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「うわこのょぅι゛ょつよい」初冬痴女宮編・3

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「初代様。ラドゥ厚労局長確保連絡あり。厚労局には警務騎士3名を派遣、現場保持しました」雅美さんが緊縛、いや緊迫した表情で伝えてくれます。

「よろしい。我々も向かいましょう。東方聖母教会は?」
「外交協定がありますから直接立ち入りはしていませんが、デルフィリーネが淋の森警務部の騎士を回して警戒中。停泊中の鯖挟国商船も警務騎士派遣。水流動力型ガレオン商船でしたので、痴女皇国船員派遣中止、出港差し止め処置しました」

「該当船、不審武官乗船疑惑はありますわよね」

「映像で確認済みです」

「よろしい。東方聖母教会には港湾事務所で所定上陸手続き不履行者が発見されたためとして武官引き渡しを要請なさい」

罪人寮21階に向かう間にも雅美さんがてきぱきとあたくしの飛ばす指示を処理して行きます。

うん、ジーナちゃんやマリアちゃんからも雅美さんは荒事慣れしてるからと聞いていましたが、本職のけいさつの方並みではないでしょうか。いわくに基地に乱入した怪しい人たちの尋問に呼ばれたのもよくわかります。

やはりあたくしの見立てに狂いはありませんでした。野心と欲望さえなければこの子は有能極まりない人物です。

…ただ、人の上に公然と立てられませんわね。

(まぁ、私はヨゴレの雅美ですから。ほほほほほ。しかし…仮にも皇配騎士扱いの美男公の不祥事です。ベラちゃんとマリアちゃんがどう判断するかですね…)

(マリアリーゼなら絶対に言うことがあります。人の心を掴んだのか。お前についてくる奴はいなかったのか。あの子は殊更それを気にしますから…)

(ですね。乳上の乱の時もくどいほど言って聞かせたと)

で、厚労局入口を警備する白薔薇服騎士に通してもらいますと。


「だからさー。ネタぜんっぶ上がってんだよ?」

「とりあえずこれ食べてさ。楽になろうよ」

…あのね。12歳状態のスザンヌとマリアンヌが美男公の前に丼を置いていますが。

(だって取調べってこうだと)

(わざわざ罪人食堂にたのんで作ってもらったのですよ?)雅美さんが絶句してました。ええ、あたくしも助平責めしてるとばかり…。

「まぁ、メフメト6世陛下の関与は表立っては騒がない。しかし…鯖挟国への融資や産業支援については一考を要する。対外政策見直しは外交局長帰国と、北欧組の帰投を待って実施。そして…」

「内部処理ですわねぇ」もぐもぐ。

とりあえず厚労局応接室にかつどんついか。

「差し当たりアルトリーゼ将軍と紫薔薇並びに黒薔薇各2名を戻すそうです。帰還次第、アルトくんは罪人寮で幇助犯調査開始。東方聖母教会については臨時でナディアフィールが紺碧騎士団員を率いて封鎖。鯖挟国商船も瀬戸団長と団員にて差し押さえ中。黒薔薇は厚労局並びに罪人管理室捜査。紫薔薇は東方聖母教会への立ち入り調査要請の予定です。さて」

「どくもりさんは修学寮を押さえるのに成功したら話は聞く。けど、今はお酒の席のたわごととしてやめろと言っておくって言ったみたいね。ま、ぶなんなこたえよね」

「ほんとに反乱を起こさなかったら美男公とのお付き合いは続いたわけだし。で…言いたくないんだけどそのいち。ばちかんは丸太まるたきしだん他、へいたいにしゅつどうめいれいを出していなかったそうよ」

何ですかその、吸血鬼退治しそうな騎士団。

「つまり、実際にはんらんしないか成功しないとふんでいたわけね。すぺいんはどうなのかしら」

(イザベルです。イタリアでお会いした際にちらりと話は聞きましたし、今回も打診は受けました。しかし我が国としては全くもって乗りかねた話ですわ。借金返済もさりながら、南欧支部含む経営がやっと軌道に乗り国内も安定してるのに何でこの時期に。更に、そもそもあたくしもアナも痴女皇国から精気供給を切られたら死ぬ立場です。似た状況の美男公がなぜこんな愚挙をとお尋ねしたい気分ですわねぇ)

「で、あたしから提案したいのですが」雅美さんが手を挙げます。

「まず美男公の処遇。児童を目標にしたことは我が国の現在の事業を考えますと大変な重罪です。仮に私や初代様が穏便な処置をと考えても乳上とクレーニャの二人が許さないでしょう。悪いことに、両方とも鯖挟国に影響のある部門のトップです。中東地域本部もさりながら東欧支部が鯖挟国と因縁ありまくり」

