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第六十話
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「そういうことだったのか・・・」
「ん?ということは、今回の依頼ってもう終わりだよね?」
「え?・・って、あぁそっか!」
今回の依頼は、ブリュネ村周辺の魔獣の狂暴化の調査である。その元凶は、グリーンドラゴンの卵?であるご神体のヒビが入ったことによる魔力の漏れと祠を壊されたことによる結界が綻びによって、周りにいた魔獣に影響をもたらしたということだった。
「ただ原因はわかったけど・・・・」
そう、原因がわかったのではあれば当然対策がいるのだ。問題はそれらをどうすれば狂暴化の沈静化ができるのかということになる。
「単純になんですけど、その卵に魔力が注がれるのが終われば、周りの魔獣への影響はなくなるって解釈であってます?」
「無論だ。」
「それってあとどのくらいなんだ?」
「もうじきだ。」
「「ええ?!」」
「私とて長い間ルネと私を祀ってくれた村人達を苦しめたくはない。其方たちが近くに来たことが分かった時点で急ピッチに魔力注入している。」
ドォオオオンン!!
「「??!!」」
グリーンドラゴンが話を一区切り終えると、それまでは普通に話していた長い首を上げていることがままならず、首は地面に沈んでしまった。
「ふ・・・どうやらここまでのようだ。首を上げてるだけでも辛くてな。」
「グリーンドラゴン・・・」
「お、おい!大丈夫かよ!」
アレクも焦ってどうにかしようにも、いくらやせ細ったとはいえ、巨大なドラゴンの身体はどうにもやりようはなかった。
「・・・・私は『リョク』というのだ。」
「リョク?」
「ルネが付けてくれた。東の言葉で、私の鱗の色であるグリーンを現すのだそうだ。祠にある石もどきの卵は間もなく緑色の卵に変わる。村人には事情を話して持ち出してほしい。」
「わかりました。」
レイリアもアレクにももうわかっていた。もう間もなくお別れの時が来ているのだと。
「そして・・・どうかルネに・・・ただ会いたいのだ。だけど、もし・・・」
「もし?」
「彼女に伴侶がいるなら、一目見るだけで構わない。彼女の今世の幸せを邪魔するつもりはないのだ・・・」
「リョク・・・」
会ったばかりではあったものの、レイリアもアレクも少し寂しい気持ちになっていた。
グリーンドラゴンのリョクは、フッとかすかに笑うと、
「そんなに神妙な顔をしないでくれ。私は死ぬわけではない。身体が生まれかわるのだ。だが・・・そういった表情をしてもらえるのは・・・・悪くない気分だな。」
そういうが、グリーンドラゴンの身体はまばゆい光に包まれ始めた。
「「!!??」」
レイリアもアレクもあまりの眩しさに目を開けていられなくなったが、最後にリョクの声が聞こえた。
「あぁそうだ。もちろん世話をかけるからには、ただではないぞ。私は必ず・・・・・」
だが、最後まで聞き取ることは叶わず、そして・・・
「リョク・・・・」
「・・・何て言ったのか、聞き取れなかったじゃねぇか・・・」
洞窟内にはドラゴンが住んでいたという跡地かのように、ドラゴンの影跡だけが岩肌に染み着いたように黒く残っていた。
二人は洞窟を後にし、言われていた通り、祠の中にある卵モドキの石を確認していた。
「うわ・・」
「石感なくなってる。今度はちゃんと卵に見えるわね。それに、さっきよりも大きくなってる気が?」
祠の中にあったのは、リョクの鱗色であるグリーンと湖の青色を掛け合わせたようなマーブル模様の色彩をもつ綺麗な卵であった。ただし、ヒビは最初見た時よりも増えていた。そしてレイリアが言うように、実際に魔力を一気に注入されたことで、卵は大きくなっていたのだ。さきほどまでは両手の掌で持てていたが、今はそれ以上に手に余っていた。
「もうすぐ孵るのかしらね?」
「そういや、いつ孵るのか聞いてなかった!」
二人はしまった!という顔をしたが、卵にヒビが入っていることから、そんなにかからないだろうと結論に達し、卵を持って村へ戻っていった。
「ん?ということは、今回の依頼ってもう終わりだよね?」
「え?・・って、あぁそっか!」
今回の依頼は、ブリュネ村周辺の魔獣の狂暴化の調査である。その元凶は、グリーンドラゴンの卵?であるご神体のヒビが入ったことによる魔力の漏れと祠を壊されたことによる結界が綻びによって、周りにいた魔獣に影響をもたらしたということだった。
「ただ原因はわかったけど・・・・」
そう、原因がわかったのではあれば当然対策がいるのだ。問題はそれらをどうすれば狂暴化の沈静化ができるのかということになる。
「単純になんですけど、その卵に魔力が注がれるのが終われば、周りの魔獣への影響はなくなるって解釈であってます?」
「無論だ。」
「それってあとどのくらいなんだ?」
「もうじきだ。」
「「ええ?!」」
「私とて長い間ルネと私を祀ってくれた村人達を苦しめたくはない。其方たちが近くに来たことが分かった時点で急ピッチに魔力注入している。」
ドォオオオンン!!
