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狂気の新旧交代劇・冠婚葬祭一挙挙行編
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「はぁ、やっぱり闇落ちマリア枠なんかよ」
「仕方ねーじゃん、痴女皇国の話なんだし」
「とりあえず今回、どっちが話すんや。新旧聖女が両方マリアな訳やけど」
「それともう一つ問題がある。物理的にはるっきーはベラ子を孕んだ。つまり、聖母候補だ」
「あ、それについては本人から辞退の申し出があった」
「ええ、マリアヴェッラの本心を鑑みるだに、あたくしが聖母に取り立てられるのはまずうございます。やはり、初代聖母がふたりの聖女をこの世に導き、更に次なる聖女に相応しき子を今際の際にみごもらせた。その子が次の聖女となりマリアヴェッラが二代目聖母を目指す流れがよろしいかと」
「はぁー、その流れで行くとるっきーはエマニエルを三代目聖女にと考えるわけね」
「あまり真面目にはべんきょうしてはおりませぬが、例のいえめん宗教を学ぶにつけ、聖職は血統主義ではなく、聖なる奇跡を披露できる実力がないと信仰は得られぬかと」
「本音は…聖母なんかになったら好き勝手遊べないと」
「いえいえ、ジーナ様を見てますと、その辺の心配はあまりないとは思うのですよ。ですが、聖母として認められるには地下の方々ですか、あのご先祖様の集いの合議がないと厳しいでしょう。で、今のわたくしがあの方々に認めて頂けるかと考えますと…まぁ、今回の葬儀と戴冠式、あたくしが出しゃばらぬ方が恙無く進むかと思いまして」
「ま、外遊部長としては出席してやってくれ。あと、カシウスとロンギヌスの母親でもあるんだ。それは誇ってくれよ。皆への正式なお披露目はこの葬儀が初めてだが、既にアレーゼおばさまからも実力評価は貰っているからな」
「そういえば今日か明日あたりやろ、比丘尼国から帰る三人が乗る船が来るの」
JNSDF DDCV-198"Kaga". Temptress World. Maizuru, Kyoto-Pref. Japan Sea.
「え?加賀さん舞鶴におるやん。向こうの元伊勢やったら宮津か天橋立ちゃうんかいな」
「いや、舞鶴でないと無理なはずだよ。同寸のテンプレスでもいい加減でかいのに、随伴艦としてレパルスがくっついてるんだ。宮津ならかなり沖合でないと喫水で引っかかるし、人魚の縄張りに影響が出るからだろ。舞鶴には確か「舞鶴商会」って名前の朝廷御用達の廻船問屋がある筈だし、どっちも異様にくそ馬鹿でかいだけで、一応は船のなりをしてるから宮津よりは驚かれないって判断じゃねぇか」
「アークロイヤルでなくてレパルスかいな」
「大江山への貢物…主に日本酒の運搬業務があるからスケアクロウの運用作業が必要みたいだな。あれ、結果的にスケアクロウ母艦というか特殊戦部隊母艦みたいになってるからなぁ。飛行甲板も改装でスケアクロウ専用エレベーター付けたみたいだし」
「あのクソ馬鹿でかい奴専用のんかよ…」
「今回はVIP用客室モジュールを押し込んでるから2機しか積んで来てねぇな。しかも1機は甲板係留だぜ」
「宇宙空間飛行なしにNBから飛ばして来たんかいな…無茶すんなぁ…」
「あと、例の鬼さんを見せたくない件で、かがの艦載輸送機を向こうが拒んだのもあるな。スケアクロウならギリギリまで無音で降りれるし、でかい天狗と思ってくれるみたいだ。あれで垂直離着陸もできるからICD/Gさまさまだぜ」
「あれ考えてみたらスティックス・ドライブ機能やタキオン射出機能がないだけでMIDIの動力システムほぼまんまの多重空間外燃対消滅機関なんよなぁ」
「あ、今回、向こうに通告済みでマジェスティック・キャンセラーアクティブレベル1であたり一帯の能力者封じをやってるから。あれ見て万一、攻撃されたら困るって事で。今なら鬼でもプロレスラーに毛が生えたくらいの体力しかない筈だ」
「巫女業務に影響出てへんやろな…」
「大江山のてっぺんの一角だけは外してる。それと、舞鶴沖を発艦してから、向こうで荷物を積み下ろして異動者と転勤荷物を積み込んで帰投するまでの2時間くらいかな」
「こっちからは既にベル君行かせてるん?」
「慣熟研修で派遣してるけど、かーさんの葬儀で一旦はこっちに戻る。で、その関係が片付いて、プラウファーネさんとエレンファーネとの引き継ぎが終わり次第、二人を転送で送り込む。ベル君も姉さんに合わせた体にしてるけど、それに見合った強さになってるからな。通常時百万吸卒、ご先祖様ブースト召喚機能付き痴女皇国環起動したら60分限定で一千万吸卒以上。これで向こうの鬼頭と互角以上らしいが、他は百万卒未満らしいんだわ」
「鬼以外にも色々おると聞いたが、大丈夫かいな」
「あそこの人外連中な、うちら同様に分散コンピューティングみたいな技が使えて一千万卒以上になれるのがふた柱いるが、手下含めて能力の浮き沈みがかなり激しいのと、人を怖がらせたり驚かすのが生き甲斐らしいからあんま実害ないとプラウファーネもエレンファーネも言ってる。従って鬼さえキャンと言わせたら何とかなるそうだ。んで、ベル子には乳上譲りのわがままボディと黒蛇仕様の赤戦闘服姿で行って貰ってる…で、妖怪頭の二柱以外はこぞって女好きだ。さらに大巫女様も女将軍様もちんぽ好き女好きで、とどめにうちらと理屈は違うが、結果的に女体でありながらちんぽも出せる痴女仕様だとさ。もう、ベル子に乳上ボディ与えた訳がわかったろ?」
「で、当のベル子はなんと」
「最近は姉様があまり相手出来なくなってお互い寂しいのだが、気晴らしにも良いだろうと」
「まぁ、寂しくなったら東欧に行かせるか、乳上が来やすいように整備してやろう」