「ふむ。美男公の処遇については遠征者が帰る前に早めに下す方が無難、と」

「東欧支部長の児童に対する入れ込みを鑑みると、独自判断で支部に連行して還俗の上で串に刺しかねませんわね」

「ですので、懲戒案を提案したく。まず厚労局長は解任、皇帝陛下との縁組も解消。これは基本的に避けて通れない話ではないかと」

「まぁ、やむを得ないでしょうね」

「次に本人の身柄につきまして。還俗処置を行い一般人に戻します。そしてここからですが、痴女皇国欧州地区本部にて罪人として労働、または三河監獄国小石川建築事務所送達、あるいは外交官身分として本国送還。こんなところで如何でしょうか」

「あと、あたくしから提案があります。美男公は能吏のうりではありますので、今回の件を不問とは行きませんが、痴女皇国に贖罪貢献を誓う場合は引き続き雇用いたします。ただ…女官身分になって頂きましょう。この意味はお分かりですわね?」

あたくしは美男公を見据えます。

(ひ…)まだドレインから完全回復せず麻痺しているのでしょう。

声は出せませんが恐怖の表情があります。

「お待ちくださいっ」

「一人殺したら一人以上産むか助けるが聖院に来る罪人へのおきて」

「今回はこどもに知れたらたいへんな事になります。あと、それなりにこどもを大切にしているのはちちうえとクレーニャだけではありません」

「たぶん、黒ひげほか罪人がめちゃくちゃおこると思います。黒ひげが止めてもつるせくらいは絶対言うね」

「むっ…マリアンヌ。そしてスザンヌ。何か案がおあり?」

「今、修学寮では子どものかんりが大変です。保母さんだけじゃたらないから、あたしたちまでかりだされてます」

「ですので、子どもの大切さをわかってもらうために子ども相手のお仕事はどうでしょう」

「ただ…子ども相手って事は精気のかんりが入ります」

「わ・か・る・よ・ね?」と二人、声を揃えて。

要は雅美さんが言った女官降格と女官業務が嫌なら修学寮に行って子供の面倒見ろと。

「その案が一番妥当ではないでしょうか。恐らく鯖挟国に戻られても座る椅子があるか。まず確実に東方聖母教会に対する処置や、比丘尼国を含めた貿易事業の停滞、果ては貸付金早期または一括返済といった措置の責任を問われるかと」と、入って来られた方が。

「あー、こりゃ処刑ありえるわね…鯖挟国なら…って弁護人が厳しい話をしてどうすんのよ玄奘さん…」

「わたくしも不満があれば言いなさいと申してはいたのですがねぇ。…野心が過ぎたのでは?」といつになく冷ややかな目で美男公をお見据えに。

中の人との暮らしもあってか、鬼人鬼女時代が信じられないほどの改心と成長を見せられた玄奘さん、母国からも三蔵号を名乗る許勅を出して頂きまして、本国が忙しいダ・ヴィンチはげたおじさんに代わり、晴れて修学宮学長位に就任頂きました。

本日は南蛮風の学位帽に服、むっちりタイツでご登場。

本人は死ぬほど嫌がっていたようですが、欧州出身者比率が多い修学宮という事でアカデミックドレスを与えたとマリアリーゼが…。

(どんな格好かはれきしんとん あるぺじおで検索しろぃっ。つーか初代様、密かにこそっと。まだ詳細はこっちに流れてません。情報封鎖成功してますよ)とマリアリーゼが心話通信を入れて来ます。

(マリアヴェッラには?)

(流れてません。流したら即刻帰還しかねませんね。とりあえず処罰案を本人に選ばせましょ。幹部査問会開催規定…っと。弁護人1名と審判員最低3名。最終決定は皇帝・上皇・摂政いずれかで可能。今の面子にクレーゼ母様かデルフィリーゼお祖母様を加えて頂きましたら、あたしが裁定決議印出します。財務の二人入れたら初代様決議でOKですよ)

(ありがとうマリアリーゼ…これ、こちらで処分出しちゃう方がよろしいですわよね…)

(ええ。北欧参加者が帰還した後で査問会開いたが最後、串に刺すか吊るすか炙りそうなのが何人もいます。だったら初代様が厳罰を下そうとしたところ、妹たちが減刑助命嘆願と比較的軽微な罰を提案。こんなところでいいでしょう。美男公、それでいいよな? あんたは妹のそそのかしを真に受けて間抜けにも準備不足のまま煮詰めなかった謀叛計画をついやっちゃった。子どもを人質にしようとはしたが危害を加える気はなかった。それで通せ。初代様、鯖挟国に申し渡す内容案ですが…今回は美男公の要請を受けて駐在外交官並びに施設員を交代させた事にしろ、ただし次やったら革命の志士を送り込むぞと脅しましょ。それでいいですか)

(貸しを作る方向ですね。妥当でしょう)

(あとさぁラドゥでんかー。あたし言ってたじゃん。やるのはいいけど人心つかめよって。こいつら…妹たちにこってり絞られただろうからあたしは今更言わんけどさ。似た事やらかして助命嘆願来なかった乳上の話聞かなかったのかよ。それとスザンヌにマリアンヌ。おまえら修学寮で仲間増やすのはいいけどあんまやりすぎんなよ。てめぇらが謀反起こしたら大学卒業までNBだからな!)

(ひぎぃいいいい)

(リーゼ姉やめて!それだけはやめて!オックスフォード分校確定やめて!)

(いや。ナインズの合同分校あるからそこのプレップセクションに転入だ。お前らこれが嫌だからこそNB行きたくなかったんだろ?)

(あの…マリアリーゼ陛下。この場で余計な質問、誠に申し訳ないのですが、差し支えなければ)

(ああ、玄奘さんは知らんか。全寮制寄宿舎ありのボーディングスクールってのが英国本国にあるんだ。ナインズってのはこの中でも特に厳しくて、いいとこのボンボン嬢ちゃんしか入れねー9つの学校の事さ。で、9校が合同運営してる分校がNBにあるんだよ)

(それだけなら修学宮未成年部とあまり変わらない気もしますが…)

(一言で言う。教師や寮監が片端からマイレーネさんの類似品だ。ちなみに連邦世界の英国のボンボンはまずプレパラトリスクールプレップスクールっていう初等学校に入る。一般小学校との違いは徹底的なお受験学校で、次に入る中等過程たるパブリックスクールの受験に合格する事だけを目指す授業内容にあるんだよ。…これで、こいつらが嫌がる理由わかったろ? とんでもなくうるさいか、学生自治自活だったとしても生徒同士の監視がめっちゃ厳しいんだわ)

(なるほど…とてもじゃありませんが、自由奔放な校風があるようには思えませんわね…)

(付記するとあたしに対しても、提案という名で、くだんの進路の強要があった。しかしその時は死ぬほど抵抗した。そして痴女皇国が軌道に乗ってから晴れてなんとか雅美さん母校に通わせて頂きました。だからスザンヌにマリアンヌ。ベラ子追い落として皇帝位狙うなんざてめーらの頭の中読まなくても読めてるからな? せめて中学卒業までは大人しくしろ。さもなくばNBの緑豊かな田園での清楚な学生生活だ。これはワーズワース大公ご希望進路でもあるから、嫌ならきちんと学業納めて成果出せ。いいな?)

さすがはマリアリーゼ。きっちり締めるところは締め上げてきますね。

…って言うか、まさかマリアリーゼ…そのNBの学校に行くのが嫌だから痴女皇国を建国…。

(初代様。あくまであたしの厨二病趣味です。美男公や鯖挟国に対する処遇と同様です。そういう話以外が流れた場合、雅美さんとのSM孕ませっクス映像が以下略)

ぎゃあああああ!お待ちなさい、いつの間に!

(あの…初代様も雅美さんも、黒ひげとか美男公とか、うち相手にしくじった奴をあまり笑えませんよ…MIDIシリーズ化されたせいでマルチディメンションスキャニングセンサ、あたしも使えますから…)

(まままマリアちゃんおおお音声も)

(雅美さん声裏返ってる。いや、実はその…雅美さんの結婚話だけどな。確かに公式はまずいけどさ、まぁこのままってわけにもいかんでしょ。博子さんはサリアンとあれだし)

はいここ注目。

つまりマリアリーゼ、痴女皇国内の肉体関係相関図持ちです。

あたくしも摂政位の都合上見せてもらいましたが、マリアヴェッラと聖母様以外には不出だそうです。

ま、これは見せたら紛糾しますからねぇ。

それにしても紫薔薇抜きにここまで調べ上げるとは、やりますね。

(ですからスザンヌにマリアンヌ。てめーらのも筒抜けだ。あまり火遊びし過ぎたらプレップだ。わかったか!)

(ふぇえー!ねーさんは痴女皇国作って逃げたんだからあたくしも謀反の一発もやらかしたっていいじゃない!)

(仕方がないわねっ。でもリーゼ姉、いつか皇位は頂くわよ!)

(そこ、マリアンヌじゃなしにスザンヌの台詞だろ…ま、反骨精神大いに結構。で、美男公…どうする?。一番、還俗して本国送還。二番、比丘尼国現場送り。三番、女官化して女官寮か修学寮だ。選べるのは弁護人の顔を立てていると思ってくれ)


そして翌日早朝、聖院港。

「本当に良いのですか。本国送還となりますと我々は助命の口利きしか出来なくなりますよ」

「そうですね…女性化は流石に遠慮したいところで」乗船用タラップ前で旅支度を整えた美男公、既に痴女宮を出る時点で鯖挟国の服に着替え、雅美さんの運転する国土局のよくぬすまれごうで出港差し止め中の商船まで送られています。

この車、なぜか国土局長りえちゃんの運転に不安ありとされてエマちゃんと聖母様とマリアヴェッラ辺りしか運転が許されておりません。

今回は特例で車内姦淫禁止を条件に借り出せたそうですが。

まだ謀反捜査が続いているという事で、美男公の居室や厚労局の私物は移動差し止め。

必要最低限の着替えなどしか携帯を許されていません。

旅行カバンの中身は玄奘さんやマリアンヌにスザンヌ、雅美さんが購買部で見繕った旅行用品ばかりですね。

「とりあえずマリアリーゼ陛下の指示で、元来は聖環は返却となります。が」

美男公に、自分の聖環を操作してみろと雅美さんが促します。

「遠隔操作で中身を簡易版聖環機能に書き換えています。差し支えなければ持っていろとの伝言です。それとこれを」二通の封書が美男公に差し出されます。

「一通は賃金明細と振替証書。痴女皇国支部建物内の聖母記念銀行窓口に提出すれば現金または聖環入金処理して貰えます。そしてもう一通は痴女皇国中東地区本部または東欧支部への出頭命令書。元来なら捜査に協力してもらう為に発行するものです…ですが」

「亡命希望の場合、支部入室後宣誓ください」

雅美さんが、あたくしに続いてその書類の真の意味を教えます。

「申し訳ございません、ここまでお気遣い頂いては…」

「現金をお渡ししないのは帰国途上での何かしらがあるとお困りでしょう。確実にお受け取り頂けるよう計らわせて頂きました。それと」

「はい、退職金がわり」マリアンヌとスザンヌが小さな袋を渡します。

「板金です。少ないですがお持ちを」クレーゼが申します。

(母が来ますと殴りかねませんのでわたくしが。まぁ、美男公には早まられたなとしか申せませんわね…)

「それとな。ベラ子から預かって来た。さっきの金はベラ子のポケットマネーからだ。で、その支払いだけど…」

蟹スタイルのマリアリーゼが現れました。

この子を知らない人にはゆるキャラにしか見えませんが、知る人には懲罰級戦闘服だと理解されています。この姿でもお前らを泣かせられるぞとの意味だそうで…。

ぱっこーん。

朝の聖院港に響き渡るはりせんの音。

頭を抱えて膝を崩しかける美男公。

あの一撃を耐えたのはさすがと言う気もしますが…。

「いきなりですまんな。妹姫君からの伝言じゃ。先の金子きんすの支払い、これ一発で勘弁してやるとの仰せである。ま、わしで良かったな。これが島津絡みなら腹を召す位はまだまし、即これじゃ」前田慶次郎さんが、はりせんで首を斬るしぐさをなさいます。

「ま、やるにしてももう少し男が立つようにの。そうではないかな、大将殿」

はりせんをマリアリーゼに返しながら慶次郎さんがからから笑います。

仮にこの人が今回の謀反を指揮していたら、確実に成功させていたかも知れません。

黒ひげも感服していましたし、とにかく妙な人望は厚い方だとよくわかりますから。

「だよね。あたしゃてっきりさ、罪人を動かしてくれると思ったんだよ。思ってたんだけどさ…」

(期待に添えず申し訳、ございません…)

肩を落とし合う美男公とマリアリーゼ。

「ま、次があれば頑張りなよ。ただ…卑怯者は嫌われるからね。この人を見習って生きてくれるのがあたしの願いだ」

「運があれば生き延びる。天運を呼べるよう日頃より精進なされよ。それと…妹君殿方」と、マリアンヌとスザンヌの方を向いてぎろり。

「知っての通り、わしは子供のいたずらには寛容な方じゃ。ただ、行き過ぎれば殴る。そなたらなら殴るどころか槍か長巻でも受けそうじゃが…大将殿に何かやらかす者あらば、この前田慶次郎が一槍つけて遣わす一存である。くれぐれもわしの槍を馳走されぬようにな」と、両手でマリアンヌとスザンヌの頭をなでなで。

(た、ただの人間のはずなのに…クレーゼ母様が怒ったときよりすごいいあつかん…)

(マイレーネさんの闘気並みよスザンヌ…リーゼ姉、ほんとにこの人ただの人間なん?)

「だからてめぇら、慶次郎さんがどういう人か分かってっだろ。んでな」マリアリーゼが紙を一枚取り出して見せます。

「えー何なに? 痴女皇国欧州地区本部スイス傭兵騎士団管理部…」

「って言うか傭兵契約書じゃんスザンヌ!」

「あの…マリアちゃん…傭兵はいいんだけど…その、契約内容…」

「あー、ちゃんと説明したよ。あたしと個人契約して直属傭兵扱いで横浜に派遣する。ちな捨丸さん悟洞さん骨さんとも同じ契約。おまつさん伽子さん加奈さんはマリアリーゼ直属傭兵団属契約女官扱いにしたから」

