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44:黄金期の到来
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ある山頂にて、フェリス王国のある方向を見ている人影があった。
「『黄金期』の始まりか・・・」
それをつぶやいたのは、長いストレートの白い髪を持つ、紫の目と縦長の瞳孔を持った幼女であった。
「人という者は、どの時代に置いても過ぎたる欲望を持つ輩の多いこと・・・さて、今期はどうであろうな・・・」
そのつぶやきは風に乗って消えていった・・・
竜騎士団、訓練所にて___
「なぁ。気にならね?」
「何がだよ!」
「・・・ふーん、わかってるのか。」
「うるさいな!」
「お~お~男のヤキモチは見苦しいぞ。」
「そんなんじゃないよ!」
ノアベルトとルッツは、セレスティアとハインツがいる方向を見て話をしていた。最近気のせいか、二人の距離が近いように見えたのだ。
「王子とか出てきてたから、あっちの方かと思ってたけど、意外なダークホースだったなぁ~」
「・・・5年縛りがあるからね。」
暗に、今は恋人になれる期間ではないから、まだ勝負は捨てていない、ということであった。
「お、諦めていないんだね、えらいぞ!」
「茶化すな!!」
ノアベルトはルッツの反応が面白くて、少しからかっていた。そんな話をされているなど、想像もしていないセレスティアとハインツは、今後のことを真面目に話していた。
「で、ハインツはどうするの?」
「ん~言われても僕もまだ実感がなくてねぇ・・・どうしたもんかと。」
「そうよね・・・」
セレスティアはハインツに寄宿舎を出るのか聞いていた。セレスティアはカイエルがいるので、寄宿舎を出れば二人暮らしとなる訳だが、ハインツの場合は飛竜のパートナーのフィンがいる。ハインツが番認定されたことで、ハインツもユージィンからできるだけ、寄宿舎を出る方向で考えるように言われたのだ。
「ラーファイルは見た目は女の子寄りだから、一緒にいると変な噂が立つ恐れもあるんじゃないかと思ってる。だから、しばらく距離は置いた方がいいのかなっていう考えもあるんだけど・・・」
「・・・ラーファイルさんの性格的に無理なんじゃない?」
「だよね、僕もそう思う。」
「困ったわね。」
「そういうセレスティアはどうするの?」
「私もまだ悩んでて・・・」
「あぁ、そうだよね。」
「「・・・はぁ~」」
二人とも、揃って溜息をするのであった。
その様子にノアベルトは
「距離は近くなってるようだけど、男女のソレじゃないんだよなぁ。」
と、なかなか的を得ていた。
竜宿舎にて___
『なぁ姉貴、俺にはまだあと3人姉兄がいるんだよな?』
『そうね。全部で6人だからね。それがどうかしたの?』
『いや・・・この間のラーファイルって兄貴の時に、気になったもんだから・・・』
珍しく、カイエルは考え事をしていた。
『・・・約束ってやつのこと?』
『・・・あぁ。』
『んふふふ、前は忘れてしまった記憶の事など気にしてなさそうだったけど、ちょっとは考える気になったってことかしら?
