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25:人化したカイエル~前編~
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寝室にて_____
女は何かの気配に気が付いた。女は裸体でベッドで男と一緒に寝ていたが、上半身だけ起こし、シーツで豊満な胸元を隠しながら、窓の方を見た。
「第一の封印が解けたようね。」
横で寝ていた男は横になったままの体制で頬杖をついた。
「そうか、思ったより早かったね。」
女は、振り向き少し驚いた顔をして、
「あら?まだかかると思っていたの?」
「そうだね、就任式くらいかな?って思ってたから。」
「やだ、あんまり変わらないじゃない。」
女は可笑しそうに笑った。
「さくさくと封印は解けるのかな?だけど僕の姪っ子はなかなか手強いよ?」
「上手くいってほしいとは思っているのだけど・・・」
「僕達のようにかい?」
「もう茶化さな・・・」
ユージィンは女が言葉を言い切らないうちに、起き上がり女の顔を自分に引き寄せ、女の口に自身の口を重ねた。
「んっ・・・」
ユージィンは女を自分の方に抱き寄せた。女も自身の身体をユージィンに預け、胸元に顔を埋めた。
「まぁ、何にせよ、前進したのはいいことだ。そうだろう?イシュタル。」
「えぇ、そうね・・・」
「さて、ではそろそろ着替えておいた方がいいだろうね。」
「なんだよ、わかってなかったのか?」
(いや、普通わからないわよ)っとセレスティアは心の中で突っ込んだ。なるほど、この男が飛竜のカイエルだとわかると、先ほどのべたべたするな発言もストンと腑に落ちたのだ。ヤキモチだったんだなと。
カイエルは立ち上がり、セレスティアの傍まで寄ってきた。
距離が近くなり、セレスティアはカイエルが思ってた以上に大きいことに気付いた。(フム、そういえば飛竜の時も大きかったものね。人間サイズでもやっぱり大きいのね。)セレスティアは、背伸びをしてさらに見上げて、マジマジとカイエルの顔を見た。(あ・・よく見れば金色の瞳の中の瞳孔は縦長なのね。そっか飛竜のカイエルも瞳は縦長だったものね。)
「!ち、近いぞ!」
すると、カイエルは顔を真っ赤にして急に後ろに下がり、セレスティアから距離を取った。(いや、自分で近づいたよね?まぁ確かに私もちょっと近づいたけどさ。)
「どうしたの?カイエルなんでしょ?いつもこれくらい近くにいるじゃない?」
セレスティアは、いつものカイエらしくない行動に不思議に思った。
「そ、そうだけど、今の俺は人化してるし、距離感が飛竜の時と全然違うし、その・・・」
さっきの勢いはどこへやら、カイエルと名乗った男は、顔を真っ赤にしてごにょごにょと最後の方は何を言ってるのか聞き取れなかった。セレスティアはそんなカイエルの様子をみて溜息をつき、今度はセレスティアからカイエルに近づいていった。
「カイエル。」
「な、なんだよ。」
カイエルはセレスティアを目を合わせずにいた。(うん、こういうソッポ向いた仕草は確かに、カイエルだわ。飛竜の時と同じだもの。)
「私、前に言ったよね?仕事を円滑に回すためには、団員といろいろとやり取りすることもあるって。」
「そ、それがダンスとかいう、あんな密接しないといけないやつのことか?!」
カイエルはムキになった。だが、セレスティアは、
「そうよ。」
と、きっぱりと言ってのけた。
「うっ!!」
カイエルはソレを聞いて、見るからにショックを受けていた。
「そんな・・・あんなことが頻繁にあるなんて、」
セレスティアは、そんなカイエルの様子を見て吹き出しそうになるが、必死で我慢していた。そして深呼吸して。
「カイエル。」
ショックを受けつつもカイエルは項垂れていた顔を上げた。
「心配しなくてもダンス何て早々にないわ。今回はね、プロムだったからダンスを踊っただけよ。」
「ほ、本当か?」
