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愛の花は夜開く? 冠婚葬祭は茸島殿へ!・3
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ふーむ。
確かに痴女皇国の出自は聖院ですし、聖母教会でも実際に告解の褒美や祝福と称して助平行為をしていますが。
そして、聖母教会が女性用に用意している修道服は変形機能付きの半生体素材とはいえど、普段の外観はキリスト教の尼僧用修道服そのものです。
(僕が考えてるのはベラちゃんのAVコレクションの修道尼もの…それから、雅美さんのウスイ・ホン…つまりドウジンシのコレクションだね。それに加え洗礼の儀式のような神聖性があればなおさら、ベラちゃんなりヒトミさんなり、ゼアラニーネさんなりと精気の受け渡しをする価値が生まれるように思うけど)
なるほど。
(ナロウ・ノベルにも神官や僧侶と言ったゲーム由来の役柄がよく出るじゃない。あんなのが儀式を行う光景をイメージして欲しい)
あー…、なーんとなく、おじさまがやらせたいものが理解できました。
(更に言うと、この茸島で行う予定の幽霊退治に絡んだ儀式にしてみるのはどうかな。そして儀式の主導を聖女なり聖母なり司祭なりが行うとすれば、聖母教会や痴女皇国が介入しやすくなるんじゃないだろうか)
な、なるほど…いつかのゼンラスキー将軍のように奇跡を起こしたかのごとく見せた存在を関与常駐させる訳ですか。
これならば人々の信頼は得られるでしょう。
特に文字を持たないか、文字文化があっても気楽に書くものが簡単に手に入らない人々相手では、過去の言い伝えだけではなく、皆が見ているその場で起こす奇跡の方が説得力を増すというもの。
更に、男性陣の性欲処理をしてくれるとあれば、少なくとも人口の半分はあたしたちに賛同するでしょう。
この話は雅美さんと姉に流してみるとしましょう。
ねーさん…ねーさんの着てるような尼僧服、どエロなデザインにできまへんか。
(確かに父さんの提案には乗ってみる価値を感じるな。雅美さん、どうよ)
(一時期の中国ゲーム界にあった前割れ前垂れシスター服の発展系なら提案できるわよ。つーかビューティーツインズ3期の悪役キャラのラフ原案、まさに卍教とかいう感じで提案して通ったからハイレグ先生に渡してクリンナップしてもらってる最中よ。頼まれたらこちらの分はあたしが清書するか…急ぐならマリアちゃん、あのラフから立体起こせる?)
なかなかに都合のいい話ではないですか。
3期の悪役イメージキャラもあたしに仕事,回って来てますし。
ただ、卍教の名前は本採用するのでしょうか。5分くらい液体の音や絶叫をお茶の間に届ける話になりはしないでしょうか。
ビューティーツインズ、女子対象年齢、5歳から10歳くらいまでのはずですよ。
(さすがに脚本や演出が止めるはずよ…監督は金夕6時の暴走経験者らしいけど…)
あー、やたらと男子にソンタクしたシーンを入れたがるみたいですね。2期でも温泉回に水着回とはっちゃけていましたが。
ちなみに若様のおうちの金泉白水閣が「出演」を固辞されたために、おキヌちゃんの実家の珠絹亭にしか見えない旅館になったそうです。
(高木企画の方で作画監督や背景さん,美術さんが宿泊取材する段取りしましたからね。あと、陛下も行かれたでしょ、打ち上げ旅行…)
瞳さん、恨めしそうな目で見ないで。
あの時はまだ高木企画への出向者扱いだったではないですか。あの時からお互いを狙っていたとは思いますけどね…あの時に行ってたら痴女種、それも万卒以上の幹部ばかりの乱交の修羅場に巻き込まれてたんですよ?
それに…幹部にならなくても伊香保の保養所は使えますからね?…たまに、こないだのように助平なお仕事をするハメになりますがっ。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/101/
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/102/
しかし、女というものは特別扱いされたがるもの。
あの保養所に、スイートルームに該当するお部屋は元々存在したんですけど、改装にあたって皇族宿泊用にリニューアルしてるんですよね。
今回の除霊儀式祭りがうまくいけば、新婚旅行には良いかも知れません。
(どっかの皇帝の自称弟のようにボロ雑巾のように使い捨てられなければ少々の事には耐えますから、連れて行ってください…)
安心してください。
愛人との温泉旅行くらい出来なくて、何の皇帝か。
そしておじさまとおばさまもご一緒に…ぐふふ。
(陛下がやたらにクリスさんとアグネスさんに絡ませようとするのですが)
(簡単よ、ミセス。東洋人は見た目はともかく、抱くといいからよ。とても…特に東洋女…あのマダム・ホンもなかなかだったけど、ヒトミさんは落ち着きがあっていいわねぇ)
(つまり、義母様にしてみればヒトミさんの相手は、日本茶と和菓子を出されているようなものなんだよ。ゲイシャ遊びの体験に近い楽しみがあると思えば理解が早いんじゃないかな…)
ええそうです、接待ですよ。
あそこのスイート、畳部屋もありますからね。
それに、おばさまは例の離れで畳慣れしておられますからね。
(瞳さん、予約は必要ですけど…我々の宿泊時には珠絹亭か金泉白水閣の板長もしくは二番板の方が来られます。修行で「江戸城」の調理室にも行っておられた方々ですよ。それなりのお酒やお料理、出ますからね…)
ぐぐうっという、女の叫びが四つ。食欲に訴える話も女には効くとは言え、反応早すぎでしょ。
しかもスクルド先生まで。
言っておきますけど丹波や能勢の料理旅館じゃありませんから、猪は頼まないと出ませんよ。
(田舎者扱いすんな。今日び猪の肉以外も知ってるわよ…私がヴァルハラの番をしていたの、何百年前だと思ってんのさ…)
すんません。てっきり、ご馳走といえば猪しか思い浮かばないんだと…。
それに、お友達価格みたいなものとは言え、あの保養所の上級客室を使うと一泊十万は経費が飛ぶのです。
それなりのお料理、出して頂かなくては。
姉によれば、有馬温泉のお二人様向けお忍び宿泊が主体の某高級旅館、一泊二十万円級の内容らしいですけどね。
(ああっ、クリス君の手がはだけたユカタにというシチュエーションが現実になるのね!)
