26 / 85
第二章
第10話②
しおりを挟む
とんでもない事を聞いてしまった。先日の行いは、やはりタキオンに快楽の扉を開かせてしまったのである。時間も体力も無く仕方なかったとは言え、まだ一人前にもなっていない少年の純粋な心を淫らに陥らせてしまったに違いない。
しかし、その姿を見たタキオンはベソをかいてデュボイズに迫る。
「だって……先生が乳首を弄ってくれたの、自分じゃくすぐったいだけで……それに、昨夜、ボクに口移しで薬飲ませてくれたでしょう? あれ、凄く嬉しかったんです……」
そして頬が紅くなりながら切なく相手を見つめる。
「あのキス……もう一度やりたい…………イヤ、ですか…………?」
「嫌では……ないが…………」
するとタキオンは先程デュボイズが置いたザクロに目が止まり、瞳の奥が輝いた。
「アレがいい……せんせぃ……ザクロをボクに口移しでくださいませんか……?」
「正気か……昨夜のは仕方なかったからやっただけで……」
「夢魔には精液の他に快楽も餌になるんでしょ? それなら、エッチな事いっぱいした方が満腹度も上がるんじゃないですか?」
「まぁ……それはそう、なのだが…………」
デュボイズは理性と本心がせめぎ合う。
タキオンの言う通り、快楽も餌になるのだから彼の言う通り口移しをやってしまえばいい。しかし、それをやってしまったら、もはや自身の雄の暴走が止められない気がした。
一度歯止めが効かなくなってしまったら、どこまでタキオンを陵辱し、傷付けてしまうだろう。
「せんせぃ……ボクのわがまま……どうか聞いてください……」
うなだれるデュボイズにタキオンは近づき、逞しい首元にしがみついた。
全裸のタキオンの温もりがシャツの上からも伝わる。耳元ではタキオンの熱を帯びた呼吸が聞こえ、首元に淫らな息が吹きかけられる。
その時、タキオンの首元から黒い煙の瘴気が漂った。その煙が漂い始め、獲物を探すようにデュボイズの額にもまとわりつく。
やはり彼の身体の中には夢魔が潜んでいる。煙を潜らされるだけでも息が詰まりそうで辛いのに、タキオンは自身の中に抱え込んでいるのだ。悩んでいる暇などあるのか?
「…………うぅっ」
「タキオン…………」
時折タキオンの呼吸から辛そうな嗚咽が微かに聞こえた。
これは瘴気の影響だけではない。
中途半端に昂った身体を慰めることも、抑えることも出来ない辛さ、誰かに手伝ってもらわなければ自身の身を助けられない。自慰もできない。その悔しさ。情けなさ。
デュボイズはタキオンの心の深くを感じ取り、白い華奢な背中にそっと手を置いた。
「私で出来ることなら進んでやろう。しかし、私だって男だ。理性が失われるかもしれない。それでも良いのか?」
その言葉に、タキオンは今にも泣きそうな瞳でデュボイズを見つめ直した。
「いいです。ボクだけ気持ち良くなってもイヤなので……先生にも同じように気持ち良くなって欲しいです…………」
「そうか……分かった…………」
デュボイズは切なさが込上がり、黒い煙を漂わせる華奢な身体を強く抱き締めた。
しかし、その姿を見たタキオンはベソをかいてデュボイズに迫る。
「だって……先生が乳首を弄ってくれたの、自分じゃくすぐったいだけで……それに、昨夜、ボクに口移しで薬飲ませてくれたでしょう? あれ、凄く嬉しかったんです……」
そして頬が紅くなりながら切なく相手を見つめる。
「あのキス……もう一度やりたい…………イヤ、ですか…………?」
「嫌では……ないが…………」
するとタキオンは先程デュボイズが置いたザクロに目が止まり、瞳の奥が輝いた。
「アレがいい……せんせぃ……ザクロをボクに口移しでくださいませんか……?」
「正気か……昨夜のは仕方なかったからやっただけで……」
「夢魔には精液の他に快楽も餌になるんでしょ? それなら、エッチな事いっぱいした方が満腹度も上がるんじゃないですか?」
「まぁ……それはそう、なのだが…………」
デュボイズは理性と本心がせめぎ合う。
タキオンの言う通り、快楽も餌になるのだから彼の言う通り口移しをやってしまえばいい。しかし、それをやってしまったら、もはや自身の雄の暴走が止められない気がした。
一度歯止めが効かなくなってしまったら、どこまでタキオンを陵辱し、傷付けてしまうだろう。
「せんせぃ……ボクのわがまま……どうか聞いてください……」
うなだれるデュボイズにタキオンは近づき、逞しい首元にしがみついた。
全裸のタキオンの温もりがシャツの上からも伝わる。耳元ではタキオンの熱を帯びた呼吸が聞こえ、首元に淫らな息が吹きかけられる。
その時、タキオンの首元から黒い煙の瘴気が漂った。その煙が漂い始め、獲物を探すようにデュボイズの額にもまとわりつく。
やはり彼の身体の中には夢魔が潜んでいる。煙を潜らされるだけでも息が詰まりそうで辛いのに、タキオンは自身の中に抱え込んでいるのだ。悩んでいる暇などあるのか?
「…………うぅっ」
「タキオン…………」
時折タキオンの呼吸から辛そうな嗚咽が微かに聞こえた。
これは瘴気の影響だけではない。
中途半端に昂った身体を慰めることも、抑えることも出来ない辛さ、誰かに手伝ってもらわなければ自身の身を助けられない。自慰もできない。その悔しさ。情けなさ。
デュボイズはタキオンの心の深くを感じ取り、白い華奢な背中にそっと手を置いた。
「私で出来ることなら進んでやろう。しかし、私だって男だ。理性が失われるかもしれない。それでも良いのか?」
その言葉に、タキオンは今にも泣きそうな瞳でデュボイズを見つめ直した。
「いいです。ボクだけ気持ち良くなってもイヤなので……先生にも同じように気持ち良くなって欲しいです…………」
「そうか……分かった…………」
デュボイズは切なさが込上がり、黒い煙を漂わせる華奢な身体を強く抱き締めた。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる