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59:それはあっという間でした。(シエラ)
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あの会議の終了後、そこからは、あったという間だった。
翌日には、イライザさんが魔法省で隷属魔法の解呪をするのと同時に、シュナイダー公爵が逃げないよう屋敷の周りを兵で包囲した上で、解呪後に直ぐに証言を得て、シュナイダー公爵は捕まることになった。
その際には、ライル王子が指揮をしていたそうで、ほぼアルバード一人で、屋敷の警備を突破、そしてシュナイダー公爵を捕まえたんだって。うん、その辺りは本人が、『最近身体鈍ってるからなー、ここは先陣切らせてもらおう!』って妙に張り切っていたけど、やっぱり魔法王国だしアルバードに何かあったらどうしようと心配してたんだけど・・・杞憂ですんでホント良かった。
ライル王子から聞いた話では『さすが、アルバード卿ですね、率先して活躍していただいたおかげで、こちらに犠牲者もでなくて、楽ができました。』と。
それに、シュナイダー公爵を見つけた時のアルバードは鬼人のようだったと。『アルバード卿がシュナイダー公爵を見つけた時は、殺しかねない勢いだったので、そこは焦りましたけどね。』と、ライル王子もその時は困った顔してた。・・・アルバードが私の事で怒ってくれたって聞いただけで、胸が熱くなった。顔に出てたみたいでライル王子には茶化されたけど。
そして、あの呪いの禁呪については、まだ謎が残っていた。というのも、シュナイダー公爵も、どこのモノなのかはわからないんだとか。ある人物から、それを受け取り、実行したと。・・・なので、この事件はまだ全部が片付いた訳ではなかった。
あと、ミランダ嬢は・・・親元の公爵がこのようになってしまった為、婚約はなかったことになるのだとか。まぁ可哀想だけど、当然といえば当然でしょうね。
あの会議終了後にミランダ嬢と少し立ち話をしたのだけど・・・ミランダ嬢は既に覚悟しているとのことで、御家取り潰しは勿論のこと、自分も知っていて黙っていたのだから、死刑は免れないだろうとミランダ嬢はもの悲しい様子でお話しされていた。
だけど、私はそれを聞いた時、恐らくライル王子はミランダ嬢を処刑するようなことはしないだろうと思っていた。情報を事前にリークしていたことを恐らく考慮してくれると思ったからだ。どういう判決になるかはまだわからないけど、きっと悪いようにはしないはず。・・・多分。
それと、シュナイダー公爵は公人だけでなく、いろいろと事業も展開していたから、その辺りについても滞ることがないように、ライル王子は後任の手配とかを根回ししてたんだって。これはよくわかる。だって、廻り回って国民の生活に支障をしかねないものね。
それを秘密裏に動いていたから、時間がかかった言ってた。まぁそうでしょうね。
なんとも、事件はあっけない終わり方をしたのだけど・・・それに謎が残っていることももまだあるしね・・・呪いの発信元とか、私の『祝福』のこととか。
そして・・・それでも私の呪いが解けることがなかったことも。
「何とも・・・あっけない終わりといいますか、いえまだ解決できていないこともありますけど、一気に事が動きましたねぇ。」
ユーナはそう言いながら、私のお茶を用意してくれていた。
「えぇ、本当に。だけど魔法省の人達は良かったわ。・・・隷属魔法で犠牲者をさらに増えることになったらどうしようかと思ったし。あの人たちも家族がいるでしょうしね。本当に解決してよかったわ。」
私は安堵の溜息をついた。私がやった訳ではないけど、やっぱり罪悪感があるものね。これ以上私のせいで、犠牲者を出すなど、本当に許せなかった。
「えぇ、それについてはよろしゅうございました。」
「ある程度整理ができたら、帰国ね。」
「そうですね。・・・・あの姫様?」
「ん、なあに?」
「何か、良からぬことを考えていません?」
「え?なんでそう思うの?」
「私は伊達に長いこと姫様に仕えておりませんよ。主人の様子の変化くらいわかりますよ!」
すごい!ユーナが有能すぎる!