おばさま、妙なところで興奮されますね。
確かにあたしも、この間泊まった時、スザンヌちゃんとマリアンヌちゃん相手に浴衣の前を開けてしゃぶらせてましたけど。
あ、精気渡しですから誤解のないように。
(うそつけーっ! あたしたちのおめこ、最低2回は犯した癖に!)
(ベラちゃん、ラスプーチンちんでなくてもいいって言いましたのに!)
うっさい。生意気な別腹姉妹を黙らせただけやん。
(しかもご丁寧に悪役服に着替えてさぁ…ムカつくからスザンヌと2人でベラちゃん挟んで犯したけど、絶対釣り合い取れてないわよあの晩!)
(いくら2期の打ち上げだからって痴女皇国関係者がいないといっても、あたくしたちに手を出しますか!)
(あんたたちが大人状態で誘うからじゃないの!)
まったく、このガ…いえ、不肖の妹たちときたら。
ただ、年齢の話は深くしないでおきます。
あたしは促成栽培で成長していますので、まともに年相応の外観になるとマリアンヌちゃんやスザンヌちゃんの基本状態とそれほど変わらない年恰好…アクヤクレイジョウめいたプリマやメディア女子くらいの子供になっちゃうんですよねぇ。
あ、イタリアの義務教育制度、皆さんの世界と変わってません。
小学校5年間、中学校3年間です。そして高校は義務教育ではありませんが5学年ですよ。
(ベラちゃん。ワーズワースの家も大概だけど、タカギの方のおうちの事情も大概だって思うんだけど)
(おばさま。痴女皇国に関係すると避けては通れない道ですよ…)
それよりエロ尼さんの話ですよっ。
せっかくおじさまが興味深い案を出して下さったのです。
従来の痴女皇国で推進していた聖母教会での尼僧制度とは似て異なる話でしょう。
それに、これの件ひとつを取っても、姉がおじさまを男性性別で留め置こうと必死になっている理由や、痴女皇国が世界を支配したとしても男性の存在を一定数維持しようとする理由がよく理解できます。
ダ・ヴィンチさんやマキァヴェッリさん、そして慶次郎さん一派ですとかうちの叔父や美男公、そして串刺しのおじさんの性別を無理からに変えようとしないのも…本人からの希望こそあれど同じような事ですね。
とりあえずおじさまの思いつきは形にすべきでしょう。それもなるべく早急に。
それとですね。
みなさん、腰が止まってますよ。
全く、せっかくの性交の場ではないですか。
(いえ、色々衝撃的な話だったもので)
(あんたね、確かにクリス・ワーズワースのこの提案には考え込むもんがあるわよ。あんたも一応は聖母教とやらのご神体みたいなものでしょうが)
(ベラちゃんを崇め奉るのね…うーん。もう少し神々しさが欲しい気もするわね)
(ベラ子陛下の髪型をスクルドさんの髪の毛、結んでない時のようにふわっとさせればゴージャス感ありますね)
みんな好き放題言いやがって。
おじさまはどうなんですかっ。
「ベラちゃんの髪の毛は少し癖があるからね。逆にポニーテールのように結んで、尼僧の頭巾を着せてマンティックスタイルにして…マント部はオーガンジーでお尻が透けるようにしたらどうかな」
ぐぐぐ、ものすごく具体的ではないですか。
ねーさん、頭巾、黒じゃなくて白にしたのはないんですか。
(待て。今送る。それと白金衣正装のマントあるだろ。あれ透けてるしセンターオープンだ。羽織ってみろ…スクルドさん、悪いけどあんたも付き合ってくれ。アンジェのお母さんの外観とは言え、正真正銘の神様が着てみりゃベラ子との対比にもなるだろ)
(はいはい)
へい。
で、二人して姉が送って来たセットを着けてみます。スクルド先生には白薔薇用の騎士服を着用して頂いた上で、過激紐モードにしてみましょう。
(おおおおお)
(僕が提案して言うのもなんだけど、マリア…これ、ちゃんとした礼装にすればかなりいい仕上がりになるんじゃないかな?)
