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悲惨!誕生日と命日の悲劇!正月編 4

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「ふむふむ。確かに昨今の淋の森りんのもり事情、反社作戦だの何だので少々多忙気味でしたから、正直、私も報告を受ける程度でしか認識していませんが…」

「まぁ…百聞は一見に如かずと申しますか、一言で申し上げますと、結果的に多忙です」

(ねーさん、この後、あたしたちの挨拶回り、所定では国土局、文教局、厚労局、警務局の順番でしたよね)

(んで一夢庵の分室に顔出して日の出拝む流れで電メモ渡してるよな。いや、ディードリアーネさんの話はわかった。将来の黒薔薇候補に組み込んでるのになかなか教育課程に回せないのはこっちの落ち度でもあるからな、このくらいのわがままを聞いても時間の余裕あるだろ?)

(ただ…朝から淋の森っていうのも…)

(気持ちはわかるが、ディードリアーネさんが言ってるように、公営化した色街、淋の森も活用して営業体制を組んでるしな…あそこの現状把握にゃ混んでる今が最適ではあるか…。んじゃ、聖院学院の年始式典あったろ、朝からやるやつ。あれ出ろよ。んでイザベルさんやデステさんに教皇猊下の新年表敬訪問を受け入れてから再訪してもいいだろ。そんくらいのスケジュールならお色直しの後で行けるだろうし、ディードリアーネさんも副警務本部長との交代が来るからフリーになる。ついでに淋の森のスコールが来るから、18時スタートの地下墓所のあれには間に合うんじゃね?)

(わかりました。ディードリアーネさん、午後のスコール前に淋の森待ち合わせでいいですか?)

(もご…はっはいっ、両陛下、申し訳ありません…)

(いや、例の調を依頼してるんだし、こんくらいはさせてもらわねぇとな。とりあえずベラ子の顔を立ててくれると助かる)

(はっ。ではマリアヴェッラ陛下への状況報告に戻ります)

(うん、あとベラ子。お前らの戻る道順、ジュネスの門前町店と淋の森店に寄るように頼むわ)

えっとですね。事もあろうに警察署長のお部屋で珍珍咥えさせてるような状況なんですよ。今。

ただ、このお話に馴染まれた方ならディードリアーネさんの状況、かなり切羽詰まってるのがご理解頂けるかと。外から見ている状況より切実な栄養補給なのです…咥えられている当事者のあたしと、咥えているディードリアーネさんの顔は真剣なのです。

「はぁ…ベラ子陛下のは高品質で助かります。騎士時代が懐かしいですよねぇ」と、口を拭き拭き満腹感と幸福感に満ち満ちた顔のディードリアーネさんが淋の森対応の警務騎士服で感想をおっしゃられます。

この騎士服は門前町、わけても淋の森対応者が着用する凶悪な代物なので、どういう風に凶悪かは必ずどこかでお話をさせて頂きたいと思います。

今は「やばいデザインが多い痴女皇国の制服の中でも現行制服の中ではトップクラスにやばくて、連邦世界の主要先進国で着用したが最後、確実に現行犯逮捕もの」程度の認識でお願いします。

「そーですねー」実は警備騎士時代からあたしとディードリアーネさん、お友達という訳ではありませんけどまぁ、馴染みです。一緒に組んだ事も数度、聖院からの体制移行経験者でベテラン女官さんですしね。

で、他の面子ではなくあたしがディードリアーネさんを対応している理由。

ここで目下の我々のステータスをご覧頂きましょう。

Deedlieune ディードリアーネ Hundred thousand Suction 十万卒 Slut Visual 痴女外観 White Rossy Kinght, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団 Recommendation, Security department Ports of Holy temple. 聖院港警備本部優先担当

Jocelyne Merlin ジョスリーヌ・メラン Hundred thousand Suction.(Limited Ten million Suction)十万卒(限定千万卒) Slut Visual 痴女外観 Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団

