法はこの方法で問題ある気がします…確かに私たちもバーデン=バーデン防衛戦に参加してますから、初代様の技がどういうものか知ってはおりますけどね…)

ううううう、全員精気不足って事ですか…。

ここはひとつ、ベラ子陛下のような歩く精気タンクをお呼びしてでも…はっ!これも堕天使さんの入れ知恵では?

(バエルさん…何かティアラちゃんの勘が異様にいいのですけど…)

(む…なんとした事か…マリアヴェッラ陛下、事情が判明いたしました…スザンヌ殿下です…あの方が本来の力を出せる状態となりますと、アレーゼ様には及ばずともそれなりに我々に抗する事が可能となります…しかもナンム様が向こうにおられる状態なのですから、スザンヌ様の加護を受けている方々の籠絡は困難となるのです…)

(えええええ! おばちゃんを厄介払いした上に、バーチャル昇格儀式の動画とその後の精気不足供給でうはうはというあたしの計略がぁあああああ)

ねぇスザンヌ…え?

このお二人、ベラ子陛下の妹分では。

(スザンヌちゃんでいいですわよ、それよりもティアラちゃんが言いたい事は承知しております。ベラちゃあああああん…一体全体、何をやらかしておられますの…初代様の影に隠れて、こっそりと皆の精気を抜いたでしょ…)

(そうよベラちゃん…黒薔薇の人の精気まで根こそぎ抜くとか何やってんのよ…灸場きゅうば島の治安を崩壊させるつもりなの?)

(ええー、でもハバナの工場は優良罪人を集中配置してるって聞いたし…)

(グアンタナモがあるでしょうがぁっ。あっちは私も聞いてるけど、初期の罪人分別もやってるから凶悪犯も収監してるはずなのよ?…)

ええ、スザンヌちゃんとどころか、マリアンヌちゃんと室見局長も怒っておられます。

(付け加えておくとね、あたしはベラちゃんよりも先に生まれてる可能性があるのよ。良くて同い年。で、スザンヌもほとんど変わんないのよね、クレーゼおばさまが義夫お祖父様と再婚してすぐに出来た子だし)

と、マリアンヌちゃんが年齢的な事はあまり気にしないでと言う話をして来ます。

(ああ…見た目で年齢を判断できないというアレですね…)

(そそそ。ベラちゃんとはこの件でいまだに揉めるんだけどね…ほら、あたしは実際の成長に合わせて、今は神戸のどこぞ中学に通学してるでしょ。で、スザンヌも同じ立場で池尻大橋から通ってるじゃん。住民票は大阪市に置いてるんだけどね…)

(中学校入学を契機に東京都に移すという話が出ておりましてよ。何でも、高木企画所属の声優というかお子様タレント生活をするにはその方が都合が良いとかで)

(私立に通ってるから住民票の場所はあんま関係ないのよねぇ…NBの大使館はリーゼ姉が職員として住み込んでるだけになったし、英国領事やNB大使ご一家のお部屋を用意するからって追い出された経緯、読者の皆様は覚えておいででしょうか…)

(おかげでライフを満喫できるから差し引きゼロにしておきますわっ)

(え、池尻大橋と代官山ってそれなりに距離が…)

(山手通りをチャリで走ったら二キロくらいだから5分もかかんないわよっ)

(マリアンヌ…10分くらいにしないとつかまりますわよ…)

(痴女種の脚力でケッタマシン漕いだら、白バイでも簡単に追いつけないと思うわよ…)

まぁ、東京都民めいた暮らしにどっぷり浸かっておられるようです。

確かにあの池尻大橋の億ション、それなりに凄いものだとは思いますよ。

ただ…中でやってること、ょぅι゛ょ状態の私は参加してませんけど、うっすらと記憶にあるんですよね…。

(そりゃ痴女種ですから、やることやりますわよ…四十洲芳子さんは人類の状態にしておく必要があるとしても、宇賀神雪子さんに勅使河原絹江さんに五百旗頭梓さんは分体、しかも阿波内侍さんの精気のめんどうをあたくしが見ておるのですわよ…)

