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63:魔人の住処(アルバード)
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ここか・・・・
今俺達は、バランディアの端にある、トリスタンの住処に来ていた。
あれからすぐライル王子に、赤い目の男、魔人トリスタンについて話をした。王子は大変驚いていたが、翌日には、トリスタンを捕獲するために、俺とライザと王宮騎士団数名、あとは現地に助っ人を派遣してくれるとのことで、合流する手はずとなった。
ライザが道案内をすることになるので、シエラ嬢の護衛から離れることに不安はあったが、そこはこっそり護衛していたヤンが引き続き担ってくれるとのことだったので、不安は多少拭うことはできた。
「確かここだったわねぇ。」
「なんていうか・・・如何にもって感じだな。」
魔人トリスタンの住処は少し住宅街から外れた、鬱蒼とした木々に囲まれたところにあった。庭は雑草で伸び放題の状態で、その屋敷の壁は蔦に絡まれ手入れがされていないのは一目瞭然であった。それが怪しい雰囲気を醸し出していた。
「あらそう?庇うわけじゃないけど、私の所も似たようなものよ。」
「あー・・・言われてみればそうだったな。」
アルカディアにある、現在のライザの家は確かに蔦が絡みまくっていたな。
「あ、でも庭は違うわよ!私の庭は可愛い薬草で、ちゃんと育てているからね!」
あーうん、確かに庭は妙に整理されていたな。って可愛いってなんだ、可愛いって。
「ま、それはともかく、取り合えず、突撃するか?」
「あ、ちょっと待って、結界が張ってあるわ。」
家の周りには、見えない壁があった。つまりは結界な訳だけど、普通は解呪するんだけど、俺の場合は、
「だな。力ずくで壊そうかと思って。」
「やぁねぇ、アルトはすぐに力技にいくわね。この程度なら直ぐに解呪できるわよ。」
「ん、じゃ任せ・・・」
「終わったわよー」
言うが早いか、ライザは直ぐに結界を解除してた。うん、早すぎだわ!
後ろからは「おおぅ!さすが黒の魔女様!」とかの声が聞こえる。あーそういやこっちでは人気者って自分で言ってたの思い出したわ。
「じゃ行くわよー!」
結界を解呪するや否や、勇み立って家の中に入ろうとするライザなんだが・・・気のせいか、妙に張り切ってないか?
「ライザ、いやに乗り気じゃね?」
「あら、わかる?」
やはり図星だったようだ。
「あぁ。」
「だってぇ、あの男は嫌いだけどね、どんな研究していたのかは、気になるじゃない?あわよくば、素材も持って帰れそうだし♪」
あ、ライザが悪い顔になってる。なるほど、同業者みたいなものらしいからな。そういや呪いのオルゴールの時も嬉々としてやってたもんな。ライザはこういう奴だっていうのをちょっと忘れてたな。
「けど、不用心に入るなよ、罠があるかもしれないから。」
「あら、そうだったわね。私としたことがちょっと気が散漫になっていたわ。」
うん、トリスタンが俺達が、ここまで来ることを想定している可能性は充分考えられるからな。それを踏まえて罠を張っている可能性は充分にある。それに助っ人やらはまだ来ていないから、先に入った俺達に異変があれば気付いてもらえるだろう。
「あー悪いけど騎士団の人も家の物はあまり触らないでくれ。何が起こるかわからないから。」
「「「「「はっ!承知しました!」」」」」
そうして俺達は、トリスタンの家の中に入っていった。
今俺達は、バランディアの端にある、トリスタンの住処に来ていた。
あれからすぐライル王子に、赤い目の男、魔人トリスタンについて話をした。王子は大変驚いていたが、翌日には、トリスタンを捕獲するために、俺とライザと王宮騎士団数名、あとは現地に助っ人を派遣してくれるとのことで、合流する手はずとなった。
ライザが道案内をすることになるので、シエラ嬢の護衛から離れることに不安はあったが、そこはこっそり護衛していたヤンが引き続き担ってくれるとのことだったので、不安は多少拭うことはできた。
「確かここだったわねぇ。」
「なんていうか・・・如何にもって感じだな。」
魔人トリスタンの住処は少し住宅街から外れた、鬱蒼とした木々に囲まれたところにあった。庭は雑草で伸び放題の状態で、その屋敷の壁は蔦に絡まれ手入れがされていないのは一目瞭然であった。それが怪しい雰囲気を醸し出していた。
「あらそう?庇うわけじゃないけど、私の所も似たようなものよ。」
「あー・・・言われてみればそうだったな。」
アルカディアにある、現在のライザの家は確かに蔦が絡みまくっていたな。
「あ、でも庭は違うわよ!私の庭は可愛い薬草で、ちゃんと育てているからね!」
あーうん、確かに庭は妙に整理されていたな。って可愛いってなんだ、可愛いって。
「ま、それはともかく、取り合えず、突撃するか?」
「あ、ちょっと待って、結界が張ってあるわ。」
家の周りには、見えない壁があった。つまりは結界な訳だけど、普通は解呪するんだけど、俺の場合は、
「だな。力ずくで壊そうかと思って。」
「やぁねぇ、アルトはすぐに力技にいくわね。この程度なら直ぐに解呪できるわよ。」
「ん、じゃ任せ・・・」
「終わったわよー」
言うが早いか、ライザは直ぐに結界を解除してた。うん、早すぎだわ!
後ろからは「おおぅ!さすが黒の魔女様!」とかの声が聞こえる。あーそういやこっちでは人気者って自分で言ってたの思い出したわ。
「じゃ行くわよー!」
結界を解呪するや否や、勇み立って家の中に入ろうとするライザなんだが・・・気のせいか、妙に張り切ってないか?
「ライザ、いやに乗り気じゃね?」
「あら、わかる?」
やはり図星だったようだ。
「あぁ。」
「だってぇ、あの男は嫌いだけどね、どんな研究していたのかは、気になるじゃない?あわよくば、素材も持って帰れそうだし♪」
あ、ライザが悪い顔になってる。なるほど、同業者みたいなものらしいからな。そういや呪いのオルゴールの時も嬉々としてやってたもんな。ライザはこういう奴だっていうのをちょっと忘れてたな。
「けど、不用心に入るなよ、罠があるかもしれないから。」
「あら、そうだったわね。私としたことがちょっと気が散漫になっていたわ。」
うん、トリスタンが俺達が、ここまで来ることを想定している可能性は充分考えられるからな。それを踏まえて罠を張っている可能性は充分にある。それに助っ人やらはまだ来ていないから、先に入った俺達に異変があれば気付いてもらえるだろう。
「あー悪いけど騎士団の人も家の物はあまり触らないでくれ。何が起こるかわからないから。」
「「「「「はっ!承知しました!」」」」」
そうして俺達は、トリスタンの家の中に入っていった。
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