54 / 100
54:お幸せに(シエラ)
しおりを挟む
えーと、私は一体何を見せられているのかしら?
アルバードがヴァイオレットさんの様子を見に別室に行ったと思ったら、すぐに帰ってきたのよね。で、しばし待てっていうことだから、待っていたら・・・
ヴァイオレットさんとキースさんは戻ってきて、開口一番、私達に謝罪をしてくれたのよ。
先ほどは取り乱し、失礼な態度を取ってしまったと。
うん、ここまでは良かったのね。なんだけど・・・その後のこれは何??アルバードのところで何か話していたみたいだけど・・・
ヴァイオレットさんとキースさんの様子が変なのよ。
さっきと打って変って・・・・平たくいうと、言葉は悪いんだけど、なんだかイチャイチャし始めて・・・・・
まさしく、バカップル?
さっき、アルバードに告白してたよね?その変わり身は、一体何があったのか?
・・・うん、何となくは察したのよ。この二人幼馴染らしいからね。
まぁいいか、私としても、聖女がライバルってやりづらいなーって思ってたから。うん、結果オーライでいいや!
と、シエラはこれらを頭の中で整理していた。
「まぁまぁ、どうなったのかはよくわかりませんけど、いい形で収まった感じですわね。」
ユーナも同じこと思ったみたい。
「そうね。何にしても憂いがなくなったのは良かったわ。」
ただでさえ、幼児で不利なのに、聖女が相手とかマジで勘弁だしね!
「さて、目的は達成したし、お暇させていただこうかしら?」
そう思ったところへ、ヴァイオレットさんから声がかかった。
「あの・・・シエラ殿下、少しお話してもいいですか?」
「?ええ、構いませんわ。」
何事もだろうと思ったんだけど、ヴァイオレットさんは真剣な顔をして、
「今は、イライザさんがあれこれ解呪をしていると伺っています。もし、私の力が必要でしたら、必ず駆け付けますので、その時はどうかお声がけください。」
思ってもみなかった内容だったので、正直ビックリした。
「こちらとしては、大変有難い申し出だけど・・・失礼ですけど、どういった心境で?」
すると、恥ずかしそうにして、私とユーナしか聞こえないくらの小声で話し始めた。
「正直に言いますと・・・今回の事がなければ、私はキースの思いに気付かないままでした。キースは幼い頃から一緒でしたので、本当に弟という目でしか見ていなかったので・・・その・・・初めて男性として意識する機会を得られまして・・・改めてよくキースを見たら・・・その、かっこいいというか・・えと・・・」
惚気かい!
ヴァイオレットさんはモジモジと最後の方は恥ずかしかったのかよく聞き取れなかった。
そっとキースさんに目線を映してみたんだけど、確かにスペックはいいと思う。(スペック云々で人のこと言うのは失礼なのかもだけど。)アルバード程ではなくとも、高身長だし、体格もアルバードほどじゃないけど、いいと思うし、黒髪の精悍な顔つきのアルバードとは違って金髪で甘いマスク、うん、彼も周りの女子がほっとかない感じよね。
シエラに自覚はなかったが、無意識にいい男の基準は全部アルバードになっていた!
こうしてみれば、本当に普通の女の子だもんね。いいなぁ私もアルバードといつかこういう関係になればなな。・・・うん私はきっと羨ましいのね。
「アルバードは・・・わかってはいたんですけど、あくまで妹みたいにしか思われていませんでした。私もキースの事はついさっきまで、弟のように見ていましたから、人のことはことは言えないんですけどね。」
そういった彼女は、少し反省しているようだった。うん、長い事好きだったみたいだし無理もないか。でも今はキースさんが傍にいるから、きっと大丈夫ね!
「そうだったのね・・・。もし、ヴァイオレットさんの力が必要になった時は是非力を貸していただけると嬉しいわ。キース卿と仲良くね!」
「は、はい!必ずキースと共に駆け付けますので!」
ヴァイオレットさんは真っ赤になりつつも、花が咲くような美しい笑顔で頷いた。
まぁ何にせよ、聖女と守護者の力をご助力いただけるなんて、越したことはないからね!ふふふふふっ!
扇で隠したその顔は、シエラは黒い笑顔になっていた!
こうして、『特別依頼』のパーティの皆さん&ヤンギルド長とお別れをし、ギルドを後にしたんだけど、アルバードが言うには、バジリスクをカインさんのところに持って行かないといけないということで、寄り道することにした。
・・・生まれて初めて魔獣を見たんだけど、あまりに大きいし、顔は怖いし(もろ爬虫類!)・・・てかアルバードよくこんな大きいの持っていけるのね?って思っていたら、実は魔法で浮かしてるらしい。(実はアルバードが魔法を使ってるのも初めて見た!)引きずれないことはないそうだけど、そうすると皮が傷んでしまうからって・・・納得だわ!