(スザンヌ…あたしもあのマンションの中じゃ大人化してるじゃん…しかものキャンギャルでベラちゃんのしもべ化してる人とか、高木企画の所属のタレントさんで痴女種化してる人の分まで精気授受があるのよ? ティアラちゃんもあたしらの辛さを理解してね…)

はぁ、何となく大変なのは理解しました。

どうも、あの場所は高木企画の社宅というだけではなく、痴女皇国の東京拠点の一つでもあるとか。

(あの近所にテンプレス・エステート名義でマンション一棟丸っと建てようかって話もまりりとしてるんだけどね…ほら、あっちの日本じゃエマちゃんが行って一瞬で竣工させちゃうと逆に色々まずいっしょ…)

(誰かが泊まりに来ると客間の数が足らないという問題が出ているのですわ…)

(乳上もるっきーも東京の叡智なお店であれこれする時、ホテル取らずにうちに泊まりに来んのよ…)

(まぁ、億ション一棟作るとなると流石に池尻大橋から代官山の間に土地押さえるだけでも大変だからね。急に一千億円を超える土地取得費や建設工事費を一括で払うと税務署がうるさいってことで節税対策もあるから、今年は何とか我慢して…)

(来年は高校生の方の大学受験ですわよ…それまでには…)

(今の社宅の隣のお部屋押さえただけでも足りないって何やってんのよって思うんだけど、えーと、ゆっきーにあずさんにおキヌちゃんによっしーでしょ、んでスザンヌちゃんとマリアンヌちゃんと阿波内侍さんよね、住んでるの)

(前はこれに瞳さんがいたのですわよ…)

まぁ、どういうお金の作り方をしているかはともかく、億ションのお部屋を二つ、あの辺りに押さえているだけでも凄いとは思うのですけどね。

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まぁともかく、私とサリーさんは黒薔薇騎士専用制服とやらに強制更衣させられてしまいます。

見れば、室見局長も、黒薔薇制服…がんつ服という名前だそうですけど、特有の艶消しゴム素材めいた黒いワンピースレオタード姿に。

(昔むかし…というほどでもないんだけど、ルクレツィア外務局長がまだ痴女皇国に来てない時期の話があってね…当時、ダリアと二人でスカウトに行かされたた事があったんだけど、その時に着た事あんのよね…久しぶりにこれ着るけど、スザンヌちゃん、私に何かあったらドレインしてでも動きを止めてね…)

などと、恐ろしい事を申されます。

そんなにも物騒な服なのですか。

「着用者を臨戦状態に保つ他、黒薔薇騎士団員としての任務の性質上、いつでも女官を犯せるようにしておく必要があるのです。精気授受をお願いしたのは、がんつ服特有のこの機能のために他の騎士服よりも精気を必要とする量が多いせいもあるのですよ」

「普通の制服を着用した女官にインポタケを与えるようなものですわ」

「単純に言っちゃうとアドレナリンどばどば状態よね。ダリアが言ってたけど、訓練してないとそこらの女官にチンポ突っ込みたくなるのよ、これ着たら…」

ひぃいいいいい。

そ、そんなもんを私に着せようとしていたのですか。

いえ、今、実際に着ていますが、改めてベラ子陛下には色々と物を申したくなりました。

「だから黒薔薇騎士があまりみんなの前に姿を見せないのも、普段からそんな事…それも女官とみれば凶暴な強姦を仕掛けてたら問題多すぎでしょ。で、がんつ服の制御に慣れるためにも普段から基本的にこの服なのよ」

なるほど…身内に常時着用してる人がいれば詳しくもなりますよね…。

あれ? ダリアさんは今は赤い服では…。

「あー、あれ実は赤薔薇仕様にしてるだけで本当はがんつ服そのものなの。あれは赤薔薇の団長を兼ねるようなものだって意味があってね。で、ダリア以外には雅美さんと乳上とクレーニャさんとマリーさんが赤薔薇服なんだけど…」