「つまり…今後、リーゼ姉になんかしたら…」

「うん。慶次郎さんだけで済めばいいな」

そうです。

あの巨大なお馬さんと、凄腕の忍者の方が3名、セットでついてくる事になります。

しかもマリアリーゼの事ですから絶対に能力強化だの特殊装備を与えるでしょう。

「あと美男公。イェニチェリの話、慶次郎さんにしたけど一度戦ってみたいってさ…」

「めめめめめ滅相もないっ」

はい、いけにえ村の一部始終、痴女皇国にも中継されていました。

あれを見たら美男公が嫌がるのもわかります。

そしてマリアリーゼの解説がつきまして。

日本のおさむらいさん、強さはともかく大体こんな感じだからと。

「お主…いかんぞ。例え国を追われたとしても腕あらば拾う者もおるであろう。脇差であるが兼定じゃ。わしも美濃で貰うたものであるし、遠慮はいらぬぞ」と、腰に差していた短めの刀をお渡しになります。

(うわもったいねー…)

(ま、これくらいは餞別じゃ。それに、誇りを守る為に抜く必要があるやも知れんからな…それがために抜かぬよう、祈るしかあるまい)ああ、自分で自分に使う日本の作法ですね…。

「これからの道、この前田慶次郎利益を頼りたくば大将殿に頼め。そちにことわりあらばわしを遣わすであろう」

「あ、言っとくといけにえ村の映像、中東地区本部がメフメト6世陛下に見せてるはずだから。んで戦いぶりを気に入ったカンナカムイが、必要があったら力を慶次郎さんの剣なり槍に貸すってさ。ちな、あの状態だとあたしやエマ子でもちょっと骨が折れっぜ。だからスザンヌ…い・い・な?」

「ひぎいいいい」

ま、アルトくんの方でおいおい話が出ますけど、慶次郎さんがここにいるという事は、北欧はあらかた決着がついたという事です。

そして、元来ならアイヌの神たるカンナカムイが気に入るほどの事が起きたと思って下さい。

そしてスザンヌもマリアンヌもわたくしも映像は拝見しています。

(つまり、この刀は前田慶次郎にもらったもんだと言えって事だよ。それと中東地区本部への出頭指示書。どう活用するかはあんた次第だ。そんだけありゃ即斬首処刑は避けられるだろ。んじゃな)

無言で泣きながら乗船する美男公。

そしてもやい綱が外された船を曳船が沖に運んで行きます。

曳船が離れると帆を広げ、出航準備を整えているのが遠目にも見えます。

船尾から少しずつ水が吹き出しているのも見えます。

(ま、あの半生体機関と出向船員を引き抜かれたら困るのは鯖挟国ですよ。そして美男公の首差し出してチャラにしようとするけど、本人が首尾よく亡命に成功すれば…)

「代わりを差し出す必要あるわよね、リーゼ姉」

「ほんっときったない手口考える事に関しちゃベラちゃんの言う通りよね!」

「そりゃ外交なんてこんなもんさ。それにあたしはメフメト6世以外の思惑も入ってるとみた。つまり美男公がいると困る連中が、敢えて派兵に協力って寸法さ。ま、鯖挟国からはおっつけ、外交員再選するから交代ちょい待ってくれって話してくるだろ」と、教会が並ぶ方に首をしゃくるマリアリーゼ。

「じゃ、慶次郎さんとあたしはもう少し向こうの残務処理に付き合ってます。それとマリアヴェッラですよね…本人は偽装婚みたいなもんと言っていますが」後ろを振り向くと、玄奘さん。そしてたのきちとマリアヴェッラが…。

ばかぁぁぁぁぁぁぁぁストールトあほぉぉぉぉぉぉぉぉシェーモ!」

そして三人の女が泣き崩れます。

思いは三者三様ですが、深い悲しみには変わりません。

各者各様に、それなりの付き合いがあったのは事実です。

寝床での思い出だけではありません。

罪人寮や工場視察、そして監獄国のたはら工場。それなりの業績を残したのも事実でしょう。

崩れ折れる三人の足元に片膝ついて慰める我々と、立ち尽くす慶次郎さんを朝日が照らします。

船が長声一発、船出の汽笛を鳴らしました。

そして岸壁から十分に離れたのか、船尾から水を一層勢いよく噴き出し始めます。

水流じぇっとえんじんの音が微かにこちらまで響く中、白波蹴立てて港を出て行く船。

「乗船してるうちの船員には美男公の安全確保を命じています。少なくとも航海中に海に投げ込まれる事はないでしょう。ま、保険の為に強制送還する武官にはうちの船員に預けた痴女皇国摂政・上皇連名の送還命令書を見せています。コンスタンチノープル到着時に中東地区本部所属騎士が下船者からこれを回収しないと、外交官保護規程違反の疑いの捜査であたし自らがコンスタンチノープルに行くぞって、船長の前でメフメト6世に連絡してますから。ついでに船長に話をさせてます」

