闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

父を訪ねて二万キロ・Da Bali alle Bahamas.11

（ちょっと待て…今、えらい話が入った…）

いきなり緊迫した様子の割り込み心話、マリアリーゼ陛下から入りました。

（飛び入りで開通式ゲスト1名とお付きの護衛1名の参加要請、若様から連絡があった…）

その、飛び入り参加される方の件を連絡して来られたのが若様なる方ということを聞かされたベラ子陛下とダリアさん、それから室見局長の顔が一瞬で変わります。

（若様が言って来られるって、あ・の・ご・家・族・関係しかいらっしゃいませんよね…）

（智秋さんが言ってくるなら日本のあの方面ですわな…）

（まぁ間違いなく、千代田区の兼業農家ご一家のどなたかよね…）

（とりあえずあたしが主導で警備計画を練り直さにゃならん…取り込み中悪いが、そちらに行くぞ…）

俄にわかにざわつき出す、痴女宮関係者…って私も一応その部類でしたね…すみません。

（あの、ベラ子陛下にイザベル陛下、一体どなたが…）

（恐らく、日本の皇妃様です。事によると皇帝ご夫妻でお越しの可能性すら…）

（ええ、ティアラ…これはマリアリーゼ陛下が血相を変えるのもむべなるかな…まだ神聖ローマ帝国の皇帝が来る方がまし…）

イザベル陛下の顔も血色を失っています。もはや、アナ様の陰謀をどうこうするよりよほど重大な事が起きたのは明白ですね…。

で、その奥様とか申される方が、一体全体どのような方かは「こんにちわ、マリア」の方のスペイン編での開通式本番の様子を伝える回をお読み頂ければ載っているとか。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/122/

ええ…そして、文字通り飛んで来たマリアリーゼ陛下がお越しになってからの、開通式の予定や警備体制の変更についてのもろもろ、大変の一言でした。

私は物心ついてからはほぼ、痴女皇国世界で成長したようなものですから、その方がどれほど重要人物かは今ひとつ実感が湧きません。

しかし、姉妹でこの世界の神様たちと神話の系譜を作られた方…全ての神様のご先祖様に当たる方の遠い子孫の奥様で痴女皇国と八百比丘尼国では最重要警備対象とされる方の1人というのであれば、マリアリーゼ陛下の狼狽ろうばい、理解できなくはありません。

実際に、お越しになった上品なご婦人は、さしものアナ様ですら、心の中でさえ黄色い猿と毒づく事をためらうような気品と威厳に満ちたお姿と、優雅さ漂う物腰を始終崩されませんでしたから。

（エリゼー宮…連邦世界のフランス共和国大統領官邸ですら一歩も引かなかったイザベルさんが恐縮してましたからね…）

で、元々は私と同じ日本人のはずなのですが…ですが、その貴婦人が申された鶴の一言。

このお言葉が、アナ様の首を文字通りに繋ぎました。

しかし、それを救命と言えるかは…。

「マリアリーゼ陛下。もしもアナ・デ・メンドゥーサ様が優秀であるならば、その優秀さを示せるような実力発揮の場をご用意して差し上げるべきでは。更には王位を欲していらっしゃったともお伺いしましたので、是非にも劣等民族とやらの頂点として君臨可能な国家に赴任頂いてからでも実際に懲罰や刑罰といった事どもの実施、決して遅くはないと思えるのですが」

「ふむ…陛…奥様、確かにそれも一理ありますね。アナさんが人の上に立ちたっいてんなら、うちらなら立たせたげることも出来なくはないし…」

にこやかにお告げになられたのですが、若輩者で世間知らずの部類とも言えるこの私ですら、奥様の言葉通りにはとうてい受け取れません。

いえ、これは猛毒を孕はらんだ皮肉でしょう。

この奥様は「黄色人種や黒人などの白人ではない者を忌み嫌い憎むならば、その方々の上に君臨して混血なり断種なり、思うがままの統治を試してみれば良いのでは？」とも取れるご提案をなさっていると私は思いました。

（だいたいそんなとこだな。実際には南米辺りで一度揉まれてみるといいかも知れねぇ…幸い、米大陸本部長のアレーゼおばさまがいらっしゃるだろ。おばさまはそういう人物の矯正に実績があってな…）

