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228:結婚式~前編~
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その日は、晴れやかな日であった。
小さな教会にて、一組のカップルの挙式が行われようとしていた。
セレスティアはマーメイドラインのスタイルの良さが引き立つ真っ白なウェディングドレスを着用し、髪には花嫁の象徴である、透け感のある白い長いベールを被っていた。手にはセレスティアの瞳をイメージした薄水色の花と白の花でできたブーケを持っていた。対するカイエルは黒のタキシードを着用し、左胸には花嫁のブーケとおそろいの薄水色の花のブートニアが挿されていた。
「おめでとう!セレスティア!とっても綺麗よ!」
「目出度いのじゃー!」
「ついにだね、カイエル、セレスティア!おめでとう~」
『竜の祖』である、イシュタル、アンティエル、ラーファイルがセレスティアとカイエルの祝辞を述べていた。
今日はセレスティアとカイエルの結婚式である。
実はセレスティアが結婚すると上司に報告した際には、竜騎士団が悲しみに包まれる事態に陥ったのだ。
というのも、竜騎士団の紅一点であるセレスティアは、竜騎士団の中では、絶大な人気があったのだ。しかしセレスティアが団長であるユージィンの姪っ子だということも知れ渡っていたため、それは表面化せず、水面下で竜騎士団のマドンナ的存在になっていたのである。
だが当のセレスティアはそんなことになっているなど露ほども知らない。
「ウゥゥゥセレスティア・・・」
「バカやろう!好きな女の幸せを願ってやれなくてどうする!」
「こんなことなら、ちゃんとアプローチしておくんだった・・・」
嘆き悲しむ者、叱咤する者、後悔する者と皆それぞれに反応は違ったが、けれど行き付くところは、
「セレスティアが選んだ男だ。祝福しよう!けど、そいつが彼女を泣かすようなら俺らが黙っていない!」
「おぉーーーー!!!」
ということで落ち着いた。そしてセレスティアは、そんなやり取りがあったことなど、やはり微塵も知らないままであった。
「カイエル殿、セレス結婚おめでとう。綺麗だよ。」
「さすが俺の妹だな。結婚おめでとう」
「セレス姉さまお綺麗です!カイエルさんも、カッコいいです!」
セレスティアの家族であるセスやディーン、ショーンも祝辞を述べていた。ディーンの妻は、まだ生まれた子供が小さいこともあり、今回は母子で欠席である。
「ま、まぁセレスティア結婚おめでとう。」
セレスティアに対してこういった言葉に言い慣れていないせいか、表情も少しぎこちなかった。セレスティアからしてみればそれでも上々である。
「義母上、ありがとうございます。」
セレスティアが笑顔でお礼をいうと、ジョアンナはまるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、少し顔を赤らめて、
「し、幸せな家庭を築いてちょうだい。」
目を合わせずそっぽを向きながら放つ言葉は、なんともツンデレを発揮していた。その様子を見たセレスティアは微笑ましいものを感じていた。
「セレスティアお姉様おめでとうございます。」
「カイエル卿セレスティア嬢、ご結婚おめでとうございます。」
ソフィア夫妻も祝辞を述べてきた。ソフィアのお腹は少しふっくらとしていた。
「ありがとうございます。ソフィア体調は大丈夫?」
「えぇ、少しくらいなら大丈夫だって。ちゃんとお医者様のお墨付きよ。」
「そう。なら、良かったわ。」
「その説はありがとございました。」
ニコラスは、ソフィアとパトリクソン侯爵夫人のことで、お礼を言ったつもりだったのだが、
「あら?何のことですか?」
セレスティアはしらばっくれた。
「いえ・・・また良かったら、この子が生まれた時に我が家まで見に来てくださいね。」
ニコラスは一瞬驚いたが、その意図に気付いて話題をわざと変えた。
「えぇ、私も楽しみにしています。是非伺いますわ。」
侯爵夫人が嫁いびりをしていたなどとは風聞がよくないことから、セレスティアはあえて知らないふりをしたのだ。
セレスティアとカイエルは皆から祝福され、晴れて夫婦となったのだ。
「セレスティア、お前の命が尽きるまで、俺は必ずお前の傍にいる。」
「約束よ、カイエル。私の命が尽きるまで、ずっと傍にいてね。」
「あぁ、俺のかけがえない存在。俺はお前の魂と共にある。」
「ふふ、番だものね?」
セレスティアは何の気なしに発した言葉だったのだが、
「・・・!もしかして・・・番であることが嫌なのか?」