「ねーさん…」

「おめーが美男公と面会してたら、五体満足で船に乗せたか?」

マリアヴェッラが黙って首を横に振ります。

「それに、この道を選択したのは美男公だ。それがいかに間違っていた道だったとしても…外交官に準ずる扱いをしていた奴だろ? あいつが痴女皇国に残らずに本国に帰還する道を選んだ以上、本国送還の手続きを取らなきゃならねぇんだ。外交官駐留条約を締結している以上、掟は破れねぇ。破るためには美男公自身がうちの国に裁かれる事を希望するしかなかったんだがなぁ。つまり、あいつに突きつけた条件のうち、本国帰還以外は全て亡命として扱えたんだけど…」

「ねーさんは鯖挟国に対して有利に事を運べる交渉条件が出来たのでしょうが…」

不満そうな顔をするマリアヴェッラに、あたくしがお説教を入れます。

「マリアヴェッラ。美男公がどれを選んでも、マリアリーゼが鯖挟国に対して取る処置は変わりませんよ? 我が国に対して事を起こした時点で対外処置は基本的に実施されます。あとは向こうがどこまで詫びるか、はたまた開き直るかでしょう」あたくしはマリアヴェッラに諭します。

「ベラちゃん。子供に手を出そうとした時点で基本的に厳しく出ないとならないでしょう」たのきちも静かに声をかけます。その目が語っています。むしろ美男公への処分は大甘よ、と。

「マリアヴェッラ陛下。マリアリーゼ陛下は彼に腕輪を付けさせているよね」

玄奘さんであって玄奘さんでない声が。

「やりとり、全て聞いていたでしょう?」黙って頷くマリアヴェッラ。

さすがにこの人の話には、そう簡単には言い返せない穏やかな強さがあります。

「彼は確かに痴女皇国の業務を担っていた。そう簡単には野放しのままにしておけないだろう。為政者ならそう考えますね?」マリアリーゼの方を向いて言う玄奘さん…いえ、パンチさん。

「ですが、それならばそもそも美男公を鯖挟国に返す必要はないでしょう。マリアヴェッラ陛下。あなたならどうなさいますか?」

「とりあえず収監。説得を試みます…」

「そこで幾つかの選択肢が出るように精進なさい。そして、手元に置いておきたかったのなら提案可能な案を出せるようになさい。今回の件は幸か不幸か、あなたの不在時に起きて、それなりの手続きを経て処理されてしまいました。ですが貴方の不在時に何かが起きたなら、その時そこにいる者がしかるべく処理する。そう言う決まり事がありましたね?」

黙って頷くマリアヴェッラ。

「むろん、不在の際に処理がなされてしまった事を悔やむ気持ちは分かります。しかし、敢えて厳しい事を言いますよ。今回のいけにえ村討伐の際に、貴女もしくはマリアリーゼ陛下どちらかの出陣だけで済む体制が組まれていたら、また違った展開があったかも知れません」

「はい…」目に涙を滲ませるマリアヴェッラ。

パンチさんは暗にマリアヴェッラの未熟な点がなかったのかを指摘しています。

ええ、パンチさんは割と優しく言っているようで辛辣な事も混ぜます。

「しかし、事は起きて沙汰は下ってしまいました。落ちて割れた壺の水は元には戻りません。ま、貴女もそうですけど、マリアリーゼ陛下は戻せなくもないでしょうけどね」

と、ここで微笑みを。

「そしてベラ子陛下、貴女ならただでも人間一人を追い続ける力はおありでしょう? ましてやあの聖環、元々は痴女皇国幹部用。玄奘くんのこれもそうですけど、保安の為にそうやすやすとは外せない。ですね? マリアリーゼ陛下」左手首の聖環を示すパンチさん。

そうです。

マリアヴェッラは単なる痴女種ではなく、も使える立場です。

その気になれば美男公の去就を全て監視可能。

そして聖環装着が続く限り、継続監視は簡単な作業です。

わたくしですら美男公の監視は楽な仕事ですよ?

「ま、そもそもだけどよ、美男公が謀反を企てた際に、これを外そうとしなかった時点で一体何やってんだって話になっちまうんだよ…わかるよな、ベラ子」マリアリーゼが妹の肩に手を置きます。

「では…この結果を承知で反乱を企てたと…」

「その辺はわかんね。だけど、考えた時点で普通なら警報は出る。お前も警務経験者ならその機能は知ってるだろ?」

「ええ…罪人管理には必須機能ですから…」

「で、例えばそこの不肖の妹二人がなんか考えたとしようや。誰に警報が行くか。おめーら知ってっか?」と、マリアリーゼが蟹の首を向ける方には…。顔を青ざめさせた子供2名。

「ベラ子。お前の聖環には行ってるか?」首を横に振ります。

「普通ならあたしに行きますよね」

「ああ、元々はそうしていた。あたしの時代には、な。だが、初代様や先代様、クレーゼ母様などが復活したり、痴女皇国を取り巻く状況が変わる中で、皇帝の専決で謀反の鎮圧を行うべきか。あたしは家族会に諮り、一つの提案を受けて合意した」そこでニヤリと笑うマリアリーゼ。