（あの筋肉が凄い方ですよね）

（ティアラちゃん…あっち行ったら実際に会うけど、筋肉の話は禁止だ…最近は見た目に気を使ってるんだよ、おばさま…色気はともかく、女性らしい方が統治にはいいかも知れないと、体型調整の真っ最中なんだよ…）

などと言われれば、逆に気になるじゃないですか。

では、実際にはアナ様はどうなったのか。

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さて、ここでお話は鉄道開通式典当日の夜に飛びます。

実は元来の予定であれば、奥様の接待はイザベル陛下とマリアリーゼ陛下がなさるという事でしたが、アナ様の一件の事情と、私のナッソー行きの理由を小耳に挟まれた奥様、元の世界と痴女皇国世界の時間が同じように進んでいない事を利用すると申されました結果。

もともと、カディスから米大陸に向けて出・荷・さ・れ・る・女・たちの護送を兼ねて船で向かうはずだった私の出張旅程も大きく変更されました。

そして、ベラ子陛下がすごく嫌そうな顔をしていましたが、その貴婦人様いわく。

「またあれに乗ってみとうございます。それにマリアリーゼ陛下はあれの方が都合が良いというお顔ですね」

「いえ。時々飛ばしておかないと私もベラ子もライセンスを失効してしまいますから。ほほほ」

などとマリアリーゼ陛下が言われて押し切っておられました結果。

…「あれ」が利用する事を見越したという、カディス港の一角にある海から上下する坂道の先の広場に居座っている黒い大きな飛行機の後ろが開いています。

ええ。

そのAAE-130Gスケアクロウという飛行機、聖院学院の校外学習で利用した事があります。

私の時はハワイ行きでしたが、聖院学院神学部騎士科の前身である幹部候補教程の出身者…つまり、私の一期前の先輩は北海道に行かれたそうですね、このスケアクロウで。

そして、カルロータとカルメンシータに加えてダリアさんの誘導で、30人ほどの男女が後ろ側に出来た坂道を上がって飛行機の中へ。

明るい照明が点いた無骨な機内には、一応まともそうな座席が並んでいて、男女別に座らされていきます。

で、私の傍には…涙目で立つアナ様と、アナ様の首に付けられた首輪…隷環から伸びる革紐リードをドヤ顔で握るカルロータと、一時的にアナ様の隷環操作機能を自身の聖環に与えらたカルメンシータの姉妹が。

それとですね、スケアクロウに同乗して来られたという色黒系統の女性騎士の方、いらっしゃいます。

服装からすると南欧支部の港に駐留する貿易事務所長のザーフィラ様と同じく、暗黒大陸地区本部の方のようですが、ザーフィラ様より更に上位職のような印象です。それに、衣装デザインは似ていますが、色は赤。

「اأنا قائد فرسان التنين الناري.سمي سميرة ادريسي.…暗黒大陸諸子宦官国支部出身にて火龍騎士団長を務めるサミラ・イドリシと申します。今般、南欧支部支援の為に暗黒大陸地区本部から派遣されて参りました」

（サミラには前から他地域との交流を兼ねた研修の話が出ておりましたのですが、南欧支部の騎士団長様がよりによって云々という件、ちょうど良いとマリアリーゼ陛下のご聖断となりまして…まぁ、こちらには水竜騎士団長のマリカ他、代替の人材も育って来ておりますし…半年程度であればお貸しできますかと）

これは、アーペディオーネ暗黒大陸地区本部長様ですね。

つまり…南欧支部婦人騎士団長が不在となってしまう件の代替人事については、既に手が打たれていたようです…。

Zafila muhamad. (زافيرة محمد)　サフィーラ Thousand Suction. 千人卒Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 Director of Gibraltar-Algeciras Trade Office, Africa Regional Administrative Headquarters. 暗黒大陸地区本部南欧貿易事務所長

Sameera Idrissi (سميرة ادريسي) サミラ・イドリシ Ten Thousand Suction (Limited Hundred thousand.) 一万卒（限定十万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Red Salamander knights, Ethiopian Orthodox Church, Africa Regional Administrative Headquarters. 痴女皇国暗黒大陸地区本部・エチオピア聖母教会火龍騎士団長

Marica Oufkir. (مليكة أوفقير) マリカ・ウフキル Ten Thousand Suction (Limited Hundred thousand.) 一万卒（限定十万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Blue Waterdragon knights, Ethiopian Orthodox Church, Africa Regional Administrative Headquarters. 痴女皇国暗黒大陸地区本部・エチオピア聖母教会水竜騎士団長

