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ふたご座
ディオスクーロイの華火②
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王が手綱を思い切り引くと、白馬も勢いづいて前足を高く掲げた。それだけでジシュイは後ろに転げ落ちそうになったが、背後から王の大きな体と長い腕が少年の体を包み込む。
「天空へ飛び立て!! ジーク!!」
掛け声と共にジークと呼ばれた白馬が天空へと駆け出した。その力強い脚並みは風を切り、大気を掻っ切ってあっという間に空へ舞い上がる。
そのまま二人を乗せた白馬は、勢いづいたまま華麗な足捌きで北東の国境へ駆けて行った。
(す、すごい!! ボクが王様の馬に乗せてもらっているなんて! やっぱり王様や王様の馬はスゴイや! 殆ど揺れないで線の上を走ってるみたい……それなのに、槍が一直線に飛んでくみたいに鋭くて速い……!!)
あまりの速さにジシュイは言葉を発する余裕もなく、頬に当たる大気の鋭さだけで圧倒された。
遥か下に見える景色は緩やかに移動するが、周辺に散りばめられている流星痕跡達が一瞬で通り過ぎていく。
もしこれで落ちてしまったら、白馬が気付く前に自分の体が地に落ちて死んでしまうかもしれない。ジシュイは凄まじい速さの中でしがみつく力を更に強め、青年の腕を絶対に離さんとした。
「……怖いか?」
「い、いえ……!」
「すまんな。時間があまり無いもんで、全速力で向かっている」
「と、とんでもございません……ボクのドジの為にこんな事までして下さるなんて……」
ジシュイは王の優しさで胸がいっぱいになる反面、申し訳なさも心のどこかで拭えなかった。本当なら黒くなった星粒の残骸や星壺の破片を自分が片づけ、今年の祭りは家でひっそりと眺めるだけにしようと思ったのに……。
しかし、俯くジシュイを覗き込むようにポリュデウケース王は少年を覆い、小さく縮こまる体を柔らかく抱き締めてあげた。
「気にしなくていい……誰だって失敗の一つや二つはあるものさ」
見つめる王の瞳は、この国の誰よりも優しい眼差しをしている。声色もとても落ち着いていて、ジシュイはその暖かい言葉と抱擁に、身も心も委ねてしまいそうになった。
「でも、ボクは……大事な華火の材料を無駄にしてしまいました……しかも希少な上質の星粒を……」
星壺を割り、痕跡を無駄にして皆を落胆させてしまったのは事実だ。王が暖かい言葉を投げてくれても、その罪は変わらない。
ジシュイはその事を思い出して、深く肩を落とした。
しかし、王の思う処は全く違う様だ。
落ち込んだままのジシュイを見て、王は鼻で大きく息を吐くと小さく笑みを浮かばせた。
「祭りっていうのはな、みんなで参加して楽しむ事に意味があるんだ。誰か一人でも気持ちが沈んでいたら、絶対に俺は耐えられない」
「ポ、ポリュデウケースさま……」
「俺が王である限り、誰一人悲しい思いになんてさせやしない。誰かの成果をみんなで喜び、誰かの失敗をみんなで補い支え合う。国や民ってのはそういうもんだろ?」
「はい、はいっ!」
王の言う通りだ。自分達は華火の為の材料を皆で協力して集め、六人の華火師が分担して華球を造る。
