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110:同棲します!~後編~
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「カイエル?!」
セレスティアはカイエルが一体何を言う気なのかと、内心かなり焦っていた。なにせカイエルは口が悪いし、少々傍若無人なところがあるからだ。
「一応・・・っていうか、まぁご挨拶を・・・」
「「「・・・・・」」」
三人は耳を疑った。挨拶という言葉がカイエルの口から出たからだ。
「挨拶?」
セレスティアが疑問形で問うと、
「そ、そりゃそうだろう!だってそのやっぱり女じゃなくって、女性と暮らすことになるし、親、じゃなくって親御さんや家族としては心配だろうだからな・・・」
セレスティアは驚いた。カイエルが至極まともなことを言っていたからだ。だがこれはカイエルに対してものすごく失礼である。しかし、セレスティアだけでなく、セスもディーンも目をまん丸にしていたので、セレスティアと同じ気持ちであったようだ。カイエルは咳ばらいをして、続けた。
「俺は知っての通り『竜の祖』だ。だから・・・人じゃないだけに、余計心配になるのは、無理もないと思っている。だけど、俺がセレスティアを大事にしたいという気持ちは、竜とか人とかそういう関係ないんだ。ただセレスティアと一緒に、セレスティアがずっと笑って過ごせるように死ぬまで傍にいたいんだ!」
セレスティアは、驚いた。確かにいつもは離れたくないとか、ヤキモチ焼きとは知っていたが、カイエルがそんな風に考えていたことを初めて知ったからだ。
「だから・・・お父さん、お兄さん!セレスティアを俺にください!!!」
カイエルは対面に座っているセスとディーンに向かって、言うと同時に頭を下げていた。隣に座っていたセレスティアは、瞬時に顔が真っ赤になった。(ちょ!!それ結婚の挨拶だから!!!)とはいえ、これから一つ屋根の下で、一緒に暮らすっことになるのだから、ある意味間違ってはいないのか?とも思わなくもなかった。
「カイエル・・くんだったね。」
セスは、カイエルの見た目は若いが、実際は数千年生きていると言われている『竜の祖』ではあることはわかっていたが、あえて娘の彼氏と言う意味合いで、言葉を選んだ。
「娘を、セレスティアをよろしく頼む。」
「ち、父上?!」
ディーンは驚いた。セスがあっさりと受け入れたからだ。
「い、いいのですか?」
ディーンはまだ少し納得していない様子であったが、
「私はセレスティアを信じてるよ。」
「お父様・・・」
「竜騎士の5年縛りはちゃんと守るって話だろ?私はセレスティアを信じるし、セレスティアが彼をカイエル君を信じるというなら、私はそれでいい。」
その言葉にカイエルも驚いている様子だった。
「あ、ありがとう!お父様!」
セレスティアは感極まって、父セスに抱き着いた。
「お、お父さんの信頼に必ず答えますので、あ、安心してください!」
カイエルは慣れない言葉ながらも、絶対にセレスティアを今度は悲しい目に合わせないと誓っていた。
「カイエル、えと、その気持ちは嬉しいけど、結婚の挨拶・・・じゃないのよ?」
「そ、そうだったな!お父さんお兄さん!結婚の際にはまた改めて挨拶に来ますので!」
セレスティアはその言葉にまたもや真っ赤になった。セスもディーンもカイエルの様子に、想定していたよりも、斜め上ではあったものの悪い気はしていなかった。
「ふふ、一生懸命な様子はわかるよ。」
「はぁ、なんか構えてた俺がバカみたいだ・・・」
二人は『竜の祖』であることから、かなり身構えていたが、カイエルがまるで普通の結婚の挨拶にきた青年のようであったことから、拍子抜けであった。
だけども、それ以上に二人の様子がなんだかんだと、仲睦まじい様子であることから、(竜騎士であるから、あと4年ほどは猶予はあるが、相手が決まっているというのも、安心できるというか、寂しくもあるというか何とも複雑なものだな。)と、父セスは思いを巡らせていた。