(あとブリュントレーネとフローレシェーネが白薔薇バージョンだけど、がんつ服仕様だよ。それとニオちゃんは北欧担当で黒薔薇班長になったから、あの子も普段はがんつ服だな)

と、マリアリーゼ陛下から教えて頂きます。

(あと、りええのそのがんつ服…支給品にしとく代わりに二月から被服費500ルピー増額な)

(この任務限りでいいわよ…こんなもんいつもいつも着たくないわよっ)

(望んで着たい連中が泣くぞ…出世の証みてーな服なんだからよ…ステータスが同格でも黒薔薇の方が格上扱いになるんだからよ…)

「ところで理恵さん、あたしらどこに行くのよ」と、お部屋を出て歩き出そうとする室見局長ですが。

「ちょい待ちマリアンヌ、アレーゼおばさまに聞いてみますわ。…まず見て欲しいのは砂糖きびの収穫現場における罪人労働者の稼働実態らしいですわね」

「キューバってコーヒーの栽培もしてなかったっけ」

「してる事はしてるんだけど、東側の山あいの土地中心。ちなみに言っとくけどマリアンヌちゃん、ここというか中南米のコーヒー畑、珈琲淫かふぇいん仕様だからね…ジャマイカのブルマン…ブルーマウンテンなんか最高に効くわよ。黒薔薇服着てるのは珈琲淫対策もあるらしいから」

何か、嫌な予感がします。

もしかしてそのコーヒー豆、品種名も…。

「ティアラちゃん正解よ、ブルーマンコゥンテンとかアホな名前付けようとしてたからね…」

ええ。誰が名付たぶんけたかは知らねどマリアリーゼへいか、未遂に終わって正解でしょう。

いくら日本ではまんこ圏に生まれ育ち、基礎教育の過程でなぜか女性器に対するまんこ呼称を刷り込まれていたわたくし中井ティアラといえども、貿易に関わるとか進物の目録を読み上げる時に「ブルーマンコゥンテン20キログラム」とか口に出したくはありません。

いえ、それ以前に日本では私、幼稚園すら卒園してなかったんですけどぉ。

まぁともかくですね、ここは農園開発に関する専門部署のトップたる室見局長がお越しになられたので、これ幸いと語り役を譲ろうかと思います。

「ちょっと待った。あたしの担当は農地の開拓までよ…そこで生やす淫猥な植物は担当部局が変わったのよ…エマちゃんは兼任扱いだけど…」

えええええ。

で、では誰がその変わった担当部局の長に…。

「こらぁスザンヌ…どこぞ中学校の冬季課題は済ませておいでかしら?」

見れば、このキューバの地には似つかわしくない姿の婦人が。

どんな格好かというとですね、スーツ姿です。

「いえいえ、ジーナお義姉様の伝手で沖縄の精糖会社に機器類を納品している企業様のところに、お話を伺いに行っておりましたもので。あ、ティアラさんとはあまり面識がございませんでしたわね。財務部長改め、通商産業局長の高木クレーゼ…聖院金衣女聖クレーゼ・アクエリアスとも申しますの。ほほほ」

で。

そのばいんばいん系ご婦人。

一瞬でスーツ姿から、黄金の金属の飾りだけのお姿に…。

「ティアラ、これが母の存命中だった時代の聖院金衣女聖の通常執務服ですの…ただ、本来でしたらこの姿の時には周りに迂闊に近寄れなかったのですわ…」

ああ、女官種という種類の時は身体の周囲に出している熱がすごかったんですよね。

それで、くちゃーなんとかというお姿になっていらっしゃったと。

(ちょっと認識が違うようですけど、まぁ間違ってもおりませんわね。ちなみにあたくしが第20代か21代目かでいまだに揉めておりまして…ほら、アレーゼお姉様との出生の一件が…母のおめこから先に出て来ただけで姉というのも何とやらなのですが、まぁそれはともかく)

「クレーゼ部長。アレーゼ本部長もこの灸場きゅうばにはお越しです…。今更の姉妹喧嘩はお控え頂ければと」

慌てて室見局長が取りなしておられますが、一体、この方はどれほどお強いのでしょうか。

確かに、その傲慢ごうまんとも取れるお話の口調と、そして全裸に近いはずなのに、堂々とお立ちになっておられるお姿。何らかの自信がなくては、私には絶対に無理なことばかりです。