Persephonē (Ereshkigal) ペルセポネーゼ Limited Suction(Slut mode optimization required)痴女種最適化作業未了 Gods of Kinship. 神種族状態 Pink Rossy Kinght, Imperial of Temptress. 桃薔薇騎士団

Aphrodītē (Ishtar) アフロディーネ Limited Suction(Slut mode optimization required)痴女種最適化作業未了 Gods of Kinship. 神種族状態 Pink Rossy Kinght, Imperial of Temptress. 桃薔薇騎士団

Mariabella Borgia マリアヴェッラ ボルジア Billion Suction. 10億卒 Slut Visual 痴女外観 Empress, Imperial of Temptress. 痴女皇国皇帝 Our Marie 2nd. 聖母

そうです。

お分かりでしょうか。

ジョスリーヌさんとディードリアーネさん、基本的に同格またはジョスリーヌさんが少し上なんですよ。

で、ジョスリーヌさんから精気を渡すと、渡した側のジョスリーヌさんが枯渇しかねません。

(ベラ子をあたし同様に百億卒にしてくれって昇格申請、家族会に出してる理由はこれよこれ。女官に供給するための精気スタンドとか精気補給船とか空中給油機とか推進剤タンカーのイメージなんだよ)

あたしをそんなもんにするな。

というのはともかく。

更にペルセポネーゼとアフロデイーネ、即成栽培成長者に加えて神種族状態です。つまり痴女種と同様の精気授受システムに組み込まれていない状態ですので、ディードリアーネさんと精気授受したくてもできません。

この後なるべく早いうちにあたしが初期教育役…ええ、あたしを含めて過去に即成栽培で育った面子全員同様に、いわゆる、その…おめこをして痴女種としての知識や能力制御を獲得してもらう必要があるんですよね。

(本当は分娩室内でマリアねーさんが教えてたらこんな事しなくてもいいんですけどねぇ、あの人ほんっと最近はちんぽもおめこも使いたがらないから…)

(ほんっとーに丸いというか淡白になりましたからねー…マリアさん)

(せめてこういう時くらいやれよあんたと言っときます)

(では、午後にまた私の方からの蓄積分をお渡しするという事で。ご多忙な中本当に申し訳ありません…)

(お気になさらないでください。ではまた後で)

そして警務本部の玄関まで見送って頂いた後、てくてく歩いて痴女宮に戻る事に。

幾度かの開発や埋め立てなどの結果、港方面からの目抜き通りは少し山寄りに曲がりながら門前町の中央を貫通して門前町から痴女宮への正門へ向かっています。西から東に向かって歩いていると思ってください。

で、我々の進行方向左右に市場街が広がっておりまして、左手の市場街のさらに奥が一般の旅館、そして長期滞在の港湾労働者やあまり多くない居住者向けの長屋ですとか、はたまた3階くらいまでの集合住宅などなどになっています。

そこからも路地伝いに淋の森に抜けることはできますが、痴女宮への門…地下鉄の市場街駅や聖母記念銀行支店の少し先、大通り左手にある門前町警備本部の建物に立ち寄ります。

ええ、この警備本部建物1階に入居しているクラブジュネス門前町店が立ち寄り指定のかかっているお店です。ジョスリーヌさんが絶句していますが。

(オランダでもこんなところはないでしょう…ドイツですらFKKやエロスセンターを警察署と同居させないのでは…)と呆れておられます。

ただ、これも実は開店当初の問題がありまして、当時の色街組合や連れ出し飲み屋が絶対に文句を言うと予想していた姉や母が「誰がどういう意図で店開きしたか暗黙のうちに理解させる」ためにこの建物をこしらえて店を開いたの、あたしも知ってますから。

で、店の扉を開くと…一応、店の中がすぐには丸見えにならないようにカーテンで仕切られていまして、そのまま横に行くようになっています。そしてカーテンの向こうの店内に入りますと。