「「??!!」」
グリーンドラゴンが話を一区切り終えると、それまでは普通に話していた長い首を上げていることがままならず、首は地面に沈んでしまった。
「ふ・・・どうやらここまでのようだ。首を上げてるだけでも辛くてな。」
「グリーンドラゴン・・・」
「お、おい!大丈夫かよ!」
アレクも焦ってどうにかしようにも、いくらやせ細ったとはいえ、巨大なドラゴンの身体はどうにもやりようはなかった。
「・・・・私は『リョク』というのだ。」
「リョク?」
「ルネが付けてくれた。東の言葉で、私の鱗の色であるグリーンを現すのだそうだ。祠にある石もどきの卵は間もなく緑色の卵に変わる。村人には事情を話して持ち出してほしい。」
「わかりました。」
レイリアもアレクにももうわかっていた。もう間もなくお別れの時が来ているのだと。
「そして・・・どうかルネに・・・ただ会いたいのだ。だけど、もし・・・」
「もし?」
「彼女に伴侶がいるなら、一目見るだけで構わない。彼女の今世の幸せを邪魔するつもりはないのだ・・・」
「リョク・・・」
会ったばかりではあったものの、レイリアもアレクも少し寂しい気持ちになっていた。
グリーンドラゴンのリョクは、フッとかすかに笑うと、
「そんなに神妙な顔をしないでくれ。私は死ぬわけではない。身体が生まれかわるのだ。だが・・・そういった表情をしてもらえるのは・・・・悪くない気分だな。」
そういうが、グリーンドラゴンの身体はまばゆい光に包まれ始めた。
「「!!??」」
レイリアもアレクもあまりの眩しさに目を開けていられなくなったが、最後にリョクの声が聞こえた。
「あぁそうだ。もちろん世話をかけるからには、ただではないぞ。私は必ず・・・・・」
だが、最後まで聞き取ることは叶わず、そして・・・
「リョク・・・・」
「・・・何て言ったのか、聞き取れなかったじゃねぇか・・・」
洞窟内にはドラゴンが住んでいたという跡地かのように、ドラゴンの影跡だけが岩肌に染み着いたように黒く残っていた。
二人は洞窟を後にし、言われていた通り、祠の中にある卵モドキの石を確認していた。
「うわ・・」
「石感なくなってる。今度はちゃんと卵に見えるわね。それに、さっきよりも大きくなってる気が?」
祠の中にあったのは、リョクの鱗色であるグリーンと湖の青色を掛け合わせたようなマーブル模様の色彩をもつ綺麗な卵であった。ただし、ヒビは最初見た時よりも増えていた。そしてレイリアが言うように、実際に魔力を一気に注入されたことで、卵は大きくなっていたのだ。さきほどまでは両手の掌で持てていたが、今はそれ以上に手に余っていた。
「もうすぐ孵るのかしらね?」
「そういや、いつ孵るのか聞いてなかった!」
二人はしまった!という顔をしたが、卵にヒビが入っていることから、そんなにかからないだろうと結論に達し、卵を持って村へ戻っていった。
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