瞳さんとおじさまがキラキラした目であたしを見ております。
そして、気を利かせたゼアラさんが部屋の備品のキャスター付き全身姿見をこちらに持って来て下さいます。
(これで甲冑を要所に付ければなかなかのものね。ちょっとランスを持ってみましょう)
ふむふむ。
元々のエイリーンさんの体型から例のワルキューレのロマンを追求されたお姿に自己改良されただけあって、あたしから見てもイケてるお姿です。
それはもう、無条件にジュネス淋の森店に連行したくなるような。
あ、ジュネス連行って痴女皇国では褒め言葉ですよ。
つまり、あそこで踊れるというのは外交接待ができる女官という事です。
おわかりでしょうか。
(ええ、わかるわ。マリアヴェッラから嫉妬の視線を感じるからね。あんた絶対、私をぐちゃぐちゃの無茶苦茶にしたいって思ってるでしょ)
ようお分かりで。
いえね、あたしだけの要望ではないのですよ。
あたしは女官のズリネタとか見せ物でもあるわけです。
そして、あたしの過激行為を心待ちにしておられる方が今もここに3名プラス1人。
おじさま自身はSM行為が好きじゃないんですけど、あたしの凌辱行為は知っています。
そして、暴君状態のあたしを知っているだけに、牝の顔でおじさまに堕とされる姿をご覧になるのが、殊更お好きなのです。
わかりますねスクルド先生っ。
(そういう性癖をクリス君に植え付けてんのは…ああ…ベラちゃんだけじゃないわね…)
ええ、おばさま。戦犯はもう一人いますよ。
ジーナ母様も、自分の普段をおじさまにはオープンにしていますからね。
ある意味では浮気していないという身の潔白を証明するためですが、皮肉にもあの母親が秘書室長としてあれやこれやしている生活実態、おじさまに余すところなく知られる結果になってんです。
そしてあたくしベラちゃんも、おじさまの豚ですから家畜としての日常、なるべくお教えしていますよ。
そしておばさま。おばさまやフレミング機関の女性陣にもズリネタとして見せてるじゃないですか。
(そ、それはベラちゃんが送ってくるから…)
(おじさま。おじさまの義理のお母様があたしに何を要望していたか。本当に良いご趣味なのですよ。お分かりですねぇっ)
(私も聖院研修時に送りつけられました。よくこれでハラスメント扱いにならないものだと思ったんですけど、責めなぶられている女官の皆様の心理状態を読みますと、これ、女官の方にとっては屈辱的ですけどご馳走が振る舞われているようなものなんですね…正直、日本人としては嫌ですけど…痴女皇国の女官としてはこれに慣れなくてはならないんですよね…)
あー瞳さん、ちょい待って。
それはスクルド先生に止められてるんですよ。
瞳さんには違ったことをして喜んで頂きますからね。
スクルド先生には手加減する気はありませんからっ。
あたしを恐れ敬い崇めるように…って痛いっ!お尻をそのランスで突かないで!
(ピアニスで突くとこの女へのご褒美になるからね…)
(確かにベラちゃんは私にも手加減してくれません。本当にこの子は女が泣く顔を見たいんだというのがよくわかりました)
(ですからおばさまぁっ、おじさまの時と違った事をしたいっておっしゃられたから対応しただけじゃないですかぁ…)
(はいはい。クリス君…あなたの気持ちはわかるんだけど、正直、ベラちゃんを奥さんにするの、私はちょっと疑問が…)
え。
なんですって、おばさま。
今、なんと。
「だから、クリス君は出来ればベラちゃんを妻にしたいのよ。それも、ジーナさんと別れずに」と、わざわざ声に出して言われるおばさま。
えええええ。
いえ、嬉しいのは嬉しいのですけど。
「確かに、ベラちゃんはクリス君に尽くしています。その献身はよく理解しています。いますけどね…」
「お義母様。ちょっと…ベラちゃん。僕は確かに洗礼を受けた宗教上の戒律があるにはある。でも、ここは痴女皇国だし…それに、僕自身が聖母教の聖父として認定を受けた立場でしょう。聖母教は…一夫一妻制度を強いていたかな? 」
と、少し焦った顔のおじさまがおばさまを遮られて、あたしに質問を。
で、その答えは…ノ。
これは即答できます。
実はイスラムに該当する教えめいた要素があった方が鯖挟国他、富裕な領主で性にはっちゃけてる国々にはいいだろうと、東方聖母教会を中心として一夫多妻制度を容認する方向なんですよ、聖母教。
そして聖母教自体は一夫一妻ですがお妾さんを認める方向で。
これは、他ならぬあたしの母親のルクレツィア母様とチェーザレ叔父様が妾腹の子…庶子扱いだったので苦労した件の轍を踏んで辛い思いをする者がなるべく増えないようにしたい、という叔父の考えが反映されています。
つまり、あたしが誰かの妻になるのを妨げているのは聖院金衣の戒律のみ。
「ああ…政略結婚防止ってあれか…というかさ、マリアヴェッラ…あんたとクリス・ワーズワースのお付き合いって、そもそも政治的なもんがものすごく強いところから始まってんじゃない」
と、意外にもスクルド先生から援護が。
「そりゃねぇ、クリス・ワーズワースもあんたに惚れてんだし、無理からに仲を引き裂く事なんかしたら、逆にクリス・ワーズワースの精神状態に悪いじゃないのさ。あんたらの事情さえ許せば私は野暮なんか言わないわよ? 」
「なるほど…確かに、クリス君はベラちゃんを信頼しているしねぇ…事実婚でいいんじゃない?」
「で、では私は…」と、急に狼狽し出す瞳さん。
「ああ、そっちはそっちで愛人関係やっときゃいいのよ。いいこと伊藤瞳、あんたは既にマリアヴェッラの本心を読んでると思うけど、この女は清楚な美少女を犯して楽しむ悪癖があるのよ。そこにあんたは合致してるのよ?」
ええええええ!
確かにあたしはたのきちの時もそうですよ。
ですがスクルド先生、訂正を。
あたしは聡明な女が好きなのです。
無論、聡明な男性も好きです。
おじさまが冷静で賢明な方だからこそ、あたしは安心してお尻を振れるのです。
そして、瞳さんにも安心してちんぽを突っ込めるのですよ?