『う、うるせぇ!』
図星をつかれるものの、顔は赤くなっていた。※だが、飛竜形態なので端からはわかりません。
『・・・今はね、「黄金期」なのよ』
『「黄金期」?なんだそれ?』
『今、次々と私達は番を見つけているでしょ?』
『あ、あぁ。』
『それをね、私達の間では「黄金期」と言うの。番を見つけられる期間に入ったという意味なのよ。』
カイエルは、「黄金期」という言葉を聞いたが、確かに妙に懐かしい響きがあった。
『もしかして、他の姉兄も番を見つけてるっていうのか?』
『そうね、もう見つけたかもしれないし、まだ見つかっていなくても多分もう時間の問題だと思うわ。』
カイエルは、記憶が失われていた飛竜の時は気にも止めていなかったが、セレスティアを番として見つけたことで、自分の過去を気にするようになっていた。
『黄金期・・・・』
ラーファイルがあの時見せた切ないの表情が、カイエルの頭から離れなかったのだ。もしかしたら、自分は忘れているけれども、何か大事な約束をしていたのではないかと。
「『黄金期』の始まりか・・・」
それをつぶやいたのは、長いストレートの白い髪を持つ、紫の目と縦長の瞳孔を持った幼女であった。
「人という者は、どの時代に置いても過ぎたる欲望を持つ輩の多いこと・・・さて、今期はどうであろうな・・・」
そのつぶやきは風に乗って消えていった・・・
竜騎士団、訓練所にて___
「なぁ。気にならね?」
「何がだよ!」
「・・・ふーん、わかってるのか。」
「うるさいな!」
「お~お~男のヤキモチは見苦しいぞ。」
「そんなんじゃないよ!」
ノアベルトとルッツは、セレスティアとハインツがいる方向を見て話をしていた。最近気のせいか、二人の距離が近いように見えたのだ。
「王子とか出てきてたから、あっちの方かと思ってたけど、意外なダークホースだったなぁ~」
「・・・5年縛りがあるからね。」
暗に、今は恋人になれる期間ではないから、まだ勝負は捨てていない、ということであった。
「お、諦めていないんだね、えらいぞ!」
「茶化すな!!」
ノアベルトはルッツの反応が面白くて、少しからかっていた。そんな話をされているなど、想像もしていないセレスティアとハインツは、今後のことを真面目に話していた。
「で、ハインツはどうするの?」
「ん~言われても僕もまだ実感がなくてねぇ・・・どうしたもんかと。」
「そうよね・・・」
セレスティアはハインツに寄宿舎を出るのか聞いていた。セレスティアはカイエルがいるので、寄宿舎を出れば二人暮らしとなる訳だが、ハインツの場合は飛竜のパートナーのフィンがいる。ハインツが番認定されたことで、ハインツもユージィンからできるだけ、寄宿舎を出る方向で考えるように言われたのだ。
「ラーファイルは見た目は女の子寄りだから、一緒にいると変な噂が立つ恐れもあるんじゃないかと思ってる。だから、しばらく距離は置いた方がいいのかなっていう考えもあるんだけど・・・」
「・・・ラーファイルさんの性格的に無理なんじゃない?」
「だよね、僕もそう思う。」
「困ったわね。」
「そういうセレスティアはどうするの?」
「私もまだ悩んでて・・・」
「あぁ、そうだよね。」
「「・・・はぁ~」」
二人とも、揃って溜息をするのであった。
その様子にノアベルトは
「距離は近くなってるようだけど、男女のソレじゃないんだよなぁ。」
と、なかなか的を得ていた。
竜宿舎にて___
『なぁ姉貴、俺にはまだあと3人姉兄がいるんだよな?』
『そうね。全部で6人だからね。それがどうかしたの?』
『いや・・・この間のラーファイルって兄貴の時に、気になったもんだから・・・』
珍しく、カイエルは考え事をしていた。
『・・・約束ってやつのこと?』
『・・・あぁ。』
『んふふふ、前は忘れてしまった記憶の事など気にしてなさそうだったけど、ちょっとは考える気になったってことかしら?
『う、うるせぇ!』
図星をつかれるものの、顔は赤くなっていた。※だが、飛竜形態なので端からはわかりません。
『・・・今はね、「黄金期」なのよ』
『「黄金期」?なんだそれ?』
『今、次々と私達は番を見つけているでしょ?』
『あ、あぁ。』
『それをね、私達の間では「黄金期」と言うの。番を見つけられる期間に入ったという意味なのよ。』
カイエルは、「黄金期」という言葉を聞いたが、確かに妙に懐かしい響きがあった。
『もしかして、他の姉兄も番を見つけてるっていうのか?』
『そうね、もう見つけたかもしれないし、まだ見つかっていなくても多分もう時間の問題だと思うわ。』
カイエルは、記憶が失われていた飛竜の時は気にも止めていなかったが、セレスティアを番として見つけたことで、自分の過去を気にするようになっていた。
『黄金期・・・・』
ラーファイルがあの時見せた切ないの表情が、カイエルの頭から離れなかったのだ。もしかしたら、自分は忘れているけれども、何か大事な約束をしていたのではないかと。
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