星壺だって、空になった物を各々が協力して持ち運び、また別の者が華火師達のやりやすい様に用意するではないか。
この当たり前の動作でさえ、国の皆がそれぞれ出来る事を全うし支え合っている。
王の熱い言葉でジシュイの瞳が真っ赤に充血し、ふっくらした頬伝いにポロポロと雫がこぼれた。
我が王がポリュデウケース様で本当に良かった。いつも明るくて皆に優しくて、しかし困っている者が居れば一番に手を差し伸べてくれる。
こんな素晴らしい王が他に居るだろうか。こんなに心が温かく意志の強い青年王の元に産まれて、本当に自分は運が良かったと思う。
ジシュイは王の腕にうずくまって涙を溢れさせた。
「ありがとうございます……ありがとうございます! 我が王のお気持ち、心の奥に深く刻みます! ボクは……ドジばっかりでいつも皆に迷惑かけてるけど、ボクも誰かの役に立ちたいです! もし困っている人がいたら、王のお気持ちに倣って一番に手を差し伸べてあげたいです!」
「あぁ。そう思ってくれるなら心強いな。それに、失敗や辛い気持ちを経験した者ほど、俺の気持ちをよく分かってくれる。ジシュイは大事な良き理解者だぞ?」
「……? ポリュデウケース様も失敗や辛い気持ちになる事があったのですか?」
キョトンとするジシュイに、王はよくぞ聞いてくれたとニッカリ笑った。
「勿論だとも! 俺はな、王になって間もない頃、並べてあった星壺を全部割っちまって、殆どの流星痕跡を無駄にしたことがある!」
「えぇぇっ!?」
「いや、わざとじゃないぞ? ひしめき合ってた壺の一つに脚がぶつかって倒してしまったんだよ。そしたら倒した壺が隣の壺にぶつかって倒れて、また隣の壺にぶつかって倒れていくだろ? もうこうなってしまったら倒れきる迄待つしかないよなぁ」
「いやいや!? 全部無駄にしてその後大丈夫だったんですか!?」
「いや……間に合わなくてな。結局僅かに残った痕跡と急いでかき集めてきた痕跡で何とか華火を作り上げたんだが……」
「だ、だが……?」
「結局数が少なすぎて、その年の華火は寂しいものだな! って各国の王様達に言われたさ! アハハハハ!」
「ひ、ひぇぇぇ!!」
「ま、そんな年もあるから、お前も気にしない気にしない!」
「は、はいぃぃ……」
我が王の失敗談は、かなり深刻な事態であった事は容易に想像がつく。カストールや他の星ビト達の青ざめた表情がありありと脳裏に浮かんでくる。しかしそれを笑い飛ばしてしまうあたり、さすがは民を総べる王の器と言ったところだろうか。
今の話でジシュイの体は思わずすくみ上がってしまった。しかし代わりに沈んでいた気持ちも少しは軽くなれた気がして、ジシュイは王の暖かい配慮を心の中で噛み締めるのだった。
*
二人の話が弾んでいる内に、白馬は国境にほど近い北東の天空に辿り着こうとしていた。
ジシュイが集めきれなかった虹色の流星痕跡が草原のように輝きだし、新たな客を招き入れる。
「おぉ! これは凄いな!!」
その上質な星粒の多さに、王も度肝を抜かれて思わず声が上がった。
「ジシュイよ、希少と言われる虹色の流星痕跡が大量に散りばめられているとは、よくぞこの場所を見つけてくれた!」
「はい!」
「いやぁ、全然ドジじゃないだろ。こんな穴場を見つけて、むしろお手柄だぞ?」
「あ、ありがとうございます。でも……これをどうやって集めましょう。ボク、星壺を持ってきませんでした……うわぁぁ!」