で、ちょっと興味が湧きましたので、ステータスを拝見させて頂きましょう。

(姉のぶんはティアラちゃんの聖環では見れないはずですわ…ほい、閲覧権限っと)

流石に財務局にいらっしゃったせいか、メディアウォッチと似た操作を要求される今の聖環も普通に使いこなしておられますね。

(お義姉様のご実家の会社…ふっとわーく・とらんすぽーとという名前でしたけど、一時期は立て直しでしゃちょうになってた事もありましてよ、ほほほ)

(ああ、クレーゼ母様は普通にパソコン…業務用の茶筒端末も使えるぞ)

Claireze Takagi 高木クレーゼ Hundred million Suction(Limited Billion)一億卒(限定十億卒) Slut Visual 痴女外観 Minister of International Trade and Industry, Imperial of Temptress.通商産業局長 Imperial lineage of holy temple. 金衣皇統

Arieze Takagi 高木アレーゼ Trillion Suction 兆卒 Pure female Visual 女性外観 Minister of North and South America continent Headquarters, Imperial of Temptress. 米大陸統括本部長 Imperial lineage of holy temple. 金衣皇統

…というか、アレーゼ様…なんなんですか。

(あたしらの抑え役を期待された結果らしい。本当はその数字すら機密扱いでマスキングされているんだけど、特別に見せとく。ちなみにスイスにいる人もほぼ同じだ)

Myrene (Myahre) マイレーネ Trillion Suction 兆卒 Pure female Visual 女性外観 Minister of Europe continent Headquarters, Imperial of Temptress. 欧州地区本部長 Imperial lineage of holy temple. 看視役皇統

(ついでに言っとくと、聖院のアレーゼおばさまとマイレーネさんもそれぞれ、アメリカとスイスに移ったわよ…この意味はわかるわよね…黒マリ…)

(おいおい、今こっちも制覇中なのに手伝い出せねーぞ…白マリんとこ…聖院世界はもうちょっと余裕あんだから何もこっちに合わせて焦ってくれなくてもいいんだけどさ…)

(だからサリー行かせて実調させてんじゃないの…あたしだってこの時期にサリーか誰かをそっちに行かせるの、本当は大変なのよ?)

などなど、聖院と痴女皇国の頂点が言い争っておられるお声までもが。

(ティアラちゃん。気にしないでいいです。姉たちの平常運転ですから)

きっぱり言い切られてますね。

(うん同意。聖院のマリアさんもウチのまりりと同類だっての、あたし…珍珍電車の納入に行ってよっくわかったから)

(理恵さんそれは誤解よ! 黒マリほど奔放にやってないでしょ!)

しかし、話が進みませんね…。

私とサリーさんは、室見局長にすがるような目を向けました。

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はい、ここからは話のバトン、この室見理恵が受け継がせて頂きます。

ティアラちゃんでは解説にしんどそうな話にもなりそうですからね。

(ううううう、局長、よろしくお願いします…)

(確かに、これは理恵さんでないと厳しいかも知れません…)

(お呼ばれしたのがよく理解できるような)

(室見様は女官長のみならず、こういうお話にもお強いのですよねぇ…こればかりは我ら黒薔薇騎士団にも敵うものはおらず、平伏するのみです…)

でまぁ、一般的に女官の皆さんが苦手にするような件でもクレーゼさんが詳しい理由ですけどね。

確かに、クレーゼ通商局長は連邦世界にもよくお馴染みです。

その上にかつては聖院の金衣として、実質的にこの痴女皇国世界と…そして聖院世界に君臨して間接的にとは言えど地球の統治をなさっておられた方です。

しかし、その方をもってしても間接統治には限界があったようです。

ですから、クレーゼ局長とアレーゼ局長の過去の確執がなかったとしても、いずれは異世界なんとかという類の非常手段に頼ってでも、聖院世界の人類と同等かそれ以上の高度知性生命体が築いた文明と接触する必要はあったと教わっています。

