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第二十四話 バルミング伯爵家②
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「おぉ!!エステルが帰ってくるそうだ!!」
「なっ!」
ブルーノは喜び、ドミニカは驚いていた。
「連絡があった。こちらに向かっているそうだ。」
ブルーノは嬉しそうにしているが、ドミニカはブルーノの意図がわからず焦っていた。
「あ、貴方なんで喜んでいるのよ!あの事を忘れたの?!」
そう、そもそも夫妻はレイリアを亡き者にしようとしていたからだ。だからブルーノが機嫌良くしている意味がドミニカには全く理解できなかった。
「そうじゃないだろ、。わざわざ来てくれるんだぞ?」
「え、どういう意味ですの?」
「的がわざわざ自らこちらに来てくれるんだ。やりやすいだろって話だ。」
「まぁ、そういう意味ですのね。たしかに仰る通りだわ。」
ブルーノの言葉の意味にドミニカも頷き、ホッとした。
「連絡によると、エステルと子供と老人が一人だそうだ。」
「三人のうち、年寄りと子供ねぇ・・・」
ドミニカは嬉しくてしょうがなかった。あまりにもやり易いと思ったからだ。
「道中に、山賊とか・・・ねぇ。危ないわよねぇ。オホホホホ」
「そうだ。何もなければいいがな。ククククククッ」
バルミング夫妻はわざとらしい会話を広げ笑っていた。そんな時に、突如部屋のドアが開いた。
バァアアアン
「「?!!」」
「お父様、お母様!!」
その声の主は二人の子供、オルガであった。オルガは今14歳。フワフワの金髪に母親譲りの美貌であるが、目は垂目で庇護欲をそそる美少女であった。だがその美しい顔も、今は涙で曇っていた。
「アートス様が、アートス様がひどいの!!」
オルガは、ひどく傷ついた様子で、ひたすた泣いていた。
「オ、オルガどうしたの?ちゃんと話してくれないとわからないわ」
ドミニカが優しく言うと、オルガは泣きながらもやっと事の経緯を話し出した。
「ひっくひっく、さっきアートス様に私とはもう婚約者同士ではいられないって言われたの!!」
「「!!!」」
二人は驚いた。確かに今日はオルガが、ナーリスバーナ侯爵邸に訪問するのは知っていたが、それはいつもの婚約者同士の逢瀬だと思っていたからだ。それがまさかナーリスバーナ侯爵が婚約破棄について、オルガに直接言うとは想定外だったのだ。
「ねぇお母様どうして?私何かした?アートス様今まであんなに優しくしてくれていたのに、急にどうして・・・」
オルガは泣きじゃくっていた。ブルーノとドミニカは何とか娘をあやそうと取り繕っていた。
「ち、違うんだ、オルガ。きっと侯爵は勘違いされている。」
「勘違いってどういう意味なの?」
ブルーノは困った。まさか姉が生きていて、ナーリスバーナ侯爵がそっちに切り替えようとしているなどと、どう伝えればいいのかと。
「と、とにかく!ナーリスバーナ侯爵については私達に任せなさい!」
「お父様、それじゃわからないわ!!」
「大丈夫、オルガ私達に任せて、ね?」
両親に何とか宥められ、オルガは腑に落ちないまま、自室に戻るようにと促されてしまった。
「貴方、オルガがいくら子供と言っても、こんな無理やりごまかすのも持たないですわよ。」
「わかっている!とにかく、エステルの大体の帰路ルートはわかるからな。お前が言っていたように、早急に手配をするんだ!」
「今度こそ、確実に、ですわね。」
「帰ってくる頃には、物言わぬ・・・だ」
またもや、二人の笑い声が部屋中に響いていた。
ナーリスバーナ侯爵邸にて_____
『ふふっあの愚かな夫婦は、またくだらないことを画策しているのだろうな。さて、エステル・サー・バルミング、いや今はレイリア・ブロームだっけか。君は私の期待を裏切らないでいてくれるかな?』
