闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

すずめのおやど

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痴女宮喪女組の憂鬱・たのきち編

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「なぜ名指しされるのよ…」

ええ。茶筒端末に向かい、月間痴女宮3月号のゲラを表示させて怒っている喪女がそこに。

っていうかあたしの端末向けに送られて来た校正原稿ゲラでしょ、それ…。

【急募】田野瀬文教局長向け縁談【良縁】

「とにかくこんな見出しの原稿はボツよボツ!それとゆっきーと雅美さんに懲罰を求めるわっ!」

見ればわざわざBCCでたのきちに送りつけたようです。雅美さんあたりがイタズラでやった確率は高いと思えるこの話ですが…これに及んだ背景にも想像がつきます。

要はたのきちを日本に返すのは痴女皇国にとって損失である。

だから何としても返すな。

これは形を変えた直訴である。あたしはそう認識しました。

だってメールのアドレス欄がですね。

件名:月間痴女宮49年3月号初校P1
From:山内博子
To:田中雅美,宇賀神雪子
CC:高木マリアリーゼ,高木マリアヴェッラ,高木ジーナ
BCC:田野瀬麻里子,室見理恵,宇賀神桔梗,伊藤瞳,高木マリアンヌ

「ねぇ、ベラちゃん。何でりええにまでこんなメール送るのかな…」

涙目のたのきちに解説してみましょう。

「確かに痴女皇国として、日本にたのきちを返すのは損失多大。しかし女としての立場なら、たのきちが婚活したいと言い出した場合にアドバイスは出来ても止める事はできない。そして」

「そして…?」

「良縁とやらはないか、高木企画で当たってみてくれという打診をしているとあたしは解釈した」

「それさぁ、めっちゃお節介に感じるんだけどっ」

めんどくさい女やなぁっ。

「…たの。あんた…それ堂々と言える立場と思ってんのっ」

ばばーん。

久々に顔を見る気がする室見理恵パイセン、ご登場。

「比丘尼国行きずっぱだけじゃないわよ…何であたしがNBまで行く羽目になんのよ!何よあの大草原の小さな家的な絶賛開拓中の世界!もっと都会と思ってたわよ!アメリカでもまだもう少しマシな気がしたわよ!チリとかペルーとかボリビアとかブラジルに更に手が入ってない世界じゃない!」

あー、行かされたんかい…。

ええ。あたしも顔を出すだけは出しました、NB本星。

開発途中というのもありますが、敢えて高層建築をなるべく少なくしてゆとりある街にしようというプランの下でニューロンドンもニューポーツマスも作っているそうですけど、一言で言うときれいなワルシャワとかきれいなサンクトペテルブルクって印象です。

車が少ない上に道がだだっ広いんですよ…だから街全体が間伸びした印象なんですよね。

まぁそれはともかく、来たのはパイセンですが部屋に入れたのはあたしです。

「で、話の前にベラちゃん。ごめん入れて…入れて…」

「りええ。その言い方は誤解を生むわよ」

「だってNB1週間よ? しかもその前が比丘尼国だったから真剣にお腹空いたのよっ」そして何故か開くあたしの制服の前。

それとですね。

あたしの珍珍、いつも存在してる訳じゃないんです。

だっての収録時や声優のアテレコに行く時はもちろん、パンツスタイルやレギパンで登校してる時に20センチ以上のあれ、生やしたままだと困るんですよ。

言うまでもなく女性用の服って、珍珍なんてものが股間に存在するなんてこと、全く考えられていません。うちの服でさえ、あれが生えてる状態で収納するデザインにすると一切が破綻するとか、姉がデザイン用ワークステーション端末の前で頭抱えてましたから。

ただし現在、珍珍完全出し入れ自由なのは十万卒以上、または赴任地の実情を鑑みて完全女性体で日常生活を送る必要がある場合に限られました。

これも精気消費の関係があるそうです。

で、あたしの股間に珍珍がないので怒っているパイセン。

あたしの乳に食らいつくな。

吸うな。

たのきちですら母乳効果の恐怖に怯えて恐る恐る乳首ちゅーちゅーするだけなのにっ。

あ、パイセンはたのきちよりかなり小柄ですよ。クリスおじ様よりは身長ありますけど。

そしてあたしの膣に自分のちんぽをぐりぐり突っ込んで来ます。

何という強姦。

いえ、あたしならパイセンを余裕で倒せます。しかし空腹に耐えかねて逆流入…つまりパイセンが男役の時にも還元が発生するようにできますから、それを狙ってお尻を振っているのがなんか可愛らしいので遊んでみます。