「変なこととは思わないけど・・・考えてることはあるわね。」
「やっぱり!一体何なんですか?」
「ま、まぁそれは追々・・・」
「まぁ!私に言えないことなんですか?」
「えっと、そういう訳じゃないけど・・・でも今は言いたくないかな・・・。」
ユーナはじーーと私を見てる。うぅ~なんか気まずい・・・
「・・・わかりました。詮索の無理強いはやめましょう。」
あー良かった。これ以上追及されたら、言いそうになっちゃうところだったわ。
だけど、その後もユーナが私をじっと観察していることに私は気付いていなかった。
翌日には、イライザさんが魔法省で隷属魔法の解呪をするのと同時に、シュナイダー公爵が逃げないよう屋敷の周りを兵で包囲した上で、解呪後に直ぐに証言を得て、シュナイダー公爵は捕まることになった。
その際には、ライル王子が指揮をしていたそうで、ほぼアルバード一人で、屋敷の警備を突破、そしてシュナイダー公爵を捕まえたんだって。うん、その辺りは本人が、『最近身体鈍ってるからなー、ここは先陣切らせてもらおう!』って妙に張り切っていたけど、やっぱり魔法王国だしアルバードに何かあったらどうしようと心配してたんだけど・・・杞憂ですんでホント良かった。
ライル王子から聞いた話では『さすが、アルバード卿ですね、率先して活躍していただいたおかげで、こちらに犠牲者もでなくて、楽ができました。』と。
それに、シュナイダー公爵を見つけた時のアルバードは鬼人のようだったと。『アルバード卿がシュナイダー公爵を見つけた時は、殺しかねない勢いだったので、そこは焦りましたけどね。』と、ライル王子もその時は困った顔してた。・・・アルバードが私の事で怒ってくれたって聞いただけで、胸が熱くなった。顔に出てたみたいでライル王子には茶化されたけど。
そして、あの呪いの禁呪については、まだ謎が残っていた。というのも、シュナイダー公爵も、どこのモノなのかはわからないんだとか。ある人物から、それを受け取り、実行したと。・・・なので、この事件はまだ全部が片付いた訳ではなかった。
あと、ミランダ嬢は・・・親元の公爵がこのようになってしまった為、婚約はなかったことになるのだとか。まぁ可哀想だけど、当然といえば当然でしょうね。
あの会議終了後にミランダ嬢と少し立ち話をしたのだけど・・・ミランダ嬢は既に覚悟しているとのことで、御家取り潰しは勿論のこと、自分も知っていて黙っていたのだから、死刑は免れないだろうとミランダ嬢はもの悲しい様子でお話しされていた。
だけど、私はそれを聞いた時、恐らくライル王子はミランダ嬢を処刑するようなことはしないだろうと思っていた。情報を事前にリークしていたことを恐らく考慮してくれると思ったからだ。どういう判決になるかはまだわからないけど、きっと悪いようにはしないはず。・・・多分。
それと、シュナイダー公爵は公人だけでなく、いろいろと事業も展開していたから、その辺りについても滞ることがないように、ライル王子は後任の手配とかを根回ししてたんだって。これはよくわかる。だって、廻り回って国民の生活に支障をしかねないものね。
それを秘密裏に動いていたから、時間がかかった言ってた。まぁそうでしょうね。
なんとも、事件はあっけない終わり方をしたのだけど・・・それに謎が残っていることももまだあるしね・・・呪いの発信元とか、私の『祝福』のこととか。
そして・・・それでも私の呪いが解けることがなかったことも。
「何とも・・・あっけない終わりといいますか、いえまだ解決できていないこともありますけど、一気に事が動きましたねぇ。」
ユーナはそう言いながら、私のお茶を用意してくれていた。
「えぇ、本当に。だけど魔法省の人達は良かったわ。・・・隷属魔法で犠牲者をさらに増えることになったらどうしようかと思ったし。あの人たちも家族がいるでしょうしね。本当に解決してよかったわ。」
私は安堵の溜息をついた。私がやった訳ではないけど、やっぱり罪悪感があるものね。これ以上私のせいで、犠牲者を出すなど、本当に許せなかった。
「えぇ、それについてはよろしゅうございました。」
「ある程度整理ができたら、帰国ね。」
「そうですね。・・・・あの姫様?」
「ん、なあに?」
「何か、良からぬことを考えていません?」
「え?なんでそう思うの?」
「私は伊達に長いこと姫様に仕えておりませんよ。主人の様子の変化くらいわかりますよ!」
すごい!ユーナが有能すぎる!
「変なこととは思わないけど・・・考えてることはあるわね。」
「やっぱり!一体何なんですか?」
「ま、まぁそれは追々・・・」
「まぁ!私に言えないことなんですか?」
「えっと、そういう訳じゃないけど・・・でも今は言いたくないかな・・・。」
ユーナはじーーと私を見てる。うぅ~なんか気まずい・・・
「・・・わかりました。詮索の無理強いはやめましょう。」
あー良かった。これ以上追及されたら、言いそうになっちゃうところだったわ。
だけど、その後もユーナが私をじっと観察していることに私は気付いていなかった。
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