Arpeggione (Intissar Gaddafi. انتصار القذافي) アーペディオーネ Million Suction（Limited Ten million）百万卒（限定一千万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Africa Regional Administrative Headquarters, Administrative Headquarters Manager. 痴女皇国暗黒大陸地区本部長

「さて、アナ…答えは出ましたか」アナ様に向かい、おごそかに申されるイザベル陛下。

「恐れ多くも我ら痴女皇国の礎となりし聖院開祖たるナンム様の実姉にて八百比丘尼国を開きし大日神の子孫にして皇妃たるお方の配慮による助言、さしもの我らとて受け入れざるを得ませぬ。この有難き申し出を受けますや否や」

ええとですね、要約します。

はいっベラ子陛下、見せ場でございます。

（あの…ティアラちゃん…別にあなたが言ってくれてもいいんですよ…）

（そうはいきません。皇帝陛下としてですねぇっ）

（しくしく。で、奥・様・からのconsiglioアドバイス。要は「このままだと勝手に機械が懲罰するのであれば、懲罰されない条件を何か手当てして回避できないものでしょうか。せっかくのおめでたい式の後で、いかに罪人といえど人が火葬されるのはよろしくない気がします。我が国でも皇室に絡む吉事や弔事に絡んで恩赦や特赦を発布した歴史もありますし、ここは恩赦を考えてみてもよろしいのでは」との仰せを受けて、ふむふむなるほどそれもありよねと痴女皇国側の一同、知恵を捻り絞りました）

はぁ、なるほど。

要は鉄道開通はおめでたいことですから、そのめでたい行事にあやかって、アナ様の罪を許すか軽いものにしてあげよう。

こうですか。

（そうです。しかし、アナさんの謀反はこれで２回目。３度目はないよという事にするためにも、他者に慈悲と慈愛の心を向けられるのか。向けられるようならば縮まった人生を延ばし延ばしにしてあげられますというのが家族会、はっきり言えば初代様の出した案です）

（普通なら、女官は、世継ぎを産むと寿命が著しく縮まります。しかし、今のアナ・デ=メンドゥーサは人も同然の駆け出し女官種同様の状態に降格された体てい。なれば逆に、子を孕み産み育てれば人を生かした事となりましょう。そして、子育てのために精気を渡せば延命の口実となりますわね）

ええ、アナ様が覚悟を決めて自分の子供をここで妊娠するなら、人を憎み蹴落とすのではなく産んで育てようという意志を尊重して、懲罰の執行がそれだけ延期されるそうです。

ただ…その懲罰内容、初代様はこうもお決めに。

（んなもん、肌の色でどーこー言うのでしたら、たのちゃんなんてどうなりますの。ましてや、うちの姉なんざ日本人…アナが言う黄色い猿のじんしゅの源みなもとみたいなもんですわよっ。姉がその讒言ざんげんを聞きつけていなかったことを感謝なさいな。虫のいどころがわるければ、確実に大江のお・や・ま・に連れ込んで鬼たちに性根を叩き直させておりましてよっ）

で。初代様…おかみ様と言われている、そのお姉さまは私も少しだけ存じておりますが、そのおかみ様に連絡を取られまして「鬼が怒るとどういう地獄まがいのお仕置きをするか」をアナ様に見せたようなのです。

で、それ、我々も少し拝見しました。

ええ、アナ様の態度を改めるのには効果抜群すぎる内容だと思いました。

というか八百比丘尼国って、人じゃないお化けみたいな方が真の支配者なのですね。

痴女種である私たちが偉そうに言える話じゃないかも知れませんが、アナ様は痴女皇国流の罰を受けた方が絶対にマシだと思います。ええ。本当に真剣に。

で、懲罰内容減刑条件。

有色人種の精液で妊娠して出産子育て。

女官種を産んでも構わないそうですが、汎用卵子ではなくアナ様ならアナ様のオリジナル遺伝子由来の卵子に受精すること。つまり、混血児を出産するのが懲罰となるということですね…。ええ、嫌がっておられます。