で、立ち上がる瞳さん。
あたしの手を取っておっしゃいます。
「ベラ子陛下。いえ、ベラちゃん。あなたが献身しないとクリスさんのためにならないのは理解しています。つまり、クリスさんとセックスするのは痴女皇国の皇帝として避けて通れない道でしょ? 私がどうこう言う話じゃありません。それにスクルドさん…陛下は精気授受がありますから、誰と婚姻を結ぼうが、基本的に女官との性交は業務として行う必要があるのではないでしょうか」
おおおおお。あたしは瞳さんの手を握り返しました。
「そしてアグネスさん。アグネスさんも、今やご自身の地位保全はもとより、将来の野望のためには絶対に陛下との仲は維持する必要があるはずです。むろん、この私もゼアラさんも今や陛下の存在なしには生きていることすら危ぶまれる状態。それに陛下とのお付き合いの中で、陛下がきちんとクリスさんやアグネスさんと私とを分けてお考えなのは思考共有で理解しています。むしろ、ゼアラさんやスクルドさんを含めたこの場の我々全員、ある種の共犯関係です。お互いに仲良くしておくためにはできる限り、相手の欲望を満たしてあげるべきじゃないでしょうか」
思わず涙が出そうです。
ああ、あたしの選択は間違っていなかったのでしょう。
「い、言い返す必要性は全くないわね…ヒトミさん、日本の法律やニホンジンの倫理観と全く違う生活を強いられると思うのだけど、本当にいいの?」
「アグネスさん。逆に私がお聞きしたいのですが、ご自身の日常…特にクリスさんとの行為やNBでの実質的な部下の方々との性的接触を思い返して下さい。そして私は皇帝室秘書課の人間として、陛下と女官との間の精気授受をある程度代行することを求められています。言うなれば、アグネスさんが部下を犯して従えているのと同じで、私自身が多数の女官を犯して従える必要があるでしょう」
言い切られますねぇ。
(ほんとーはしたくはないのですよ。仕事と思って割り切ります。それに…言ってみれば相手の本音や考えが丸わかりになりますからねぇ、痴女種化してますと。ですから女官の皆さんの動向を調査するためにも性行為は避けて通れないでしょう)
ああ、パイセンに似た考え方されますね、瞳さん。
パイセンが女官と関係を持ちまくったのも、他人を理解するため。
そして普通の女性と女官が一番違うのは、女性特有の人間関係が許されないところです。
一度敵認定したらとことん嫌いまくるのは、精気授受の関係がありますからダメです。思ってるのは勝手ですけど、相手へいじめや嫌がらせをしているのが分かると懲罰です。
特に最近は聖環への罪環機能が付加されましたので、あらぬよこしまな考えを抱けば絶対にどこかで誰かに察知されて、まずは生活相談という名の事情聴取が行われる事になります。それも、罪環機能導入前よりもはるかに迅速に。
そう…あいつが苦手とかあいつ嫌いってのが許されるの、もしかしたらあたしくらいじゃないですかね。
そのあたしにしても、例えばカエル女が嫌いだとしましょう。だけど、ご飯を渡す必要はあるわけです。
そして過剰に与える方向のえこひいきはまだしも、正当ではない嫌がらせ由来の懲罰は怒られますし、だいいち、元来はそうした感情や憎悪で他の女官と険悪な状態になったり喧嘩を始めるのを取り締まり指導する立場の頂点ですからね、あたし自身が。
(ですから、ベラちゃんはスクルドさんと死闘を繰り広げるほど無茶なSM行為をしちゃダメですよ。せいぜい、離宮地下室の懲罰具簡易倉庫程度ですむ内容で…)
(まさか、伊藤瞳がここまでマリアヴェッラを正論でやり込められるとは…)
(ただしスクルドさん。言い負かしてばかりでは、やはり言い負かされた方に感情的なしこりが残りますよね。人は家畜と違って、誰しも恨みという感情を多少なりとて持つと思うんです。それにですねぇ、子犬や子猫のあのすがるような目つき。あんな目をされたら普通の人間だと絶対に何かをしてあげようと思うんですよ。ほら、陛下の今の顔が正にこう、子猫のような…」
何かこう、自分が動物病院に連れて来られたペットのような気分になりましたが、考えてみれば瞳さんは正にそういうペット専門の看護婦さんとしての教育を受けた人です。
人間と違ってきちんと何かを伝える事が出来ない動物たちの感情を読むのに比べたら、言語を扱う知能のある人間はもっと楽な看護・介護対象なのでしょう。
(ベラちゃん…やはり瞳さんとも婚姻めいた関係を結ぶべきだよ…僕とはともかく、瞳さんは君の側にいた方が絶対にいいと思うよ)
このおじさまの心話に、やったーという反応が日本語で。
ええ。冷静なようで割と内心の感情、隠しませんね。
まぁ良いのです。もともとは妾として飼育するつもりでしたから。
それと、そんな奴隷調教めいた考えとは別に、痴女皇国としての戦略の問題があります。
瞳さんの分体は現状、こちらの予定通り…つまり、いつぞやお見せした未来と同様に、F1レーサーのジャン=リュック・パスカルという人と将来は結婚する方向で話を進めております。
で、この結婚を推している理由も、お見せした未来と同じ。
欧米のセレブな社会に食い込み、あまつさえ痴女皇国に敵対しそうな有力者の子女を犯して我々の尖兵兼性奴隷にしてしまう、いわば欧州強姦作戦の現代連邦地球版です。
この作戦の遂行のためには、東洋人がフランスの富豪でセレブと結ばれて玉の輿に収まったという筋書きが絶対に必要なのですよ。
瞳さんでなくては、白人の皆様の内心内面の差別意識を逆撫でする事にならないんです。
(確かにヒトミさんだと、NBですら誰かの庇護がないと極めて不愉快な思いをする可能性は高いね…お義母様、考えてみて下さい…マリアが日本人に偽装してる状態ですら、内心は快く思っていない人物、すぐに10人は名前が挙がりますよね)
(そうね…しかも瞳さんは美人。妬まない訳がないわ)
ええ。絶対に陰険姑息陰惨な仕打ちを企む者が出ると予測されています。それも、雅美さんとフランス当局がこっそり行った欧米富裕層向けの諜報活動を兼ねた意識調査で。
(で、目には目をで、逆にベラちゃんが責めなぶると…出来れば私も参加したいものねぇ)
ふふふふふ。おばさまならそう言うと思ってましたよ。
それに、瞳さんには黙ってやられるどころか上手く逆襲させる予定です。
ですから、ある程度の自己防衛や反撃についてのおさらいをして欲しいのですよ…。