ジシュイがまたドジをしてしまった事に頭を抱える。やはり、ドジはこんな大事な時にも再びやらかしてしまうのか。
だが、がっくりする少年の後ろで青年王はニヤリと口角を上げ、自身の懐から折り畳まれた小さな布を取り出した。
「ふふふ……これがなんだか分かるか?」
「……? えっと、小さく畳んだハンカチですか?」
「違うぞ。これはな、こんな風にして……使うんだ!」
王が勢いよく布を広げれば、そこには大きく広がった巨大な掛け布が現れた。
四隅には紐を通す穴が開けられ、括り付けられている四本の紐を力強く引けば、その場に大きなパラシュートが出来上がった。
「なるほど! この中に星粒を集めるのですね!?」
「そうだ。しかもこの紐をジークのサドルパッドに取り付ければ、俺達は走らせるだけで大量の星粒を掻き集める事が出来よう」
「すごい! それなら時間もかからずすぐ持って帰れますね!」
「だろう? ジークの力は一万馬力だから、星粒の重さなんて屁でもない。さ、そうと決まれば早速取り付けて辺り一帯を駆け回るぞ!」
「はい!」
サドルパッドの両側に紐を括り付けた二人は、馬の背に乗って輝く草原を軽やかに駆け回った。風と流星痕跡の重さに引っ張られたパラシュートは、大きく弧を張って大量の星粒を捕らえていく。
少し走っただけでパラシュートの中の星粒は満杯になり、二人はそれを強く縛って袋状にした。そうすればあっという間に丸く膨らんだ宝袋と早変わりする。
そして王は二個目の折り畳まれたパラシュートを広げて、再び辺りを駆け回った。
華麗に掛ける白馬に乗り、王とこの特別な景色を二人占めしている。
まさか自分の失敗からこんな事になるとは、誰が想像できたことだろう? 逞しく長い腕に包まれ、見上げれば青年の優しい笑みが自分に向けてくれる。
白馬が引くパラシュートの脇から漏れ出した流星痕跡が、流星となって燃えて落ちていく。その姿は、まるで天空を渡り歩く伝説獣ペガサスの様だった。
(王さま……ボク、今すごく幸せです。王さまと特別な白馬に乗って、この虹色の草原を一緒に眺めていられるなんて……これ以上無いくらいの素敵な思い出を与えてくださって、それだけでボクは感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます……)
ジシュイは王の腕にしがみつきながら、この甘く暖かい幸せを心に刻み込んでいた。
この光景を絶対に忘れない。この優しさを絶対に忘れない。いつまでも尊敬する王について行き、少しでも彼の力になりたい。そして王が民の皆を見捨てないように、自分もそういう星ビトでありたい。
ジシュイの瞳は先ほどまで暗く澱んでいたのが、いつの間にか二人を照らす星粒のようにキラキラと光を宿していた。
*
「天空へ飛び立て!! ジーク!!」
掛け声と共にジークと呼ばれた白馬が天空へと駆け出した。その力強い脚並みは風を切り、大気を掻っ切ってあっという間に空へ舞い上がる。
そのまま二人を乗せた白馬は、勢いづいたまま華麗な足捌きで北東の国境へ駆けて行った。
(す、すごい!! ボクが王様の馬に乗せてもらっているなんて! やっぱり王様や王様の馬はスゴイや! 殆ど揺れないで線の上を走ってるみたい……それなのに、槍が一直線に飛んでくみたいに鋭くて速い……!!)