カイエルは、セレスティアが否応なしに番であることに嫌気がさしているのではと、急に不安に掻き立てられたのだ。
小さな教会にて、一組のカップルの挙式が行われようとしていた。
セレスティアはマーメイドラインのスタイルの良さが引き立つ真っ白なウェディングドレスを着用し、髪には花嫁の象徴である、透け感のある白い長いベールを被っていた。手にはセレスティアの瞳をイメージした薄水色の花と白の花でできたブーケを持っていた。対するカイエルは黒のタキシードを着用し、左胸には花嫁のブーケとおそろいの薄水色の花のブートニアが挿されていた。
「おめでとう!セレスティア!とっても綺麗よ!」
「目出度いのじゃー!」
「ついにだね、カイエル、セレスティア!おめでとう~」
『竜の祖』である、イシュタル、アンティエル、ラーファイルがセレスティアとカイエルの祝辞を述べていた。
今日はセレスティアとカイエルの結婚式である。
実はセレスティアが結婚すると上司に報告した際には、竜騎士団が悲しみに包まれる事態に陥ったのだ。
というのも、竜騎士団の紅一点であるセレスティアは、竜騎士団の中では、絶大な人気があったのだ。しかしセレスティアが団長であるユージィンの姪っ子だということも知れ渡っていたため、それは表面化せず、水面下で竜騎士団のマドンナ的存在になっていたのである。
だが当のセレスティアはそんなことになっているなど露ほども知らない。
「ウゥゥゥセレスティア・・・」
「バカやろう!好きな女の幸せを願ってやれなくてどうする!」
「こんなことなら、ちゃんとアプローチしておくんだった・・・」
嘆き悲しむ者、叱咤する者、後悔する者と皆それぞれに反応は違ったが、けれど行き付くところは、
「セレスティアが選んだ男だ。祝福しよう!けど、そいつが彼女を泣かすようなら俺らが黙っていない!」
「おぉーーーー!!!」
ということで落ち着いた。そしてセレスティアは、そんなやり取りがあったことなど、やはり微塵も知らないままであった。
「カイエル殿、セレス結婚おめでとう。綺麗だよ。」
「さすが俺の妹だな。結婚おめでとう」
「セレス姉さまお綺麗です!カイエルさんも、カッコいいです!」
セレスティアの家族であるセスやディーン、ショーンも祝辞を述べていた。ディーンの妻は、まだ生まれた子供が小さいこともあり、今回は母子で欠席である。
「ま、まぁセレスティア結婚おめでとう。」
セレスティアに対してこういった言葉に言い慣れていないせいか、表情も少しぎこちなかった。セレスティアからしてみればそれでも上々である。
「義母上、ありがとうございます。」
セレスティアが笑顔でお礼をいうと、ジョアンナはまるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、少し顔を赤らめて、
「し、幸せな家庭を築いてちょうだい。」
目を合わせずそっぽを向きながら放つ言葉は、なんともツンデレを発揮していた。その様子を見たセレスティアは微笑ましいものを感じていた。
「セレスティアお姉様おめでとうございます。」
「カイエル卿セレスティア嬢、ご結婚おめでとうございます。」
ソフィア夫妻も祝辞を述べてきた。ソフィアのお腹は少しふっくらとしていた。
「ありがとうございます。ソフィア体調は大丈夫?」
「えぇ、少しくらいなら大丈夫だって。ちゃんとお医者様のお墨付きよ。」
「そう。なら、良かったわ。」
「その説はありがとございました。」
ニコラスは、ソフィアとパトリクソン侯爵夫人のことで、お礼を言ったつもりだったのだが、
「あら?何のことですか?」
セレスティアはしらばっくれた。
「いえ・・・また良かったら、この子が生まれた時に我が家まで見に来てくださいね。」
ニコラスは一瞬驚いたが、その意図に気付いて話題をわざと変えた。
「えぇ、私も楽しみにしています。是非伺いますわ。」
侯爵夫人が嫁いびりをしていたなどとは風聞がよくないことから、セレスティアはあえて知らないふりをしたのだ。
セレスティアとカイエルは皆から祝福され、晴れて夫婦となったのだ。
「セレスティア、お前の命が尽きるまで、俺は必ずお前の傍にいる。」
「約束よ、カイエル。私の命が尽きるまで、ずっと傍にいてね。」
「あぁ、俺のかけがえない存在。俺はお前の魂と共にある。」
「ふふ、番だものね?」
セレスティアは何の気なしに発した言葉だったのだが、
「・・・!もしかして・・・番であることが嫌なのか?」
カイエルは、セレスティアが否応なしに番であることに嫌気がさしているのではと、急に不安に掻き立てられたのだ。
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