つまり…連邦世界と聖院・痴女皇国世界は、可能であれば今のように相互の悪い影響を受けて地球環境自体の変化が予想されてはいますけど、そのデメリットを乗り越えてでも接触するのが好ましかったともお聞きしました…あ、「誰に」お聞きしたのか、今は内緒にさせてくださいね。

で、今回のキューバ行きですが、直接的には通商局長同席の視察のもとで砂糖きび畑やコーヒー豆、そして天然ゴムの材料となるゴムの木など、キューバの地に適した植物の生産のためのお手伝いをすることになっています。

具体的には産品の運搬に必要な鉄道や道路の整備、そして労働力たる罪人の輸送手段の提供について、現状を視察しながら、更なるご協力の強化を協議する次第。

まぁ、正直言っちゃうと珍珍電車が走ってる時点で、読者の皆様は私が関与してるの、とっくにお気づきだったと思うんですよねぇ。

で、この珍珍電車がかつてアメリカ中の都市で通勤通学など、旺盛な都市郊外域の交通需要を支えていたPCCカーと呼ばれる大型のものをベースにしていることに注目頂きたいのです。

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このPCCカーは見ての通り大型でして、1両だけでも連邦世界で健在な東京都電荒川線の電車の2倍以上の乗客を運ぶことができました。

(8900型が定員62名の座席20名、で、PCCカーはいくつかのバリエーションがあるけど、最大で座席70名、立って乗る人を含めたら150名は運べたのですよ…)

(長さで言えばあらかわ線の可愛いものより少し長いだけですのに、ふしぎなものですわねぇ)

ちなみにクレーゼ様、高木クレーゼ名義で日本国籍をお持ちの上に、お一人で池尻大橋のマンションから伊香保温泉の痴女皇国保養所を往復できる程度には、首都圏に馴染んでおられますよ。

(こうしんづかというのですか、たまたま立ち寄ったおさかなやさんの店先で焼いておられたうなぎ、マンションの皆に買って帰ったら評判が良かったのですわよねぇ)

つまり、都電の乗車経験もお持ちです。

で、狭さも覚えておいで。

(バリアフリー化対応車体とか色々制約があるんですよ…都電に限った話じゃないんですけどね)

(なんでも、戦争で手足をなくしたお方が介添えなしでもでんしゃに乗れるためには色々しなくてはならなかったとか。聖院の世界では考えられぬおはなしですわねぇ)

(あたしたちならからねぇ。その代わりに働ける体にしちゃいますけど、ほほほ)

(理恵さん理恵さん、それに…若さの代わりに支払う代償ものは結構、大きいものでしてよ…おとろえを知らないということは、としを取ることの恐ろしさを学ばない事でもありますわ)

(確かに…記憶力や学習能力や体力、聖院とご縁が出来てからこっち、全く衰えてないんですよねぇ…それどころか普通の人じゃ絶対に出来ないことがあっさり出来たりしますからねぇ…)

(増長とは恐ろしいものですわ。それゆえにわたくしどもは、ほぼ、若いままで死ねる代わりに一生の長さが短くなる。そして、若さをたもちたいのであれば、聖院わたくしどもの言いつけに従って頂くか、聖院入りして奉仕するかをお選び頂いていたのですわ…)

それと、クレーゼ局長は口にしておられませんが、生存期間が短くなる代わりに得られるもの、正に局長自身が申しておいでです。

その当主としての評価はさておき、聖院金衣としてそれなりの期間を女帝にも匹敵する立場で君臨されて来られた方です。その間に培った知識と経験も、人類のそれ以上。

そして…、なのです…。

私も、毎年二月になると創立者先生の変な胸像が飾られる大学に分体を押し込む事が出来ましたが、はっきり申し上げて楽なものでした。敢えてあそこに入りましたが…実家から東京に下宿する事が可能であれば、雅美さんやたのきちの後輩になってたんですよねぇ…。

(それが嫌だからどこぞ大学でなくあそこ大学にしたと言うのは内緒で)

