【完結】魔導師様と夢魔に囚われた少年 ─ファンジェレル大陸・男恋譚─

星谷芽樂(井上詩楓)

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第一章

第7話③(♥)

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 開き始めた奥宮に兜の頭が届き、その瞬間、デュボイズは全体重を二人の結合部に乗せて勢い良く攻め入る。

「んんっ! 入れるぞ……っっ!!」
『――っっ!? ――っぁあ! おくっ! おく当たるぅぅぅ! イくッ!イくぅぅ!!』
「……っっく! すご、い……吸われていくっっ!!」

 兜の張りが奥宮にずっぷりと入り、雄根の頭が咥えられた。粘膜の蠕動運動で中へ誘い込み、ジュゥジュウ吸い上げようとする。
 デュボイズは先端を舐め回されているように感じ、逃げたくなる様な強烈な快感を与えられた。

 一方でタキオンの奥宮では上下に律動する兜に扱かれ、光に貫かれる快感が足先から脳天へ駆け抜ける。彼の身体は込み上げる絶頂に、活きの良い魚の様にビクンビクンと大きく波打たせた。

『あっあっあっっ、あんっあんっっ! らめぇぇ!! イってるぅ! イってるぅ!!』
「……ここだな? これがいいんだな?」
『うんっ……うんっ、そこぉ……!! すきっっ、すきぃ!! きもひぃ!! あんっ、あんっあぁんっあぁン!』
「あぁ……! ハァハァ……中まで痙攣して竿が扱かれる……!!」

 デュボイズはタキオンの両腿と肩を腕に抱え込み、華奢な身体を固定して腰の動きを速めた。
 上から下へ落ちる恥骨が涎を垂れ流す後孔とぶつかり合い、バチュン! バチュン! と湿った音が鳴り響く。
 腹の奥の愛合部は何度も何度もグポグポと咥えては吐き出し、デュボイズは亀頭を舐め取られる善さに耐えながら、力の限り最奥を突き続けた。

 最奥を愛され続けるタキオンは、いくら悶えても止まない絶頂に涙を溢れさせていた。悦びの叫びを上げながら右へ左へ頭を振ってもがき続ける。
 これ以上絶頂したらダメになる。もう、堪えられない。意識が飛ぶ。タキオンは顎を天に向けさせ、一眼で分かる程に全身が激しく震えだした。

「あぁぁ……可愛いヤツめ……!! そろそろ、奥に……出すぞ……っっ!!」
『――ぁぁあ!! おくぅ!! おくぅぅっ!!』

 やがて二人は天を仰ぎ、全身で感じ取る悦楽は最高潮に達した。

「あぁっ!! イクぞ……!! 全部、飲み込め!!」
『きてぇぇっ、っぁあん!! ――――あぁぁっ!!』
「……っく! んんっ!! ぁぁっ! くうぅ!」

 我を忘れるほど快楽に染まるタキオンの蜜壺は、デュボイズの精液を搾り取るようにキツく締め上げた。
 そしてデュボイズの鈴孔から、濃くて大量の白い愛液が、タキオンの奥宮の更に奥めがけて吐き出された。

 *

 我に返れば、デュボイズが持ち出した試験管の中に大量の精液を注いでいた。
 彼は急いで部屋に戻り、それをタキオンの胸元、肌の露出した上に垂らす。

 予想した通り、デュボイズの精液はシュゥゥゥ……という音を立てながらみるみる蒸発して無くなった。タキオンの身体に潜む夢魔が精液を食した証だ。
 そして数分しないうちに、寝ているタキオンの頬に赤みが戻っていく。

「一難は去ったか……」

 デュボイズは一段落して思わず椅子にもたれかかった。
 しかし、これで良かったと思えない。重い罪悪感が彼にのしかかった。

(私は変態か……タキオンをあんなに凌辱したいと思うなんて……)

 一目見た時から確かに思っていた。しかし頭の隅に追いやり、気付かないふりをしていた。
 本当はタキオンを愛撫したい。悦ばせてあげたい。そして切ない喘ぎ声で甘え、潤んだ瞳で見つめて欲しい。

「私は……」

 なぜそんな風に思うのか……。デュボイズは答えを掴みそうだった。
 しかし、すぐに現実と状況で彼の欲しているものをかき消してしまう。

「ダメだダメだ……!! タキオンは領主の息子で患者だぞ…! 必ず元気な姿でお返ししなくては……!!」

 その表情は物悲しさで染まる。

(それが私の役割なのだから……)

 デュボイズは呼吸の安定したタキオンに毛布を掛けてやると、わざと見ない振りをしてその場から離れた。
 そして大きな溜め息をつきながら椅子に戻り、無造作に伸びた前髪を掻き分け、机に重くなった身体を投げ、眠りについたのだった。
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