(まぁ、それは瞳さんのゴーストがきちんと欧米社交界にデビューしてからのお楽しみにしましょう。まずは、あなた方の結婚の儀式を内々で行う事にしましょう。ミセス・ヨシムラ…いえ、スクルドさん。前途ある若者と、私たちに祝福をお願いします)
確かに痴女皇国の出自は聖院ですし、聖母教会でも実際に告解の褒美や祝福と称して助平行為をしていますが。
そして、聖母教会が女性用に用意している修道服は変形機能付きの半生体素材とはいえど、普段の外観はキリスト教の尼僧用修道服そのものです。
(僕が考えてるのはベラちゃんのAVコレクションの修道尼もの…それから、雅美さんのウスイ・ホン…つまりドウジンシのコレクションだね。それに加え洗礼の儀式のような神聖性があればなおさら、ベラちゃんなりヒトミさんなり、ゼアラニーネさんなりと精気の受け渡しをする価値が生まれるように思うけど)
なるほど。
(ナロウ・ノベルにも神官や僧侶と言ったゲーム由来の役柄がよく出るじゃない。あんなのが儀式を行う光景をイメージして欲しい)
あー…、なーんとなく、おじさまがやらせたいものが理解できました。
(更に言うと、この茸島で行う予定の幽霊退治に絡んだ儀式にしてみるのはどうかな。そして儀式の主導を聖女なり聖母なり司祭なりが行うとすれば、聖母教会や痴女皇国が介入しやすくなるんじゃないだろうか)
な、なるほど…いつかのゼンラスキー将軍のように奇跡を起こしたかのごとく見せた存在を関与常駐させる訳ですか。
これならば人々の信頼は得られるでしょう。
特に文字を持たないか、文字文化があっても気楽に書くものが簡単に手に入らない人々相手では、過去の言い伝えだけではなく、皆が見ているその場で起こす奇跡の方が説得力を増すというもの。
更に、男性陣の性欲処理をしてくれるとあれば、少なくとも人口の半分はあたしたちに賛同するでしょう。
この話は雅美さんと姉に流してみるとしましょう。
ねーさん…ねーさんの着てるような尼僧服、どエロなデザインにできまへんか。
(確かに父さんの提案には乗ってみる価値を感じるな。雅美さん、どうよ)
(一時期の中国ゲーム界にあった前割れ前垂れシスター服の発展系なら提案できるわよ。つーかビューティーツインズ3期の悪役キャラのラフ原案、まさに卍教とかいう感じで提案して通ったからハイレグ先生に渡してクリンナップしてもらってる最中よ。頼まれたらこちらの分はあたしが清書するか…急ぐならマリアちゃん、あのラフから立体起こせる?)
なかなかに都合のいい話ではないですか。
3期の悪役イメージキャラもあたしに仕事,回って来てますし。
ただ、卍教の名前は本採用するのでしょうか。5分くらい液体の音や絶叫をお茶の間に届ける話になりはしないでしょうか。
ビューティーツインズ、女子対象年齢、5歳から10歳くらいまでのはずですよ。
(さすがに脚本や演出が止めるはずよ…監督は金夕6時の暴走経験者らしいけど…)
あー、やたらと男子にソンタクしたシーンを入れたがるみたいですね。2期でも温泉回に水着回とはっちゃけていましたが。
ちなみに若様のおうちの金泉白水閣が「出演」を固辞されたために、おキヌちゃんの実家の珠絹亭にしか見えない旅館になったそうです。
(高木企画の方で作画監督や背景さん,美術さんが宿泊取材する段取りしましたからね。あと、陛下も行かれたでしょ、打ち上げ旅行…)
瞳さん、恨めしそうな目で見ないで。
あの時はまだ高木企画への出向者扱いだったではないですか。あの時からお互いを狙っていたとは思いますけどね…あの時に行ってたら痴女種、それも万卒以上の幹部ばかりの乱交の修羅場に巻き込まれてたんですよ?
それに…幹部にならなくても伊香保の保養所は使えますからね?…たまに、こないだのように助平なお仕事をするハメになりますがっ。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/101/
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/102/
しかし、女というものは特別扱いされたがるもの。
あの保養所に、スイートルームに該当するお部屋は元々存在したんですけど、改装にあたって皇族宿泊用にリニューアルしてるんですよね。
今回の除霊儀式祭りがうまくいけば、新婚旅行には良いかも知れません。
(どっかの皇帝の自称弟のようにボロ雑巾のように使い捨てられなければ少々の事には耐えますから、連れて行ってください…)
安心してください。
愛人との温泉旅行くらい出来なくて、何の皇帝か。
そしておじさまとおばさまもご一緒に…ぐふふ。
(陛下がやたらにクリスさんとアグネスさんに絡ませようとするのですが)
(簡単よ、ミセス。東洋人は見た目はともかく、抱くといいからよ。とても…特に東洋女…あのマダム・ホンもなかなかだったけど、ヒトミさんは落ち着きがあっていいわねぇ)
(つまり、義母様にしてみればヒトミさんの相手は、日本茶と和菓子を出されているようなものなんだよ。ゲイシャ遊びの体験に近い楽しみがあると思えば理解が早いんじゃないかな…)
ええそうです、接待ですよ。
あそこのスイート、畳部屋もありますからね。
それに、おばさまは例の離れで畳慣れしておられますからね。
(瞳さん、予約は必要ですけど…我々の宿泊時には珠絹亭か金泉白水閣の板長もしくは二番板の方が来られます。修行で「江戸城」の調理室にも行っておられた方々ですよ。それなりのお酒やお料理、出ますからね…)
ぐぐうっという、女の叫びが四つ。食欲に訴える話も女には効くとは言え、反応早すぎでしょ。
しかもスクルド先生まで。
言っておきますけど丹波や能勢の料理旅館じゃありませんから、猪は頼まないと出ませんよ。
(田舎者扱いすんな。今日び猪の肉以外も知ってるわよ…私がヴァルハラの番をしていたの、何百年前だと思ってんのさ…)
すんません。てっきり、ご馳走といえば猪しか思い浮かばないんだと…。
それに、お友達価格みたいなものとは言え、あの保養所の上級客室を使うと一泊十万は経費が飛ぶのです。
それなりのお料理、出して頂かなくては。
姉によれば、有馬温泉のお二人様向けお忍び宿泊が主体の某高級旅館、一泊二十万円級の内容らしいですけどね。
(ああっ、クリス君の手がはだけたユカタにというシチュエーションが現実になるのね!)
おばさま、妙なところで興奮されますね。
確かにあたしも、この間泊まった時、スザンヌちゃんとマリアンヌちゃん相手に浴衣の前を開けてしゃぶらせてましたけど。
あ、精気渡しですから誤解のないように。
(うそつけーっ! あたしたちのおめこ、最低2回は犯した癖に!)
(ベラちゃん、ラスプーチンちんでなくてもいいって言いましたのに!)
うっさい。生意気な別腹姉妹を黙らせただけやん。
(しかもご丁寧に悪役服に着替えてさぁ…ムカつくからスザンヌと2人でベラちゃん挟んで犯したけど、絶対釣り合い取れてないわよあの晩!)
(いくら2期の打ち上げだからって痴女皇国関係者がいないといっても、あたくしたちに手を出しますか!)
(あんたたちが大人状態で誘うからじゃないの!)
まったく、このガ…いえ、不肖の妹たちときたら。
ただ、年齢の話は深くしないでおきます。
あたしは促成栽培で成長していますので、まともに年相応の外観になるとマリアンヌちゃんやスザンヌちゃんの基本状態とそれほど変わらない年恰好…アクヤクレイジョウめいたプリマやメディア女子くらいの子供になっちゃうんですよねぇ。
あ、イタリアの義務教育制度、皆さんの世界と変わってません。
小学校5年間、中学校3年間です。そして高校は義務教育ではありませんが5学年ですよ。
(ベラちゃん。ワーズワースの家も大概だけど、タカギの方のおうちの事情も大概だって思うんだけど)
(おばさま。痴女皇国に関係すると避けては通れない道ですよ…)
それよりエロ尼さんの話ですよっ。
せっかくおじさまが興味深い案を出して下さったのです。
従来の痴女皇国で推進していた聖母教会での尼僧制度とは似て異なる話でしょう。
それに、これの件ひとつを取っても、姉がおじさまを男性性別で留め置こうと必死になっている理由や、痴女皇国が世界を支配したとしても男性の存在を一定数維持しようとする理由がよく理解できます。
ダ・ヴィンチさんやマキァヴェッリさん、そして慶次郎さん一派ですとかうちの叔父や美男公、そして串刺しのおじさんの性別を無理からに変えようとしないのも…本人からの希望こそあれど同じような事ですね。
とりあえずおじさまの思いつきは形にすべきでしょう。それもなるべく早急に。
それとですね。
みなさん、腰が止まってますよ。
全く、せっかくの性交の場ではないですか。
(いえ、色々衝撃的な話だったもので)
(あんたね、確かにクリス・ワーズワースのこの提案には考え込むもんがあるわよ。あんたも一応は聖母教とやらのご神体みたいなものでしょうが)
(ベラちゃんを崇め奉るのね…うーん。もう少し神々しさが欲しい気もするわね)
(ベラ子陛下の髪型をスクルドさんの髪の毛、結んでない時のようにふわっとさせればゴージャス感ありますね)
みんな好き放題言いやがって。
おじさまはどうなんですかっ。
「ベラちゃんの髪の毛は少し癖があるからね。逆にポニーテールのように結んで、尼僧の頭巾を着せてマンティックスタイルにして…マント部はオーガンジーでお尻が透けるようにしたらどうかな」
ぐぐぐ、ものすごく具体的ではないですか。
ねーさん、頭巾、黒じゃなくて白にしたのはないんですか。
(待て。今送る。それと白金衣正装のマントあるだろ。あれ透けてるしセンターオープンだ。羽織ってみろ…スクルドさん、悪いけどあんたも付き合ってくれ。アンジェのお母さんの外観とは言え、正真正銘の神様が着てみりゃベラ子との対比にもなるだろ)
(はいはい)
へい。
で、二人して姉が送って来たセットを着けてみます。スクルド先生には白薔薇用の騎士服を着用して頂いた上で、過激紐モードにしてみましょう。
(おおおおお)
(僕が提案して言うのもなんだけど、マリア…これ、ちゃんとした礼装にすればかなりいい仕上がりになるんじゃないかな?)
