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22:卒業パーティー~前編~
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卒業式の後、セレスティアは自邸に帰り支度をすることになった。久々のドレスであるが、本人は至って面倒くさそうだった。
「セレスティア様、流石ですわ!!お綺麗です!」
そう誉め言葉を言うのはメイドのエミリーで、乳母マルティナの娘であった。
「そう?ありがとう。だけどこういう恰好は疲れるからあまり好きではないけど・・。さすがにドレスコードは弁えないと、仕方ないものね。」
誰がみても、うっとりと見惚れられるセレスティアではあったが、身体を動かすことの方が好きなので、当然身体を動かす範囲が狭められるようなドレスは好きではなかった。髪はアップにしてサイドの髪を少しだけ下ろし、肩を出した淡い薄黄色のドレスを着用していた。そこへノックが聞こえたのでディーンが迎えにきたのだと悟った。
「セレス、準備はできたか?」
「えぇ、兄さまお待たせしてごめんなさい。」
ディーンはセスの若い頃にそっくりの顔だちで、少しクセの入った亜麻色の短髪に母譲りの緑の瞳で男らしい顔をしている。普段は近衛騎士の制服だが、今はパーティ仕様にダークグレーを基調とした正装を着用していた。当然ながらディーンは令嬢達からはかなり人気があった。
「本当になんて美しいご兄妹かしら、眼福モノですわ。」
エミリーはディーンとセレスティアを眺めながらうっとりとしていた。
「エミリーは大げさだな。」
ディーンも幼い頃から、エミリーとは一緒に育っているので、ある程度気さくな間柄であった。
「兄さま、連続のエスコートになってごめんなさいね。」
「なに、これくらい大したことない。気にするな。それじゃ行こうか。」
「はい。」
「ディーン様、セレスティア様いってらっしゃいませ。」
ディーンは実は昨日もエスコート役をやっていた。昨日はソフィアが通っていた学校の卒業式だったからだ。セレスティアの通っていた騎士学校同様に、ソフィアの学校も卒業式終了後は、卒業パーティがあったため、ディーンは妹達のパートナーを二日続けて務めることになったのだ。
卒業パーティの会場_____
「ディーン・ローエングリン・セレスティア・ローエングリン入場です!」
セレスティアとディーンが会場入りすると、あちこちから感嘆の声がもれていた。
「やだ!ディーン様がいらっしゃるわ!」
「セレスティア嬢、いつにも増して麗しいな・・・」
「あ~んディーン様とお近づきになれないかしら?」
「僕のパートナーで来てるのに・・・」
「セレスティア嬢一緒に踊ってくれないかなぁ?」
などなど、否が応でも注目になる兄妹であった。だが、セレスティアとディーンはそんな視線や声には目もくれず、ダンスの曲が流れてきたので、ホールに立った。
「まぁ、まずは一曲は俺と踊って・・・その後に挨拶にいくか。」
「できれば、スルーしておきたいんですけどね・・・」
「すまないな。」
「いえ、まぁでもダンスだけで良かったです。王子と一緒に入場など、考えたくもありませんし。」
絶対に注目の的になるであろうと、想像するだけでセレスティアはうんざりした。だが、今でも充分に注目を浴びていることに、気付いていないセレスティアであった。
「セレスらしいな。他の令嬢ならソフィアを初め、王子にエスコートしてもらうなんて、光栄だと喜ぶんだけどな。」
「ちゃんと淑女として教育を受けてきた方々は、そうかもしれませんね。私はそっちの方面はからきしですからね。」
「セレスは、そういうの好きじゃないだろう?」
「そうなんです。」
そのやり取りに、(セレスのこういうところは、昔から変わっていないな。)と、妹と幼い頃一緒に遊んだ記憶がディーンの脳裏に過った。
「あぁ、もうじき曲が終わるな。では挨拶に行くか。」
「はい、嫌なことはさっさとすませましょう。」
まさかこんな会話が繰り広げられるとは周りは思いもせず、兄弟はダンス中も注目を浴びていた。
「すごい絵になるお二人ですわ!」
「セレスティア嬢はダンスも上手いんだな。」
「ディーン様、私と踊ってくれないかしら?」
「だから、まずは僕と踊ろうよ・・・」
「誘いたいけど、あの冷たい表情で断られたらなぁ・・・」
そして、ダンスの曲も終了し、ディーンとセレスティアは王族へ挨拶をするために、主賓席に向かった。
(そういえば・・王子の顔ってよく知らないわ。金髪だったとしか覚えてないのよね。ダメね。お護り対象なのに、私ったら飛竜のことばかりで浮かれちゃって、お護りする主君の顔をちゃんと覚えていないなんて。騎士として反省しないとだわ。)などど考え事をしながら、セレスティアはディーン共々王族の面前に跪いた。