そして、可能な限り、位の高い者を相手とせよ。

えーと。

今ここで速攻で調達可能な有色人種女官は…。

（まずダリアさん。で、理恵パイセン。それから姉は擬態中なので日本人同様。ただ、この３名は皇族扱いの上に痴女種としてのステータスランクが高すぎて、今のアナさんを妊娠させる場合、パワーダウンの上に汎用精子を使わないとアナさんが死んでしまう危険があります。で…）

ええ、ベラ子陛下、アルヘシラスの貿易事務所に戻られるというザフィーラ様と、そして私をチラチラと。

やですよ、私もアナ様となんて。

今までの恨みとかあれば別ですけど、嫌がらせ受けまくるとか、そこまでは。

え…ちょっと待ってカルロータとカルメンシータ。

（あの…未然に防がれてただけです。ティアラ先輩、結構嫌がらせをされていたのですよ？）

（それもティアラ様、冗談や単なる意地悪の領域で済まない話です。闘牛にしても、ティアラ様が相手をした牛、やたらに強かった事はなかったですか）

（更には英国陸軍との合同演習の際、狙いすましたかのように大砲の弾が飛んで来るとか、集中銃撃や火線交錯輻輳の場に誘導されていたとか）

言われてみれば確かに、思い当たる事も。

しかし、本宮での訓練…時に黒薔薇騎士の方まで来られてしごかれた身には、正直あまり大した事がなかったと申しますか。

あとベラ子陛下。その訓練に同席なさるのは良いとして、遥かに格下の私たちに十億卒とか百億卒の力、手加減抜きに振るうのは何か恨みでも。

（ティアラちゃん。ベラ子がそんな陰険な事を狡猾に出来るタイプと思うか。こいつは単に調子に乗って手加減を忘れて自分が訓練を受けているかのように動いただけだ…）

（何を言うんですかねーさん！　あたしは単に動きの見本を見せたり仮想敵として振る舞っていただけですよ！）

まぁ、お姉様からよく言い聞かせて頂ければと。

しかし、なぜアナ様の陰謀はやすやすと発覚しなかったのでしょう。

あれだけ私に向けていた憎悪が凄まじければ、誰かに気づかれそうなものですが。

（ティアラ…調べがつきました…私では察する事が困難だった理由は、アナは単に簡単なヒントや思いつきを与えて、演習やら演武武芸の際の事故がないように部下に指示していた「だけ」だったのです）

アイエエエ…そんなからくりがあったのですか。イザベル陛下も、よくそんな事を思い付いたなという顔ですよ。

（そこで部下の男女騎士たちの忖度が結実した結果、それなりに深く調べないと犯罪性を立証できないようにしていたのです…それはティアラさん、暗示などを組み合わせ、仮に捕虜となった場合にも思考を読み取らせないように研究させていたからこそ出来た話なのです…私もいけにえ村の暗示を複数組み合わせて仕掛けられていましたので、その手の事には敏感なのですよ…）

呆れ返るイザベル陛下に加えて、マドリードにいらっしゃるニオオフラーネさんからも連絡が。

どうも、マリアリーゼ陛下とベラ子陛下が手を尽くして、アナ様に関する様々な悪事を明るみにするために送り込まれた人でもあったようですね、ニオオフラーネさん。

しかし、そんな恨みのお返しよとばかりにアナ様を暴行しても、果たして目的達成となるのか。

言うなれば、アナ様が子育ての辛さを経験して真っ当な人の母親になればなるほど、残りの寿命も人並みに伸びる訳ですよね。

今や一人卒のアナ様を、ここでしばき倒すのは簡単です。

しかし、私の意趣返しでそんな事をする気にすらなれません。

そしてですね、いくらここまでひどい事をされたとは言っても、アナ様を犯して種付けなんぞ、殴る蹴るよりも更に気が向かない行為です。

私はむしろ、可能であるならばもう二度と顔も見れない消息もわからない僻地にアナ様を飛ばして頂きアナ様のことなんか記憶の彼方に吹っ飛ばした上で平和な騎士女官ライフを堪能させてもらうほうが、よほど前向きに生きられるのですっ。

で、アナ様も母親の中井美由紀同様に男受けがよくなるようにプラス、一人卒罪人女官化の副作用らしいのですが高校入学くらいになるのですか、とにかくぴっちぴちの若返った状態にされてますけど、こんなんうちの父親の中井義文ならいざ知らず…待って下さいマリアリーゼ陛下！