で、先輩の服スカートのサイドスリットに手を突っ込んで中のパンツの紐を引いて差し上げます。

むろん下着はTバック、しかも淫蟲が稼働しています。その状態でお尻に食い込んでるクロッチ側の紐を引くとどうなるか。

リモコンバイブをお持ちの女性またはアナルプラグやバイブをお持ちの男性、同じようにアナルや膣に何かを仕込んでから下着を前後に引いてみてください。

「だめベラちゃんかき回されるからだめ!おめこ側のいんちゅうの動作アシストすんのもだめ!やめてマジいくいくいく出る出る出るっ!」

ふほほほほ。

あたしの都合も聞かずにレイプに及ぶからじゃっ。

無理にやったらこないなるんじゃっ。

まぁ、流石にパイセンから全てを吸い取り枯らすわけにはいきません。

還流分を少し返してから、問答無用でバック体勢にして、ぴーたーのーすを突っ込んであげます。

そしてパイセンがひくひく悶絶するまでの所要時間、わずか2分。ちゃんと満タンにしてあげましたからね。

あと、あたしの母乳かなり吸われましたけど、お母さんを見る目であたしを見るの禁止ですよ。

「うぐぐぐぐ、ジーナさん泣かす技が通じると思ったのに…」

「りええ…まさかベラちゃんヒイヒイ言わせたかったわけ?」たのきちが疑いの目を向けておりますが、正解よっ。

そうです、パイセンは割と負けず嫌いです。

「あたしとかーさまを同一視したのが敗因ですねっ。パイセンは1週間後宮漬けで」

だいたい母様がパイセンを甘やかすからこうなるのです。母様は手加減してあげてんですよ、パイセンには。しかも気持ちいい方が精気回収効率も純度も上がるから真剣マジイキしてあげてるし…。

ま、なんだかんだ言ってカエル女を甘やかし気味なあたしです。あまり人に対して偉そうには言えませんが…。

仕方ないですねぇ。

「まぁ、後宮勤務免除の件は後で考えましょう。それよりパイセン、たのきちに話があったのでは」

「そそ、それそれ。例のアンケートさ、あたしの所にも回って来たのよ。んでさ、とりあえず仕上げたんだけど…」

そうです。日本国籍保有者かつ未婚者への痴女皇国派遣実態調査アンケート。

この未婚者というのは法的な婚姻関係だけではなくて、現地つまり痴女皇国で婚姻や出産の実績があるかで判断されているそうです。

だから理恵パイセンはダリアさんを身重にした実績がありますので、本来はこれを書かなくて良いはずなのです。

しかもこのアンケート、高木家籍者…つまりあたしやマリアンヌちゃんスザンヌちゃんにまで回って来ています。

さすがにマリアねーさんには回していないと思いたいんですけど。

で、ある方を呼ばせて頂きます。

「お久しぶりですね、田野瀬さん」

「え、若様なんでまた」

「いや、その件ですよ…そのアンケート、回したのは誰だって事でこちらでも問題になっているんです」と、たのきちの端末から投影されているバーチャルフローティングスクリーンに映しっぱなしになっているアンケート画面を指差す智秋敬さんわかさま

えええええーと先輩二人が叫んでいます。

更には比丘尼国にいる姉までもが飛んできました。

「ちょちょちょ、それどうなってんのよ。いやさ、内閣府からも、こんなもん来たけどってぶっちーが言うから書類見せてもらってたのよ。だってぶっちーなんか、表向きは痴女皇国関係ないはずなんだよね…」

「うん。僕も日本スチール製鉄原料調達企業に出向している立場だし…ただ、五百旗頭いおきべさんの会社の使用原料を調達してはいるけどね、会社としては」と、姉に連れて来られたのでしょう、スーツ姿の田淵誠ぶっちーさんまでもが。

「というわけで誰やこんなもん送りつけて来たのは。更に痴女皇国での現在の担当役職やら業務内容まで書けとは内偵行為以外の何物でもない話であり、出所の調査を要求します」と宣言する雅美さん。

で、この話をしているのは姉のお部屋付随の小会議室です。

とりあえず離宮が出来てからの痴女宮をよく知らないという二人を連れて、女官寮一階の購買部売店へ。

で、アイスやお菓子を買い込み…支払いは姉が担当しました…聖環モードありのメディアウォッチ保有の男性二人が払おうとしましたが、こちらで呼んだような立場でもあるわけですしね。

で、聖院本宮や痴女宮に慣れていると言えば慣れているお二人、姉が案内しながら下に降りて売店や食堂をご覧頂いてから姉のお部屋に戻っています。

「マリアさんのお部屋が殺風景なのは知っています」

「ただ、僕が親会社にいた際に輸出または輸入家具のカタログ渡してるんですよ。その中からいくつか納品してますね」

「ふふふふふ、実は痴女宮の家具や調度品、工場内製とぶっちー社扱い品が半々なのだよっ。あたしはともかくベラ子と雅美さんは自分たちで買い付けてるものもあるけどな」

しかし、若様がねーさんの部屋の状況を知っているのは意味深に聞こえますがっ。

…ゆっきー聞いてる? これこそ月間痴女宮のネタよ? スクープってこうして拾うもんだって思うんだけどぉっ!

「あほ。真面目な打ち合わせとかだよ。わざわざ目も耳もあるあたしの部屋でなんかしてみろ…」と会議室の外を気にするねーさん。

…あ、ねーさんがやらしい事してたら、アルトさんが言いふらしますね…。

「それにこの部屋は毒盛りも串刺しも知ってるぜ。をかま作戦の帰りにこっち立ち寄った際に案内してるからな」

はいはい。慶次郎さんにも宇賀神さんのお父さんにも見せてましたよね。

そして姉の部屋付きの女官にコーヒーとか用意して頂いて。

「んでさぁ。誰よこんなもん受け取ってよく再査せずに回したのはって事で調べました。…犯人、博子さん」

と、こちらは子宝型アイス…痴女宮厨房謹製売店限定発売品を舐めながら言う女かまきり。

ちなみにミルク味です。形もリアルですよ…。

「雅美先輩のビジュアルが最悪なのは毎度としても、誰ですかそんなアンケートを回して来たのは…」

「うっさいたのきちっ。もうヨゴレって言われてもいいわ、汚れキャラとして生きてやるわよ…というのはともかく、元々の原本の出所だけどさ、メールサーバの経路をエマちゃんに調べてもらったのよ… smtp.mofa.go.jp…外務省発信ね。まぁ、ここまではあたしも含めて海外在住者向けの枠に入ってるからわかんなくもないです。だけどね智秋さん…アンケートの文面、mof.go.jpともやりとりしてたようなのね」

「雅美先輩…それ、財務省…」

ええ。たのきち顔面蒼白です。

「まぁ、これは罪務省と害務省の勇み足という事でベラ子とあたしの連名で抗議文書を入れることにした。文面は…若様ごめん」

「この文面草案、宮内庁サーバを通じて皇居内のゲートウェイから痴女宮の通信設備に送信されたのは不問に願いますよ」とウィンクする若様。つまり下書きは若様が担当したって事ですね。

「で、これは僕がハードコピーを受け取って父に渡すのと、宮内庁経由で内閣府に電子版を送るという事で」と、姉から封筒を受け取る誠さん。

「僕の方でも写しをもらいますよ…さすがにお見せする話になってますから」若様にも封筒が渡されます。

「んでさぁ、博っち…なんでこんなもん精査しないで配っちゃってんのよ…」

「いや、外務省からだしセキュリティチェックは異常なしと出てるし、あたしも対象だから内容みてはいはいと」

「こらー…国外からの通信文は非個人扱いなら皇帝室経由で担当者に送付が内規でしょ…」

「よし。まぁ、広報に来たメールは情報部と連携してくれ。今回みたいな内容だと若様通さずに何やってんのさって話になっちゃうからね。博子さんは後宮修行1日でいいかな、雅美さん」

ぎゃあああと叫ぶ博子さん。

しかし、女かまきりいわく。

「甘いわよ…まぁマリアちゃんが寛大に計らってくれたってことにしとくわよ。博っちは明日朝から夕方まで後宮ね。ジョスリンにはあたしが話入れとくから」と、さっさと懲罰を決めておしまいになります。

「せめてあたしに見せてくれてたら、あたしも皇族扱いなんだし配置的にはあたし、ジーナちゃんの部下なんだから体裁は整えられたのよ? で、話は変わるけど月間痴女宮のこの原稿だけどさ」

「それ作成ゆっきー、あたし名前貸しただけ…」

「だと思ったわよ。ゆっきー、あんたも明日午前中でいいから後宮ねっ」と心話を繋いで懲罰を下す雅美センセイ。

ひぎいいいと泣き叫ぶ心話が届きましたが、この原稿はゆっきーの悪ノリですから仕方ないでしょう。

堤防よりはマシなはずですし。

「んでさぁ、これだけなら何も痴女宮来てもらう話じゃないんだけど、実際、痴女皇国経験者をもらってくれそうな男っているもんなのか。背景に実績を作りたい罪務省の勇み足はあるにしても、日本に戻しました独身のままでしたじゃ本人が困る話じゃん」