--
という訳で皆様。
葬儀当日です。
ただいまは痴女宮の大講堂にて聖母様葬儀の開会宣言を喪主のマリア姉様…今回は合同喪主という事で白いマリア姉様と黒いマリア姉様双方が舞台に立っておられます。
式典の模様はわたくし、マリアヴェッラが語らせて頂くことになりました。
で、まずは葬送される当の本人のジーナ様、我が母にして聖母のご挨拶を頂きます。
この挨拶の内容は18歳未満禁止にしなくても大丈夫という事で、「こんにちわ、マリア」の方に掲載されておりますとの事。さすが我が母という内容ですので宜しければご覧下さいませ。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/30/
さて、舞台直前にお座りの中に、サングラスかけて軍服姿の女性と、伊達眼鏡にスーツという服装の少年が。
(いや、ゴルディーニのおっさんが遺骨拾う際に使う箸が使った事ない言うしさ、かと言って黒マリと白マリは一番肝心な喉仏系統の遺骨…痴女宮に保管される分を拾う言うから、あたし呼ばれた訳よ。まぁ、埋まってるパーツはあたしも見当つくし、ゴルディーニのおっさんも側におるから拾い漏れはないと思う。難点は、自分で自分の遺骨を拾うのが違和感というか気色悪いというかくらいやなぁ。…あ、クリスも自分で自分の遺骨を拾うというか、日本の仏式葬儀に挑戦する模様。なんでもワーズワース卿の死亡時に、この日本式を採用してみるかと思ってるからその際には長男のクリスが担当になるだろうと練習させられるらしい。おい)
そうです。白…聖院サイドのジーナ母様がクリス叔父様を伴って出席されておられます。
流石に来賓挨拶の時も飛ばされましたが、自分で自分のお葬式にご出席というのも何かこう、気恥ずかしいという事で照れ隠しのサングラス着用を認められております。
あと、まぁ…なんで死ぬはずの奴がいる、それも二人もというあらぬ話にならぬようにと、変装の意味も含んでおります。誰か丸わかりですが。
で、壇上からジーナ母様が降りてこられて中央の扉より表に出られます。
実は大講堂の中央扉を開くと、痴女宮中央の参道真正面に出ます。そして左右に階段。
(この大講堂入り口、実は普段は可動式の階段で蓋してるからな。式典の時には注意しーや)
ここで一旦、黒アルト様の先導でジーナ様は左、白アルト様の先導でクリス様は右の階段を昇られます。
そして痴女宮正面入口で、舞台からここに転送で飛んだ喪主2名とサリーねーさんの出迎えを受けます。
では、あたくしはどこに。
正面中央から、白ダリア様を伴って登場。
あたくしはジーナ母様、ダリア様はクリス叔父様の手を取り、聖炎宮直通エレベーターへの通路に…の前に、親類縁者との最後の別れの場が、この痴女宮一階の広間…ロビーで設けられます。
先程の軍服姿の女性と少年もやって来ました。
ジーナ母様と「え?お前も焼かれるんちゃうん」とか言い合って頭を締め上げられたりしています。
少年同士で握手したり、言葉を交わしておられますね。もう誰か丸分かりなので、いっそ壇上の挨拶をしてもらう方が良かったかも知れません。
実は、この儀式が単なる葬儀ではないという事を知らしめるため、敢えて普通は行うであろう別れの言葉をご遺族や縁者の方々からこの場で頂くことはお控え願いたい旨の案内をしていたそうです。それにつきましては連邦やNB各地で行われるそれぞれの葬儀にて、と。
なんせ、痴女宮では焼かれて数分しないうちに本人お二人は女官に憑依してわたくしの戴冠式で祝いのお言葉を述べて頂けるそうですので、死者を弔う厳粛な雰囲気はどうせぶち壊されるという判断だそうです。
まずは肉親ということで高木義夫様とまりあ様、マリアンヌ様、スザンヌ様、そして会社の武内様がご挨拶を。続いてクリス様の肉親のワーズワース大公、フレデリック様を伴ったアグネス様がご挨拶を。
更にジーナ母様とクリス叔父様はNBの軍・政府関係者代表様に続いて連邦のラッツィオーニ大将、ゴルディーニ准将からお別れのお言葉を受け取り、ご挨拶を交わします。
で、一気に聖炎宮まで転送しない理由。
それはもう、それなりの儀式です。やはり時間をかけ手順を踏みという事で、両マリア様とご先祖様方はもとより、この儀式で焼かれ送られる当のご本人までもが加わり会議を重ねて式次第を決定したそうです。
そこで歓談している本人は「なんで死ぬ予定の人間が自分の死ぬ手順を決めるのやあああ、あたしは加賀百万の殿様みたいに、自分の葬式に参列する大名の座る席順とか分配する財産目録まで決めて配るほど神経質な人間ちゃうぞおおお」と嘆いておられましたが。
そしてエレベーターまでの先導は…喪主の2名と、他ならぬあたくし。
うう、緊張する。
この式までの間に慣れるため、二代目聖女正装を普段から着用しとけと言われていた理由がよくわかりました。
こちらは楽屋側の連絡階段を通って待ち構えられていたプラウファーネ・エレンファーネ・クリサンサマーネの地下担当三女官が、エレベーターに乗る順番に皆様を分けられます。
かなり大型のエレベーターですが、詰め込むのもという事でエレベーターに乗るのは三人のマリア姉妹とおくりびと2名。そして軍服女性と少年です。
プラウファーネさんとクリサンサマーネさんが乗り込まれて出発。
すぐにエレベータは止まります。プラウファーネさんの先導で一行はエレベータを出て船着場へ。
といっても廊下の先の扉の正面に赤い絨毯が敷かれており、その先が聖炎宮への浮橋へと繋がっています。
船着場にはレパルスとかが、そしてイタリア軍のポーラが停泊しています。
テンプレスとテンプレス二世は、聖炎宮島を挟んで停泊しており、いざというときの粒子格子保護場を構築して周囲への物理被害を防ぐ役目を担っているそうです。