「ティアラちゃん…皆まで言うな…そりゃ確かに盲点だったけど、よく考えてみりゃ完璧な組み合わせだよな…初代様、ティアラちゃんの父親が相手でも非・白人の精液で妊娠という要件は達成出来ると思いますが…」

（りょーかいですわっ。ティアラ。貴女の聖環か心話ならお父様に届くはずです。…ふむ、今が正に交渉のしどころ。聖母教会に行って尼を口説いておりますわね…海賊女王に頼みましょう）

（ショダイサマ。オマリーでございます。その役、アンとメアリーに依頼してみましょう。要はアナ殿の種付け役、ヨシフミがすれば良いのですわね？）

（そのとーり。そして妊娠中のアナの傅育歳費くらいは、雅美さんの報償金から出してもらうといたしましょう）

（こらこらこらこら初代様！…初代様は財務局の扱いだと再度死亡したというか、名目上は墓所に戻って無給状態に戻ってんですから、今は田中家の収入、あたしにかかってるんですよ？　ペルセポネーゼとアフロディーネが天引き処理で五万ルピーずつ入れてくれてますけど、あれ、まさかの時に備えて聖母記念銀行の貯蓄年金定期で貯めてますからね？）

（ですから雅美さん、あたくしに身体を…身体さえあれば田中家を支えるために稼ぐくらいなど造作もありませんわ！）

（初代様…雅美さんが意外に堅実というのはともかく田野瀬です。あの…子供のために働かせるのもアナさんへの罰のうちなんですから、いよいよ切羽詰まらない限りは下手な支援はかえって本人のためになりませんよ…）

（あーん、あたくしが受け取って渡そうと思ってましたのに…マリアヴェッラがケチ臭くもあたくしにお小遣いをくれませんから…財務時代の報償金は死亡扱いでぼっしゅーとされましたのよ！）

（初代様自身が決めた規則じゃないですか、女官死亡時の貯蓄報償金は両替処寄付扱いにするって…そもそもティアラちゃんに渡すお金の間に入るって、中抜きする気満々じゃないですか…）

（それが嫌ならせめて毎月五万ルピーくらい使わせるのです！）

（五万ルピーって簡単に言われますけどね、千人卒なりたての女官の報償金総額程度にはなるんですよ…痴女宮に来たてのペイペイの一人卒女官のお小遣い…業務報償金が月額二万円程度なのはずっと変わってないのです…）

そうです。

田野瀬局長の話、本当なのですよ…私ですらこの間、やっと学生身分を外れていますが、それでもまだ８万ルピー、日本円に直して１６万円未満なのです…。

Tiara Nakai. 中井ティアラ H.A.1048 2er.

基本報奨金額 SOKR  40,000-
管理報酬上級 SOKR  15,000-
騎士兼務報酬 SOKR   6,500-（8級） 
女官管理手当 SOKR  20,000-（聖院学院神学部・矯正部担当）
被服管理費用 SOKR  -2,000-（騎士制服・学生服等）
合計　　　　　　   79,500-

（確かにティアラちゃんの報償金額から２万や３万ルピーはきついよね…もしも万一の場合は私が褒賞喜捨として渡しますから心配しないでください。財務局の仕事を無償で手伝うのかとデルフィリーゼ様が怒って下さったおかげで、私は二つの部局の掛け持ちということで、管理報酬が完全倍額じゃないんですけど、ちょっと上乗せされている立場なのです…）

（たのきち…それあまり言わないように…時々掛け持ちしてるのに女官管理手当だけでごまかされてるパイセンが怒るわよ…）

（りええはあたしと違って在籍女官数イコール部下数じゃん…それに皇族扱いだからもはやインセンティブ枠、つまり特別管理手当を詮議される立場よ…おまけにダリアさんが正月から十億卒でしょ？夫婦共働きが羨ましいわよっあたしも生徒の数全員部下扱いなら、りええの管轄になってる精気授受管理者数なんて余裕でぶっちぎりよ…）

（こらぁ…そもそもたのきちはあたしと別居してますが、本当は離宮のあたしの部屋住まいで皇族準拠に加えてあたしの同居扱いなのを忘れないように…あんたの実態は部屋を与えられてるのにも関わらず、文教局長室に寝袋持ち込んで寝てるような立場なんだからね…）

