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11:竜の御目通り~前編~
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なんだ?これは一体何なんだ??
わからない。だけど胸の奥がざわついてる。一体何なんだこの感覚は?
胸の奥が、あぁ温かいんだ。何だろう?何かが近い・・・・俺にとって何か大事なものが・・・・・
___________
フェリス王国は、竜騎士発祥の地と言われており、その地は山々に囲まれた、いわば自然の要塞に囲まれた土地であった。
昔からの恒例行事で、フェリス王国では、『竜の祭壇』という場所に必ず5匹の飛竜が降り立つのだ。そして、それに合わせて毎年5名が竜騎士として選ばれるのが恒例であった。その際には、騎士学校を卒業間近の竜騎士志望の者が数名『竜の御目通り』として、飛竜との面談をすることになっている。第一志望は当然竜騎士団となるのだが、不合格になった場合は、竜騎士団の後方支援の部署に配属か、第二希望先の騎士団へと配属されることになる。
『竜の御目通り』その名のごとく、竜との面接であり、そしてその選択権は飛竜側にあった。何せ、飛竜との相性がよくないと、バディを組むことはできない。毎年、5名という枠の為、それは狭き門として知られており、成績も上位でないと『竜の御目通り』の試験に受けることは叶わない。故にエリート中のエリートと言われる所以なのだ。
ただ、今年は少々勝手が違った。毎年5匹くる飛竜がなぜか6匹現れたのだ。実はこれはユージィンの時も同じことがあり、ユージィンの『竜の御目通り』の時もなぜか6匹現れた。
そしてまた、セレスティアの時も同じことが起こった為、『ローエングリン家には何か竜を引き付けるものがあるのではないか?』と囁かれることになる。
セレスティアが『竜の御目通り』の候補メンバーに選ばれた時は様々な憶測が飛び交った。
「女だろ?なぜ?」「女性と言えど、毎回成績はほぼ主席だったのだから打倒だろう。」「上に色仕掛けでも使ったんじゃないか?」「女が竜騎士など有り得ない。」「女性にもあってしかるべき権利だ!」などなど、女性蔑視の声も混じったいろいろな賛否の声が上がったのだ。
だが、今まで女性の竜騎士は確かに存在しなかったのは事実であるが、候補がいなかった訳ではなかった。女性の候補は過去に実在したことはあった。ただ、竜騎士にはなれなかった。なぜか飛竜達は女性に対してかなり抵抗があったのだ。これは今現在も謎のままになっている。何度か女性の候補はいたものの、飛竜は何故か女性に近づこうとはせず、近づきたくないとばかりに、抵抗していたのだ。その事からいつしか女性を候補にすることはなくなり、男性のみの職業のように扱われていった。
そういった経緯から、女性であるセレスティアが『竜の御目通り』の候補メンバーになったことは実に数十年ぶりの事だったのだ。
そういった経緯を知っている輩からは、「どうせ今回も無理だろう。」「やるだけ時間の無駄だ。」「なれないとわかっている女子を候補するより、男子を候補にすべきだ!」などなど、閉鎖的な意見が飛び交うのも少なくなかった。
だが、そういった声はユージィンの鶴の一声で、黙らせることになった。
「ふ~ん、なら僕のイール前で同じことが言えるかい?」
「「「「「・・・・・」」」」」
イールは、竜騎士団の中の紅一点の飛竜だ。小柄ではあるものも、そのポテンシャルや性能は竜騎士団の中でも群を抜いてることは、数々の実績から疑う余地はない。イールはその実力から立場をユージィン共々、確固たるものにしていた。
ユージィンは、セレスティアが幼い頃は副団長であったが、現在は団長職に付いていた。ユージィンはセレスティアと約束した通り、『竜の御目通り』の試験を女性でも受けれるようにしてくれた。ただし、それはセレスティアが約束通り、成績では文句を付けられることのないよう、常に上位の成績を維持し続けた成果もあってのことだ。
セレスティアが受けた『竜の御目通り』では、11名の候補者がいた。主に候補は立候補や推薦枠である。セレスティアは立候補して、尚且つ承認されて候補メンバーとなっていた。
そして、試験とも試練とも言われている竜の御目通りは、実際は何かする訳ではない。
『竜の祭壇』に候補者が勢ぞろいし、決まった日時に降り立つ飛竜を待つ。
そして5匹(セレスティアの時は6匹いた。)の飛竜からのアクションをひたすら待つだけなのだ。
だが、その『竜の御目通り』での試験で、ひと悶着起きてしまったのだ。
わからない。だけど胸の奥がざわついてる。一体何なんだこの感覚は?