あまりの速さにジシュイは言葉を発する余裕もなく、頬に当たる大気の鋭さだけで圧倒された。
遥か下に見える景色は緩やかに移動するが、周辺に散りばめられている流星痕跡達が一瞬で通り過ぎていく。
もしこれで落ちてしまったら、白馬が気付く前に自分の体が地に落ちて死んでしまうかもしれない。ジシュイは凄まじい速さの中でしがみつく力を更に強め、青年の腕を絶対に離さんとした。
「……怖いか?」
「い、いえ……!」
「すまんな。時間があまり無いもんで、全速力で向かっている」
「と、とんでもございません……ボクのドジの為にこんな事までして下さるなんて……」
ジシュイは王の優しさで胸がいっぱいになる反面、申し訳なさも心のどこかで拭えなかった。本当なら黒くなった星粒の残骸や星壺の破片を自分が片づけ、今年の祭りは家でひっそりと眺めるだけにしようと思ったのに……。
しかし、俯くジシュイを覗き込むようにポリュデウケース王は少年を覆い、小さく縮こまる体を柔らかく抱き締めてあげた。
「気にしなくていい……誰だって失敗の一つや二つはあるものさ」
見つめる王の瞳は、この国の誰よりも優しい眼差しをしている。声色もとても落ち着いていて、ジシュイはその暖かい言葉と抱擁に、身も心も委ねてしまいそうになった。
「でも、ボクは……大事な華火の材料を無駄にしてしまいました……しかも希少な上質の星粒を……」
星壺を割り、痕跡を無駄にして皆を落胆させてしまったのは事実だ。王が暖かい言葉を投げてくれても、その罪は変わらない。
ジシュイはその事を思い出して、深く肩を落とした。
しかし、王の思う処は全く違う様だ。
落ち込んだままのジシュイを見て、王は鼻で大きく息を吐くと小さく笑みを浮かばせた。
「祭りっていうのはな、みんなで参加して楽しむ事に意味があるんだ。誰か一人でも気持ちが沈んでいたら、絶対に俺は耐えられない」
「ポ、ポリュデウケースさま……」
「俺が王である限り、誰一人悲しい思いになんてさせやしない。誰かの成果をみんなで喜び、誰かの失敗をみんなで補い支え合う。国や民ってのはそういうもんだろ?」
「はい、はいっ!」
王の言う通りだ。自分達は華火の為の材料を皆で協力して集め、六人の華火師が分担して華球を造る。
星壺だって、空になった物を各々が協力して持ち運び、また別の者が華火師達のやりやすい様に用意するではないか。
この当たり前の動作でさえ、国の皆がそれぞれ出来る事を全うし支え合っている。
王の熱い言葉でジシュイの瞳が真っ赤に充血し、ふっくらした頬伝いにポロポロと雫がこぼれた。
我が王がポリュデウケース様で本当に良かった。いつも明るくて皆に優しくて、しかし困っている者が居れば一番に手を差し伸べてくれる。
こんな素晴らしい王が他に居るだろうか。こんなに心が温かく意志の強い青年王の元に産まれて、本当に自分は運が良かったと思う。
ジシュイは王の腕にうずくまって涙を溢れさせた。
「ありがとうございます……ありがとうございます! 我が王のお気持ち、心の奥に深く刻みます! ボクは……ドジばっかりでいつも皆に迷惑かけてるけど、ボクも誰かの役に立ちたいです! もし困っている人がいたら、王のお気持ちに倣って一番に手を差し伸べてあげたいです!」
「あぁ。そう思ってくれるなら心強いな。それに、失敗や辛い気持ちを経験した者ほど、俺の気持ちをよく分かってくれる。ジシュイは大事な良き理解者だぞ?」
「……? ポリュデウケース様も失敗や辛い気持ちになる事があったのですか?」
キョトンとするジシュイに、王はよくぞ聞いてくれたとニッカリ笑った。
「勿論だとも! 俺はな、王になって間もない頃、並べてあった星壺を全部割っちまって、殆どの流星痕跡を無駄にしたことがある!」
「えぇぇっ!?」
「いや、わざとじゃないぞ? ひしめき合ってた壺の一つに脚がぶつかって倒してしまったんだよ。そしたら倒した壺が隣の壺にぶつかって倒れて、また隣の壺にぶつかって倒れていくだろ? もうこうなってしまったら倒れきる迄待つしかないよなぁ」
「いやいや!? 全部無駄にしてその後大丈夫だったんですか!?」
「いや……間に合わなくてな。結局僅かに残った痕跡と急いでかき集めてきた痕跡で何とか華火を作り上げたんだが……」
