亡命者の竜の国の皇子は年上脳筋女子に逆らえない

胡蝶花れん

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第六十八話

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 「振りだしだぁ」

 そういうと、レイリアは用意された宮殿の中の客室のベッドにダイブした。

 「リアねぇさん行儀悪い」
 「だぁー!わかってるわよ!」
 「まぁ、呪いではないってことは、わかったしな。」
 「う~私今回役立たずだった。」
 「おいおい、これからだろ?」
 「じっちゃん、そうは言うけどさー私の解呪は意味なかったし、卵はうんともすんとも言わないしで、どうすんのよー」
 
 レイリアはお手上げと言わんばかりに、肩をすくめヤレヤレといったジェスチャーをしていた。
 
 「ったく、俺達と一緒っだたら、出会えるだの言ってた癖に、肝心のこいつはだんまりだもんなー」
 
 そういうと、アレクはテーブルに乗せている卵をコンコンコンコンと連打していた。すると、

 『響くからやめんか!』
 「「「??!!」」」
    
 卵から声がした。

 「うわ、喋った!?って、まさか?」
 『うむ、魔力をこちら(卵)に投入してから、かなり落ち着いたからな。少しは話せるぞ。』
 アレクが驚いていると、レイリアが乗り込んできて、

 「もぉーー!なんで肝心な時に話さないのよ!」
 『しょうがないだろう。さっきも言ったが、力がやっと安定してきたからだ。タイミングは、そんな都合よくいくわけがなかろう』
 「むぅー」

 レイリアはちょっとむくれていた。

 「おーこれが噂のグリーンドラゴンか」

 ヴァンは面白そうに卵に声をかけ、

 「俺はヴァンデル・ブローム、こいつらの保護者みたいなもんだ。よろしくな!」
 『ほう、なかなか面白そうな男だな。私はドラゴンのリョクという。今は卵だが、孵ればそれはそれは美しい緑の鱗を持つ竜になる予定だ。』
 「自分で言うんだ・・・」

 レイリアは少し呆れていた。

 「で、話せるなら調度いい。リョク、いつ卵から孵るんだよ?」 
 『それなんだがな、少し問題がでてきてな・・・』
 「どういうことだ?」
 
 アレクの問いに少し歯切れの悪いリョクは話を続けた。

 『・・・簡単に言うと魔力不足だ。』
 「「えっ?!」」
 『孵化するにはそれはそれで、魔力が必要になる。完全に見誤ったしまった。』
 「え?どうして魔力不足になっちゃったの?」

 レイリアが至極全うな質問をすると、言いにくそうにリョクは続けた。

 『サーチしたのが原因だと・・・・』
 「サーチ?・・・捜索?!ってことは?!」 

 レイリアは何故そんなことになったのか、気が付いた。

 『うむ、ルネの転生を捜索するのに、実はかなり魔力を使ったのでな。それで孵化するまでの魔力切れを起こしてしまったようだ・・・』
 「えーーーーーじゃどうしたらいいのよ?!」

 レイリアの問いに、ヴァンはあっさりと

 「なら外部から魔力をいれたらいいだけの話じゃねぇのか?」
 『さすがだな、大方その通りだ。だが、普通のではダメなのだ。』
 「というと?」

 レイリアは不思議そうにしていると、

 『我は竜だからな。同じ系統しか受け付けられん。』
 「え?!」
 『つまり、同じ竜からでないと、魔力補助が受けられないのだ。』
 「じゃ、私とか獣人の人もだめってことか・・・」

 レイリアは落胆したが、そこへアレクが気が付いたように、

 「もしかして、俺だったらいけるんじゃないのか?」
 

 その言葉に一斉にアレクに注目した。
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