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うみへび座
遠くの空へ
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海蛇国に謎の少年が空から落ちてきてもうすぐ一ヶ月。少年は自身を「ウォラーレ」と呼び、宇宙を駆け巡る守護星と共にここへ降りて来たのだと言った。
彼は今までも色々な星に降り立ち、守護星が遠ざかると自身の身体が守護星の中へ引き戻され、世話になったその星や土地に別れを告げた。それがウォラーレの今までの人生だったという。
海蛇国では、ウクダーという青年がウォラーレの身を匿ってあげた。そしてウォラーレはウクダーの家の大きなベッドで両手足を放り投げ、無防備に寝息を立てていた。
ウォラーレがこの地に居られるのは約一ヶ月。彼の守護星は粒ほどの小ささになって、宇宙の彼方へ遠ざかっていた。
もうすぐ別れの時だ。無垢な少年との生活は、時に予想もつかないハプニングで振り回されもしたが、今思えば、笑いの絶えない幸せなひと時でもあった。
「ウォラーレ……」
ウクダーはウォラーレの白く長い髪を退け、あどけない寝顔を見つめていた。この愛おしい表情を忘れないように。目の奥に、脳裏の奥に永く焼き付ける為に。
しかし見つめれば見つめるほどウクダーの心は締め付けられ、視界が涙でぼやけてしまう。
楽しかった。幸せだったのだ。ウォラーレの明るさを肌で感じて、生きる理由を見つけた。ウォラーレが好きなのだ。彼を一生幸せにしてやりたい。だから……
「……行かないでくれ、ウォラーレ」
宇宙を巡る恒星の速度は凄まじい威力を放ち、止めるどころか他の星まで弾いてしまう恐れがある。つまりウォラーレと別れなければならず、もう二度と再会する事もない。
頭では分かっている。しかしウクダーの心はそれを受け入れる事がどうしても出来なかった。
「ウォラーレ、愛している……本気で愛しているんだ……」
それでも行ってしまうのか、と、ウクダーは幸せそうに眠るウォラーレの華奢な身体を強く強く抱き締めたのだった。
彼は今までも色々な星に降り立ち、守護星が遠ざかると自身の身体が守護星の中へ引き戻され、世話になったその星や土地に別れを告げた。それがウォラーレの今までの人生だったという。
海蛇国では、ウクダーという青年がウォラーレの身を匿ってあげた。そしてウォラーレはウクダーの家の大きなベッドで両手足を放り投げ、無防備に寝息を立てていた。
ウォラーレがこの地に居られるのは約一ヶ月。彼の守護星は粒ほどの小ささになって、宇宙の彼方へ遠ざかっていた。
もうすぐ別れの時だ。無垢な少年との生活は、時に予想もつかないハプニングで振り回されもしたが、今思えば、笑いの絶えない幸せなひと時でもあった。
「ウォラーレ……」
ウクダーはウォラーレの白く長い髪を退け、あどけない寝顔を見つめていた。この愛おしい表情を忘れないように。目の奥に、脳裏の奥に永く焼き付ける為に。
しかし見つめれば見つめるほどウクダーの心は締め付けられ、視界が涙でぼやけてしまう。
楽しかった。幸せだったのだ。ウォラーレの明るさを肌で感じて、生きる理由を見つけた。ウォラーレが好きなのだ。彼を一生幸せにしてやりたい。だから……
「……行かないでくれ、ウォラーレ」
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頭では分かっている。しかしウクダーの心はそれを受け入れる事がどうしても出来なかった。
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それでも行ってしまうのか、と、ウクダーは幸せそうに眠るウォラーレの華奢な身体を強く強く抱き締めたのだった。
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