…門前町店・店長の真栄田留音まえだるねさん自らステージに上がって花電車の真っ最中でした…。

で、副店長のマーゴット・クラレンスさん…NBのイアン・フレミング記念情報研究センター職員で売春夫作戦の際には視覚的に死ぬほどのダメージを受けて死にそうな顔をしていた方ですが、今回は生き生きした顔で造花のついた紐を持って、引っ張るお客さんを募集しています。

「あー、マリアヴェッラ陛下御一行おこしー!明けましておめでとうございますー!では陛下、ちょっとこれを1ヤードばかりこう…」と、紐の一旦を持って引っ張らされます。

指定の長さまで引いて、ついでに紐をくんかくんかするとこれがまた満席のお客様に大受け…。

えーとですね。このマリアヴェッラもですね。できなくはないのですよ、花電車。

というか沖縄のママの店経験者、全員これやれるというかやらされると思ってください。

つーかねーさん、あたしにもこれ、やれという意味でクラブジュネスに立ち寄らせたのでは…。

(正解だ。チップチケットもぎ取るためにも客に引かせろ)

…ええ、絶対後でしばきます。

何なら雅美さんの遺骸と一緒にちょっと焼かれてみますか。

どうせ姉にあれくらいじゃ全く効き目ないの、いけにえ村作戦の時に判明してますから。

少しばかり熱くなって身体が灰くらいしか残らない程度で済むでしょう。

そりゃ普通の人間にやったら最低でも殺人事件ですが、うちの姉には一般の人をおキヌちゃんちの源泉に放り込むより軽い罰程度なんですよね。

(バカヤロー耐えられるだけで本当に熱いし焼ける感覚あるんだからな!)

おだまりっ。

で、ルネさんとマーゴちゃんに見送られてお店を出て、新装なった色街を歩きながら。

「あの…陛下、痴女皇国の皇帝というのは自ら率先してモンパルナス辺りでカンカンを踊るような事をするのも職務なのでしょうか…私にあのハナデンシャなるTramway fleuriをやれと命じて頂けるのならばまだ、一種のしごきいや鍛錬として受け入れますが…」信じられないものを見た顔でジョスリーヌさんが質問されます。

「もちろんです。ママの店のニューヨーク支店、ここでもラッツィオーニ閣下ご臨席のステージでやらされました」

「え」

「沖縄でもゴルディーニさんの前でね…ジーナ母様とかルクレツィア母様とか雅美さんと一緒にね…ゴルディーニさんは顔をひきつらせてましたけど…他の人には大受けでしたがぁっ。その時にシラフじゃやってられませんので、敢えて酔っ払える状態になった上でグラッパ一瓶開けておらおらっと吹き矢を決めたりしたのです。更に、同様に酔っ払ったルクレツィア母様とステージ衣装のまま店の前の通りに出て客引きをしまして…これがゴルディーニさんが四度目はないようにしてくれとパリでわざわざ念を押してきた理由の一つなのですよ…」ジョスリーヌさん、なんでゴルディーニさんにあたしたちが頭が上がらないかを速やかに理解した顔です。

ですが、次に驚愕の事実に行き当たった恐怖の表情を浮かべられました。

「すなわち、私もその洗礼を浴びることに…」

「無理強いはしません。ちなみにうちの制服で那覇市内を暴れ回った負の実績持ちはですね、まずジーナかーさま、でアルトさん、マリー、乳上、メーテヒルデさん、イザベルさん、おかみ様…まぁ、皇族や幹部であそこで暴れてないのってダリアと理恵さんとたのきちくらいですね」

「パリ市内中心部の観光地で変態に白昼堂々犯される方がマシな気もするのですが」

「とりあえずジュネスではできるようになっておきましょう。あ、これ…ジュネスやママの店の店員技能習得、アフロディーネとペルセポネーゼには義務項目ですよ」

こらそこ、私たち関係ないよねって顔すんな。

「えええええ!」

「私達も逃げられないんですか!」

「諦めなさい。聖院ならまだしも、痴女皇国を名乗るからには公共の場での猥褻行為を多少なりとて行えないと幹部を名乗ることまかりならず、姉が皇帝時代に出した通達訓示に文句をつけるのであれば、姉に力であらがいなさい」

「ううううう、何かこう、生まれたのを心底後悔する気も」

「バベルの塔の頂上で性行為をする方がまだマシかも知れませんよ、ペルセポネーゼ」やったんかい…。

「そしてそういう、アフロディーネがイシュタルとか他の神だった時に色々とやらかしていた、いらん事の数々を人が真似て淫行の限りを尽くして滅びたのがソドムとゴモラだったりするんですよ」

「ペルセポネーゼ姉様も人の事は申せませんわよ。姉様もその時猥褻行為の限りを尽くしていたでしょうに、エレシュキガル状態で!」

「北欧神種族のいけにえ趣味とどちらがマシか考えたくなるわね…」

さて、賑わう市場街や痴女宮に向かう方旅館に戻る方などなど、人が途切切れない大通りを左に曲がりますと新・色街です。

一見すると単に色街が復活しただけですが、中身は全く異なります。有り体に申し上げますと、ここに詰めているのはうちの女官です。

ただしベテラン女官に限っておりまして、宿代は少し高め。

理由は「一応はメンタルケアやヘルスケア名目のお布施を頂くに値する行為でもある痴女宮参詣と違い、変態行為を含む純然たる助平目的に対応している長時間利用が前提」だからだそうです。

仮に痴女宮が30分5千南洋ルピーとすれば、3時間だと2万南洋ルピーは絶対もらいます。

ジーナかー様のいらん知識セリエシリーズから記憶を引き出すと、ホウザンジとかオトコジマとかカンダミナミとかフクトミチョウとかシノダヤマとかマエバルという地名…あえてカタカナ表記しときますけど、そういう場所でやってる内容をうちでも復活させようぜというのが姉のいらん思いつきです。

その代わりに言ってはなんですが、女官主導であれよあれよと事が終わる痴女宮内の下級短時間コースと違い、参詣者ではなく煩悩や妄想や欲望に取り憑かれた助平客として扱います。

つまり、歪んだ助平根性を更生する意味合いもある聖院流儀の結合吸引ではなく、痴女種にハマる覚悟のあるお客さまの要望を叶える方向で行為をします。

単純に言いますと、お客さま主導でヤれる。

これが色街復活のコンセプトです。そして聖院学院の児童の遊び場から淋の森を外すよう酷道1号線界隈を整備した事もありまして。

ええ、うちの姉がブローニュやヴァンセンヌの森の惨状に着想を得てエマちゃんに植生配置変更を指示しました。

即ち、クラブジュネスやママの店の入口扉を開けてもすぐに店内の阿鼻叫喚な惨劇が目に入らないような構造になっているのと同様の措置です。

微妙に森の外側から見えにくいように樹木を動かして水場も整備増設、雨宿りしやすいように東屋や樹木棚の類も増やした模様…。

(ベラ子。施工後の状況見て呆れるなよ。久◯寺緑地状態やからな…)さっそく青姦の場に使ったらしいかーさまが注意を促していますが。

とりあえず淋の森が始まる辺りに並んで建つ東方聖母教会・英国聖母教国教会・聖母教会と名目上はおかみ様の別宅の神社は後回しにします。

今は逆にここの司教の皆様、年賀表敬訪問で皇帝室に行きかー様とお話ししてるか、おかみ様はさすがに伊勢の本宅に戻らないと比丘尼国中から怒られるはずですから…。

(めんどくさいんやぞうちの正月! 元伊勢は元伊勢でみんなばたばたしとるからな…ほんまはべらこのとこににげたいんや!)

(三が日が済むまで比丘尼国を離れなさるな!)

(伊勢が嫌なられんぽう世界の藤寺で願掛け受付して頂きますよ!)

まぁ、比丘尼国への内政干渉はよくありませんね。

おかみ様の処遇につきましては向こうの方々に一任させて頂きましょう。

つーか正月の日本の神事のお勤めが忙しいのは知ってんですから、ちゃんと帰国して仕事しやがりくださいっ。

で、広場めいた空き地の向かいに建つ聖母教会区域警備本部。

4階建てのまぁまぁ大きめの建物です。

大きい理由は…建物の半分をクラブジュネス淋の森店が占めているからです。

ここの警備本部、その配置人員の相当数を淋の森と聖母教会敷地の警備に回しています。

そして色街警備を門前町警備本部と分担しております。

具体的には色街で揉めた客の豚箱を担当するのが聖母教会区域警備本部。

トラブルを起こして収監する必要があった人物をしょっ引いて来るのが門前町警備本部です。

そんな訳で留置場に割り当てる床面積をそれなりに取られているのがここ、聖母教会区域警備本部だと思って下さい。

そして4階建てにしているもう一つの理由。

クラブジュネスの従業員寮なんです、ジュネス側の3階と4階。

前はここの2階、ジュネスのヤリ部屋だったそうですけど、聖母教会という名目の実質的外交館の建設に伴いジュネスの高級化が考えられました。

…こらそこ、元々単価の高いお客様向けの店だったろうとか言わないの!

そして大衆客向けに色街入口に支店を開店、さきほど花電車をやらされていたのがその門前町支店です。

で、従来からのジュネスは現在は淋の森店を名乗り、本店の位置づけとなりました。

更に淋の森警備部と合体している構造ですが、淋の森警備部が外交館区域対応のために警備本部へ昇格するにあたって新築された聖母教会区域警備本部建物にも引き継がれました。

で、従来は女官寮に寝泊まりしていた店長の渡嘉敷純子とかしきじゅんこさんはまだしも、公認二重スパイもといNBのイアン・フレミング記念情報研究センターから派遣された職員のケイシーちゃんのお仕事の都合もあり、ジュネス店員寮を三階と四階に新設することに。

で、二階は高級ヤリ部屋兼外交官向け談話個室、一階は従来からのジュネス店舗を踏襲した…と言っても門前町店と違ってボックス席主体の長居を考慮したレイアウトになっていますよ。

そしてジュネス勤務者も少し変わりました。

前は単に沖縄のお店出身者3~4名だけだったのですが、聖院時代から既に婚活女官という名目のNBからの受け入れ者を積極導入していました。

そして開店の際に受け入れ者の教育はもとより、聖院世界の情報管理の必要があるという事でよこしてもらったのがケイシーちゃんとマーゴちゃんだそうです。

その辺の経緯はアルトさんのお話のここを読むとよいそうです。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/48/

で、この二人が加わった事でジュネス店内がうってつけの諜報作戦の場になると踏んだ姉、来訪他国要人の接待機能を強化していきまして、現在では痴女皇国世界のお客様はかなりのお大尽でないと実質的に利用が難しいようになっています。

えっとですね。

この辺のディアディリーネさん…当時はダイアデレーヤさんの発言、読み返してみましょう。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/37/

一晩5万南洋ルピー。この相場は今も変わってません。

日本円に換算してざっと10万円。

で、一晩10万円なので2時間で総額10万円…お店3万女の子9万円くらいは楽に取られる吉原の超高級泡のお風呂のお店よりは安いではないかと申される方。

タイで連れ出しても6,000バーツ+諸経費ではないか、えっらい高いやんけと申される方。

あ、ちょうどいいですね。

ちょっとこの辺りで痴女皇国世界の痴女島界隈かいわいのお金の話を少しだけ。

これ、頭に入れて頂かないとジュネスや聖院、そして痴女宮でのお遊び…まぁ聖院と痴女宮は心と股間の癒しが建前ですが、それにかかる男性の支出がどれだけお財布に響くか理解しづらいと思いますので。

で、連邦世界でのタイ王国の平均月収、3万バーツ…皆さんの時代だと2万6千から2万7千バーツくらいじゃないですかね。

つまり、日本円換算でだいたい10万円なんです。

月に10万円のお給料をもらっている中から、売春料金2万円+連れ出しバーの入店ですとかホテル代加えて1万円近い経費を払うとどうなるか分かりますよね。

ですから向こうではロングコースと言われる実質一晩も過ごさないものより、ショートコース…1時間とかせいぜい2時間の連れ出しの方が現地の方にはまだ手が出る範囲のようです。

そして痴女皇国世界の泰拳仏象国ですと1仏象バーツの換算価格はともかく、大体そうですね、1仏象バーツが0.7タイバーツくらいの価値ですか。

加えて物価の問題とかありますから、そもそもお金で給料貰ってる人の人数が少ないというのはさておき、5万円から6万円くらいに該当する月収入で充分にやっていける物価差があったりするのです。

そして5千南洋ルピーが大体1万円、聖院時代から貨幣価値の統制をこそーっとやってたせいで1仏象バーツや1虎魔王ハリマオリンギットや1海嘔吐獅子マーライオンポンドが1南洋ルピーくらいになるのがこの辺の相場だそうです。

…えー、通貨名称への文句は天の声に。

あたしや聖院関係者が決めた訳じゃありませんから、貨幣の名前。

話を戻しましょう。

月に5万とか7万円で充分に家族4人くらいなら養える国々の中で、一晩で10万円を取ったり、3時間でも5万円は取るような商売、確実にお客を選ぶでしょ?

そんな状況で、この上何を高級化したというのでしょうか。

ずばり席料。

座るだけで日本円換算で1万円はぶんどります。

こっちの貨幣価値に換算すると2万円は払えとなるんですよ。

店側が指定した飲み物は無料ですけど。

そして単におなごを呼んで話すだけでも5千南洋ルピーで11枚綴りのチケットを買って女の子に1枚渡すか、1回500南洋ルピーで3分から5分しか隣にいてくれないお店です。

一方、より大衆向けにした門前町店は純粋な席料ではなく飲料代。

飲み物2杯分の券を買って座る椅子を確保してもらうシステムです。

で、1時間経って飲み物券が手元になければ買って補充するか帰る。

メイド喫茶でもそれに近いものがあるから理解はしてもらえるんじゃないですかね。

一方、淋の森店の2階には個室がいくつかありまして、このお部屋は聖母教会関係者とそれ以外で料金がまるっきり異なります。
昔の建物でしたらヤリ部屋だったのですが、現在は一般のお客さん、淋の森に行くか客が泊まっている旅館に赴くことになります。

なぜならばここの席料、聖母教会関係者や痴女皇国関係者以外は1時間1部屋2万南洋ルピー、飲み物別というかなりえげつない値段だからです。そして11枚綴りチケット購入、最低1束が義務です。

はっきり言えば関係者以外使うなというも同じの部屋です。

しかし聖母教会関係者で欧州方面のお客には飲む場所を提供するとか密談の場所を提供する意味合いがありまして、飲料代のみでご利用頂けるようにしております。

更には外交関係者が部屋を使う場合、飲み物を配膳したあとは女の子、呼ばないと上がって来ません。

この辺も英国のパークスさんやサトウさん、バードさんがここを利用してお話をしていたので、実際の使われ方がどんな感じかをすでにご理解の方も多いでしょう。

一方で痴女皇国関係者の女官連中が団体で来るとか、更にはどっちが客か店員かわからない状況を防ぐ必要がある場合の隔離部屋としても使われます。

この場合は関係者価格として正規の席料の5割引き料金をぶんどられますが、大体ここで話をする女官というのは幹部の事が多いので、まず確実に痴女宮外会談として対内交際費用承認を取れます。