(理恵ちゃん…ダダ漏れよ…久々にしばかせてくれないかしら…)

(りええ。あんたのセンター試験時にちょうどどっかの線が廃線になるから分体に乗り鉄させたいからって、合格のハードル下げてたの知ってるわよ…自分で手抜き受験してんのにあたしと同じ大学避けるとか嘘ついたらちんぽを引き抜かれるわよっ)

やかましいわ、どたわけども。

あたしはとりあえず、ティアラちゃんの視察結果を出すのに協力せねばならんのです。

ベラちゃんにロックオンされているのが何かと不憫ふびんに思えるほど、どっちかっちゅーと生真面目な部類。

それを矯正するかどうかはともかく、痴女皇国の戦略物資生産拠点…この時代、まだまだお砂糖は超貴重品でして、連邦世界であれば一般家庭にもお砂糖の消費が広まった理由たるや皮肉なことに、スペインがキューバを植民地化して砂糖きび栽培と製糖産業を盛んにしたからでもあるのです…。

(とりあえず、かさぶらんか駅とやらにまいりましょう)

そう、我々は砂糖きび畑の実態を見学するために、まさにその珍珍電車に乗ろうとしております。

で、カサブランカ駅ですが、連邦世界のキューバでの位置は砦から歩いて200メートルほどの「道路か線路かよくわからない場所」にあります…。

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https://twitter.com/725578cc/status/1634135822315278337?s=20

ただし、痴女皇国世界では周りを切り開いてそれなりに大きくしています。

理由は…ここから東西の砂糖きび畑だけでなく、この先の山岳地帯にあるコーヒー畑や、さらには遥か数百キロ離れたグアンタナモとの間を延々と走る罪人輸送列車も存在するからなのです…。

いわば、ハーシー電鉄のチョコレート関係の労働者輸送電車の駅と、連邦世界には別に存在したキューバ国鉄のハバナ駅の機能が、この痴女皇国世界の灸場きゅうば労働者鉄道カサブランカ駅に集約されていると思って頂ければ。

で、場所によっては町が未整備でも材木を切り出したり農地を開墾かいこんするために、プリズン・コーチと名付けられた寝台車を連ねた罪人列車を開拓予定地まで走らせて、側線というか簡単な駅めいたものを建設してそこにその罪人列車を据え置いて簡易宿舎にする事までやってたりするんです…。

(オーストラリアでは大陸の開拓にあたって、屠殺処理が可能な畜肉車や散髪用の理髪車ですとかスーパーマーケット代わりの購買売店車、更には郵便のみならず銀行車という…沿線の労働者のお給料を払うのが主な目的だったんですけど、本来なら町や村の中にあるべき施設まで列車にしてたんですよ…)

(確かに、どうろを切り開くのもたいへんなお話ですものね…せんろを敷きさえすれば、そこを走ってゆけばよい話。ちゃんとしたお店は、あとあとにてつどうで何かしらを運び込んで作ってゆけばよろしいでしょう)

そして、我々痴女皇国としては、監督役の女官に対する精気授受を行う必要が生じますよね。

更には、働かせている罪人からの吸い上げも。

で、今、車庫から出されて我々の目の前に据え付けられた電車。

Oficial administrativo
administrator

扉の横に、こんな事が書かれております。

つまり、行政官巡察車。

これ、実は道路があまり発達していない国や地域では結構使われた車両だったりするのです。

正に、その車内はそうした高級官僚が乗っての視察や、短期間の執務赴任のために出来ています。

即ち…ベッドルームやシャワールームはもちろん、調理場や側近侍従の寝台ですとか資材倉庫なども含めて、キャンピングカーの鉄道車両版とでもいうべき客車です。

そして、この灸場労働者鉄道では、2両編成でユニット…一組になっています。

で、クレーゼ様からのお願いは。

(理恵さん…申し訳ないのですが、うんてんをお願い出来ますかしら…黒薔薇の子たちには、ワルトヒルディーネもふくめて精気ほきゅうと、そしてわたくしからのをしておきたく存じますの…)
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