カイエルはあからさまに嬉しそうにしたが、
「本当よ。だけど、全くないわけではないからね。」
「じゃあ、あるのか・・・」
やっぱり踊る機会がまたあるのかと思うと意気消沈した。
「ところで、聞きたいのだけど?」
「何だよ!」
なんでこんなに偉そうなのかと疑問に思いつつ、一番に疑問に思っていたことをセレスティアは聞いてみた。
「どうして、人になってるの?」
「?!」
至極当然の疑問であった。普通に考えれば、飛竜が人化するなど聞いたことがないからだ。ただし、この世界には獣人がいて、彼らの一部には獣に変化するものがいるとは聞いているが、セレスティアは見たことはない。
「・・・・・・」
カイエルは何か考え込んでいる様子だったが、セレスティアはしばし回答を待った。
「わからねぇ。」
「・・・えぇ!」
まさかの回答にセレスティアは驚いた。
「人になった理由がわからないの?」
「なんかムカ付いてたら、こうなった。」
「何それ?!」
ヤキモチを焼き過ぎて、人化した?そんなバカな話があるのかとセレスティアは思ったが、もう一つの疑問も聞いてみた。
「まさかと思うけど・・・」
「なんだ?」
「ちゃんと飛竜に戻れるわよね?」
「・・・・・・」
またもや、カイエルは何か考え込んでいる様子だったが、セレスティアはしばし回答を待った。
「わからねぇ。」
「!「わからねぇ。」じゃないわよ!私の可愛い飛竜のカイエルを返してよ!」
「何言ってるやがる、俺がカイエルだろ!」
結局、カイエルは飛竜に戻る方法がわからなかったらしい。だけどもセレスティアにして見れば大問題だ。何せ、竜騎士に相棒たる飛竜がいなくなっているのだから。
「私は、飛竜のカイエルがいいの!こんなデカいいかつい男じゃないわよ!」
「なんだよそれ!差別じゃねぇか!しかも飛竜の時の方がデカいだろ!」
そんなやり取りをギャーギャーしていると、人の気配がした。そこは二人とも直ぐに気付き、
「カイエル、隠れて!!」
セレスティアが言うが否や、すぐさまカイエルは茂みに姿を隠した。
女は何かの気配に気が付いた。女は裸体でベッドで男と一緒に寝ていたが、上半身だけ起こし、シーツで豊満な胸元を隠しながら、窓の方を見た。
「第一の封印が解けたようね。」
横で寝ていた男は横になったままの体制で頬杖をついた。
「そうか、思ったより早かったね。」
女は、振り向き少し驚いた顔をして、
「あら?まだかかると思っていたの?」
「そうだね、就任式くらいかな?って思ってたから。」
「やだ、あんまり変わらないじゃない。」
女は可笑しそうに笑った。
「さくさくと封印は解けるのかな?だけど僕の姪っ子はなかなか手強いよ?」
「上手くいってほしいとは思っているのだけど・・・」
「僕達のようにかい?」
「もう茶化さな・・・」
ユージィンは女が言葉を言い切らないうちに、起き上がり女の顔を自分に引き寄せ、女の口に自身の口を重ねた。
「んっ・・・」
ユージィンは女を自分の方に抱き寄せた。女も自身の身体をユージィンに預け、胸元に顔を埋めた。
「まぁ、何にせよ、前進したのはいいことだ。そうだろう?イシュタル。」
「えぇ、そうね・・・」
「さて、ではそろそろ着替えておいた方がいいだろうね。」
「なんだよ、わかってなかったのか?」
(いや、普通わからないわよ)っとセレスティアは心の中で突っ込んだ。なるほど、この男が飛竜のカイエルだとわかると、先ほどのべたべたするな発言もストンと腑に落ちたのだ。ヤキモチだったんだなと。
カイエルは立ち上がり、セレスティアの傍まで寄ってきた。
距離が近くなり、セレスティアはカイエルが思ってた以上に大きいことに気付いた。(フム、そういえば飛竜の時も大きかったものね。人間サイズでもやっぱり大きいのね。)セレスティアは、背伸びをしてさらに見上げて、マジマジとカイエルの顔を見た。(あ・・よく見れば金色の瞳の中の瞳孔は縦長なのね。そっか飛竜のカイエルも瞳は縦長だったものね。)