それ、お給料に関わる事なのでしょうか。

（関わるのです…皇族入りした時には必ずそうされるのですが、皇族のお仕事はその気になればいくらでも部下扱いして精気吸引・支給手当の算定に必要な人数を増やせるって、ティアラちゃん自身が碧海島勤務の時に請願した時にも説明を受けていたでしょう）

（ええ、確かに…そして、その理屈で申しますとベラ子陛下の場合、天文学的にお手当の金額がハネ上がるとも）

（ですから、皇族については一般女官の管理部下数によるお手当決定では理不尽な結果になるということで、特別な計算で報償金の金額を決めているんですよ。で、ちんぽがあるのに相変わらず使おうとしないたのきちこと田野瀬麻里子文教局長様はですね、パイセン同様に皇族扱いになってるせいで、特別管理手当て対象で月ごとの報償金加算額を査定詮議の上で決定される、いわば決まり事だけでお給料を決められていない立場なんですよ…）

ふむふむなるほど、つまり、皇族扱いされると、必ずしも純粋にお仕事をした分のお金が入る計算方式がよろしくない場合もあるのですね。

そして、田野瀬局長がベッドとか持ち込んで寝泊まりしている文教局長室の実態、存じております。

何分にも私は聖院学院騎士科の学生として本校にも在籍していた立場。

即ち、あの寮舎でも寝起きしていた経験がありますので、勢い寮や教室のお掃除当番も回って来るのです。

しかも、騎士教練をほとんどこなせていなかった田野瀬局長のお稽古にお付き合いしていた立場でもありますから。

（な…ティアラより安かったのですか…私…）

しかし、私の報償金額を見て愕然としているのはベラ子陛下だけではありませんでした。

（アナ様。私は万卒昇格してまだ間が経ってませんよ。つまり、こないだまでアナ様と同じ…いえ、南欧支部の所属女官全てが部下扱いだったアナ様より更に支給額は少なかったのです。それにアナ様だって万卒になってたんですから、その時の報償金額だと私と大して変わりはしませんって…）

ええ、別の意味でアナ様が落ち込み始めました。

ですので、叱らせて頂きます。

（アナ様。お言葉ですが、我々は被服に食費に住居費用など諸々を痴女皇国から無償提供して頂いている立場。これは支部勤務でも変わりはないはずです。即ち、かつての私の母親ですとか、はたまた連邦世界で給与を貰って生活している大半の平民のように額面から税金だの保険だのなんだかんだを控除されたり、あるいはうちの父親のように自分で自分の報酬、悪事であっても一応は汗水垂らして稼いでいた立場からしますと、頂いた報償金、下手すれば全額を貯蓄可能なのですよ？　私は父親が頑張っていることを聞きつけてから、細やかですが仕送りをしていましたが…）

ふふふ。

これ実は、アナ様がツバメに貢いでいることを聞いていたからこそ言える煽あおりなのです。

しかも、あざとくも「ティアラちゃんは親に仕送りする孝行娘だが、アナさんは血縁関係や恩義や諸々の公明正大な口実なく若い特定の騎士にお小遣いをあげている。これがまだ罪人を支援するとか女相手に売春しているチンポ役の罪人…茸島分校矯正部の少年がその最たるものです…ではなく普通の国家騎士団の騎士に何をえこひいきしているのか」等々、疾やましいことをしている方と何かあった時に比較評価される事を狙ってもいたのです。

ですから、父親の中井義文、繰り返しますけど不肖の父親の中井義文がですね、私から仕送りした２万ルピーなり３万ルピーで現地の女性と仲良くしたり、挙句買春のために使ってる件についてまでは父親の裁量であり知ったこっちゃないのです。

というか一応は海賊共和国改めカリブ王国、キングオブカリブとか言うそうですけど、そのカリブ海王国だか共和国だかの王立国営食堂の支配人にまでしてもらって、何が悲しうて娘の仕送りで女を買ってマンコしてやがんでぃ、女遊びならてめぇのお給金で遊べっとしか申したくありません。

あと、今から向こうに行きますが、行ったらはりせんでどつき回す可能性が高いです。

ええ。これは家庭内暴力ではありません。指導教育女官として実の親に対する愛に満ち満ちたお説教なのです。

せっかく真っ当な仕事紹介されて頭角も表せて常夏のカリブ海で未来のリゾート地、いえ今でも痴女皇国と海賊共和国がタッグを組んで絶林檎の実がおいしいリゾート地として売り出しを始めているというのに、そんな地上の楽園で何さらしとんねん、いちいち金で女を買わずにチンポの一本で女の一匹や二匹くらい泣かさんかいと。