「まりり。それ以前にあたしや博子さんの意見を聞くという過程は思いつかないのかなあっ」

「たのきちがいまさら帰るのめんどくさいのはわかってるから省略した。りええもダリア孕ませてんのに戻る気はさらさらない。だな」うなずくパイセン。

「んで肝心の博子さんだよ。ゆっきー含めた四人組は若様所轄だし、どうとでもなる話だ。実際に彼女たちは残る気満々だしな。だけどさ…」

「いやーマリア様、それは私にしてみれば頭が痛いのですよ。サリアンは確かに今はパートナーですけど、刑期明けにはNBに戻る話も出ているとか…」と、お悩み顔の博子さん。

確かに、今戻ってしまうと年齢的に四十代のはず。

若返ってる状態での商品価値はあるのか。

そして政府が面倒を見てくれたとして、逆にお堅い人物過ぎても困る。

そんな感じで悩んでおられます。

「いやいや、博子さんの悩みはあたしにも共通するところ大なのよ…だってあたしも戻ったが最後罪務省よ? それに親が都銀幹部子弟を紹介しかねないわけよ…」

と嫌そうな顔で言うたのきち。

二人の悩みは共通しています。

要は、下半身についてお咎めなしに等しい痴女皇国。

そのフリーダムな気風を矯正しないまま日本に行くと確実にセクハラ事案発生、これは間違いありません。

下半身がはっちゃけてる芸能人との接触が昨今少なくないあたしですら、実態を伝える前から例の流出裏ビデオのせいで性豪ベラ子として見られる始末です。

「わかりました。これについては僕に案があります」と申される若様。

「要は罪務省、田野瀬さんが本来の目的を忘れていると考えているのでしょう。しかし、僕にしてみれば痴女皇国の安定経営に寄与しているのは明白です。罪務省に独自の成績評価めいた事をされるのは、横槍も甚だしいと考えます」

「あとさ智秋くん、これは田野瀬さんの所得に関わる話でもあるんだけどさ…痴女皇国に対して一種の課税を画策している可能性があるって件、いいかな田野瀬さん」と、誠さんが深刻な顔で話を切り出されますが。

「あー…あれかい…痴女皇国が国家として認められていないから、あたしならあたしに支給されているおこづかいに課税が可能じゃないかって件ね」

「その件についてはたのきち個人の場合、HMS大蔵省が防波堤になってるはずだぜ。そして給与のいざこざを防ぐ話にするために財務省では休職扱いにして、HMS大蔵省でもNBに派遣したって事にして身柄一切はNBの所轄にあるからと無茶な理屈を並べて一種の行方不明者扱いにしてるんだよな…」

「あたし、それ知って驚いたんだけどさ…要は海外赴任して誘拐された人扱いなんだよね…音信不通じゃないから被害届とか出してないだけで、拉致されたのが分かっていて被害届を家族も本人も関係者も出していないんだけどさ、分類としてどこぞ民主主義人民共和国の拉致被害者とか、はたまた飛行機乗っ取り犯人みたいな感じにされてるのには一言言いたいわよ…」

憤懣ふんまんやるかたない顔でぶっすーとしている家畜たのきち

「で、田野瀬さん以外にも日本からそちらに来ている人について罪務省は着目しているんだよね。更に…マリアさん。痴女皇国が国家承認を受けていない事に関して問題があるんだよ。智秋くんにも報告が行ってると思うよ」

と、誠さんが割と真剣な顔で若様に話を振ります。

「テンプレス・セキュリティの件ですね。言うまでもなく痴女皇国の連邦世界におけるフロント企業です。罪務省はこの会社に対して課税が可能かを検討した痕跡があると、エマニエルさんから報告を受けました」

…若様、何かこう、財務省という組織について色々思うところありまくりな漢字を脳内で当てはめておられませんか…。

そーいやジーナ母様も言ってましたね、航空自衛軍の戦闘機でも東京都千代田区霞が関3丁目1-1を爆撃目標に設定している待機爆装機材が常に持ち回りでどっかの基地にあるとか、はたまた爆撃可能な機材にさっきの住所を目標としてプリセットしてあるとか。

「で、罪務はここで壁に突き当たってるはずだよ」

ニヤニヤしている場合かと思うのですが、ねーさん。

「本当なら租税条約があるから、日本人を雇用したなら所得税を源泉徴収に応じて納税するか、さもなくば被雇用者が確定申告をする必要がある。または連邦政府職員扱いにして上位統括れんぽうせいふに徴税対象ぜいきんとられるに認定されるか、だな。ただ、元来は外国企業のテンプレス・セキュリティについてだけど、本社どこよ、たの」

「えぬびーのにゅーろんどん」

「何だよその棒読み。で、NBって日本と租税条約結んでたっけ」

「書類上は連邦と戦争中なのに、連邦政府飛ばして独自条約なんか結べるわけねーじゃん…そもそも天王寺の大使館も名目は英国領事館職員じゃないの?…」

「英国とは独自条約をガンガン締結しているがな!」

「そりゃイギリス内部的には英連邦扱いだからじゃん…日本には絶対無理よ…そもそも誰よ、痴女皇国関係個人や法人に課税とか考えたの…あたしが国税局に問い合わせるか、いっそ直接誰かに聞いてみようか?」

「それも調べついてるわよ。要は納税額を増やしたい勢力がさ、天王寺の物流センターに目をつけてたのよ。あそこ連邦政府認定の域内物流施設だから経由貨物は非関税対象なのよね。違法輸出入検査があるくらいだっけ」

「で、不発に終わったんで今度は痴女皇国派遣者に目をつけたって感じだな。ただ…高木ジーナさんは一度日本国民としては死亡して連邦宙兵隊将官位で身分保証している経緯があるとして…高木まりあさんと高木マリアヴェッラさんについては、これまた日本罪務省は手出ししづらい立場なんだよな」

何でまた。

「軍属身分。あたしらの宙兵隊での立場はだな、テンプレスセキュリティの法人経営者が連邦軍に出向してる名目なんだよ。で、連邦政府がテンプレスセキュリティ経営者を軍属として処遇している事で派遣費用を英国支社に支払う形で軍属給与や課税処理を代替している考えだな。だからベラ子はラッツィオーニさんの秘書扱いが無給だってわけじゃないのを認識しとこうな…」

ううううう。

あれ本当なら邦額換算で年額一千万円くらいになるはずですよっ。

「とりあえず罪務省には僕の方から厳重抗議を入れておきます。あと田淵君の路線からと、五百旗頭さんのご実家経由で経産省からも苦情を。比丘尼国とNBの交通網整備プロジェクトが実際に開始されている状態でこういう行為は甚だしく遺憾である。それと、これは田淵君に言ってもらおうと思いますけど、内閣府C事案対策室としては痴女皇国側の協力を得て財務省内部の首謀者強制捜査に合意するもやぶさかではない、と」

「まぁこれについては、さっきも言ったけど目星はついてんのよ。はっきり言や、いつでも拉致監禁はもちろん、洗脳だの何だの可能。何なら青薔薇行かせて下半身スキャンダルの一つもでっち上げてこようか?」と戦闘的な目になっている女かまきり。

あ、目は真っ赤になってませんだんごむしじゃないよ。

(ベラちゃん…言っとくけどあたしは少年が好きなだけよ。ロリコンじゃないからね…)

ええ。何かこう、少女をやたら愛好するヒゲメガネの方が幻視された気がしただけです。

このかまきりが狙う獲物の傾向も知っていますし。


「では、なるべく早急に謝罪を入れさせるようにしますよ」

「おっけー若様せんきうー。ぶっちーも比丘尼国絡みで忙しいと思うけどよろしくねー」と、姉が男性2名を送って行きます。

皆がバタバタと持ち場やお部屋に帰ったあと、少し考え事をします。

日本国罪務省と害務省の体質については若様と田淵さんにお任せするとして。

それはそれとして、たのきちと博子さん。

もしもまさかのためにお節介の一つも焼いておこうかという気もします。


そんな訳で聖環を内線モードにしまして、電話を入れてから転送処理を。

行き先は…地下100階、聖院学院・生物化学研究室。

面会室で待って頂いた方にお話を。

「確かにJapanese好みというか、Asian愛好癖のある同級生はいた。いたけど…アメリカ人ほどにはメジャーな感じではないよ、NBも英国も…」

渋い顔をするクリスおじさまがそこにいます。

「だけど田野瀬さんも山内さんも、ここに来た経緯や諸々、僕もまんざら知らない訳じゃないからねぇ…。山内さんはちょっと厳しいかも知れないけど、田野瀬さんなら経済学修士資格持ってたよね。あと税務処理に関わる日本の国家資格。…それと、茨木の山の中だけど、そっちの方の卒業生で在学中に僕と親しかった人に声をかけてみようか。田中雅美さん宛に大学の微生物研究室のゼミの女の子3名の名前とか流しておくから、現況と連絡先を調べてもらうよう依頼しておくよ」
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