セレスティアはカイエルが一体何を言う気なのかと、内心かなり焦っていた。なにせカイエルは口が悪いし、少々傍若無人なところがあるからだ。
「一応・・・っていうか、まぁご挨拶を・・・」
「「「・・・・・」」」
三人は耳を疑った。挨拶という言葉がカイエルの口から出たからだ。
「挨拶?」
セレスティアが疑問形で問うと、
「そ、そりゃそうだろう!だってそのやっぱり女じゃなくって、女性と暮らすことになるし、親、じゃなくって親御さんや家族としては心配だろうだからな・・・」
セレスティアは驚いた。カイエルが至極まともなことを言っていたからだ。だがこれはカイエルに対してものすごく失礼である。しかし、セレスティアだけでなく、セスもディーンも目をまん丸にしていたので、セレスティアと同じ気持ちであったようだ。カイエルは咳ばらいをして、続けた。
「俺は知っての通り『竜の祖』だ。だから・・・人じゃないだけに、余計心配になるのは、無理もないと思っている。だけど、俺がセレスティアを大事にしたいという気持ちは、竜とか人とかそういう関係ないんだ。ただセレスティアと一緒に、セレスティアがずっと笑って過ごせるように死ぬまで傍にいたいんだ!」
セレスティアは、驚いた。確かにいつもは離れたくないとか、ヤキモチ焼きとは知っていたが、カイエルがそんな風に考えていたことを初めて知ったからだ。
「だから・・・お父さん、お兄さん!セレスティアを俺にください!!!」
カイエルは対面に座っているセスとディーンに向かって、言うと同時に頭を下げていた。隣に座っていたセレスティアは、瞬時に顔が真っ赤になった。(ちょ!!それ結婚の挨拶だから!!!)とはいえ、これから一つ屋根の下で、一緒に暮らすっことになるのだから、ある意味間違ってはいないのか?とも思わなくもなかった。
「カイエル・・くんだったね。」
セスは、カイエルの見た目は若いが、実際は数千年生きていると言われている『竜の祖』ではあることはわかっていたが、あえて娘の彼氏と言う意味合いで、言葉を選んだ。
「娘を、セレスティアをよろしく頼む。」
「ち、父上?!」
ディーンは驚いた。セスがあっさりと受け入れたからだ。
「い、いいのですか?」
ディーンはまだ少し納得していない様子であったが、
「私はセレスティアを信じてるよ。」
「お父様・・・」
「竜騎士の5年縛りはちゃんと守るって話だろ?私はセレスティアを信じるし、セレスティアが彼をカイエル君を信じるというなら、私はそれでいい。」
その言葉にカイエルも驚いている様子だった。
「あ、ありがとう!お父様!」
セレスティアは感極まって、父セスに抱き着いた。
「お、お父さんの信頼に必ず答えますので、あ、安心してください!」
カイエルは慣れない言葉ながらも、絶対にセレスティアを今度は悲しい目に合わせないと誓っていた。
「カイエル、えと、その気持ちは嬉しいけど、結婚の挨拶・・・じゃないのよ?」
「そ、そうだったな!お父さんお兄さん!結婚の際にはまた改めて挨拶に来ますので!」
セレスティアはその言葉にまたもや真っ赤になった。セスもディーンもカイエルの様子に、想定していたよりも、斜め上ではあったものの悪い気はしていなかった。
「ふふ、一生懸命な様子はわかるよ。」
「はぁ、なんか構えてた俺がバカみたいだ・・・」
二人は『竜の祖』であることから、かなり身構えていたが、カイエルがまるで普通の結婚の挨拶にきた青年のようであったことから、拍子抜けであった。
だけども、それ以上に二人の様子がなんだかんだと、仲睦まじい様子であることから、(竜騎士であるから、あと4年ほどは猶予はあるが、相手が決まっているというのも、安心できるというか、寂しくもあるというか何とも複雑なものだな。)と、父セスは思いを巡らせていた。
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