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57:犯人判明(シエラ)
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ライル王子は切り出した。
「シエラ王女・・・本当に申し訳ない。」
と、いきなり私に向かって頭を下げてきた。
「え?え?一体どうしてですか?」
「・・・他の皆様にも・・・本当に申し訳ない。実は僕は、今回のシエラ王女に呪いをかけた犯人を知っている。」
「「「「「!!!!」」」」」」
まさかの爆弾発言がでた!
「ば、馬鹿者!!それならば、何故もっと早くに言わん!早期にもっと解決できたものを!!」
バランドール王は憤慨している。そうなるわよね。でも・・・
「ライル王子、黙っていなければいけない事情があったのですね?」
「シエラ王女、その通りです。」
ライル王子は寂し気な笑顔で答えた。
「父上、いえ陛下、黙っていて、大変申し訳ありません。ですが、隷属魔法で魔法省の職員達が人質に捕られている状態だった故に、事を慎重に進める必要がありました。やっとあの忌まわしい隷属魔法が解呪できるという光明を見出すことができた今なら、全てお話しすることができます。」
皆静まりかえって、ライル王子の話に耳を傾けていた。
「・・・僕も犯人がわかったのは、直ぐという訳ではないのです。シエラ嬢が帰国をし、その後、彼女とミランダ嬢と婚約をした直後のことでした。ミランダ嬢の様子が何というか、情緒不安定といいますか、明かに何かに悩んでいるのが見ていてわかったのです。初めは、プライべードで何か嫌なことでもあったのかと思っていたのですが、どうにも釈然としなかったので、まずはミランダ嬢本人に何かあったのかと、聞いてみました。」
ミランダ嬢を見ると、彼女は泣きそうになりながらも、真正面に顔を向けて、覚悟を決めたような目をしていた。
「初めは、頑なに何でもないと言っていたのですが、僕は彼女の様子があまりに腑に落ちなかったので、彼女に尾行を付けることにしました。」
え!婚約者に尾行って!!皆が「え!」って顔してる、そらそうだよね。ってライル王子ってば顔に似合わず、手段は選ばないのね・・・
「ですが、それが功を奏することができました。その尾行した結果を元に、僕は彼女に詰め寄りました。そこでミランダ嬢は、観念して事の経緯を話してくれたのです。」
ミランダ嬢を見ると、目に涙をいっぱいに溜めていた。あぁ、そうか・・・だからなのね・・・
「シエラ王女に呪いをかけたのは、自分の父、シュナイダー公爵だということを。」
「「「「!!!!!」」」」
「なっ、なんということだ!!!」
バランドール王はかなりショックを受けていた。あの様子から多分仲は悪くはなかったのだろう。
「・・・僕もこれには驚きました。ですが、言われてみれば、シュナイダー公爵は魔力至上の過激派の筆頭でしたからね。あっけないほどに納得しましたよ。」
自分の父親が犯人だと知ってしまったから、ミランダ嬢の様子が打って変ってしまったのね。無理もないと思う・・・
「ほ、本当に申し訳ございません!父が・・・父がまさかあのような恐ろしい禁呪に手を出していたなんて!!」
ずっと泣くのを我慢していたミランダであったが、目に溢れた涙は、とうとうポロポロと目から零れていった。
「シエラ王女・・・本当に申し訳ない。」
と、いきなり私に向かって頭を下げてきた。
「え?え?一体どうしてですか?」
「・・・他の皆様にも・・・本当に申し訳ない。実は僕は、今回のシエラ王女に呪いをかけた犯人を知っている。」
「「「「「!!!!」」」」」」
まさかの爆弾発言がでた!
「ば、馬鹿者!!それならば、何故もっと早くに言わん!早期にもっと解決できたものを!!」
バランドール王は憤慨している。そうなるわよね。でも・・・
「ライル王子、黙っていなければいけない事情があったのですね?」
「シエラ王女、その通りです。」
ライル王子は寂し気な笑顔で答えた。
「父上、いえ陛下、黙っていて、大変申し訳ありません。ですが、隷属魔法で魔法省の職員達が人質に捕られている状態だった故に、事を慎重に進める必要がありました。やっとあの忌まわしい隷属魔法が解呪できるという光明を見出すことができた今なら、全てお話しすることができます。」
皆静まりかえって、ライル王子の話に耳を傾けていた。
「・・・僕も犯人がわかったのは、直ぐという訳ではないのです。シエラ嬢が帰国をし、その後、彼女とミランダ嬢と婚約をした直後のことでした。ミランダ嬢の様子が何というか、情緒不安定といいますか、明かに何かに悩んでいるのが見ていてわかったのです。初めは、プライべードで何か嫌なことでもあったのかと思っていたのですが、どうにも釈然としなかったので、まずはミランダ嬢本人に何かあったのかと、聞いてみました。」
ミランダ嬢を見ると、彼女は泣きそうになりながらも、真正面に顔を向けて、覚悟を決めたような目をしていた。
「初めは、頑なに何でもないと言っていたのですが、僕は彼女の様子があまりに腑に落ちなかったので、彼女に尾行を付けることにしました。」
え!婚約者に尾行って!!皆が「え!」って顔してる、そらそうだよね。ってライル王子ってば顔に似合わず、手段は選ばないのね・・・
「ですが、それが功を奏することができました。その尾行した結果を元に、僕は彼女に詰め寄りました。そこでミランダ嬢は、観念して事の経緯を話してくれたのです。」
ミランダ嬢を見ると、目に涙をいっぱいに溜めていた。あぁ、そうか・・・だからなのね・・・
「シエラ王女に呪いをかけたのは、自分の父、シュナイダー公爵だということを。」
「「「「!!!!!」」」」
「なっ、なんということだ!!!」
バランドール王はかなりショックを受けていた。あの様子から多分仲は悪くはなかったのだろう。
「・・・僕もこれには驚きました。ですが、言われてみれば、シュナイダー公爵は魔力至上の過激派の筆頭でしたからね。あっけないほどに納得しましたよ。」
自分の父親が犯人だと知ってしまったから、ミランダ嬢の様子が打って変ってしまったのね。無理もないと思う・・・
「ほ、本当に申し訳ございません!父が・・・父がまさかあのような恐ろしい禁呪に手を出していたなんて!!」
ずっと泣くのを我慢していたミランダであったが、目に溢れた涙は、とうとうポロポロと目から零れていった。
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