瞳さんとおじさまがキラキラした目であたしを見ております。
そして、気を利かせたゼアラさんが部屋の備品のキャスター付き全身姿見をこちらに持って来て下さいます。
(これで甲冑を要所に付ければなかなかのものね。ちょっとランスを持ってみましょう)
ふむふむ。
元々のエイリーンさんの体型から例のワルキューレのロマンを追求されたお姿に自己改良されただけあって、あたしから見てもイケてるお姿です。
それはもう、無条件にジュネス淋の森店に連行したくなるような。
あ、ジュネス連行って痴女皇国では褒め言葉ですよ。
つまり、あそこで踊れるというのは外交接待ができる女官という事です。
おわかりでしょうか。
(ええ、わかるわ。マリアヴェッラから嫉妬の視線を感じるからね。あんた絶対、私をぐちゃぐちゃの無茶苦茶にしたいって思ってるでしょ)
ようお分かりで。
いえね、あたしだけの要望ではないのですよ。
あたしは女官のズリネタとか見せ物でもあるわけです。
そして、あたしの過激行為を心待ちにしておられる方が今もここに3名プラス1人。
おじさま自身はSM行為が好きじゃないんですけど、あたしの凌辱行為は知っています。
そして、暴君状態のあたしを知っているだけに、牝の顔でおじさまに堕とされる姿をご覧になるのが、殊更お好きなのです。
わかりますねスクルド先生っ。
(そういう性癖をクリス君に植え付けてんのは…ああ…ベラちゃんだけじゃないわね…)
ええ、おばさま。戦犯はもう一人いますよ。
ジーナ母様も、自分の普段をおじさまにはオープンにしていますからね。
ある意味では浮気していないという身の潔白を証明するためですが、皮肉にもあの母親が秘書室長としてあれやこれやしている生活実態、おじさまに余すところなく知られる結果になってんです。
そしてあたくしベラちゃんも、おじさまの豚ですから家畜としての日常、なるべくお教えしていますよ。
そしておばさま。おばさまやフレミング機関の女性陣にもズリネタとして見せてるじゃないですか。
(そ、それはベラちゃんが送ってくるから…)
(おじさま。おじさまの義理のお母様があたしに何を要望していたか。本当に良いご趣味なのですよ。お分かりですねぇっ)
(私も聖院研修時に送りつけられました。よくこれでハラスメント扱いにならないものだと思ったんですけど、責めなぶられている女官の皆様の心理状態を読みますと、これ、女官の方にとっては屈辱的ですけどご馳走が振る舞われているようなものなんですね…正直、日本人としては嫌ですけど…痴女皇国の女官としてはこれに慣れなくてはならないんですよね…)
あー瞳さん、ちょい待って。
それはスクルド先生に止められてるんですよ。
瞳さんには違ったことをして喜んで頂きますからね。
スクルド先生には手加減する気はありませんからっ。
あたしを恐れ敬い崇めるように…って痛いっ!お尻をそのランスで突かないで!
(ピアニスで突くとこの女へのご褒美になるからね…)
(確かにベラちゃんは私にも手加減してくれません。本当にこの子は女が泣く顔を見たいんだというのがよくわかりました)
(ですからおばさまぁっ、おじさまの時と違った事をしたいっておっしゃられたから対応しただけじゃないですかぁ…)
(はいはい。クリス君…あなたの気持ちはわかるんだけど、正直、ベラちゃんを奥さんにするの、私はちょっと疑問が…)
え。
なんですって、おばさま。
今、なんと。
「だから、クリス君は出来ればベラちゃんを妻にしたいのよ。それも、ジーナさんと別れずに」と、わざわざ声に出して言われるおばさま。
えええええ。
いえ、嬉しいのは嬉しいのですけど。
「確かに、ベラちゃんはクリス君に尽くしています。その献身はよく理解しています。いますけどね…」
「お義母様。ちょっと…ベラちゃん。僕は確かに洗礼を受けた宗教上の戒律があるにはある。でも、ここは痴女皇国だし…それに、僕自身が聖母教の聖父として認定を受けた立場でしょう。聖母教は…一夫一妻制度を強いていたかな? 」
と、少し焦った顔のおじさまがおばさまを遮られて、あたしに質問を。
で、その答えは…ノ。
これは即答できます。
実はイスラムに該当する教えめいた要素があった方が鯖挟国他、富裕な領主で性にはっちゃけてる国々にはいいだろうと、東方聖母教会を中心として一夫多妻制度を容認する方向なんですよ、聖母教。
そして聖母教自体は一夫一妻ですがお妾さんを認める方向で。
これは、他ならぬあたしの母親のルクレツィア母様とチェーザレ叔父様が妾腹の子…庶子扱いだったので苦労した件の轍を踏んで辛い思いをする者がなるべく増えないようにしたい、という叔父の考えが反映されています。
つまり、あたしが誰かの妻になるのを妨げているのは聖院金衣の戒律のみ。
「ああ…政略結婚防止ってあれか…というかさ、マリアヴェッラ…あんたとクリス・ワーズワースのお付き合いって、そもそも政治的なもんがものすごく強いところから始まってんじゃない」
と、意外にもスクルド先生から援護が。
「そりゃねぇ、クリス・ワーズワースもあんたに惚れてんだし、無理からに仲を引き裂く事なんかしたら、逆にクリス・ワーズワースの精神状態に悪いじゃないのさ。あんたらの事情さえ許せば私は野暮なんか言わないわよ? 」
「なるほど…確かに、クリス君はベラちゃんを信頼しているしねぇ…事実婚でいいんじゃない?」
「で、では私は…」と、急に狼狽し出す瞳さん。
「ああ、そっちはそっちで愛人関係やっときゃいいのよ。いいこと伊藤瞳、あんたは既にマリアヴェッラの本心を読んでると思うけど、この女は清楚な美少女を犯して楽しむ悪癖があるのよ。そこにあんたは合致してるのよ?」
ええええええ!
確かにあたしはたのきちの時もそうですよ。
ですがスクルド先生、訂正を。
あたしは聡明な女が好きなのです。
無論、聡明な男性も好きです。
おじさまが冷静で賢明な方だからこそ、あたしは安心してお尻を振れるのです。
そして、瞳さんにも安心してちんぽを突っ込めるのですよ?
で、立ち上がる瞳さん。
あたしの手を取っておっしゃいます。
「ベラ子陛下。いえ、ベラちゃん。あなたが献身しないとクリスさんのためにならないのは理解しています。つまり、クリスさんとセックスするのは痴女皇国の皇帝として避けて通れない道でしょ? 私がどうこう言う話じゃありません。それにスクルドさん…陛下は精気授受がありますから、誰と婚姻を結ぼうが、基本的に女官との性交は業務として行う必要があるのではないでしょうか」
おおおおお。あたしは瞳さんの手を握り返しました。
「そしてアグネスさん。アグネスさんも、今やご自身の地位保全はもとより、将来の野望のためには絶対に陛下との仲は維持する必要があるはずです。むろん、この私もゼアラさんも今や陛下の存在なしには生きていることすら危ぶまれる状態。それに陛下とのお付き合いの中で、陛下がきちんとクリスさんやアグネスさんと私とを分けてお考えなのは思考共有で理解しています。むしろ、ゼアラさんやスクルドさんを含めたこの場の我々全員、ある種の共犯関係です。お互いに仲良くしておくためにはできる限り、相手の欲望を満たしてあげるべきじゃないでしょうか」
思わず涙が出そうです。
ああ、あたしの選択は間違っていなかったのでしょう。
「い、言い返す必要性は全くないわね…ヒトミさん、日本の法律やニホンジンの倫理観と全く違う生活を強いられると思うのだけど、本当にいいの?」
「アグネスさん。逆に私がお聞きしたいのですが、ご自身の日常…特にクリスさんとの行為やNBでの実質的な部下の方々との性的接触を思い返して下さい。そして私は皇帝室秘書課の人間として、陛下と女官との間の精気授受をある程度代行することを求められています。言うなれば、アグネスさんが部下を犯して従えているのと同じで、私自身が多数の女官を犯して従える必要があるでしょう」
言い切られますねぇ。
(ほんとーはしたくはないのですよ。仕事と思って割り切ります。それに…言ってみれば相手の本音や考えが丸わかりになりますからねぇ、痴女種化してますと。ですから女官の皆さんの動向を調査するためにも性行為は避けて通れないでしょう)
ああ、パイセンに似た考え方されますね、瞳さん。
パイセンが女官と関係を持ちまくったのも、他人を理解するため。
そして普通の女性と女官が一番違うのは、女性特有の人間関係が許されないところです。
一度敵認定したらとことん嫌いまくるのは、精気授受の関係がありますからダメです。思ってるのは勝手ですけど、相手へいじめや嫌がらせをしているのが分かると懲罰です。
特に最近は聖環への罪環機能が付加されましたので、あらぬよこしまな考えを抱けば絶対にどこかで誰かに察知されて、まずは生活相談という名の事情聴取が行われる事になります。それも、罪環機能導入前よりもはるかに迅速に。
そう…あいつが苦手とかあいつ嫌いってのが許されるの、もしかしたらあたしくらいじゃないですかね。
そのあたしにしても、例えばカエル女が嫌いだとしましょう。だけど、ご飯を渡す必要はあるわけです。
そして過剰に与える方向のえこひいきはまだしも、正当ではない嫌がらせ由来の懲罰は怒られますし、だいいち、元来はそうした感情や憎悪で他の女官と険悪な状態になったり喧嘩を始めるのを取り締まり指導する立場の頂点ですからね、あたし自身が。
(ですから、ベラちゃんはスクルドさんと死闘を繰り広げるほど無茶なSM行為をしちゃダメですよ。せいぜい、離宮地下室の懲罰具簡易倉庫程度ですむ内容で…)
(まさか、伊藤瞳がここまでマリアヴェッラを正論でやり込められるとは…)
(ただしスクルドさん。言い負かしてばかりでは、やはり言い負かされた方に感情的なしこりが残りますよね。人は家畜と違って、誰しも恨みという感情を多少なりとて持つと思うんです。それにですねぇ、子犬や子猫のあのすがるような目つき。あんな目をされたら普通の人間だと絶対に何かをしてあげようと思うんですよ。ほら、陛下の今の顔が正にこう、子猫のような…」
何かこう、自分が動物病院に連れて来られたペットのような気分になりましたが、考えてみれば瞳さんは正にそういうペット専門の看護婦さんとしての教育を受けた人です。
人間と違ってきちんと何かを伝える事が出来ない動物たちの感情を読むのに比べたら、言語を扱う知能のある人間はもっと楽な看護・介護対象なのでしょう。
(ベラちゃん…やはり瞳さんとも婚姻めいた関係を結ぶべきだよ…僕とはともかく、瞳さんは君の側にいた方が絶対にいいと思うよ)
このおじさまの心話に、やったーという反応が日本語で。
ええ。冷静なようで割と内心の感情、隠しませんね。
まぁ良いのです。もともとは妾として飼育するつもりでしたから。
それと、そんな奴隷調教めいた考えとは別に、痴女皇国としての戦略の問題があります。
瞳さんの分体は現状、こちらの予定通り…つまり、いつぞやお見せした未来と同様に、F1レーサーのジャン=リュック・パスカルという人と将来は結婚する方向で話を進めております。
で、この結婚を推している理由も、お見せした未来と同じ。
欧米のセレブな社会に食い込み、あまつさえ痴女皇国に敵対しそうな有力者の子女を犯して我々の尖兵兼性奴隷にしてしまう、いわば欧州強姦作戦の現代連邦地球版です。
この作戦の遂行のためには、東洋人がフランスの富豪でセレブと結ばれて玉の輿に収まったという筋書きが絶対に必要なのですよ。
瞳さんでなくては、白人の皆様の内心内面の差別意識を逆撫でする事にならないんです。
(確かにヒトミさんだと、NBですら誰かの庇護がないと極めて不愉快な思いをする可能性は高いね…お義母様、考えてみて下さい…マリアが日本人に偽装してる状態ですら、内心は快く思っていない人物、すぐに10人は名前が挙がりますよね)
(そうね…しかも瞳さんは美人。妬まない訳がないわ)
ええ。絶対に陰険姑息陰惨な仕打ちを企む者が出ると予測されています。それも、雅美さんとフランス当局がこっそり行った欧米富裕層向けの諜報活動を兼ねた意識調査で。
(で、目には目をで、逆にベラちゃんが責めなぶると…出来れば私も参加したいものねぇ)
ふふふふふ。おばさまならそう言うと思ってましたよ。
それに、瞳さんには黙ってやられるどころか上手く逆襲させる予定です。
ですから、ある程度の自己防衛や反撃についてのおさらいをして欲しいのですよ…。
(まぁ、それは瞳さんのゴーストがきちんと欧米社交界にデビューしてからのお楽しみにしましょう。まずは、あなた方の結婚の儀式を内々で行う事にしましょう。ミセス・ヨシムラ…いえ、スクルドさん。前途ある若者と、私たちに祝福をお願いします)
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