意味深にクスリと笑い、アートス・サー・ナーリスバーナは、片手に赤ワインが入っているグラスを持ちながら自室の窓から見える月を眺めていた。
「なっ!」
ブルーノは喜び、ドミニカは驚いていた。
「連絡があった。こちらに向かっているそうだ。」
ブルーノは嬉しそうにしているが、ドミニカはブルーノの意図がわからず焦っていた。
「あ、貴方なんで喜んでいるのよ!あの事を忘れたの?!」
そう、そもそも夫妻はレイリアを亡き者にしようとしていたからだ。だからブルーノが機嫌良くしている意味がドミニカには全く理解できなかった。
「そうじゃないだろ、。わざわざ来てくれるんだぞ?」
「え、どういう意味ですの?」
「的がわざわざ自らこちらに来てくれるんだ。やりやすいだろって話だ。」
「まぁ、そういう意味ですのね。たしかに仰る通りだわ。」
ブルーノの言葉の意味にドミニカも頷き、ホッとした。
「連絡によると、エステルと子供と老人が一人だそうだ。」
「三人のうち、年寄りと子供ねぇ・・・」
ドミニカは嬉しくてしょうがなかった。あまりにもやり易いと思ったからだ。
「道中に、山賊とか・・・ねぇ。危ないわよねぇ。オホホホホ」
「そうだ。何もなければいいがな。ククククククッ」
バルミング夫妻はわざとらしい会話を広げ笑っていた。そんな時に、突如部屋のドアが開いた。
バァアアアン
「「?!!」」
「お父様、お母様!!」
その声の主は二人の子供、オルガであった。オルガは今14歳。フワフワの金髪に母親譲りの美貌であるが、目は垂目で庇護欲をそそる美少女であった。だがその美しい顔も、今は涙で曇っていた。
「アートス様が、アートス様がひどいの!!」
オルガは、ひどく傷ついた様子で、ひたすた泣いていた。
「オ、オルガどうしたの?ちゃんと話してくれないとわからないわ」
ドミニカが優しく言うと、オルガは泣きながらもやっと事の経緯を話し出した。
「ひっくひっく、さっきアートス様に私とはもう婚約者同士ではいられないって言われたの!!」
「「!!!」」
二人は驚いた。確かに今日はオルガが、ナーリスバーナ侯爵邸に訪問するのは知っていたが、それはいつもの婚約者同士の逢瀬だと思っていたからだ。それがまさかナーリスバーナ侯爵が婚約破棄について、オルガに直接言うとは想定外だったのだ。
「ねぇお母様どうして?私何かした?アートス様今まであんなに優しくしてくれていたのに、急にどうして・・・」
オルガは泣きじゃくっていた。ブルーノとドミニカは何とか娘をあやそうと取り繕っていた。
「ち、違うんだ、オルガ。きっと侯爵は勘違いされている。」
「勘違いってどういう意味なの?」
ブルーノは困った。まさか姉が生きていて、ナーリスバーナ侯爵がそっちに切り替えようとしているなどと、どう伝えればいいのかと。
「と、とにかく!ナーリスバーナ侯爵については私達に任せなさい!」
「お父様、それじゃわからないわ!!」
「大丈夫、オルガ私達に任せて、ね?」
両親に何とか宥められ、オルガは腑に落ちないまま、自室に戻るようにと促されてしまった。
「貴方、オルガがいくら子供と言っても、こんな無理やりごまかすのも持たないですわよ。」
「わかっている!とにかく、エステルの大体の帰路ルートはわかるからな。お前が言っていたように、早急に手配をするんだ!」
「今度こそ、確実に、ですわね。」
「帰ってくる頃には、物言わぬ・・・だ」
またもや、二人の笑い声が部屋中に響いていた。
ナーリスバーナ侯爵邸にて_____
『ふふっあの愚かな夫婦は、またくだらないことを画策しているのだろうな。さて、エステル・サー・バルミング、いや今はレイリア・ブロームだっけか。君は私の期待を裏切らないでいてくれるかな?』
意味深にクスリと笑い、アートス・サー・ナーリスバーナは、片手に赤ワインが入っているグラスを持ちながら自室の窓から見える月を眺めていた。
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