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124:魔物討伐依頼
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「集まってもらったのは他でもない。」
竜騎士団支部の演習場で、竜騎士が全員集まっていた。壇上に上がった、団長であるユージィンの声が響き渡る。
「最近、魔物が各地で暴れ回っている。ゆえに、各部隊に討伐に向かってもらいたい。現在のところ、何が原因で魔物を出没が増えたのかは原因は不明だ。だが現状そのままにしておけば、当然被害が拡大する。寄って皆にはただちに鎮圧に向かって欲しい。」
「「「「「「はっ」」」」」」
「また竜騎士団だけではなく、他の騎士団・ギルドとも連携と取って、円滑に事に当たってほしい。では、部隊編成と場所については、ライモンド副官より説明がある。」
「「「「「「はっ」」」」」」
ここ数日の間に、フェリス王国の各地で主に辺境ではあったが、魔物が出没が増えていると報告が上がっていた。初めは『冒険者ギルト』で対応していたものの、魔物の数が余りに増えてきたこともあり、被害も作物を荒らされたり、襲われて怪我を負わされたりと当然それに合わせて増えていったのだ。ギルドだけでは対応しきれなくなったので、国家として各騎士団も対応することになったのだ。当然その中には竜騎士団も含まれていた。
「では、これより部隊編成と場所について説明する!」
ユージィンは下がり、代わりにライモンドが前に出て、詳細を説明していった。
竜騎士団は、何せ飛竜の数が限られているので、総人数は決して多くはない。しかし飛竜の力が大きいことから一騎当千の威力があると言われている。当然乗り手である竜騎士にも飛竜と連携するための技量が必要とされているのだ。
そして今回編成にはできるだけ、飛竜の属性が被らないに編成を要した。魔物の報告では、魔物の属性に一貫性がないため、どの属性にも対応できるようにと竜騎士団の編成が組まれた。属性の相性は合う合わないがある。わかりやすいところでは、水と火とでは、火は水に弱いが緑には強い。逆に水は火に強いが土には弱いといったふうに属性の弱点を攻めるのが、魔物討伐では常套であるので飛竜に限ったことではないのだ。ただし、光と闇の属性の場合は拮抗していた。闇は光に弱いが、光も闇に弱いのだ。ただしこの光と闇の属性を持つモノは少ないと言われていた。実際、飛竜だけでなく、魔物もそして人族も光と闇の属性を持つ者はかなり少ないのだ。ただし、在るモノを除いてだ。
ユージィンは団長室で、机に両肘をついて、手の甲に顎を乗せて考えていた。
「きな臭いな・・・。」
ユージィンは今回の魔物騒動に人為的なモノを感じていた。珍しく表情は真剣であった。
「考えたくはありませんが・・・誰かが仕組んでいるとお考えで?」
ライモンドも今回の魔物騒動には不審なモノを感じ取っていたようだった。
「あぁ。そうであっては欲しくないけど、十中八九そうだろうね。」
ユージィンは、人為的なモノと断定をしていた。
「とすると・・・」
ライモンドが言わんとすることは、ユージィンに伝わっていた。
「あぁ、問題は誰が何の目的でこんなことをしているか、だ。」
だが、口ではそういうものの、ユージィンは何となく目星が付いていた。とはいえ、現段階では憶測の域を出ない。
「まぁ当面は魔物討伐することに専念するしかないだろうね。そこで何か手がかりが見つかるかもしれないから。」
「承知しました。何か少しでも気になることがあれば、必ず報告するように達しておきます。」
「うん、頼むよ。」
「はっ!」
敬礼をして団長室から出るライモンドの背中を見送った。そして、
「・・・イシュタルの悲しむ顔は見たくないなぁ。」
ユージィンは寂しそうに、ぼそりと呟いた。
竜騎士団支部の演習場で、竜騎士が全員集まっていた。壇上に上がった、団長であるユージィンの声が響き渡る。
「最近、魔物が各地で暴れ回っている。ゆえに、各部隊に討伐に向かってもらいたい。現在のところ、何が原因で魔物を出没が増えたのかは原因は不明だ。だが現状そのままにしておけば、当然被害が拡大する。寄って皆にはただちに鎮圧に向かって欲しい。」
「「「「「「はっ」」」」」」
「また竜騎士団だけではなく、他の騎士団・ギルドとも連携と取って、円滑に事に当たってほしい。では、部隊編成と場所については、ライモンド副官より説明がある。」
「「「「「「はっ」」」」」」
ここ数日の間に、フェリス王国の各地で主に辺境ではあったが、魔物が出没が増えていると報告が上がっていた。初めは『冒険者ギルト』で対応していたものの、魔物の数が余りに増えてきたこともあり、被害も作物を荒らされたり、襲われて怪我を負わされたりと当然それに合わせて増えていったのだ。ギルドだけでは対応しきれなくなったので、国家として各騎士団も対応することになったのだ。当然その中には竜騎士団も含まれていた。
「では、これより部隊編成と場所について説明する!」
ユージィンは下がり、代わりにライモンドが前に出て、詳細を説明していった。
竜騎士団は、何せ飛竜の数が限られているので、総人数は決して多くはない。しかし飛竜の力が大きいことから一騎当千の威力があると言われている。当然乗り手である竜騎士にも飛竜と連携するための技量が必要とされているのだ。
そして今回編成にはできるだけ、飛竜の属性が被らないに編成を要した。魔物の報告では、魔物の属性に一貫性がないため、どの属性にも対応できるようにと竜騎士団の編成が組まれた。属性の相性は合う合わないがある。わかりやすいところでは、水と火とでは、火は水に弱いが緑には強い。逆に水は火に強いが土には弱いといったふうに属性の弱点を攻めるのが、魔物討伐では常套であるので飛竜に限ったことではないのだ。ただし、光と闇の属性の場合は拮抗していた。闇は光に弱いが、光も闇に弱いのだ。ただしこの光と闇の属性を持つモノは少ないと言われていた。実際、飛竜だけでなく、魔物もそして人族も光と闇の属性を持つ者はかなり少ないのだ。ただし、在るモノを除いてだ。
ユージィンは団長室で、机に両肘をついて、手の甲に顎を乗せて考えていた。
「きな臭いな・・・。」
ユージィンは今回の魔物騒動に人為的なモノを感じていた。珍しく表情は真剣であった。
「考えたくはありませんが・・・誰かが仕組んでいるとお考えで?」
ライモンドも今回の魔物騒動には不審なモノを感じ取っていたようだった。
「あぁ。そうであっては欲しくないけど、十中八九そうだろうね。」
ユージィンは、人為的なモノと断定をしていた。
「とすると・・・」
ライモンドが言わんとすることは、ユージィンに伝わっていた。
「あぁ、問題は誰が何の目的でこんなことをしているか、だ。」
だが、口ではそういうものの、ユージィンは何となく目星が付いていた。とはいえ、現段階では憶測の域を出ない。
「まぁ当面は魔物討伐することに専念するしかないだろうね。そこで何か手がかりが見つかるかもしれないから。」
「承知しました。何か少しでも気になることがあれば、必ず報告するように達しておきます。」
「うん、頼むよ。」
「はっ!」
敬礼をして団長室から出るライモンドの背中を見送った。そして、
「・・・イシュタルの悲しむ顔は見たくないなぁ。」
ユージィンは寂しそうに、ぼそりと呟いた。
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