「セレスティア様、流石ですわ!!お綺麗です!」
そう誉め言葉を言うのはメイドのエミリーで、乳母マルティナの娘であった。
「そう?ありがとう。だけどこういう恰好は疲れるからあまり好きではないけど・・。さすがにドレスコードは弁えないと、仕方ないものね。」
誰がみても、うっとりと見惚れられるセレスティアではあったが、身体を動かすことの方が好きなので、当然身体を動かす範囲が狭められるようなドレスは好きではなかった。髪はアップにしてサイドの髪を少しだけ下ろし、肩を出した淡い薄黄色のドレスを着用していた。そこへノックが聞こえたのでディーンが迎えにきたのだと悟った。
「セレス、準備はできたか?」
「えぇ、兄さまお待たせしてごめんなさい。」
ディーンはセスの若い頃にそっくりの顔だちで、少しクセの入った亜麻色の短髪に母譲りの緑の瞳で男らしい顔をしている。普段は近衛騎士の制服だが、今はパーティ仕様にダークグレーを基調とした正装を着用していた。当然ながらディーンは令嬢達からはかなり人気があった。
「本当になんて美しいご兄妹かしら、眼福モノですわ。」
エミリーはディーンとセレスティアを眺めながらうっとりとしていた。
「エミリーは大げさだな。」
ディーンも幼い頃から、エミリーとは一緒に育っているので、ある程度気さくな間柄であった。
「兄さま、連続のエスコートになってごめんなさいね。」
「なに、これくらい大したことない。気にするな。それじゃ行こうか。」
「はい。」
「ディーン様、セレスティア様いってらっしゃいませ。」
ディーンは実は昨日もエスコート役をやっていた。昨日はソフィアが通っていた学校の卒業式だったからだ。セレスティアの通っていた騎士学校同様に、ソフィアの学校も卒業式終了後は、卒業パーティがあったため、ディーンは妹達のパートナーを二日続けて務めることになったのだ。
卒業パーティの会場_____
「ディーン・ローエングリン・セレスティア・ローエングリン入場です!」
セレスティアとディーンが会場入りすると、あちこちから感嘆の声がもれていた。
「やだ!ディーン様がいらっしゃるわ!」
「セレスティア嬢、いつにも増して麗しいな・・・」
「あ~んディーン様とお近づきになれないかしら?」
「僕のパートナーで来てるのに・・・」
「セレスティア嬢一緒に踊ってくれないかなぁ?」
などなど、否が応でも注目になる兄妹であった。だが、セレスティアとディーンはそんな視線や声には目もくれず、ダンスの曲が流れてきたので、ホールに立った。
「まぁ、まずは一曲は俺と踊って・・・その後に挨拶にいくか。」
「できれば、スルーしておきたいんですけどね・・・」
「すまないな。」
「いえ、まぁでもダンスだけで良かったです。王子と一緒に入場など、考えたくもありませんし。」
絶対に注目の的になるであろうと、想像するだけでセレスティアはうんざりした。だが、今でも充分に注目を浴びていることに、気付いていないセレスティアであった。
「セレスらしいな。他の令嬢ならソフィアを初め、王子にエスコートしてもらうなんて、光栄だと喜ぶんだけどな。」
「ちゃんと淑女として教育を受けてきた方々は、そうかもしれませんね。私はそっちの方面はからきしですからね。」
「セレスは、そういうの好きじゃないだろう?」
「そうなんです。」
そのやり取りに、(セレスのこういうところは、昔から変わっていないな。)と、妹と幼い頃一緒に遊んだ記憶がディーンの脳裏に過った。
「あぁ、もうじき曲が終わるな。では挨拶に行くか。」
「はい、嫌なことはさっさとすませましょう。」
まさかこんな会話が繰り広げられるとは周りは思いもせず、兄弟はダンス中も注目を浴びていた。
「すごい絵になるお二人ですわ!」
「セレスティア嬢はダンスも上手いんだな。」
「ディーン様、私と踊ってくれないかしら?」
「だから、まずは僕と踊ろうよ・・・」
「誘いたいけど、あの冷たい表情で断られたらなぁ・・・」
そして、ダンスの曲も終了し、ディーンとセレスティアは王族へ挨拶をするために、主賓席に向かった。
(そういえば・・王子の顔ってよく知らないわ。金髪だったとしか覚えてないのよね。ダメね。お護り対象なのに、私ったら飛竜のことばかりで浮かれちゃって、お護りする主君の顔をちゃんと覚えていないなんて。騎士として反省しないとだわ。)などど考え事をしながら、セレスティアはディーン共々王族の面前に跪いた。
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