「まーさーかー…ねーさん…」

「で、誰がアホやらかしたか、どんな間抜けな思いつきをしやがったかで警報発報先が変わるんだ。例えば、ありえんけど初代様が地球制服を考えたとしよう」

「あたくしはごくらくいんとか言う家と長年争っていて、地球にせーらーふくを被せるのが宿願ではございませんわよ」

「まぁ、ものの例えですよ。初代様ほどの方になるとあたしでも制止は困難。で、あたし・ベラ子・かーさん・エマ子…そしておっさんと…うん、あのクソジジ…尊敬すべきお祖父様の方に警告が飛びます」

「なんでワーズワース大公…あ、みでぃ」

「です。今回はまだおっさんの独断ですけど、MIDI04を一個戦闘隊…13機全て動かす場合はあのジジイに声をかけるようにしてるそうなんですよ」

「では、美男公の場合は…」

「ベラ子、美男公は痴女皇国関係者かつ痴女宮勤務者だったろ。つまり、痴女宮内で警報を出しても出した意味がない場合を想定していてさぁ…欧州地区本部と米大陸統括本部、そして比丘尼国元伊勢に警報が出るんだよ。ついでに言っとくと比丘尼国でも聖環普及後は似たような警報システム組むから、逆にうちに向こうの異常が警告されるようになる。そうなったらベラ子も処理に走ってもらう覚悟、しといてくれよ」

え。

と言う事は。

ですが、スザンヌやマリアンヌの顔が真っ青を通り越して白色になっています。

「うん。お前ら二人、前に下着ハッキングした事あったろ。あの件があるから絶対確実に鳴る相手をちょっと変えててなぁ」にーやにーやしているマリアリーゼ。

「ひ、ひ…」

「ま、ままままままさか…リーゼ姉!大人げないですわよ!」

「っせ。あたしと実年齢あんま変わらんとか言いながら都合のいい時だけあたしを大人扱いすんじゃねぇ。ともかく、あのやらかしは確実にてめぇらの首に輪っかつけとく必要を関係者一同の心の中に刻み込んでんだ。本当ならあの時、問答無用でプレップ送りにする案すら出てたんだぞ?」

ああ、マリアリーゼ、顔が引きつってますね。

蟹のかぶり物のせいであまりはっきり解りませんが青筋立てています。

(ベラ子の事をああも悪し様に言われますとねぇ…あいつの教育には時間をかけたいし、この件があったからって今すぐ公務から引き抜けねぇんですよ…比丘尼国の一件、ベラ子の皇帝退位はあたしが許さんからなって表明だってお気づきになりましたでしょ?)

ええ。もちろん。

「大将殿…あの槍に力を与える際の話で、ああ言う事抜きで似たような力が使える方がお二人、痴女のくににおられると申していたな。それが…」

「うん。おまけに八百萬神種族十月会議出席序列者…つまり、そこの玄奘さんに乗っかってるお方と同じで、外部参加者で会議での発言権投票権持ち」

そこでマリアリーゼは、マリアンヌとスザンヌの背後に回って首に腕を巻き付けます。

「あのな…あの人らの神族序列表彰扱い承認、お前らのやらかしもあるからな…比丘尼国神族一同とうちの家族会全員承認で認められてんだ…あたしも正直やりにくくなんのに、お前ら何やらかしてくれたんだよ…わかるか? 今あの二人、M-IKLAシリーズ2機…つまり最低でもエマ子とあたしかベラ子の誰か二人でないと足止めすら出来ねぇからな? この説明でお前らが子供の思いつきでやった事の結果の重みを噛み締めてくれよ?」