胸の奥が、あぁ温かいんだ。何だろう?何かが近い・・・・俺にとって何か大事なものが・・・・・
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フェリス王国は、竜騎士発祥の地と言われており、その地は山々に囲まれた、いわば自然の要塞に囲まれた土地であった。
昔からの恒例行事で、フェリス王国では、『竜の祭壇』という場所に必ず5匹の飛竜が降り立つのだ。そして、それに合わせて毎年5名が竜騎士として選ばれるのが恒例であった。その際には、騎士学校を卒業間近の竜騎士志望の者が数名『竜の御目通り』として、飛竜との面談をすることになっている。第一志望は当然竜騎士団となるのだが、不合格になった場合は、竜騎士団の後方支援の部署に配属か、第二希望先の騎士団へと配属されることになる。
『竜の御目通り』その名のごとく、竜との面接であり、そしてその選択権は飛竜側にあった。何せ、飛竜との相性がよくないと、バディを組むことはできない。毎年、5名という枠の為、それは狭き門として知られており、成績も上位でないと『竜の御目通り』の試験に受けることは叶わない。故にエリート中のエリートと言われる所以なのだ。
ただ、今年は少々勝手が違った。毎年5匹くる飛竜がなぜか6匹現れたのだ。実はこれはユージィンの時も同じことがあり、ユージィンの『竜の御目通り』の時もなぜか6匹現れた。
そしてまた、セレスティアの時も同じことが起こった為、『ローエングリン家には何か竜を引き付けるものがあるのではないか?』と囁かれることになる。
セレスティアが『竜の御目通り』の候補メンバーに選ばれた時は様々な憶測が飛び交った。
「女だろ?なぜ?」「女性と言えど、毎回成績はほぼ主席だったのだから打倒だろう。」「上に色仕掛けでも使ったんじゃないか?」「女が竜騎士など有り得ない。」「女性にもあってしかるべき権利だ!」などなど、女性蔑視の声も混じったいろいろな賛否の声が上がったのだ。
だが、今まで女性の竜騎士は確かに存在しなかったのは事実であるが、候補がいなかった訳ではなかった。女性の候補は過去に実在したことはあった。ただ、竜騎士にはなれなかった。なぜか飛竜達は女性に対してかなり抵抗があったのだ。これは今現在も謎のままになっている。何度か女性の候補はいたものの、飛竜は何故か女性に近づこうとはせず、近づきたくないとばかりに、抵抗していたのだ。その事からいつしか女性を候補にすることはなくなり、男性のみの職業のように扱われていった。
そういった経緯から、女性であるセレスティアが『竜の御目通り』の候補メンバーになったことは実に数十年ぶりの事だったのだ。
そういった経緯を知っている輩からは、「どうせ今回も無理だろう。」「やるだけ時間の無駄だ。」「なれないとわかっている女子を候補するより、男子を候補にすべきだ!」などなど、閉鎖的な意見が飛び交うのも少なくなかった。
だが、そういった声はユージィンの鶴の一声で、黙らせることになった。
「ふ~ん、なら僕のイール前で同じことが言えるかい?」
「「「「「・・・・・」」」」」
イールは、竜騎士団の中の紅一点の飛竜だ。小柄ではあるものも、そのポテンシャルや性能は竜騎士団の中でも群を抜いてることは、数々の実績から疑う余地はない。イールはその実力から立場をユージィン共々、確固たるものにしていた。
ユージィンは、セレスティアが幼い頃は副団長であったが、現在は団長職に付いていた。ユージィンはセレスティアと約束した通り、『竜の御目通り』の試験を女性でも受けれるようにしてくれた。ただし、それはセレスティアが約束通り、成績では文句を付けられることのないよう、常に上位の成績を維持し続けた成果もあってのことだ。
セレスティアが受けた『竜の御目通り』では、11名の候補者がいた。主に候補は立候補や推薦枠である。セレスティアは立候補して、尚且つ承認されて候補メンバーとなっていた。
そして、試験とも試練とも言われている竜の御目通りは、実際は何かする訳ではない。
『竜の祭壇』に候補者が勢ぞろいし、決まった日時に降り立つ飛竜を待つ。
そして5匹(セレスティアの時は6匹いた。)の飛竜からのアクションをひたすら待つだけなのだ。
だが、その『竜の御目通り』での試験で、ひと悶着起きてしまったのだ。
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