（アンだけどさ…ヨシフミの野郎はあたしやメアリーでさえ避けるんだよ…どうも自分より位が上すぎたり、強い女が苦手みたいでね…）

（メアリーだよ…だから女を買うしかないんだ…それもここいらの女は男勝り、暑いとこの常日頃でどっちかと言えば女がよく働くから気性も力も強い奴が結構多いんだよ…つまり、勢い痴女皇国経由でやってきた女たちを買ったり、聖母教会で寄進して尼さんに股開いてもらうのが手っ取り早いんだ。さすがにヨシフミの稼ぎじゃ貧民向けのタダファックは無理だからねぇ…）

（うう、何か父親の切ない下半身ライフを聞くと悲しいものがあります…いえ、うちの母親、父好みでしかも若返らせてまで連れて行こうって思ったの、まさにそういう展開を予想してたからでして…）

（まぁ、ミユキが来たら少しは女買いに行かなくても済むようになると思うから早く来てやっとくれ…あと、ヨシフミの方も決してCockに見境のない種馬ってわけでもないから怒らないでやってくれよ、頼むよ）

（食いもんもヨシフミ自身のおかげで美味くなったし、それに実を食べなくてもナッソーで暮らしてるだけで絶林檎の瘴気を吸うことになるから、男どものちんぽが年中元気なのは仕方ねぇんだ…精気をもらえる利点もあるから、そこは差っ引いてやっとくんなよ）

（ええ、皆様によくして頂いているようで…どうしても怒る必要があれば言ってくださいね…）

（何かこう、元海賊のお姉さんたちとティアラちゃんのやりとりを聞くだに、悲しいというか辛いものがあります…ティアラちゃん、あたしの裁量で特勤報酬、出しましょうか…？　月に十万ルピーくらいなら、あたしの皇帝歳費…つまりへそくりでも出来ますよ？）

（ベラ子陛下。それは私を妾まんこどれいに囲うための下心が透けて見えまくってる話なので敢えて断らせて頂きます。お金を頂戴するならばSMでもスカでも耐えますけど、流石に皇帝が部下の女官を買っていては皆の士気にも関わる話でしょう…）

（ティアラ、意外にお金には潔癖なのですよねぇ…）

でまぁ、アナさんへの種付けマンコ、うちの父親に無理からにでもやらせると言う事で話がまとまりました。

あとですね。

我が母親の中井美由紀。

元来ならば、蘇生と記憶回復、そして若返りの作業の必要性が発生します。

実はうちの母、ある意味では現状でもアナ様と同じ状態。つまり、定期的な精気供給と延命措置を受けるためにチンポ女官のチンポを突っ込んで貰わなくてはなりません。

しかし、今の話では、下手に今からまたはカリブに着いてから起こすと色々と揉めること、請け合い。

夫婦喧嘩の原因になりかねません。

で、昔、私の人格形成がまだ不完全な状態で母親を犯していますが、今となっては躊躇する話です。

どうしましょうとか考えておりますが、とりあえずスケアクロウに乗れとの指示を受けます。

え。

後ろから乗って、スケアクロウで校外学習に行く際の引率教員室…元来は軍事作戦で指揮官や司令官用の個室として使うキャンピングカーまがいの小部屋へ入れですと。

で、うちの母親はそこに積み込んであると。

（ティアラ…こういう時のためではありませんが、今回の米大陸視察には従者としてカルロータとカルメンシータの二人を付けましょう。私に仕えるセレスティーネやエロディアーネ同様、下僕としてお使いなさい）

はぁ…。

つまり、うちの母親の若返りはこの二人にやらせろ。

こうですか。

そんな訳で、教員室に入ります。

このお部屋、責任者教員のためのベッドやリクライニングソファに机と、そして応接セットが存在するのは知っています。キャンピングカーが基本なので、狭いですけど調理設備やシャワーにトイレもありますし。

でまぁ、後ろの坂道を片付けたり仕舞い込むお手伝いをしてから、くだんの教員室に入るとベラ子陛下、そしてマリアリーゼ陛下から離陸の案内が入ります。

私、思うんですけどね、転送っていうものがあるのに、なんでこれをわざわざ使うのでしょうか。

大きさとしてもかなり大きなものなのは間違いありません。

しかも、痴女皇国のある痴女島からエマニエル局長がぶつぶつと文句を言いながら分体を複数出して飛ばして来られたそうですけど、飛ばすだけでも何人もの人と下準備が必要だと言うのはハワイ行きの際によく理解させて頂きました。

