闇堕ち女帝マリア・痴女皇帝建国譚

すずめのおやど

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ほうかご痴女宮日誌・痴女皇国は年増園?

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皆様チャオ、マリアヴェッラ・ボルジアです。青田刈りのために日本の学校に通学するハメになりました。


でも、痴女皇国だからと言って、男狩りじゃあないんですよ…。

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「このタイトルは何とかなりませんの」

「天の声を殴るべきやな」

「全く同意ですわね。いくらあたくしが紀元前の生まれと申しましてもっ」

「それはともかくですね、まず聖院開闢前はともかく、開いてからのお話を彼女たちにお願いしたいんですがっ」

「と言っても、あれやこれやありましたし…姉が手伝ってくれるならまだしもですね、こちらが大変な時期に呼びつけられたりしたもので…娘を産むのを早めたりとそれはもう」

(話が長くなりそうだから適当に聞いといて貰っていいわよ。後でまとめさせますっ)

(ベラちゃん…そんなんでいいの?)

(いーのいーの。どーせ基本的な事はマリアねーさんの時の聖院研究会で報告出てるんだし、あとは6年前
との補完・変更事項が伝わればいいのよ。それに、今回は痴女皇国とは何ぞやを日本側に伝えるんじゃなくて、こっちとの交流の架け橋になる人材の青田刈りが本音なんだし!ほほほほほっ!)

(なんかものすっげぇ本音剥き出しなんだけど…それでいいの?)

(いえいえ。痴女皇国側…と言うより、うちの姉の本音がモロそれなのよ。言った通り、今から2年以内にマリアねーさんはNB政界デビューするし、そうなったら最低10年は向こうメインの生活になっちゃうから、あたしがねーさんの代わりをします。そうなると、人手不足という問題が出て来る訳なんですわ…加えて、聖院世界という、これまた厄介な荷物がのしかかってくる訳でしてねぇ)

(しかしベラちゃん…それ担任に言うと絶対揉めるよ…ただでもうちの高校、あそこ大への近道が売りなんだし)

(ああ、大丈夫大丈夫、スケジュール的にはすぐさま泣きたくなるような事が起きる訳じゃないのよ。ま、その辺りはおいおいお話しして行きましょう)

という訳でここは痴女宮21階、財務部と皇帝室秘書課があるフロアです。あたしたちがいるのは秘書課の旧・淫魔室だった貴賓応接室の1部屋です。

でまぁ、痴女皇国の元となった聖院を開いた初代金衣女聖・テルナリーゼ様のお話を聞こうとしているのはですね、あそこ高校1年生のわたくしマリアヴェッラ・ワーズワース・ボルジア…と言う名前で連邦社会では押し通す話になっています。

で、わたくしの学友。

まず、宇賀神雪子うがじんゆきこさん。栃木県に多い姓の方だそうですがね。栃木って事で引っかかるものはありませんかね。ふふふ。

ぶっちゃけると、かつてマリア姉の学友だった若様こと智秋敬ちあきたかし(仮名)さんのご実家の関係者の娘さんらしいんですよ。

そう、あそこのおうち、グンマーな地域の半分近くを私有地にお持ちだそうですが、それにとどまらず栃木の方にも色々とあって、日光の華厳の滝とか那須の辺りまでの地主様でもあられるそうで。

で、マリア姉と「名目上は」宮内庁車馬課しゃばか職員な若様がこっそりこそこそ色々お話をされた結果、今回は事前に揉めたり騒がれるのを極力防ぐためにも、皇帝陛下のクラスメイトはなるべく日本政府が厳選した関係者師弟で占めてしまえ!となったそうでして、あらかじめ痴女皇国側にも誰と誰がどういう筋からの派遣者でっせという情報が流れて来ています。

そして同じく群馬県から来られた勅使河原絹江てしがわらきぬえさん。こちらは伊香保温泉関係者で、同じく若様系。この二人がベラちゃん親衛隊幹部を買って出てくれました。

更に五百旗頭梓いおきべあずささん。名古屋市出身、鉄鋼関係企業役員のお父様の娘さんらしいですね。この方は八百比丘尼国側のリクエストで、三河監獄国側が身を乗り出して話を聞きたがる業界の方という訳で選ばれたそうです。

