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ほ座

朝の光 (毎月300字小説企画より)

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 窓辺には、毎朝ムーリフ少年を起こそうと小鳥が戯れ、合唱する様にさえずり合う。中の一羽が少年の傍へ止まり、足の上に止まり、やがて頭の上に辿り着くと、寝癖で絡まった蒼い髪を突いて「早く起きて!」と何度もせがんだ。
 
「きゃははっ、くすぐったい! 分かったよぉ、起きるよぉ!」
 
 少年が力一杯体を起こすと、途端に小鳥達が彼の周りを飛び回る。
 
「うん、今日もいい天気! 行こうか!」
 
 彼は窓辺の幹へ飛び乗り、慣れた手付きで三階の自室から地面へ伝い降りた。そして裸足で走り出し、花々に、虫達に、元気な声を掛けていく。
 
 朝露で輝く光粒が少年を優しく包み込んでいる。幻想と現実の狭間にいる世界。彼は陽の光からも祝福され、空を見上げた。
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