しかも、我々白薔薇三銃士、これの乗務でストレスを溜めたとかふざけた理由で発情したベラ子陛下のデカい方のチンポを順番に突っ込まれて犯されたなんておまけつきです。

マリアリーゼ陛下。

左に座ってるそのエロ皇帝、お姉さんとして何か指導をお願いしたいのですが。

（当時の事情は理解している。そして以前、そのナッソーであたしは亭主役のアルトにサメの泳ぐ池のような入江に投げ込まれて大変な目にあったのを覚えておいて欲しい）

はぁ。即ち、マリアリーゼ陛下も、何かしら報復の意思や復讐の怨念を抱かれていると。

こうでしょうか。

（そして今回、その投げ込みやがった当の本人をあんたたちの護衛役として米大陸周遊視察の一行に加えるつもりだ。ベラ子。お前は痴女皇国の方のアルトに対して、北方帝国攻略とその付随戦闘を免除するかわりにアルトに警護役の何たるかを教える任務を命じたい。何をすればいいか…わかってるよな？）

（ねーさん…なぜあたしがそんなことを…）

（お前なぁ、たのきちに瞳さんに、そして今回ティアラちゃんに手を出せばこれで三人目だ。カリブに向かうこのスケアクロウの機内になぜ、クリス父さんを乗せずに茸島へ送り返しているか。そして奥様をお乗せしているか理由を考えてくれ。奥様は慰労と慰安を所望しておられるんだ…）

（え、えとマリアリーゼ陛下、私がちょっと軽くそちらの風習を体験するだけでなぜにそのような…しかも初体験ではございませんでしょうに…）

わぎゃぎゃぎゃぎゃと操縦席で騒ぎ出す皇帝ご姉妹。

（ティアラちゃん…そして他の人も聞かなかった事にするように…この方々の夜の生活は「ない」のが建前なのです…元来は想像する事すら不敬なのです…）

（これ真剣に漏らさないでくれ。それがために、今、後ろの席の連中やアナさんを昏倒させたんだ…今、機内で起きているのは奥様とベラ子とあたし、そしてティアラちゃんとカルロータとカルメンシータ、そしてもうじき起きるけど美由紀さんだけだ…これにアルトを加えるが、絶対に今から起きる事は口外無用で頼む…漏らしたが最後、記憶どころか人格消去の厳罰を課す必要すらあると思って欲しいんだ…じゃ、アルトを呼ぶぞ…）

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黒マリ「というわけでこの続き、アルトの方の話にする」
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/165/

べらこ「何かこう、強引な気も。それにいくら痴女宮の方のアルトさんとは言っても、聖院の方のアルトさんをお借りしている上にうちのアルトさんまで戻していいんですか」

白マリ「この呼ばれ方は久々だけど問題はないわよ。それと、アルトとシェヘラザードさんの娘の方のサリーとシェリーいるでしょ。あの子たちは聖院研修でこっちに預かるついでに仕事してもらうし」

黒マリ「痴女皇国でもそうだけどさ、アルトの立場では実はまんざらヒマでもないけど超多忙でもないんだよ。理由は、核兵器や戦略爆撃機と同じで、いつでも使えるような待機状態にしておく必要があるんだ。で、完全にヒマでも本人も嫌だろうし周りも嫌だろうから、決済業務と大元の指揮監督、それから精気授受の頂点業務だな。そうした仕事をこなすのがアルトの元来の日常なんだよ」

白マリ「だから、ちょこちょこあっち出かけこっち行かされ程度のお仕事、実はアルトにとっちゃ自宅周囲の散歩レベルの片手間仕事のはずなのよ、ほんとはね…」

べらこ「まぁ、アルトさんの雪山特訓がなくなっただけでも本人は感謝すると思いますし…」

黒マリ（果たしてそう上手く事が進むのか、なにか悪い予感がするんだけど…）

白マリ（とりあえず痴女宮アルトには細かい説明なしで行かせるからよろしくね…）

他全員（ ほ ん と う に わ る い よ か ん が し ま す ）