それと四十洲芳子しかすよしこさん。北陸出身。日本国の航空自衛軍の基地のある街の方なんですが、この方は自衛軍関係者かと思いきや、なんと田淵誠さんのお父様が所属する某政党の議員の娘さんです。

あの辺は保守与党が強いお国柄らしいのですが、とりあえず政界方面の繋がりもあった方がいいんじゃね?という人選な模様。

んで、この四人のうち、目白の闇将軍とか都の西北の更に西早稲田というらしいのですが、そこが「本来の学校」な宇賀神ちゃんと勅使河原さん、てっしー…またはおキヌちゃん。この二人は卒業後も進路がある程度決まっていて、その本来の学校のすぐ側の大学に行っちゃうそうです。

なので、たのきちや雅美さんが出たあっこ大学か、はたまた理恵っち分体が行ったどっか大学他、どこかの大学を目指して自力で根性で勉強しなくてはならないのが、あずさんとよっしー。

がんばれ。

最悪、ミラノ・ポリテクか、うちの叔父の母校のピサ大学に入れてやるから。

あそこならネジ込めるから。

その代わり、イタリア語は覚えろよ。

そうそう。マリア姉が通っていた時と違い、今回は若様経由で日本政府と痴女皇国の協力体制が組まれています。

それはいいのですが、その一環としてですね。ですね。

うん、この四人の下宿先、痴女宮。

もっかい言いますよ。痴女宮。

…いいんですかいな…いや、淫乱女皇帝だの、一部ではマリア姉を遥かに上回る上に聖院金衣女聖も含めてランキングしたらトップ3に入る性豪だのとひっどい言われようの私です。

しかもマザコンのレッテルは絶対に剥がれないだろう、このマリアヴェッラですけどね。

その私が言うのも何なんですけどね。

未成年者、それもこの時代この世界のあちこちの国の大多数の女性の倫理観で考えるならまだしも、あたしも連邦社会の常識と痴女皇国の常識くらいは切り替えて理解してますよ。

日本の女子高生を下宿させる場所なのか!なのか!と。

(せめて修学寮に出来なかったんですか…)

(美男公いわくだな、「修学寮は修学宮に通う学生や、年若い就学女官・保護児童のための施設です。今回のマリアヴェッラ陛下ご留学の目的を考えると、日本の高校生の方々は痴女皇国に対して理解や親交を深めて頂く事が目的ではないかと。それが修学寮では、寮監以外の女官との接触を絶つに近い状態ですからねぇ」と言われたわけよ。まぁ確かに未成年には甚だしくよろしくない場所だけど、今回は青田刈りが目的の一つなんだし、この段階で痴女皇国に拒絶反応を示してるようじゃ、そもそもあたしらとの接触要員としては不適格って事になっちゃうじゃんか)と、マリア姉がもっともな事を申します。

(確かに、あの子たちは一応は受験生というか学生なので、個室…それも、静謐な環境を用意して貰ってますからねぇ。あそこなら確かに悪影響は避けられますし、何より日本に近い生活が出来ますから)

そ。とりあえずこの4名、21階北側の準貴賓区画に部屋を用意させて頂きました。

22階は贅沢じゃっ…というのはともかく、21階もちょっとしたワンルーム並みの広さがありますよ。

天の声曰く「お水のお姉ちゃん向けマンション並み。シティホテルなら一泊四~六万円の通常客室」だそうでございます。

(ま、あの部屋に文句言う奴はうちの幹部で王族貴族出身でもそうそういねーよ。それと、今回は桜田先生じゃなくて智秋先生だろ。あいつ教員免許持ってんのかよ…)

(知らないわよっ。とりあえずうちの学級の副担任兼痴女皇国研究部顧問名目だって、マリア姉も保護者説明会の時に聞いたっしょ?)

えーと、わたくしの入学に先立ちまして問題が発生致しました。

というのもイタリアの国民登録では名誉国民のルクレツィア・ボルジアを母親にして父親不明としております。ますが。

実際にはジーナ母様とルクレツィア母様の子供たるあたしでございます。

ただ、この関係を通常の父母欄に入れると揉める事請け合い。

さしものイタリア政府も悩んだのですが、とりあえず父親不詳で行っちまえとなりました。

更に、今は父親役のジーナ母様は連邦社会では故人です。

ただ…学校の保護者役にジーナ母様を呼ばない訳には行きません。

何分にも連邦社会に精通してるのは母様かマリア姉。そして姉を保護者にするとこれまた戸籍上の年齢がっ…という事で名目上の母親はルクレツィア母様ですが、日本での実態保護者としてジーナ母様とマリア姉のコンビで事前説明会に赴く事になりましたのですよ。

ただ、何も言わずに行けばあんた誰とかいう話になりますので、マリア姉から若様に話を入れて頂き、書類上の保護者と実際は全く違うのが来るけど黙って話をしてくれと学校側に通告してもらいました。

実はこの痴女皇国…というか聖院もそうなのですが、痴女種が同性婚どころか同性生殖可能なのと、スティックス・スペースを利用した促成成長が可能なのが連邦側の大抵の国で引っかかる話だそうです。

例えばあたしの自動車や航空機の操縦免許などの資格取得に必要な年齢要件。

NBではマリア姉が国政選挙に出馬する事もあり、痴女種性別を新設してあっさり対応。更には成人認定問題も、学歴認定試験を設けて一般教養知識や社会常識的に問題ないなら成人処理をするよう未成年法その他を改正して頂きましたので全く問題ありません。

が、痴女種を性別として認める件について立ち遅れている連邦側ではそう簡単に事は進みません。

例えばさっき例に出した運転免許ですが、あたしが日本の道路で乱暴ルギーニを運転出来るようにするためにはイタリア側で特認を出して免許発行、さらに国際免許証を取得してやっと晴れて運転可能になりました。

実はナンバープレートや車両ID取得については日本で車両を購入した際、英国領事館の外交官車両扱いで登録しておりまして、車自体は日本で走らせる事は可能だったのですが、あたしが運転するのはもちろん、実はマリア姉もむめ…げほげほっ。

(ほんと日本に関しちゃ、外国人に簡単に住んで欲しくない事情があるのはわかるんだけどよ、日本国籍持ちのあたしでもさ、何かする度にめんどくさい国だって思うよ)

(純粋な日本国籍持ちでないと不動産契約が死ぬほど面倒だって、ルクレツィア母様がぶつぶつ言ってたわね…沖縄のママの店、結局はママの後輩をイタリアに作った会社で雇用する形態にした上で賃貸契約締結したんだっけ)

(それアメリカ支店。ニューヨークの店は合衆国法人な。あの店の存続は宙兵隊全面協力体制だからまだ何とかなるんだよ。最悪、主計局名義で賃貸すりゃいいんだから。ちなみに沖縄の方、30年契約であたしが高木まりあ名義で家賃肩代わりしてっからな。わはは)

(いっそ、あそこの建物と土地ごと買い取る?)

(それ半ばマジで考えてるけどさ、地権者がちょっとややこしい筋なんで、逆に今の方が有難いっちゃ有難いのよ。純子さんとこみたいに地回りと揉めた際みたいに、あたしらが逆らう奴潰して終わりに出来る土地ならいいんだけどさー)

(まー、イタリアでいうマフィア利権みたいなものね…)

(ちなみに潰す方法はある。山本さんもとの大将か、神野じんのの兄ちゃんに頼んで土地を売るまでヤクざ…地権者の家に化けて出させるとかな)

(確かにモンストロの親玉を恐喝犯で逮捕は不可能よね…そこらの民間人の凶器で死ぬ訳がないし)

(なおこの方法思いついたのはかーさん。あの手の男に有難い店の存在が許せない本土上がりのフェミ系活動家が騒いだ際、たまたま抗議の場に居合わせたかーさんとおかみ様が協議して、その場で山本のおっさん召喚。地元の魔物マジムンを指揮して深夜に連中の家を襲わせたところ、一週間以内に全員の居宅が空き家になった模様)

(あー、なんかそれ以来宙兵隊でお供えものして感謝の意を捧げる話になったと…)

(そそ。沖縄の奴はガチヤバ系も多いからよく効くんだわ。うちらのマジェスティックキャンセラーを使うなら話は別だけど、地元の巫女さんで使えるの探すしか手はないんじゃねぇかな。山本のおっさんが入れ知恵して石敢當いしかんどうの回避方法教えたらしいから)

(まぁ、学生さん達はいずれママの店も経験してもらう必要あるかなー)などと内々の話がありましてね。

さて、21階の準貴賓室。

別名随行員宿泊室となっておりまして、とあるホモ部屋な一室以外はツインベッド構成です。

うがじんとてっしー、あずさんとよっしーがそれぞれペアを組んでコインクリーナ…ルームメイトになってもらっています。

たのきちの時は一般人がうろつく事すら大変極まりなかった聖院宮または痴女宮ですが、放熱問題が解決した今は普通の服装で過ごして…。

「21階とかベラちゃんの部屋はマシだけどさ…それ以外は割と暑い。特に門前町に行くと死ねる」

「あの服を体験しとけと智秋さんには言われてますが、それ以前にあれの必要性が理解できます」

「確かにベラちゃん筆頭に、みんな猥褻物陳列罪だけど、ここの正義はあれだと身体が訴えるの!空調服みたいなの着るとよけい浮くしさ…湿度あるから製鉄工程より辛いよ…」

「要は私たちが日本にあれ着てる画像映像が行かなきゃいいのよ。お願い支給してベラちゃん!」

はいはい。例のアオザイでいいですかね。財務本部麾下の女官制服にまでなったあれ。

「財務女官に間違われるからだめ。あの子達は痴女皇国のお客様だし、外務部か広報部の管轄でしょ?一般女官のピンクか白がまずいなら広報の紫で行けばいいんじゃない?」と、たのきちが申します。

「しゃーねーなー。とりあえず外務部にまだ人が少ないんだし、外務職員用に作ってたのがあるから試験的に貸し出すわ。あれなら恥ずかしいとか言われねぇだろ」と、何かないかを聞きに行ったら姉が差し出してきました。サイズは聖環貸与時のついでにスキャンしてたのでステータスデータの中に入ってます。

「ベラちゃん…これ、裸より恥ずい…」

「何ですかこのものすごいスリット」

「いや、確かに服を着てる分類はされるだろうけど」

「見せてもらった懲罰服のほーがマシな気がする」

はい、皆の格好が知りたいあなた「とね かいに」でスカートの形状を察してくださいだそーです。

上半身の襟付きノースリーブ上着より濃い緑色で、蛍光ピンクのパイピングや白のアクセントラインが入った代物です。

問題はそのスカート。

ダークグリーンより少し明るい生地なのはまぁともかく、チャイナドレスよりえげつない切れ込みが腰骨の辺りまで来ています。

こんな代物なので下着はスリングショット。激しい運動はもとより、ちょっと座ったり屈むだけで殿方の視線釘付けですね。おまけにノースリーブ部も大きく開いてますからブラチラ脇チラ必須です。

見せブラよろしく、インナーは黒で統一されとりますが。

「私はコスプレ趣味とかないのですが」

「いっそベラちゃんの姿の方がすがすがしい」

いや、私の格好も大概だよ? あたし身長あるから普通に着れてるだけだし…。

で、最近の痴女宮でのマリアヴェッラさんがどんな姿か。

公務時は淡いピンク生地と金糸の上品な感じのオーガンジー素材のショールを肩にかけてる事が多いです。あと公務装備として、同じ素材のロンググローブとガーターレスストッキング、バックシーム入り。

で、身体。

ひも。

だから紐。

なんでストリング系をあたしに着せよう着せようとするのだ、マリア姉。

「お前が派手派手しいからに決まってっだろ。あたしの黄金聖闘士時代は終わったんだよ!やっとあれから解放されて清々しい気分になったあたしの解放感の現れだよ!あたしも付き合ってんだから我慢しろよ!」ちな、マリア姉は隠居の立場を示すために頭部は尼さんスタイル。シースルーですがコート状の上着もインナーも黒基調です。

「自分だけ隠してんじゃないですか!」

「るせぇっ!中身はちゃんとケツ剥き出しだ!」

とまぁ、尻を見せるのが正義な姉に押し切られまくりまして、やむを得ず痴女宮内では未成年者の方々に逆に配慮を求める有様に。

「しかしベラちゃんも大概色々やらされたのね…」痴女皇国の歩み、とか書かれた書類を端末で眺めながらあずさんがおっさいます。

若様繋がりの二人は事前予習を受けてから来ていますが、あずさんとよっしーは私のいるクラスに編入されてから痴女皇国の具体的な内容を知ることになったクチなのです。

とりあえず、あれやこれやと言う年増園を抜け出して23階の我がお部屋に移動しております。

たのきちはまだ21階でお仕事中。

「痴女皇国が固有の領土を広く持たずにバチカン方式で統治しているのは理解しましたが、言い換えれば十字軍より手広くあちこちに手を出しているとなりますか」

「そこまでやっときながら直接統治に乗り出してないのが不思議っすわ」

「あずさん。多分、この時代で痴女皇国が直接統治はまずい。めっちゃまずいと思う」

「なじぇによっしー。ベラちゃん見てたら普通に問題なく治めていると思うんだけどさ」

「例えばスペインの女王様。ハプスブルグに代わって痴女皇国とイタリアがバックについてる。そして家臣団はフェリペ二世当時の連中が半分以上残ってる。イギリスはイギリスで、エリザベス一世に代替わりしてるけど、海賊上がりの海軍がバック。つまり女王様やってる国は大抵、有能な男性のバックアップがある。イタリア大公国もしかり。デステさんの背後に聖母教会のチェーザレさんがいる」

「あー、この時代はまだまだ男尊女卑…」

しーしーそのとーり。うちでも犯罪者は男と女に分けるし、男は罪人頭ざいにんがしらを介して管理してます。いくらアレーゼさんやマイレーネさんが怖くても、あの人たちが日頃から直接管理する訳じゃないからね。やっぱり女に頭押さえつけられてさ、はいそうですかって従うM男ばかりじゃないのですよ」

「うーむむむむむむ」

「そーねぇ、うちのクラスはまだ、あたしがいるのを承知の上ですという学生さんで固めてくれてるし、男子陣からも不満の声は出てないけどねぇ、それと女が女を押さえつける。これが意外に問題が出るのですよ。ブリュントレーネさん、そーでしょ?」と、皆さんにお茶を持って来てくれた本日の皇帝室当番の女官に相槌を求めます。

「うう、思い出したくないトラウマが…まー、私の時は上司がほら、マリー様…」

そうです、この方…豚制度があった時からの生え抜きなのです。

生き残りとも言いますが。

で、豚制度を廃止した際、希望者は母国に帰国できるように取り計らいましたが…意外にも痴女皇国に残る人多数。

(そもそも国情が不安定だから攻められた訳で、戻っても今より良い暮らしが出来るとは限らない。それよりは婚活制度だの何だのと福利が充実して来ており、女官制度復活で待遇改善が確実な痴女皇国に残る方がずっとお得という意見が圧倒的でしたねぇ。私もそうでしたけど。あと、雅美様やアルテローゼ様やメーテヒルデ様が来られてからマリー様が私どもにあまり構わなくなって来たというのも大きかったです。決定打は何と言ってもリエティリーナ様が女官長に就任されてからですけどね)

「私どもが女性同士で揉めないのは、意識や思考共有があるからも大きいのはお聞き及びでしょうか、皆様方」と、学友にブリュントレーネさんがお聞きになります。

この方は現在、オリューレさんの配下ですが元来は白薔薇騎士団。

最近は内政外政も安定して来ているので、聖院時代の女官と騎士を定期的に配置転換するシステムをベースに配置交代制度を復活させておりまして、青・白・桃・赤は固定配置の方をなくす方向で進めています。特殊任務要素が強い紫と黒は現状は未定ですけどね。

これをやっている理由は勤労学生制度を拡充したいのもあります。

騎士や女官は確かに知識も共有出来ますが、例えばあたしが完全にジーナ母様やマリア姉と同じ考えや思いつきが出来るかとなるとまた別。

更には米大陸やアフリカ開発に伴い、支部方面への女官赴任需要や現地採用者の転籍転入事例も増える中、痴女皇国全体の知識水準の底上げもやって行きたいと内務官から言われまして。

そそ、うちは今、こんな感じで組織に人が配置されております。

まぁ、これもなんだかんだでコロコロ変わるんですけどね…。

上皇     マリア姉(NB赴任絶賛準備中)
将軍     アルトさん(NBに行くかまだ不明)
皇帝     あたし(マリアヴェッラ)
皇帝室    ジーナ母様と書いてむっつり助平。
内務室    初代様 美男公 オリューレさん メル子さん
女官長    リエティリーナ(理恵・りええ)さん
騎士団長   ダリアさん
財務本部長  たのきち クレーゼ叔母様
統括広報部  雅美さん 博子さん
教育部長   マリーさん(聖院派遣中)
施設部長   悦吏子(エレンファーネ)さん エマちゃん 外道丸ちゃん
海事部長   エルティレーネさん 瀬戸の凛ちゃん(紺碧騎士団長)
外事・外務部 ルクレツィア母様と書いてど助平。

欧州統括部長 マイレーネさん
東欧支部長  アルテローゼ(乳上)さん→串刺し愛人
中欧支部長  メーテヒルデ(クレーニャ)さん→鯖挟国
南欧支部長  イザベル陛下→イスパニア女王兼務
北欧支部長  ミューレンフィーネさん
英国支部長  クライファーネさん
紫薔薇欧州  サリアンさん
暗黒大陸担当 アーペディオーネさん


さぁて問題。

米大陸統括支部長のアレーゼ叔母様。

この人の指揮下にいるの、今のところ現地採用ばっかしに限りなく近いのです。

一応はミカ子ことミカエルちゃんがついてくれてますよ。

ただ、南北米大陸のだだっ広さと、痴女宮や欧州からの距離を考えますとですねっ。いくらスーパーウーマンなアレーゼ叔母様でもちょっとなぁ、なのはよく分かります。カリブの海賊退治の後でも人員補充をそれとなく無心されましたし。

(いや、人自体は足りてはいるのだよ。ただ、現地の先住民族がことごとく独自文化持ちでな…アマゾン流域の首狩り族はまだマシな方で、アステカやインカのように生贄文化が存在する国まであるんだ…出来れば有望な人材を欧州や痴女皇国に送って初期教育を受けさせて、女官としてある程度の能力をつけてから戻す方が現状ではありがたいのだ。何分にも支部建設だけでも手一杯でな。これが冷却が必要な女官仕様の建築物なら、流石の私も助けを求めるところだよ)

(マリア姉くっつけて行かせるのが一番手っ取り早い気もしますけどね。それかエマちゃん…)

(彼女達の助けも欲しいが、本当にいると有り難いのは支部経営が出来る人間だな。海賊女王の再教育とかはどうなってる?)

(とりあえず欧州統括支部管轄ですね。もうちょっと性根叩き直してから痴女皇国で本格的に指導した方がいいでしょう。特に女海賊2名)

(ナディアフィールは後数年は聖院から戻せなかったな…聖院側の私からも聞いてるが、あの子は海で留めておくには惜しい気がする。アルトの実妹らしい子だし、引き上げてやってもいいんじゃないかな)

(聖院側の海事事業人材育成次第ですねぇ。これが進まないようなら英国の国際海事教育センター計画を前倒しにして、スペインとイタリアから名目出資したらと向こうのマリア姉には言っておきましたけど。あと叔母様、最悪の場合、私が出向く事も考えております。内政は初代様や母様に任せて外政を経験しておくのも悪くはないかと)

(なかなかの心掛けだ。ま、そこまでするなら初代様を呼んでもいいかも知れんな)

(聖院側だと黒ひげのおじさんが異様にやる気ですけど、大丈夫なんですかあれ)

(向こうは少し事情が変わるからな。こちらでは聖院側で捕らえたようなのは既に捕縛したか、名を挙げる前にあらかた討伐されてしまっているからなぁ…ま、マリアヴェッラの学生生活になるべく支障が出ないようには開発を進めて行くつもりだ。機会があれば学生諸君にもこちらや欧州を見せてやってもいいかも知れんな)

(連邦側の日本だとマリア姉の時よりも更に、学卒主義や官僚制度・試験制度のせいで出世の芽が出にくくなっていますからね。そちら方面の配置者も含めて声掛けはしてみます)

(ありがとう)ってな感じです。

ですので叔母様の為にも痴女皇国の為にも、米大陸開発要員としての幹部育成を考えねばなりません。この方針はマリア姉やうちの幹部連中はもちろん、若様やうちの学級の学生にも伝えてはおります。

ブリュントレーネさんを質問攻めにしていた我が学友達に、ちょっと聞いてみまひょ。

諸君シニョーラ、黙って聞いておればさっきから何を質問しているのだね…」

「そりゃやっぱり、その、精気授受というものを…その…」

「だって興味あるかないかって言われたらやっぱり興味あるわよっ!ベラちゃんに聞いてもはぐらかすし!」

「だからって一日何回とかどういう風にするのかとか人が困る事を色々聞くんぢゃないっ…で。そんなに興味があるのならですね。あたしとブリュントレーネさんとで、ここでしてみようか?」と聞いて差し上げます。今回は一年生ばかりなので生徒会はいません。ついでに私が日常業務としてこれをしなくてはならないとはくどいほど説明しています。だから23階のあたしの部屋にあなた方を住まわせる部屋はあっても、わざわざ21階に部屋を用意したのです!本来はここに入れたくはないのですっ。

「えええええ、こここここ、ここで?」

「いやその、たまに、下の方で物陰に隠れて以下略な光景を何度か見た記憶はあるんだけど…」

「あれは時間ない時とか、やむを得ず認めた場合だけです。見ても十分に一回くらいでしょ?」前はもっとひどくて、五分に一回とか一分に一回痴女に遭うとか無茶苦茶だったのを聞かされたり知っていますが、この子達には言いません。

と言ってもグンマートチギー組は既に我々がどういう生物かを充分に知った上で来てますので、何を言ってんだこの娘どもここは痴女皇国だろうという顔ですが。

「それと、この階や21階までの上層階でこれを出来る人は結構制限があるのですよ。聞いたかな、何人卒とか言って、誰でも彼でも出来ないようになってる件」

「なんか聞いたことがあるような」

「よろしい。簡単に言います。まず、ブリュントレーネさんのステータスがこれ」と、私の聖環を使って情報を出します。「この何人卒ってところをよく見てね」

Brüntliene (Brunhilda Austrasia)ブリュントレーネ 10 thousand Suction 一万卒 Slut Visual 痴女外観 White Rossy Kinght, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団

で、私。

Mariavella Borgia マリアヴェッラ ボルジア Billion Suction. 十億卒 Slut Visual 痴女外観 Empress, Imperial of Temptress. 痴女皇国皇帝 Our Marie 2nd. 聖母

「そしてそして、お互いの聖環をかざすとですね」と、ブリュントレーネさんの左手を取って、私の聖環を重ねようとしてみます。ぱっ、と緑色に発光しました。

「で、これがね…」あずさんのお手手を取って同じようにかざします。今度は赤色発光。

「じゃ、今度はおキヌちゃん、ブリュントレーネさんの聖環と自分の聖環、近づけてみて」

「はいっ」で、今度は双方グリーンサイン。

「しからば、よっしーとブリュントレーネさん」ところがレッドサインが出ます。

「ふっふーん。これ、何か分かりますか?」と、あたくし聞いてみます。

「えー、もしかして精気授受行為可能サインでしょうか」

「はい、あずさん正解。あたしは特に誰でも彼でもという訳ではいかないのです。実は私の相手が万卒以上でないと安全に、彼女達に還元分を渡せないのがわかっています。ま、あたしだけじゃなくて女官同士でもこんな感じの精気取り扱い量ランクがあって、一定以上の格差があると危ない。だからチェック機能を使って緑色信号ならおっ始めてバベーネおっけー

「はぁはぁなるほど、しかし、おキヌちゃんが緑色になってたのは何ででしょ」

よっしー鋭いな。黙ってようと思ってたのに。

「まぁ、ゆっきーとおキヌちゃんは実は痴女化してます。理由は、あたしと長時間いると危ないから。あ、あずさんとよっしーは一応対策してるけど、対策の仕方が全く違うのよ」と、

Yukiko Ugajin 宇賀神雪子 Thousand Suction(10 thousand Suction)千人卒(限定万人卒) Pure female Visual 女性外観 Guest.(Ministry of Interior, Imperial of Temptress) 痴女皇国内務室所管滞在客

Kinue Teshigawara 勅使河原絹江 Thousand Suction(10 thousand Suction)千人卒(限定万人卒) Pure female Visual 女性外観 Guest.(Ministry of Interior, Imperial of Temptress) 痴女皇国内務室所管滞在客

Azusa Iokibe 五百旗頭梓 Human(Antibody Slut absorption)人類・痴女化抗体接種済 Pure female Visual 女性外観 Guest.(Ministry of Interior, Imperial of Temptress) 痴女皇国内務室所管滞在客

Yoshiko Sikasu 四十洲芳子 Human(Antibody Slut absorption)人類・痴女化抗体接種済 Pure female Visual 女性外観 Guest.(Ministry of Interior, Imperial of Temptress) 痴女皇国内務室所管滞在客

ええー、二人だけ痴女化してるーと、非痴女種な状態の二人が文句ありげに言います。

「これあずさん、よっしー。百人卒でもある現象が起きるのですよ。例えば、うちの内務室にラドゥ三世殿下、通称美男公がいますね? この人見て抱かれたいと思う?」と、美男公のブーメランぱんつ画像を見せます。

「ぬうう何じゃこのイケメンはっ」

「イケてるってレベルじゃねーぞおいっ」噴き上がる二人ですが、連邦史実でも痴女皇国世界でも、この人がほもなのを知らんのかい…。

「で、ブリュントレーネさん、ゆっきー、おキヌちゃん。美男公とあたしがここにいて、両方と出来るとしましょう。先にどっちを選びますか。ちなみにブリュントレーネさんはこういう事で私に忖度する人ではありません。自分の好みで選んでくれます」

「ベラちゃん」

「ベラちゃん」

「陛下が先ですね。24センチ砲の威力は私も存じておりますので」何やら自慢げなブリュントレーネさんです。ふっ、小娘どもめ、私のぴーたー・のーすせいえきめちゃおおいの味を知らぬとはマンモス憐れよのぅと目が語っております。

「え、ベラちゃんってそんなに大きい…」よっしー、注目点はそこかよ。そうじゃないのよ!

「よっしー。つまり、ベラちゃんの言いたい事ってさ、もしかして痴女化すると男性に興味が行かなくなるのでは…」

「はいあずさちゃん正解ですっ。特に千人卒以上だと男性が犬猫のように見えてしまうのですよ。ですので、ここの女官執務区画も10階から下と上で使う女官のランクを変えていますし、案内する参拝客の方も上の階には限定した人…頂くお布施はもちろん、妻帯者ですとか、今後痴女種以外の普通の女性に興味を持てなくなっても咎め立てて騒ぎませんと誓約してもらうとか、こちらの出す条件に適合する方しか上がれないようにしてるんですよ。千人卒から上は、一般男性の場合痴女種から離れられなくなるだけでなくて生命の危険すらあるんです。極端な話、ここの第一下足処の待合区画にいる適当な参拝客の方とあたしがすると、相手は確実に数秒で死にます」

「特にマリアヴェッラ陛下。この方は聖院の歴代金衣女聖含めて上位三位に位置付けられる制限者なのです。初代様とクレーゼ様、そして陛下ですね。具体的には初代様はまだしも、クレーゼ様は千人卒、マリアヴェッラ陛下は万卒以上でないと還元される精気量が多すぎて消化処理できずに死に至るのですよ。更に言いますと、普通の人類なら陛下のお側に長時間いるだけでも危険なのです。陛下付きの女官は万卒以上が必ず必須条件になっているのもこれが理由なのですよ」と、あたしの説明を優しい笑顔で補完してくださるブリュントレーネさん。

「しかしですねぇ、痴女の生態というものを知りたい二人の気持ちもわからなくはありません。幸いにして今は夜七時です。ちょっと一時間ばかり社会見学したい人は挙手してください」全員、手を挙げるのかよ…。

(陛下、可能でしたら私もお付き合い致しますよ。上司に一言入れて頂ければ、明日も夜番ですし…)

(はいはい。えーっと、オリューレさんで良かったんですかしら)

(ええ、メルトリューレ様でも…やっぱりオリューレ様で)ああ、いまだに信頼回復ならぬメル子さん、憐れ。

(陛下、オリューレです。ブリュントレーネの外勤直帰承認を出しました。しかし、今、淋の森に行かれても今はあそこは陸橋付近は外交官舎ではないでしょうか…あの辺で利用者がいるのは多少離れた場所になりますよ?)

(あ、大丈夫大丈夫。この子達を連れて行きたいのは淋の森じゃなくて純子さんのお店ですよ、クラブジュネス。あそこなら今からお客様入ってるし、連れ出しもあるでしょ)
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