私達が到着したら、カインさんは笑顔で迎えてくれて、ユーナはやはりお店と洞窟が直結している不思議でキレイな洞窟に、私と同じように感激していた。
そして、ユーナは今回バランディアでは初めてだったので、いろいろお店に寄ったりして、繁華街を堪能してきた。
シエラの部屋にて(客室)______
「姫様、今日は私も楽しゅうございました。まさか、あの状況でカップルができるとは思いませんでしたけどね。(笑)」
「えぇ、本当に(笑) でもいつか聖女ヴァイオレット・・・いえヴァイオレットさんとはお仕事ではないところで、恋バナを聞かせてほしいものだわ。」
・・・ホントにお幸せにね。
これは紛れもない、シエラの本心であった。
アルバードがヴァイオレットさんの様子を見に別室に行ったと思ったら、すぐに帰ってきたのよね。で、しばし待てっていうことだから、待っていたら・・・
ヴァイオレットさんとキースさんは戻ってきて、開口一番、私達に謝罪をしてくれたのよ。
先ほどは取り乱し、失礼な態度を取ってしまったと。
うん、ここまでは良かったのね。なんだけど・・・その後のこれは何??アルバードのところで何か話していたみたいだけど・・・
ヴァイオレットさんとキースさんの様子が変なのよ。
さっきと打って変って・・・・平たくいうと、言葉は悪いんだけど、なんだかイチャイチャし始めて・・・・・
まさしく、バカップル?
さっき、アルバードに告白してたよね?その変わり身は、一体何があったのか?
・・・うん、何となくは察したのよ。この二人幼馴染らしいからね。
まぁいいか、私としても、聖女がライバルってやりづらいなーって思ってたから。うん、結果オーライでいいや!
と、シエラはこれらを頭の中で整理していた。
「まぁまぁ、どうなったのかはよくわかりませんけど、いい形で収まった感じですわね。」
ユーナも同じこと思ったみたい。
「そうね。何にしても憂いがなくなったのは良かったわ。」
ただでさえ、幼児で不利なのに、聖女が相手とかマジで勘弁だしね!
「さて、目的は達成したし、お暇させていただこうかしら?」
そう思ったところへ、ヴァイオレットさんから声がかかった。
「あの・・・シエラ殿下、少しお話してもいいですか?」
「?ええ、構いませんわ。」
何事もだろうと思ったんだけど、ヴァイオレットさんは真剣な顔をして、
「今は、イライザさんがあれこれ解呪をしていると伺っています。もし、私の力が必要でしたら、必ず駆け付けますので、その時はどうかお声がけください。」
思ってもみなかった内容だったので、正直ビックリした。
「こちらとしては、大変有難い申し出だけど・・・失礼ですけど、どういった心境で?」
すると、恥ずかしそうにして、私とユーナしか聞こえないくらの小声で話し始めた。
「正直に言いますと・・・今回の事がなければ、私はキースの思いに気付かないままでした。キースは幼い頃から一緒でしたので、本当に弟という目でしか見ていなかったので・・・その・・・初めて男性として意識する機会を得られまして・・・改めてよくキースを見たら・・・その、かっこいいというか・・えと・・・」
惚気かい!
ヴァイオレットさんはモジモジと最後の方は恥ずかしかったのかよく聞き取れなかった。
そっとキースさんに目線を映してみたんだけど、確かにスペックはいいと思う。(スペック云々で人のこと言うのは失礼なのかもだけど。)アルバード程ではなくとも、高身長だし、体格もアルバードほどじゃないけど、いいと思うし、黒髪の精悍な顔つきのアルバードとは違って金髪で甘いマスク、うん、彼も周りの女子がほっとかない感じよね。
シエラに自覚はなかったが、無意識にいい男の基準は全部アルバードになっていた!
こうしてみれば、本当に普通の女の子だもんね。いいなぁ私もアルバードといつかこういう関係になればなな。・・・うん私はきっと羨ましいのね。
「アルバードは・・・わかってはいたんですけど、あくまで妹みたいにしか思われていませんでした。私もキースの事はついさっきまで、弟のように見ていましたから、人のことはことは言えないんですけどね。」
そういった彼女は、少し反省しているようだった。うん、長い事好きだったみたいだし無理もないか。でも今はキースさんが傍にいるから、きっと大丈夫ね!
「そうだったのね・・・。もし、ヴァイオレットさんの力が必要になった時は是非力を貸していただけると嬉しいわ。キース卿と仲良くね!」
「は、はい!必ずキースと共に駆け付けますので!」
ヴァイオレットさんは真っ赤になりつつも、花が咲くような美しい笑顔で頷いた。
まぁ何にせよ、聖女と守護者の力をご助力いただけるなんて、越したことはないからね!ふふふふふっ!
扇で隠したその顔は、シエラは黒い笑顔になっていた!
こうして、『特別依頼』のパーティの皆さん&ヤンギルド長とお別れをし、ギルドを後にしたんだけど、アルバードが言うには、バジリスクをカインさんのところに持って行かないといけないということで、寄り道することにした。
・・・生まれて初めて魔獣を見たんだけど、あまりに大きいし、顔は怖いし(もろ爬虫類!)・・・てかアルバードよくこんな大きいの持っていけるのね?って思っていたら、実は魔法で浮かしてるらしい。(実はアルバードが魔法を使ってるのも初めて見た!)引きずれないことはないそうだけど、そうすると皮が傷んでしまうからって・・・納得だわ!
私達が到着したら、カインさんは笑顔で迎えてくれて、ユーナはやはりお店と洞窟が直結している不思議でキレイな洞窟に、私と同じように感激していた。
そして、ユーナは今回バランディアでは初めてだったので、いろいろお店に寄ったりして、繁華街を堪能してきた。
シエラの部屋にて(客室)______
「姫様、今日は私も楽しゅうございました。まさか、あの状況でカップルができるとは思いませんでしたけどね。(笑)」
「えぇ、本当に(笑) でもいつか聖女ヴァイオレット・・・いえヴァイオレットさんとはお仕事ではないところで、恋バナを聞かせてほしいものだわ。」
・・・ホントにお幸せにね。
これは紛れもない、シエラの本心であった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
57
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる