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第四章
第28話③(♥)
しおりを挟むデュボイズは魔法陣の中心に胡座をかき、その上にタキオンが跨るよう促した。
萎えた雄根を左手で扱き、右手指でタキオンの蜜壺を掻き混ぜる。少年の身体は媚薬と今までの愛撫で直ぐにトロトロに解れ、指を入れられた途端力を奪われ、蕩けた甘い声で啼き始めた。
「あっ、あんっ! ……あぁ、ゆびぃ……」
「……剣を持って私の上に座りなさい。絶頂の時は脳内の快楽物質で痛みも苦しさも分からなくなる。その時に胴を貫くんだ」
「でも、気持ち良くなったら夢魔が羽化するかも……」
「これは諸刃の剣だ。快楽を続けたら必ず羽化が始まってしまうだろう。だから私もお前に容赦しない。絶頂する時は躊躇わず直ぐにやるんだぞ……」
「はい……」
タキオンは光の漏れる聖剣を手にしたままゆっくりと腰を下ろし、熟れた蕾に鈴孔を口付けさせた。少年の男膣は未だデュボイズの太さを覚えていて、何の隔たりも無くズブズブと奥へ受け入れていく。
「あぁ、あぁぁ……太い、すごく硬い、ぁぁああん……」
タキオンにしてみれば、実際に愛する人と一つになれたのは初めてだ。
暗闇の中で下腹部が疼いて絶頂した事は何度もあったが、自分の粘膜でデュボイズの形、硬さ、太さを感じ取る事は、今までの絶頂よりも比べ物にならないほど幸せで、それこそ天にも昇る気持ちだった。
「いつでも刺せる様に構えておけ」
「はい……」
タキオンの蜜壺が雄根の全てを飲み終えると、デュボイズがタキオンの腰を引き寄せて互いの腹と胸を密着させた。タキオンは両手で聖剣を握り、デュボイズの背中に細い剣先を突きつける。
準備は整った。あとはデュボイズが下から雄根を突き上げ、夢魔が羽化する前に二人の身体を突き刺すだけだ。
「いくぞ、タキオン……」
「――あぁっ、んっはぁぁ!! ――ぁああん!! ――んやぁぁっ!!」
デュボイズは愛しさを噛み締める様に、ゆっくりと大きな波で蜜壺の中を扱いてやった。その気持ち善さでタキオンは小刻みに震え、この幸せに耐えられないと細い腰をうねらせる。
「あぁ……これが善いか。ほら、ほら……」
「あぁぁぁ!! それらめぇぇ!! ――あっ、あっ!!」
散々嬲られた身体は愛された快感を忘れていない。少年の体内は、再び息を吹き返した様に切なさが込み上げ、意識の高みへと跳ね飛ばされそうになった。
蜜壺を挿す雄根にヒクヒクと締め付ければ、デュボイズもそれに呼応して奥の門戸へ何度も攻め入り、今生の想いを遂げようとする。
タキオンの蜜壺が悦んで痙攣を起こし始めている。もうすぐだ。もうすぐ光の世界へ誘い、二人の魂は肉体から解放されて天に召されるだろう。
「――もうっ!! ――あぁぁ!! もうイくぅぅ……!! イっちゃぅぅ!!」
タキオンの中で黒い瘴気が蠢き始めた。夢魔が快感を餌にして羽化を始めようとしている。彼の背面に動くものを感じて、ピリピリと血肉を破る痛みが走る。
――もう、間に合わない!?
デュボイズはタキオンの腰と肩を抱え込み、力の限り最奥まで髄を貫いた。身体の奥深くまで繋がって一つになる。
「あぁ……!! タキオン、いけ……!! 思い切り貫くんだ!!」
「あぁっ、あぁっ、ンもちぃぃ! ――イっく、イくイくイくぅぅぅ!!」
その瞬間、タキオンの奥宮から全身へ絶頂の電流が解き放たれ、聖剣を持つ手は蠢く瘴気へと刃を貫いた。
「――――――っっ!!」
剣先はタキオンの背中を貫通し、二人の傷口から黒い煙が立ち昇った。
タキオンの体内から獣のような悲鳴と呻きが轟く。夢魔の身体を捕え、聖剣の光で魔力が吸い取られている証だ。
「よ、よく……や、った……」
「デュ……ボイズ……さ、ま……」
程なくして黒い瘴気は体内から出尽くし、瘴気特有の気怠さが無くなると、デュボイズはタキオンを抱えたままゆっくりと横に倒れ込んだ。
デュボイズの口から幾筋もの血が流れている。彼の方が柄に近い分傷口も広く、食道や気道を貫通して血液が流れ込んでしまった。
「デュ……さま……やっぱり、いたいよ……こわ……い、よ……」
「心配……するな。ずっと……一緒、だ……」
激痛で全身が痛み、気が遠くなる。それでなくても媚薬の麻酔が効いて、意識が遠くなってゆく。
それでも悲しい気持ちは溢れ出る。タキオンはデュボイズまで死なせてしまう事に心がきつく締め付けられ、涙を零しながら無精髭が伸び始める顎を優しく摩ってあげた。
「ごめん……さい……ご……なさい……」
力が出ない。視界が霞む。もっと愛する人を見ていたいのに。
「愛……して、い……る。タ……キオン……」
既にタキオンの瞼は閉じていた。しかし少年が愛してやまない優しい声は、確かに心に響いていた。
タキオンも必死に唇を動かそうとした。震える喉から声を出そうとした。愛する青年の言葉に応えられていない。伝えなくては。「ボクも愛しています」――と。
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