何を隠そうこのわたくしマリアヴェッラも時折使いますので、ここの使い方や経費申請方法は慣れています。

ただ、無料タダで使えない理由はですね、誰でも彼でもタダで使うんじゃねぇ@姉談話に加えて、クラブジュネスの売り上げは純子さん達の業務報奨金額に直結しますので、いくら実質は痴女皇国直営と言ってもちゃんと店に金落とせ、理由なくあそこで飲み食いする奴は自腹だ@姉という事で皆の理解を得ております。一応は。

(売り上げが少ない場合には警務なら警務に連絡してメンツ揃えさせて宴会やらせて売り上げ援助してるけどな。ベラ子も優良罪人連れて行ったげたり、財務の慰労会やってくれってあたしが頼んだこととかあるだろ)とは姉の弁。

まぁ、時たま、なんでこの集まりで経費を取るとかいや落とせでたのきちと喧嘩して、最終的にはちんぽで言うこと聞かせたりもありますけど。

ま、そんなこんなで基本的にジュネスの勤務者は淋の森店の寮住まいです。

キャッシュレスの深度化に伴って門前町店の売り上げ精算も楽になり、店を閉めてから10分歩かないうちに淋の森店ですから。

しかし今宵は大晦日から正月にかけてのオールナイト営業、普段はそういう用途で滅多に使わないはずの2階個室も動員しておめこさせているようです。

ああ、ここにも姉の考えた企画の犠牲者がっ。

「後の掃除がめんどくさそうでねぇ…」と売り上げ増加よりも後片付けの件でげんなりしている純子さん。

「そーいえば沖縄には里帰りしないんですか」と聞いてみます。

「帰省は予定してるけど、お店放り出してあまり長期間帰れないしねぇ。それとケイシーやマーゴの帰省スケジュールもあるから、年明けの後で調整することになるわね。NBや英国の流儀はもちろん、日本とも違う冬休みの流儀だし、そもそもここ熱帯だから冬場に店を閉める理由が全くないのよねぇ」

「ああ、そりゃそうですね」

確かに年がら年中似たような気温とお天気です。

あたし達痴女種も多少は影響されますけど、人間の場合は特に気温や気候で性欲の強さが変わりますから、年中暑いこの痴女島で暮らしますと基本、赤道地帯で降雨量の多い国々がなぜ多産なのか、速やかな理解を身体で得てしまえますからね。

「じゃあとりあえずジュネスは今かき入れ時だって事で、吸い取りは明日以降で構いませんか」

「うん、それで頼むね。うちもはよ休みたいけど…痴女種になるとジーナちゃんもしんどくない言うけど一瞬で疲れが回復するだけなんね」と、思わず口調がなまりそうになる純子さん、そしてドタバタしてるケイシーちゃんにだけしておきます。

「じゃ、次は国土局か…純子さん、あの通路使いますよ」

「ほい了解、ベラちゃんの聖環で鍵開くよね」

「もっちろん」

で、お店のバックヤードに設けられた、4人乗ったらせいぜいの一般住宅用小型エレベーターに乗りまして、地下室に降ります。

水密扉を開けて酒類や飲料の冷蔵保管庫だの食料用冷蔵庫…お客様に出す分ですよ…などを眺めながら地下室を進みますと、これまた水密扉が現れます。

が、こちらの水密扉は認証式です。

あたしの聖環をリーダーにかざして開くと、その先にはLED照明のような白い光に照らされたトンネルが。

だいたい幅2m少し、大人二人が割と楽にすれ違えるくらいの穴が先へと続いています。

「陛下…これはナンム母様も雅美母様も知らなかったのでは?」

「ああ、この道は緊急避難路兼事件発生時の騎士緊急通路兼、淋の森警備本部食堂への食料配送通路よ。電動カートがすれ違いできる程度の広さになってるでしょ」
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