「!ち、近いぞ!」
すると、カイエルは顔を真っ赤にして急に後ろに下がり、セレスティアから距離を取った。(いや、自分で近づいたよね?まぁ確かに私もちょっと近づいたけどさ。)
「どうしたの?カイエルなんでしょ?いつもこれくらい近くにいるじゃない?」
セレスティアは、いつものカイエらしくない行動に不思議に思った。
「そ、そうだけど、今の俺は人化してるし、距離感が飛竜の時と全然違うし、その・・・」
さっきの勢いはどこへやら、カイエルと名乗った男は、顔を真っ赤にしてごにょごにょと最後の方は何を言ってるのか聞き取れなかった。セレスティアはそんなカイエルの様子をみて溜息をつき、今度はセレスティアからカイエルに近づいていった。
「カイエル。」
「な、なんだよ。」
カイエルはセレスティアを目を合わせずにいた。(うん、こういうソッポ向いた仕草は確かに、カイエルだわ。飛竜の時と同じだもの。)
「私、前に言ったよね?仕事を円滑に回すためには、団員といろいろとやり取りすることもあるって。」
「そ、それがダンスとかいう、あんな密接しないといけないやつのことか?!」
カイエルはムキになった。だが、セレスティアは、
「そうよ。」
と、きっぱりと言ってのけた。
「うっ!!」
カイエルはソレを聞いて、見るからにショックを受けていた。
「そんな・・・あんなことが頻繁にあるなんて、」
セレスティアは、そんなカイエルの様子を見て吹き出しそうになるが、必死で我慢していた。そして深呼吸して。
「カイエル。」
ショックを受けつつもカイエルは項垂れていた顔を上げた。
「心配しなくてもダンス何て早々にないわ。今回はね、プロムだったからダンスを踊っただけよ。」
「ほ、本当か?」
カイエルはあからさまに嬉しそうにしたが、
「本当よ。だけど、全くないわけではないからね。」
「じゃあ、あるのか・・・」
やっぱり踊る機会がまたあるのかと思うと意気消沈した。
「ところで、聞きたいのだけど?」
「何だよ!」
なんでこんなに偉そうなのかと疑問に思いつつ、一番に疑問に思っていたことをセレスティアは聞いてみた。
「どうして、人になってるの?」
「?!」
至極当然の疑問であった。普通に考えれば、飛竜が人化するなど聞いたことがないからだ。ただし、この世界には獣人がいて、彼らの一部には獣に変化するものがいるとは聞いているが、セレスティアは見たことはない。
「・・・・・・」
カイエルは何か考え込んでいる様子だったが、セレスティアはしばし回答を待った。
「わからねぇ。」
「・・・えぇ!」
まさかの回答にセレスティアは驚いた。
「人になった理由がわからないの?」
「なんかムカ付いてたら、こうなった。」
「何それ?!」
ヤキモチを焼き過ぎて、人化した?そんなバカな話があるのかとセレスティアは思ったが、もう一つの疑問も聞いてみた。
「まさかと思うけど・・・」
「なんだ?」
「ちゃんと飛竜に戻れるわよね?」
「・・・・・・」
またもや、カイエルは何か考え込んでいる様子だったが、セレスティアはしばし回答を待った。
「わからねぇ。」
「!「わからねぇ。」じゃないわよ!私の可愛い飛竜のカイエルを返してよ!」
「何言ってるやがる、俺がカイエルだろ!」
結局、カイエルは飛竜に戻る方法がわからなかったらしい。だけどもセレスティアにして見れば大問題だ。何せ、竜騎士に相棒たる飛竜がいなくなっているのだから。
「私は、飛竜のカイエルがいいの!こんなデカいいかつい男じゃないわよ!」
「なんだよそれ!差別じゃねぇか!しかも飛竜の時の方がデカいだろ!」
そんなやり取りをギャーギャーしていると、人の気配がした。そこは二人とも直ぐに気付き、
「カイエル、隠れて!!」
セレスティアが言うが否や、すぐさまカイエルは茂みに姿を隠した。
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