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らどう「痛いです。ものすごく痛いです」
マリア「おい。あれ普通の画用紙で作ったやつだぞ。ついでに慶次郎さん、普通の人間状態だぞ」
べらこ「あたしが追加でやりましょうか?」
らどう「もっと遠慮します」
べらこ「ったく、何であたしに一言!」
マリア「いやそれあたしも言いたいんだよ。あんたに見せ場作らせるくらいはやるよ?最終的に鎮圧したとしてもさ、男立ててやんよ?慶次郎さんの扱い見てもわかるだろうがよ…」
らどう「全く申し訳ございません…」
マリア「ちなみに連邦世界、つまり皆さんの歴史とより類似のラドゥ3世はメフメト6世死去後に後ろ盾を失ったようでな…4回ほど失脚してその後の生死は不明なんだ。恐らく公職を追放されたとは思うけど、その辺は明らかになってない。つまり歴史の表舞台からは消えた人物になったってこった」
らどう(しょぼーん…)
マリア「でぇ、バツイチのベラ子くん。君には悪いけどな」
ベラ子「なんでしょ(ぶんむくれ)」
てるこ「マリアヴェッラ…実はたのきちの処遇も議題に上がっていましてね…」
マリア「更に言うとだなっ…もう一人、独身者で処遇が問題になってるのがいてな」
まさみ「ぎくっ」
マリア「で、そういう立場のお方なんだが、謀反とかプリンとか女の取り合いとか素行が問題になっていてねぇ」(みんなをじろーり)
てるこ「ぎくぎくぎくっ」
マリア「でぇ初代様、ベラ子の皇帝としての資質とか色々とおっしゃりたい事はあると思うのですが、それを取り沙汰する前に、そもそもこういう大規模作戦、あと最低でも3回くらいはやらないと現時点での痴女皇国世界の地球が安定しないと言う意見もありましてねぇ…」
てるこ「つつつつつまり、マリアリーゼが留守の時にいらん事やらかすのが痴女皇国内部「にも」いると申したいわけですか?」
マリア「えーと、十月懇親会の会議席上でもお宅どないなっとんとか、一体何しとんみたいな事、たのきちはともかく、アレーゼおばさまにマイレーネさんまでもが言われたと。二人は笑って受け流したそうですが、議長のおかみ様がですね、あの二人の額に血管浮かせるような話がないようにした方がええぞと衷心の忠告をですねぇ!」
てるこ「ぎゃあああああ」
マリア「さすがに初代様、神種適格審議審査対象報告、入れてもらうと困るでしょ?更に一応は子孫の私らまでとばっちり来るんですよ? 孫のためにもちょっとはですね!」
てるこ(涙目)
すざんぬ「えー…初代様でも逆らえない相手が…」
マリア「あとなスザンヌ。初代様がやらかしたとばっちりな。孫って言ったろ。お前、自分で自分を金衣直系血統って言ってたよなぁ…」
すざんぬ「ぎひぃいいいいい」
マリア「わかったか。あたしだけじゃなくてお前も連帯責任の俎上に乗せられるんだ。いいか。昔、どっか電鉄のカーブの線路に中学生がコンクリートブロック置いて大惨事になった事があったろう。今回の件は一歩間違えばそう言う事になるんだ。さすがにお前らにも事の重大さが理解できるよな? できないならNBだ。わかったか」
すざんぬ「ギギギ」
マリア「○爆に被曝したような歯ぎしりするんじゃねぇ。あとマリアンヌ。てめーにも連帯責任来るからな? はっきり言うが出雲ではお前らは大人扱いだ。今回は崇徳上皇陛下が庇ってくれてたけど、あの方が庇うのにも限界がある。そこは理解しておけよ?」
まりあんぬ「あうううう」
ジーナ「初代様。マリ公がここまで厳しいのは、ひとえに懲罰服の件のせいです。更に言いますと、ミッションスクール真っ青のくっそ厳しい学校を拒否りたいが為に痴女皇国を開闢した疑惑を避けたいからですからね。うちもまさか、そんなしょうもない理由で国作ったとか聖院システムいじったとか思いたくないですが…」
マリア「うっせぇおばはん!それが理由じゃねぇって言ってるだろ…」(泳ぐ目)
ジーナ「でな、マリ公。せめて痴女皇国が安定するまでは絶対に何があってもそういう風に考える奴が出ぇへんようにしろ。国家経営さえちゃんとすれば何とでもなるわーっ!」
マリア「あぃ…」
ジーナ「でぇ、マリアンヌにスザンヌ。お前らもこうなったら、痴女皇国の安定には積極関与してもらうぞ。ある意味では自分で撒いたタネじゃ。あたしは親にいらん事押し付けられて尻を拭くしかあらへんかったが、お前らは自分で自分の尻を拭け。まだ自分で自分の失敗をなんとかできるんや。理不尽やないやろ?」
まりあんぬ「かーさんが正論だけに言い返せない…」
ジーナ「あとベラ子。現実は厳しい。お前にはバツイチと言う傷がついたが、それを埋めるための作業が必要になるやろ。それはマリ公から話が来ると思うから、必ず従え。反抗した場合、お前もスザンヌやマリアンヌに同行してNBに修行に行ってもらう。パブリックへの転校手続きを取られたくなければ従え。ええな?」
べらこ「ぎゃああああああ」
ジーナ「と言う訳やマリ公。今回は懲罰服のような茶番で済まん話という事で、お前も妹…特にベラ子のために頑張ってリカバリーを頼むぞ。ええな?」
マリア「うう、ベラ子の話をされると真剣に対応せざるを得ない…」
てるこ(それにしても聖母様もたいがい、ムラはありますがマリアリーゼすら尻に敷くのは侮れませんわね…)
けいじ(うむ。あの母君様は抜けておるが締める時は締める。太閤殿下に近い振る舞いを感じますのう…)
おまつ(聖母様、聖女様に輪をかけてなかなか侮れませんわね…)
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