「だ、だが……?」
「結局数が少なすぎて、その年の華火は寂しいものだな! って各国の王様達に言われたさ! アハハハハ!」
「ひ、ひぇぇぇ!!」
「ま、そんな年もあるから、お前も気にしない気にしない!」
「は、はいぃぃ……」
我が王の失敗談は、かなり深刻な事態であった事は容易に想像がつく。カストールや他の星ビト達の青ざめた表情がありありと脳裏に浮かんでくる。しかしそれを笑い飛ばしてしまうあたり、さすがは民を総べる王の器と言ったところだろうか。
今の話でジシュイの体は思わずすくみ上がってしまった。しかし代わりに沈んでいた気持ちも少しは軽くなれた気がして、ジシュイは王の暖かい配慮を心の中で噛み締めるのだった。
*
二人の話が弾んでいる内に、白馬は国境にほど近い北東の天空に辿り着こうとしていた。
ジシュイが集めきれなかった虹色の流星痕跡が草原のように輝きだし、新たな客を招き入れる。
「おぉ! これは凄いな!!」
その上質な星粒の多さに、王も度肝を抜かれて思わず声が上がった。
「ジシュイよ、希少と言われる虹色の流星痕跡が大量に散りばめられているとは、よくぞこの場所を見つけてくれた!」
「はい!」
「いやぁ、全然ドジじゃないだろ。こんな穴場を見つけて、むしろお手柄だぞ?」
「あ、ありがとうございます。でも……これをどうやって集めましょう。ボク、星壺を持ってきませんでした……うわぁぁ!」
ジシュイがまたドジをしてしまった事に頭を抱える。やはり、ドジはこんな大事な時にも再びやらかしてしまうのか。
だが、がっくりする少年の後ろで青年王はニヤリと口角を上げ、自身の懐から折り畳まれた小さな布を取り出した。
「ふふふ……これがなんだか分かるか?」
「……? えっと、小さく畳んだハンカチですか?」
「違うぞ。これはな、こんな風にして……使うんだ!」
王が勢いよく布を広げれば、そこには大きく広がった巨大な掛け布が現れた。
四隅には紐を通す穴が開けられ、括り付けられている四本の紐を力強く引けば、その場に大きなパラシュートが出来上がった。
「なるほど! この中に星粒を集めるのですね!?」
「そうだ。しかもこの紐をジークのサドルパッドに取り付ければ、俺達は走らせるだけで大量の星粒を掻き集める事が出来よう」
「すごい! それなら時間もかからずすぐ持って帰れますね!」
「だろう? ジークの力は一万馬力だから、星粒の重さなんて屁でもない。さ、そうと決まれば早速取り付けて辺り一帯を駆け回るぞ!」
「はい!」
サドルパッドの両側に紐を括り付けた二人は、馬の背に乗って輝く草原を軽やかに駆け回った。風と流星痕跡の重さに引っ張られたパラシュートは、大きく弧を張って大量の星粒を捕らえていく。
少し走っただけでパラシュートの中の星粒は満杯になり、二人はそれを強く縛って袋状にした。そうすればあっという間に丸く膨らんだ宝袋と早変わりする。
そして王は二個目の折り畳まれたパラシュートを広げて、再び辺りを駆け回った。
華麗に掛ける白馬に乗り、王とこの特別な景色を二人占めしている。
まさか自分の失敗からこんな事になるとは、誰が想像できたことだろう? 逞しく長い腕に包まれ、見上げれば青年の優しい笑みが自分に向けてくれる。
白馬が引くパラシュートの脇から漏れ出した流星痕跡が、流星となって燃えて落ちていく。その姿は、まるで天空を渡り歩く伝説獣ペガサスの様だった。
(王さま……ボク、今すごく幸せです。王さまと特別な白馬に乗って、この虹色の草原を一緒に眺めていられるなんて……これ以上無いくらいの素敵な思い出を与えてくださって、それだけでボクは感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます……)
ジシュイは王の腕にしがみつきながら、この甘く暖かい幸せを心に刻み込んでいた。
この光景を絶対に忘れない。この優しさを絶対に忘れない。いつまでも尊敬する王について行き、少しでも彼の力になりたい。そして王が民の皆を見捨てないように、自分もそういう星ビトでありたい。
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