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第十七話 ヴァンとギード
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「で、どうだった??収穫はもちろんあったんだろう?」
「まーな」
そこは冒険者ギルド『ゼルタ』のギルドマスターの部屋で、現ギルドマスターのギードと前任のギルドマスターであるヴァンの二人はテーブルを挟んで向かい合い、酒を交わしていた。
レイリアとアレクが出会った頃、ヴァンはギルドの依頼で遠征していた。そしてその行き先で、レイリアとアレクのことをギードからの伝書鳥(伝書バトのようなもの)で報告を受けていたので、ヴァンはレイリアとアレクのことを知っていたのだ。
そしてヴァンは遠征先でギルドの依頼とは別に、あることを調査することになり、予定していたよりも帰還が遅れてしまったのだ。そして今は酒を交わしつつ、その報告を兼ねていた。
「リアに引き続き、なんというか引きがいいのか悪いのか。」
ギードは笑いを堪えきれず、ヴァンは心外だという顔をした。
「何言ってやがる。リアは俺だけじゃなくてお前も一緒だったろうが。それにあの小僧は俺じゃねぇ。リアが拾ったんだ。」
「くくっリアにも言ったが、育ての親の影響だろうよ。」
「ちっ」
ヴァンは体制を整え、テーブルにあった水割りを口にした。そして真剣な顔をして、
「本題だが・・・お前が睨んだ通りだ。恐らくあの小僧・・・アレクは例の人物だろう。年の頃もそれぐらいだし髪色も瞳の色も合致している。」
「やっぱりか・・・リアが連れて来た時から、そんな気はしてたんだ。服装が異国のモノだったからな。」
以前レイリアが言っていたとおり、アレクの服装は貴族のものであったが、貴族であれ平民であれ、衣服には流行や国の特長がでる。ギードは目敏く、それを見逃さなかったのだ。
「・・・・・」
「で、どうするんだ?そのまま匿うのか?」
「そのつもりだが?」
ヴァンは迷いもせず即答だったので、ギードの目は驚きで見開いたが、同時に納得もしていた。
「即答だな。まぁヴァンならそう言うと思ったよ。」
「リアが決めたんだ。親はサポートしてやらねぇとな。」
「ヴァンは娘に甘いねぇ」
「そうか?リアが独り立ちできるよう、俺的には厳しく鍛えてやったけどな。」
「あの年で銅(ブロンズ)だからな。それは否めねぇ。」
ギードもテーブルにある水割りに手を伸ばしカランと氷に入ったグラスを鳴らすと、真剣な表情になった。
「・・・・・だが本当にいいのか?アレクはリアの時とは比べ物にならねぇぞ?はっきり言うが相手が悪い。」
「・・・そうだな。」
「現ギルドマスターである俺でさえ、躊躇するネタだ。」
「・・・ギード、お前は知らないふりしてくれたらそれでいい。」
「だが!」
ギードは食い下がった。アレクを匿うことがレイリアの時とは事情が大きく違う。アレクの背後にあるものが、レイリアが貴族であること以上に大きいからだ。
「言っただろ?リアが決めたなら俺はサポートする。それだけだ。」
「ヴァン・・・」
「もし、ギルドに正式に連絡があったなら教えてくれ。俺が調査した段階では、あちらさんはまだ公にしていなかったからな。俺の見立てだと、当面はそれをする気はないだろう。もしするとしたら、別口が動くか・・・だな。」
「・・・それだけに闇が深そうだな。」
「まぁそこに付け入らせてもらうさ。」
そう言うとヴァンはニヤッと笑った。
「くくっ違いない」
ギードもヴァンに続いて笑い、そして水割りのグラスを掲げ、ヴァンにもそれを促した。
「二人(レイリアとアレク)の未来に」
「あぁ」
「「乾杯」」
そして言うが同時にキンッという、グラスがぶつかる音がした。
「まーな」
そこは冒険者ギルド『ゼルタ』のギルドマスターの部屋で、現ギルドマスターのギードと前任のギルドマスターであるヴァンの二人はテーブルを挟んで向かい合い、酒を交わしていた。
レイリアとアレクが出会った頃、ヴァンはギルドの依頼で遠征していた。そしてその行き先で、レイリアとアレクのことをギードからの伝書鳥(伝書バトのようなもの)で報告を受けていたので、ヴァンはレイリアとアレクのことを知っていたのだ。
そしてヴァンは遠征先でギルドの依頼とは別に、あることを調査することになり、予定していたよりも帰還が遅れてしまったのだ。そして今は酒を交わしつつ、その報告を兼ねていた。
「リアに引き続き、なんというか引きがいいのか悪いのか。」
ギードは笑いを堪えきれず、ヴァンは心外だという顔をした。
「何言ってやがる。リアは俺だけじゃなくてお前も一緒だったろうが。それにあの小僧は俺じゃねぇ。リアが拾ったんだ。」
「くくっリアにも言ったが、育ての親の影響だろうよ。」
「ちっ」
ヴァンは体制を整え、テーブルにあった水割りを口にした。そして真剣な顔をして、
「本題だが・・・お前が睨んだ通りだ。恐らくあの小僧・・・アレクは例の人物だろう。年の頃もそれぐらいだし髪色も瞳の色も合致している。」
「やっぱりか・・・リアが連れて来た時から、そんな気はしてたんだ。服装が異国のモノだったからな。」
以前レイリアが言っていたとおり、アレクの服装は貴族のものであったが、貴族であれ平民であれ、衣服には流行や国の特長がでる。ギードは目敏く、それを見逃さなかったのだ。
「・・・・・」
「で、どうするんだ?そのまま匿うのか?」
「そのつもりだが?」
ヴァンは迷いもせず即答だったので、ギードの目は驚きで見開いたが、同時に納得もしていた。
「即答だな。まぁヴァンならそう言うと思ったよ。」
「リアが決めたんだ。親はサポートしてやらねぇとな。」
「ヴァンは娘に甘いねぇ」
「そうか?リアが独り立ちできるよう、俺的には厳しく鍛えてやったけどな。」
「あの年で銅(ブロンズ)だからな。それは否めねぇ。」
ギードもテーブルにある水割りに手を伸ばしカランと氷に入ったグラスを鳴らすと、真剣な表情になった。
「・・・・・だが本当にいいのか?アレクはリアの時とは比べ物にならねぇぞ?はっきり言うが相手が悪い。」
「・・・そうだな。」
「現ギルドマスターである俺でさえ、躊躇するネタだ。」
「・・・ギード、お前は知らないふりしてくれたらそれでいい。」
「だが!」
ギードは食い下がった。アレクを匿うことがレイリアの時とは事情が大きく違う。アレクの背後にあるものが、レイリアが貴族であること以上に大きいからだ。
「言っただろ?リアが決めたなら俺はサポートする。それだけだ。」
「ヴァン・・・」
「もし、ギルドに正式に連絡があったなら教えてくれ。俺が調査した段階では、あちらさんはまだ公にしていなかったからな。俺の見立てだと、当面はそれをする気はないだろう。もしするとしたら、別口が動くか・・・だな。」
「・・・それだけに闇が深そうだな。」
「まぁそこに付け入らせてもらうさ。」
そう言うとヴァンはニヤッと笑った。
「くくっ違いない」
ギードもヴァンに続いて笑い、そして水割りのグラスを掲げ、ヴァンにもそれを促した。
「二人(レイリアとアレク)の未来に」
「あぁ」
「「乾杯」」
そして言うが同時にキンッという、グラスがぶつかる音がした。
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