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ろくぶんぎ座
ウラニアの鏡
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六分儀国の王ウラニアは、寝る間も惜しんで書斎に篭り、夜な夜な星図を描いていた。
彼は手の平ほどのカードに八十八ヶ国それぞれの象徴を描き、一つずつ主要な星を記して穴を開けていく。穴が大きい程、その星が大きく強く輝いている事を指す。小さく光の弱い六等星ならば、その穴は微かで針の先よりも小さい。
一枚一国のカードが一つ完成する度、彼は蝋燭の灯りに翳してその出来具合を見定めた。
「大きな国ほど、灯りを通す大きな穴も多いのだな……」
これは、国の主要人物とその守護星の位置関係を把握する為に作られた。一国の王や騎士団長が不測の事態に陥った時、即座に守護星の場所を見つける為に用いられる。
やがて八十八枚のカードが完成し、自国と同じカードが全ての国に配られた。そしてそのカードは総称して「ウラニアの鏡」と呼ばれ、絵画と穴の細工という芸術性の高い作品として大事に保管されている。
彼は手の平ほどのカードに八十八ヶ国それぞれの象徴を描き、一つずつ主要な星を記して穴を開けていく。穴が大きい程、その星が大きく強く輝いている事を指す。小さく光の弱い六等星ならば、その穴は微かで針の先よりも小さい。
一枚一国のカードが一つ完成する度、彼は蝋燭の灯りに翳してその出来具合を見定めた。
「大きな国ほど、灯りを通す大きな穴も多いのだな……」
これは、国の主要人物とその守護星の位置関係を把握する為に作られた。一国の王や騎士団長が不測の事態に陥った時、即座に守護星の場所を見つける為に用いられる。
やがて八十八枚のカードが完成し、自国と同じカードが全ての国に配られた。そしてそのカードは総称して「ウラニアの鏡」と呼ばれ、絵画と穴の細工という芸術性の高い作品として大事に保管されている。
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