(あの例の儀式は見せないように視覚阻害結界を張るから心配すんな)とジーナ母様からお話が。
で、エレンファーネ様とご遺族の方々他が到着。
アレーゼ様やマイレーネ様他、幹部騎士や女官も転送などで上がって来て配置につきます。
「では、行ってまいります」ジーナ母様とクリス叔父様、そして白ダリア様と軍服女性と少年は、喪主とわたくしの案内で浮き橋へと足を進めます。
黒マリア姉様が近づくと、聖炎宮に入るための扉が開きました。ここからは「本当は金衣女聖に該当する方々」以外は入れない儀式の場です。
しかし、ダリア様は…まぁ、以前のお話を覚えておられる方ならご存知ですよね。
救世主に付き従う従者ミハエルをここで懐妊するという重責を担うためです。
そして…扉が閉まると、軍服女性と少年は光に包まれます。
ええ。もう正体バレバレですが白ジーナ母様と白クリス叔父様です。
このお二人がいる理由。遺骨収集。
それだけではありません。今日、この場で確実にミハエルとエマニエルは懐妊されねばなりません。
万一の黒ジーナ様と黒クリス様の体調激変に備えてのバックアップ要員です。
このために一旦、お二人とも痴女体質に体を戻しておられます。
クリス様は勝負服というチノパンとワイシャツ姿でワーキングブーツを履いておられますが、この格好で地を這う作業をされていたのだとか。
そして白ジーナ様。聖院聖母正装です。
白ベースのどすけべ衣装。
白クリス様が黒ジーナ様とあたくし、白ジーナ様が黒クリス様と白ダリア様を寝台に導きます。
で、あたくし。
聖女正装を可変させます。
ばっちこーい。
確実に妊娠するために正常位。あたくしが寝台に寝ます。
いくで。
「待てっ黒うちにベラ子!あたしらをよう見ろ」
「え」
「待て白うち!よりによってそんな縁起の悪いものをこの場に持ち込む気ぃか!」白ジーナ母様の衣装…黒ジーナ母様と同じスリングショットですね。
いえ違います。
虎柄です。
更に、黄色と黒のはっぴというのですか、前が開いた上着。
そして白クリス叔父様、オレンジ色のぱんつに似た色のTシャツ。胸には33-4と書かれた数字が。
これ何か意味あるんですか。
(あかん、あれは…あれは不吉な数字や!そしてあいつらの着てる衣装見てみろ!あれはどちらが勝っても大阪に不幸を呼び込む不吉な衣装なのや!あれは甲子園か後楽園に封印されねばならない服なのや!懲罰服どころやない悪魔の服や!)
「はぁーっはっはっはっ!更にかーさん!この眼鏡をかけたおぢさんの像をご覧なさい!あの核攻撃ですら焼け残った呪いの像よ!大阪市から借りて来たわよ!」
「ぐぁあああああ!おのれらよりによって何を持ち込むねん!」
「はっはっはっはっはっ、黒かーさんとベラ子の交尾が失敗すればエマニエルは白かーさんと白とーさんに孕んでもらう。そして…この不幸の像は聖院湖に放り込まれるのだ!」
「アホかーっ!そんなもん投げ込むな!ここを廃墟にする気か!」
「うふふふふ。回避方法はあるわ。黒かーさんとベラ子にはこの衣装よ!」
「ぬ、これは…ヒョウモンダコ柄!」
「違うわ!大阪のおばはん標準装備柄じゃ!あんたが知らん訳があらへんやろ!」
「え…と…このレオパルトというかパンテラ柄に何か意味が…」
「ふふふふふ、ベラ子さん。これがイタリアのマンマすらドン引きする大阪のおばちゃんの基本的衣装の意匠たる豹柄よ!年齢も外観も引かず媚びず顧みずにこのド派手な柄の服を着る厚顔無恥なド厚かましさがないと世紀末でなくても大阪では生きていけないのよ!これを装備した大阪のおばはんはマイレーネさんでも攻撃を躊躇するくらい強大な存在に変化するのよ!」あの…聖炎宮の外から皆さんの笑い声が聞こえて来てるんですが…。特にマイレーネさんとアレーゼさんの大爆笑する声が…これ、お葬式ですよね…。
「はっはっはっベラちゃん、この状況に打ち勝って孕めば女帝や!わたしら全員どころかご先祖様すら平伏する二代目聖女様や!…おいあたし、似た状況でアルト孕ましてサリー産んだ記憶忘れたか!先に孕んだ方がエマニエルや!行くぞクリス!」なんか白クリス叔父様、めっちゃ迷惑そうですが…。
(この暴走さえなかったら申し分ない妻なんですよ…今やダリアは僕にとっては、生ハムに添えるメロンなのです…で、パルマの高級ハムが妻ですね)おじさまうまい。クッション十枚。
で、すでに白ダリアさんと始めておられますけどうまくタイミングを計っている黒クリス様も。
(そーだよねー僕。基本的にジーナさんって照れ隠しの傾向強いから、こういうときはお酒飲んでないのにテンションレッドゾーンになるよね)
(あ…聖院の方の僕はオキナワの惨劇があるんだったね…痴女宮サイドはマリアが痴女皇国造るまでは割と平穏だったんだけど…あ、でもマリアンヌが出来た後に多少あったか…)
(あーそうか、僕らもマタニティタイムは普通に過ごしたから、産後にジーナさんが身体を戻してからがもう大変で大変で)
(でもさ、マリアンヌちゃん、普通の人間のはずなのに痴女属性ついてない?なんか今後が不安で不安で…)
(言うな僕。こちらは多分、確認はこれからなんだ…まぁ、痴女になってたらなってたでそれはDon't mindだよ)
(そーだね。うちのマリアンヌの方もよろしく頼むよ)
(…あー、多分1年しないうちにマテリアルボディを痴女宮に届ける未来しか見えない…)
で、クリス様同士でマンマに悩まされている旦那の会話を交わしておられますが、あたくしたちもやる事はやっとりますよ。
ふふふ。
イタリア女の血をお甜めでないわよ。
「ああっその野獣柄に相応しい激しさは最高でございます母様!マリアヴェッラもただいまは獣です!あたくしの身体全てをご記憶下さい!あたくしの身体で召されてくださいまし!」
そう、戦っております。愛を授かるためのいくさをしております。
負けますかいな。
歴史に名を残した淫乱貴人の娘ですよ、あたくし。
ボルジアの名にかけてこのいくさ、勝ってみせましょう。
甘い毒の言葉と仕草でおかーさまをその気にさせとります。痴女皇国の興廃、この一戦にあり。
更に、これはあたくしとおかーさまの、とりあえずは生身の身体の最後の愛の交わり。
おかーさま合意の元、数日前から今朝に至るまで地味に仕込みをさせていただきました。黒クリス様、白ダリアさん。そしてあたくしとおかーさま。
まず、今朝方仕込んだのはIniezione di aglioです。
日本語ではお注射です。
何をぶち込んだか。
カンタレッラじゃありませんよ。
痴女体質には効きませんがな。
そう、我が国の料理でオリオ同様に多用しまくるニンニクです。
ニンニク注射って聞いたことありますかしら。
更に我が国は誇っておりませぬが、生涯に一千人のおなごとまぐわったジャコモ・カザノヴァ。性豪カザノバとして日本の皆さまにも知られたこのおっさん、痴女皇国世界ではまだ生まれていません
が、連邦世界を知るわたくしは存じておりました。
このカザノヴァの性豪たる秘訣の一つに、オストリカ…オイスターという方が皆様にはピンと来るでしょう。つまり牡蠣です。
カザノヴァは一晩に牡蠣を50個も食べて子種生産の原料たる蛋白質を摂取していました。それだけじゃありません。
以前、おいもの話が出たのをご存知でしょうか。あのサイレントヒルなる日本の地方のみならず、各地で強精食として珍重されたあの自然薯という芋です。
あのお芋や豚肉よりも更にOstricaには、あるものが多量に含まれています。
元素記号Znというそうですね。ジンク、つまり亜鉛です。そう、とあるインテルネットとやらではジンクでちんぽをスパシーボな状態にする効果があると評判の栄養素です。
ええ、エレンファーネ様の手引きで瀬戸内海という海の人魚衆が採集してくれたという、このオストリカが大量に届いていました。
普通ならすぐ死ぬはずですが、瀬戸のやくざ人魚、海のマフィア軍団の精気を受けてピンピンしてるものが海水入りの樽いっぱいに。更に干物も。
更に、日本に移住したアルトリーゼ様のご実家からはオレッキャマリナ、またはアバローネ。つまりアワビです。これは干物にしていたものが。
で、エレンファーネさんに取り憑いているタマモさんというきつねの化け物な女性の知識で「わっちが言うものを集めて干物乾き物を作るでありんす…外道に言えば片端から集めて来よります。それを痴女の力でじわーと乾かせばよろし。然るのちに野菜クズで湯を作り、濾した上澄みを卵の白身を入れてひと煮立ちさせて清めてから、更に上等の豚肉火腿で濃厚な湯に仕上げるでやんす」
「で、ここな寸胴鍋に専用の陶器壺を入れ、干物のたぐいを壺に放り込んでから仕上げた湯をこう注いで…紙で蓋して紐で縛るでやんすよ。更に鍋に水を注いで日が昇ってから沈むまで、水を煮えばなギリギリに保って壺を茹でるでありんす。途中で壺の中に湯を時折り足していかないと空煮えになりますよって、常に鍋の横についておらねばなりませぬえ」
「この出来た濃い上等の湯で干しアワビを戻して食すがよろし。これが伝説の死人ですら魔羅が勃つわ、肉を食うてはならぬ筈のぱんちぱーまかハゲた男でも、上湯の芳香に誘われて魔羅を勃てて寺の壁を飛び越えてくる牆のちからでありんす。夫婦でこれを食ろうて、何としても子を授かるのでやんすよ」
ええ、わたくしどもは夫婦じゃありませんが、言われたとおりに拵えたミネストラを頂きましたが…。
何ですかこの超絶に濃厚なスープ…という方が日本の皆様には伝わりますよね。このスープだけでお腹一杯になりそうな芳醇な味わいです。
壺の中の干物はこの濃厚なスープの代償に、全てスカスカの出涸らしに成り果てていました。だが、それだけの価値はありますねこれ。
更にこのスープを使って亀のおなべ。これは比丘尼国のオオタケさんという幹部の方が凶暴な亀と、それを鍋料理にするための専用の真っ黒で底の浅い鍋を用意してくださいました。
これはマリア姉が料理の仕方をある程度知っていましたので、高い火力がいると慎重に作っていましたが、これはまた素晴らしい味でした。極東の料理にもグラッツェなものが多いのですね。
更にはえびおすなる粉薬に、こえんざいむなんとかやまかえきすなる丸薬。
そしてお菓子にはショコラータ。これ男性や、お付き合いしてる殿方いらっしゃる女性の方、ちょっと注目。上等でカカオを使い惜しみしていなくて変にデコルテしてないチョコレート、ちんぽに効きますよ…ふふふ。
あまり量を摂りすぎると普通は毒になるらしいですが、そこは痴女の体質に賭けます。
結果。
「なぁ…ベラちゃん。うちらこんだけ精力的なもん、数日にわたって食うてるやん。これはどう考えても結果的に中原龍皇国でいう薬膳、薬の役を果たす料理になっとんねん。実際にうち、ギンギンでビンビンやしベラちゃんもやろ。これ…あたし、死ぬどころか長生きせぇへんか心配で心配で」普通なら死にたくない方向に行くと思いますよ、おかーさま。
なお、これだけのものを食べたら男はハゲて精力絶倫になるそうですが、頭を剃る風習のある駄洒落宗なる宗教の方から「パゲと剃髪は違うのよ一向一揆衆招集!」と、けんかを売られる話にもなるそうですが、ようわかりませんね。
とりあえず下半身には健康すぎる食生活に生きたわたくしどもです。
ジーナ母様のラスプーチンちん、イタリア男も真っ青な大量射精をわたくしに決めはりました。
(マリアヴェッラ着床確認!)
(白ダリア着床確認!白マリ!ベラ子とダリアを仮死状態へ!スティックスドライブレベル4起動!)
(待て…白かーさん追加!)
(えええ?ちょっと白かーさん何やってんの!これ予定外じゃん!…いいわ!とりあえず白かーさん追加で腹ボテにしてくる!)焦っているマリア姉の声が脳内に響くなか、あたくしは強制的に意識を奪われました。
…大丈夫かな、かあさま…
「仕方ねーじゃん、痴女皇国の話なんだし」
「とりあえず今回、どっちが話すんや。新旧聖女が両方マリアな訳やけど」
「それともう一つ問題がある。物理的にはるっきーはベラ子を孕んだ。つまり、聖母候補だ」
「あ、それについては本人から辞退の申し出があった」
「ええ、マリアヴェッラの本心を鑑みるだに、あたくしが聖母に取り立てられるのはまずうございます。やはり、初代聖母がふたりの聖女をこの世に導き、更に次なる聖女に相応しき子を今際の際にみごもらせた。その子が次の聖女となりマリアヴェッラが二代目聖母を目指す流れがよろしいかと」
「はぁー、その流れで行くとるっきーはエマニエルを三代目聖女にと考えるわけね」
「あまり真面目にはべんきょうしてはおりませぬが、例のいえめん宗教を学ぶにつけ、聖職は血統主義ではなく、聖なる奇跡を披露できる実力がないと信仰は得られぬかと」
「本音は…聖母なんかになったら好き勝手遊べないと」
「いえいえ、ジーナ様を見てますと、その辺の心配はあまりないとは思うのですよ。ですが、聖母として認められるには地下の方々ですか、あのご先祖様の集いの合議がないと厳しいでしょう。で、今のわたくしがあの方々に認めて頂けるかと考えますと…まぁ、今回の葬儀と戴冠式、あたくしが出しゃばらぬ方が恙無く進むかと思いまして」
「ま、外遊部長としては出席してやってくれ。あと、カシウスとロンギヌスの母親でもあるんだ。それは誇ってくれよ。皆への正式なお披露目はこの葬儀が初めてだが、既にアレーゼおばさまからも実力評価は貰っているからな」
「そういえば今日か明日あたりやろ、比丘尼国から帰る三人が乗る船が来るの」
JNSDF DDCV-198"Kaga". Temptress World. Maizuru, Kyoto-Pref. Japan Sea.
「え?加賀さん舞鶴におるやん。向こうの元伊勢やったら宮津か天橋立ちゃうんかいな」
「いや、舞鶴でないと無理なはずだよ。同寸のテンプレスでもいい加減でかいのに、随伴艦としてレパルスがくっついてるんだ。宮津ならかなり沖合でないと喫水で引っかかるし、人魚の縄張りに影響が出るからだろ。舞鶴には確か「舞鶴商会」って名前の朝廷御用達の廻船問屋がある筈だし、どっちも異様にくそ馬鹿でかいだけで、一応は船のなりをしてるから宮津よりは驚かれないって判断じゃねぇか」
「アークロイヤルでなくてレパルスかいな」
「大江山への貢物…主に日本酒の運搬業務があるからスケアクロウの運用作業が必要みたいだな。あれ、結果的にスケアクロウ母艦というか特殊戦部隊母艦みたいになってるからなぁ。飛行甲板も改装でスケアクロウ専用エレベーター付けたみたいだし」
「あのクソ馬鹿でかい奴専用のんかよ…」
「今回はVIP用客室モジュールを押し込んでるから2機しか積んで来てねぇな。しかも1機は甲板係留だぜ」
「宇宙空間飛行なしにNBから飛ばして来たんかいな…無茶すんなぁ…」
「あと、例の鬼さんを見せたくない件で、かがの艦載輸送機を向こうが拒んだのもあるな。スケアクロウならギリギリまで無音で降りれるし、でかい天狗と思ってくれるみたいだ。あれで垂直離着陸もできるからICD/Gさまさまだぜ」
「あれ考えてみたらスティックス・ドライブ機能やタキオン射出機能がないだけでMIDIの動力システムほぼまんまの多重空間外燃対消滅機関なんよなぁ」
「あ、今回、向こうに通告済みでマジェスティック・キャンセラーアクティブレベル1であたり一帯の能力者封じをやってるから。あれ見て万一、攻撃されたら困るって事で。今なら鬼でもプロレスラーに毛が生えたくらいの体力しかない筈だ」
「巫女業務に影響出てへんやろな…」
「大江山のてっぺんの一角だけは外してる。それと、舞鶴沖を発艦してから、向こうで荷物を積み下ろして異動者と転勤荷物を積み込んで帰投するまでの2時間くらいかな」
「こっちからは既にベル君行かせてるん?」
「慣熟研修で派遣してるけど、かーさんの葬儀で一旦はこっちに戻る。で、その関係が片付いて、プラウファーネさんとエレンファーネとの引き継ぎが終わり次第、二人を転送で送り込む。ベル君も姉さんに合わせた体にしてるけど、それに見合った強さになってるからな。通常時百万吸卒、ご先祖様ブースト召喚機能付き痴女皇国環起動したら60分限定で一千万吸卒以上。これで向こうの鬼頭と互角以上らしいが、他は百万卒未満らしいんだわ」
「鬼以外にも色々おると聞いたが、大丈夫かいな」
「あそこの人外連中な、うちら同様に分散コンピューティングみたいな技が使えて一千万卒以上になれるのがふた柱いるが、手下含めて能力の浮き沈みがかなり激しいのと、人を怖がらせたり驚かすのが生き甲斐らしいからあんま実害ないとプラウファーネもエレンファーネも言ってる。従って鬼さえキャンと言わせたら何とかなるそうだ。んで、ベル子には乳上譲りのわがままボディと黒蛇仕様の赤戦闘服姿で行って貰ってる…で、妖怪頭の二柱以外はこぞって女好きだ。さらに大巫女様も女将軍様もちんぽ好き女好きで、とどめにうちらと理屈は違うが、結果的に女体でありながらちんぽも出せる痴女仕様だとさ。もう、ベル子に乳上ボディ与えた訳がわかったろ?」
「で、当のベル子はなんと」
「最近は姉様があまり相手出来なくなってお互い寂しいのだが、気晴らしにも良いだろうと」
「まぁ、寂しくなったら東欧に行かせるか、乳上が来やすいように整備してやろう」
--
という訳で皆様。
葬儀当日です。
ただいまは痴女宮の大講堂にて聖母様葬儀の開会宣言を喪主のマリア姉様…今回は合同喪主という事で白いマリア姉様と黒いマリア姉様双方が舞台に立っておられます。
式典の模様はわたくし、マリアヴェッラが語らせて頂くことになりました。
で、まずは葬送される当の本人のジーナ様、我が母にして聖母のご挨拶を頂きます。
この挨拶の内容は18歳未満禁止にしなくても大丈夫という事で、「こんにちわ、マリア」の方に掲載されておりますとの事。さすが我が母という内容ですので宜しければご覧下さいませ。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/30/
さて、舞台直前にお座りの中に、サングラスかけて軍服姿の女性と、伊達眼鏡にスーツという服装の少年が。
(いや、ゴルディーニのおっさんが遺骨拾う際に使う箸が使った事ない言うしさ、かと言って黒マリと白マリは一番肝心な喉仏系統の遺骨…痴女宮に保管される分を拾う言うから、あたし呼ばれた訳よ。まぁ、埋まってるパーツはあたしも見当つくし、ゴルディーニのおっさんも側におるから拾い漏れはないと思う。難点は、自分で自分の遺骨を拾うのが違和感というか気色悪いというかくらいやなぁ。…あ、クリスも自分で自分の遺骨を拾うというか、日本の仏式葬儀に挑戦する模様。なんでもワーズワース卿の死亡時に、この日本式を採用してみるかと思ってるからその際には長男のクリスが担当になるだろうと練習させられるらしい。おい)
そうです。白…聖院サイドのジーナ母様がクリス叔父様を伴って出席されておられます。
流石に来賓挨拶の時も飛ばされましたが、自分で自分のお葬式にご出席というのも何かこう、気恥ずかしいという事で照れ隠しのサングラス着用を認められております。
あと、まぁ…なんで死ぬはずの奴がいる、それも二人もというあらぬ話にならぬようにと、変装の意味も含んでおります。誰か丸わかりですが。
で、壇上からジーナ母様が降りてこられて中央の扉より表に出られます。
実は大講堂の中央扉を開くと、痴女宮中央の参道真正面に出ます。そして左右に階段。
(この大講堂入り口、実は普段は可動式の階段で蓋してるからな。式典の時には注意しーや)
ここで一旦、黒アルト様の先導でジーナ様は左、白アルト様の先導でクリス様は右の階段を昇られます。
そして痴女宮正面入口で、舞台からここに転送で飛んだ喪主2名とサリーねーさんの出迎えを受けます。
では、あたくしはどこに。
正面中央から、白ダリア様を伴って登場。
あたくしはジーナ母様、ダリア様はクリス叔父様の手を取り、聖炎宮直通エレベーターへの通路に…の前に、親類縁者との最後の別れの場が、この痴女宮一階の広間…ロビーで設けられます。
先程の軍服姿の女性と少年もやって来ました。
ジーナ母様と「え?お前も焼かれるんちゃうん」とか言い合って頭を締め上げられたりしています。
少年同士で握手したり、言葉を交わしておられますね。もう誰か丸分かりなので、いっそ壇上の挨拶をしてもらう方が良かったかも知れません。
実は、この儀式が単なる葬儀ではないという事を知らしめるため、敢えて普通は行うであろう別れの言葉をご遺族や縁者の方々からこの場で頂くことはお控え願いたい旨の案内をしていたそうです。それにつきましては連邦やNB各地で行われるそれぞれの葬儀にて、と。
なんせ、痴女宮では焼かれて数分しないうちに本人お二人は女官に憑依してわたくしの戴冠式で祝いのお言葉を述べて頂けるそうですので、死者を弔う厳粛な雰囲気はどうせぶち壊されるという判断だそうです。
まずは肉親ということで高木義夫様とまりあ様、マリアンヌ様、スザンヌ様、そして会社の武内様がご挨拶を。続いてクリス様の肉親のワーズワース大公、フレデリック様を伴ったアグネス様がご挨拶を。
更にジーナ母様とクリス叔父様はNBの軍・政府関係者代表様に続いて連邦のラッツィオーニ大将、ゴルディーニ准将からお別れのお言葉を受け取り、ご挨拶を交わします。
で、一気に聖炎宮まで転送しない理由。
それはもう、それなりの儀式です。やはり時間をかけ手順を踏みという事で、両マリア様とご先祖様方はもとより、この儀式で焼かれ送られる当のご本人までもが加わり会議を重ねて式次第を決定したそうです。
そこで歓談している本人は「なんで死ぬ予定の人間が自分の死ぬ手順を決めるのやあああ、あたしは加賀百万の殿様みたいに、自分の葬式に参列する大名の座る席順とか分配する財産目録まで決めて配るほど神経質な人間ちゃうぞおおお」と嘆いておられましたが。
そしてエレベーターまでの先導は…喪主の2名と、他ならぬあたくし。
うう、緊張する。
この式までの間に慣れるため、二代目聖女正装を普段から着用しとけと言われていた理由がよくわかりました。
こちらは楽屋側の連絡階段を通って待ち構えられていたプラウファーネ・エレンファーネ・クリサンサマーネの地下担当三女官が、エレベーターに乗る順番に皆様を分けられます。
かなり大型のエレベーターですが、詰め込むのもという事でエレベーターに乗るのは三人のマリア姉妹とおくりびと2名。そして軍服女性と少年です。
プラウファーネさんとクリサンサマーネさんが乗り込まれて出発。
すぐにエレベータは止まります。プラウファーネさんの先導で一行はエレベータを出て船着場へ。
といっても廊下の先の扉の正面に赤い絨毯が敷かれており、その先が聖炎宮への浮橋へと繋がっています。
船着場にはレパルスとかが、そしてイタリア軍のポーラが停泊しています。
テンプレスとテンプレス二世は、聖炎宮島を挟んで停泊しており、いざというときの粒子格子保護場を構築して周囲への物理被害を防ぐ役目を担っているそうです。
(あの例の儀式は見せないように視覚阻害結界を張るから心配すんな)とジーナ母様からお話が。
で、エレンファーネ様とご遺族の方々他が到着。
アレーゼ様やマイレーネ様他、幹部騎士や女官も転送などで上がって来て配置につきます。
「では、行ってまいります」ジーナ母様とクリス叔父様、そして白ダリア様と軍服女性と少年は、喪主とわたくしの案内で浮き橋へと足を進めます。
黒マリア姉様が近づくと、聖炎宮に入るための扉が開きました。ここからは「本当は金衣女聖に該当する方々」以外は入れない儀式の場です。
しかし、ダリア様は…まぁ、以前のお話を覚えておられる方ならご存知ですよね。
救世主に付き従う従者ミハエルをここで懐妊するという重責を担うためです。
そして…扉が閉まると、軍服女性と少年は光に包まれます。
ええ。もう正体バレバレですが白ジーナ母様と白クリス叔父様です。
このお二人がいる理由。遺骨収集。
それだけではありません。今日、この場で確実にミハエルとエマニエルは懐妊されねばなりません。
万一の黒ジーナ様と黒クリス様の体調激変に備えてのバックアップ要員です。
このために一旦、お二人とも痴女体質に体を戻しておられます。
クリス様は勝負服というチノパンとワイシャツ姿でワーキングブーツを履いておられますが、この格好で地を這う作業をされていたのだとか。
そして白ジーナ様。聖院聖母正装です。
白ベースのどすけべ衣装。
白クリス様が黒ジーナ様とあたくし、白ジーナ様が黒クリス様と白ダリア様を寝台に導きます。
で、あたくし。
聖女正装を可変させます。
ばっちこーい。
確実に妊娠するために正常位。あたくしが寝台に寝ます。
いくで。
「待てっ黒うちにベラ子!あたしらをよう見ろ」
「え」
「待て白うち!よりによってそんな縁起の悪いものをこの場に持ち込む気ぃか!」白ジーナ母様の衣装…黒ジーナ母様と同じスリングショットですね。
いえ違います。
虎柄です。
更に、黄色と黒のはっぴというのですか、前が開いた上着。
そして白クリス叔父様、オレンジ色のぱんつに似た色のTシャツ。胸には33-4と書かれた数字が。
これ何か意味あるんですか。
(あかん、あれは…あれは不吉な数字や!そしてあいつらの着てる衣装見てみろ!あれはどちらが勝っても大阪に不幸を呼び込む不吉な衣装なのや!あれは甲子園か後楽園に封印されねばならない服なのや!懲罰服どころやない悪魔の服や!)
「はぁーっはっはっはっ!更にかーさん!この眼鏡をかけたおぢさんの像をご覧なさい!あの核攻撃ですら焼け残った呪いの像よ!大阪市から借りて来たわよ!」
「ぐぁあああああ!おのれらよりによって何を持ち込むねん!」
「はっはっはっはっはっ、黒かーさんとベラ子の交尾が失敗すればエマニエルは白かーさんと白とーさんに孕んでもらう。そして…この不幸の像は聖院湖に放り込まれるのだ!」
「アホかーっ!そんなもん投げ込むな!ここを廃墟にする気か!」
「うふふふふ。回避方法はあるわ。黒かーさんとベラ子にはこの衣装よ!」
「ぬ、これは…ヒョウモンダコ柄!」
「違うわ!大阪のおばはん標準装備柄じゃ!あんたが知らん訳があらへんやろ!」
「え…と…このレオパルトというかパンテラ柄に何か意味が…」
「ふふふふふ、ベラ子さん。これがイタリアのマンマすらドン引きする大阪のおばちゃんの基本的衣装の意匠たる豹柄よ!年齢も外観も引かず媚びず顧みずにこのド派手な柄の服を着る厚顔無恥なド厚かましさがないと世紀末でなくても大阪では生きていけないのよ!これを装備した大阪のおばはんはマイレーネさんでも攻撃を躊躇するくらい強大な存在に変化するのよ!」あの…聖炎宮の外から皆さんの笑い声が聞こえて来てるんですが…。特にマイレーネさんとアレーゼさんの大爆笑する声が…これ、お葬式ですよね…。
「はっはっはっベラちゃん、この状況に打ち勝って孕めば女帝や!わたしら全員どころかご先祖様すら平伏する二代目聖女様や!…おいあたし、似た状況でアルト孕ましてサリー産んだ記憶忘れたか!先に孕んだ方がエマニエルや!行くぞクリス!」なんか白クリス叔父様、めっちゃ迷惑そうですが…。
(この暴走さえなかったら申し分ない妻なんですよ…今やダリアは僕にとっては、生ハムに添えるメロンなのです…で、パルマの高級ハムが妻ですね)おじさまうまい。クッション十枚。
で、すでに白ダリアさんと始めておられますけどうまくタイミングを計っている黒クリス様も。
(そーだよねー僕。基本的にジーナさんって照れ隠しの傾向強いから、こういうときはお酒飲んでないのにテンションレッドゾーンになるよね)
(あ…聖院の方の僕はオキナワの惨劇があるんだったね…痴女宮サイドはマリアが痴女皇国造るまでは割と平穏だったんだけど…あ、でもマリアンヌが出来た後に多少あったか…)
(あーそうか、僕らもマタニティタイムは普通に過ごしたから、産後にジーナさんが身体を戻してからがもう大変で大変で)
(でもさ、マリアンヌちゃん、普通の人間のはずなのに痴女属性ついてない?なんか今後が不安で不安で…)
(言うな僕。こちらは多分、確認はこれからなんだ…まぁ、痴女になってたらなってたでそれはDon't mindだよ)
(そーだね。うちのマリアンヌの方もよろしく頼むよ)
(…あー、多分1年しないうちにマテリアルボディを痴女宮に届ける未来しか見えない…)
で、クリス様同士でマンマに悩まされている旦那の会話を交わしておられますが、あたくしたちもやる事はやっとりますよ。
ふふふ。
イタリア女の血をお甜めでないわよ。
「ああっその野獣柄に相応しい激しさは最高でございます母様!マリアヴェッラもただいまは獣です!あたくしの身体全てをご記憶下さい!あたくしの身体で召されてくださいまし!」
そう、戦っております。愛を授かるためのいくさをしております。
負けますかいな。
歴史に名を残した淫乱貴人の娘ですよ、あたくし。
ボルジアの名にかけてこのいくさ、勝ってみせましょう。
甘い毒の言葉と仕草でおかーさまをその気にさせとります。痴女皇国の興廃、この一戦にあり。
更に、これはあたくしとおかーさまの、とりあえずは生身の身体の最後の愛の交わり。
おかーさま合意の元、数日前から今朝に至るまで地味に仕込みをさせていただきました。黒クリス様、白ダリアさん。そしてあたくしとおかーさま。
まず、今朝方仕込んだのはIniezione di aglioです。
日本語ではお注射です。
何をぶち込んだか。
カンタレッラじゃありませんよ。
痴女体質には効きませんがな。
そう、我が国の料理でオリオ同様に多用しまくるニンニクです。
ニンニク注射って聞いたことありますかしら。
更に我が国は誇っておりませぬが、生涯に一千人のおなごとまぐわったジャコモ・カザノヴァ。性豪カザノバとして日本の皆さまにも知られたこのおっさん、痴女皇国世界ではまだ生まれていません
が、連邦世界を知るわたくしは存じておりました。
このカザノヴァの性豪たる秘訣の一つに、オストリカ…オイスターという方が皆様にはピンと来るでしょう。つまり牡蠣です。
カザノヴァは一晩に牡蠣を50個も食べて子種生産の原料たる蛋白質を摂取していました。それだけじゃありません。
以前、おいもの話が出たのをご存知でしょうか。あのサイレントヒルなる日本の地方のみならず、各地で強精食として珍重されたあの自然薯という芋です。
あのお芋や豚肉よりも更にOstricaには、あるものが多量に含まれています。
元素記号Znというそうですね。ジンク、つまり亜鉛です。そう、とあるインテルネットとやらではジンクでちんぽをスパシーボな状態にする効果があると評判の栄養素です。
ええ、エレンファーネ様の手引きで瀬戸内海という海の人魚衆が採集してくれたという、このオストリカが大量に届いていました。
普通ならすぐ死ぬはずですが、瀬戸のやくざ人魚、海のマフィア軍団の精気を受けてピンピンしてるものが海水入りの樽いっぱいに。更に干物も。
更に、日本に移住したアルトリーゼ様のご実家からはオレッキャマリナ、またはアバローネ。つまりアワビです。これは干物にしていたものが。
で、エレンファーネさんに取り憑いているタマモさんというきつねの化け物な女性の知識で「わっちが言うものを集めて干物乾き物を作るでありんす…外道に言えば片端から集めて来よります。それを痴女の力でじわーと乾かせばよろし。然るのちに野菜クズで湯を作り、濾した上澄みを卵の白身を入れてひと煮立ちさせて清めてから、更に上等の豚肉火腿で濃厚な湯に仕上げるでやんす」
「で、ここな寸胴鍋に専用の陶器壺を入れ、干物のたぐいを壺に放り込んでから仕上げた湯をこう注いで…紙で蓋して紐で縛るでやんすよ。更に鍋に水を注いで日が昇ってから沈むまで、水を煮えばなギリギリに保って壺を茹でるでありんす。途中で壺の中に湯を時折り足していかないと空煮えになりますよって、常に鍋の横についておらねばなりませぬえ」
「この出来た濃い上等の湯で干しアワビを戻して食すがよろし。これが伝説の死人ですら魔羅が勃つわ、肉を食うてはならぬ筈のぱんちぱーまかハゲた男でも、上湯の芳香に誘われて魔羅を勃てて寺の壁を飛び越えてくる牆のちからでありんす。夫婦でこれを食ろうて、何としても子を授かるのでやんすよ」
ええ、わたくしどもは夫婦じゃありませんが、言われたとおりに拵えたミネストラを頂きましたが…。
何ですかこの超絶に濃厚なスープ…という方が日本の皆様には伝わりますよね。このスープだけでお腹一杯になりそうな芳醇な味わいです。
壺の中の干物はこの濃厚なスープの代償に、全てスカスカの出涸らしに成り果てていました。だが、それだけの価値はありますねこれ。
更にこのスープを使って亀のおなべ。これは比丘尼国のオオタケさんという幹部の方が凶暴な亀と、それを鍋料理にするための専用の真っ黒で底の浅い鍋を用意してくださいました。
これはマリア姉が料理の仕方をある程度知っていましたので、高い火力がいると慎重に作っていましたが、これはまた素晴らしい味でした。極東の料理にもグラッツェなものが多いのですね。
更にはえびおすなる粉薬に、こえんざいむなんとかやまかえきすなる丸薬。
そしてお菓子にはショコラータ。これ男性や、お付き合いしてる殿方いらっしゃる女性の方、ちょっと注目。上等でカカオを使い惜しみしていなくて変にデコルテしてないチョコレート、ちんぽに効きますよ…ふふふ。
あまり量を摂りすぎると普通は毒になるらしいですが、そこは痴女の体質に賭けます。
結果。
「なぁ…ベラちゃん。うちらこんだけ精力的なもん、数日にわたって食うてるやん。これはどう考えても結果的に中原龍皇国でいう薬膳、薬の役を果たす料理になっとんねん。実際にうち、ギンギンでビンビンやしベラちゃんもやろ。これ…あたし、死ぬどころか長生きせぇへんか心配で心配で」普通なら死にたくない方向に行くと思いますよ、おかーさま。
なお、これだけのものを食べたら男はハゲて精力絶倫になるそうですが、頭を剃る風習のある駄洒落宗なる宗教の方から「パゲと剃髪は違うのよ一向一揆衆招集!」と、けんかを売られる話にもなるそうですが、ようわかりませんね。
とりあえず下半身には健康すぎる食生活に生きたわたくしどもです。
ジーナ母様のラスプーチンちん、イタリア男も真っ青な大量射精をわたくしに決めはりました。
(マリアヴェッラ着床確認!)
(白ダリア着床確認!白マリ!ベラ子とダリアを仮死状態へ!スティックスドライブレベル4起動!)
(待て…白かーさん追加!)
(えええ?ちょっと白かーさん何やってんの!これ予定外じゃん!…いいわ!とりあえず白かーさん追加で腹ボテにしてくる!)焦っているマリア姉の声が脳内に響くなか、あたくしは強制的に意識を奪われました。
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